1HDN8月2日「パッケージニュース」No.3
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脂肪冷却による痩身術のリスクは予想以上に高い

脂肪を凍結して除去する冷却脂肪融解術(cryolipolysis)は、傷跡を残さず非侵襲的に脂肪を減らせる痩身治療法として人気だが、そのリスクは予想以上に高いかもしれない―。米マイアミ形成外科のMichael Kelly氏らが自施設のデータを調べたところ、約138人中1人が施術後に脂肪の塊ができる奇異性脂肪過形成(paradoxical adipose hyperplasia)を経験していたという。報告の詳細は「Plastic and Reconstructive Surgery」7月号に掲載された。

冷却脂肪融解術は脂肪を冷却し、凍結する装置(製品名:CoolSculpting)を用いた痩身治療法の一つだ。この治療法は、腹部など脂肪が気になる部位に装置を当てて皮下の脂肪細胞を冷却、凍結して破壊することで脂肪を排出するもので、非侵襲的な治療法として注目されている。

しかし、この治療法には奇異性脂肪過形成のリスクを伴うことが報告されている。奇異性脂肪過形成とは、脂肪が蓄積して塊になるもので、痛みは伴わないが見た目にも脂肪の塊があることが分かるという。これを取り除くためには脂肪吸引術などの侵襲的な施術が必要になるが、CoolSculptingの製造企業は、その発生率は治療4,000回当たり1回程度で極めて低いと報告していた。

ところが、Kelly氏らが自施設のデータを調べた結果、3年間に実施されたCoolSculptingによる冷却脂肪融解術2,073件のうち15件で、治療後に奇異性脂肪過形成が起こっていたことが分かった。その発生率は0.72%で、治療を受けた患者の約138人中1人が経験していたという。この発生率は製造企業の報告データよりも高いことから、同氏らは「奇異性脂肪過形成はまれではあるが、これまでに報告されていたデータよりも発生率は高い可能性がある」と指摘している。

奇異性脂肪過形成は脂肪吸引術などで取り除けるが、この治療は脂肪の塊が柔らかくなるのを待ってから行わないと再発する恐れがあるという。そのため、Kelly氏らは「患者は通常、脂肪の塊が柔らかくなるまでの数カ月間、外見が損なわれた状態で過ごさなくてはならない。また、合併症に対する侵襲的な治療を受けざる得なくなるため、患者は精神的にも落ち込んでしまうことが多い」と説明している。さらに、患者によっては複数回の脂肪吸引術を必要とする場合もあるため、その可能性についても事前に患者に知らせておくべきだとしている。

さらに、Kelly氏らが今回、他施設から紹介された患者5人を含む奇異性脂肪過形成の患者11人のデータを調べたところ、このうち7人には手術が行われ、脂肪吸引術に加えて腹壁形成術が実施された患者も1人いたことが分かった。また、治療費は装置の製造企業が負担することになっていたにもかかわらず、2人は奇異性脂肪過形成に対する治療を拒否した。

なお、HealthDay はCoolSculptingの製造企業に対してKelly氏らの報告に関するコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。(HealthDay News 2018年7月20日)

https://consumer.healthday.com/cosmetic-information-8/cosmetic-surgery-news-157/fat-freeze-complication-may-be-more-common-than-thought-735901.html

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