1HDN8月6日「パッケージニュース」No.1
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米国で心房細動による救急受診が急増

米国では、2007年から2014年にかけて心房細動患者の救急外来受診が急増していることが、新たな研究で示された。この救急受診の増加に伴い、心房細動による入院患者数も増えており、これらは米国の医療費を押し上げる大きな要因となっていることが明らかになった。詳細は「Journal of the American Heart Association」7月20日号に掲載された。

心房細動は一般的によくみられる不整脈で、しばしば脳卒中や心不全を引き起こす。推計によれば、米国では少なくとも270万人が、多くとも610万人が心房細動を抱えて日常生活を送っているとされる。今回の研究では、全米の救急受診患者のデータベースを用いて、重み付け手法により2007~2014年における計388万6,520件の救急受診のデータを収集し、心房細動による受診率などを分析した。対象とした救急受診者の約5分の2を75歳以上の高齢者が占めており、男女の比率は女性の方がやや高かった。

解析の結果、心房細動による救急外来の受診件数は、2007年の41万1,406件から2014年には53万7,801件となり、期間中に30.7%増加したことが分かった。同様に、心房細動による入院件数は28万8,225件から33万3,570件へと15.7%増加していた。

また、心房細動による入院患者にかかる年間医療費の総額は、2007年の73億9000万ドル(約8300億円)から2014年には101億ドル(約1兆1000億円)へと37%増大しており、心房細動による救急受診の増加は公衆衛生上だけでなく、社会経済的にも大きな負担となっていることが明らかになった。

著者の一人である米ハーバード大学医学部内科教授のJeremy Ruskin氏は「心房細動で入院する患者がこれほどまでに増えている理由や、入院ではなく外来で治療できるのかどうかについては、今後明らかにする必要がある」と話している。同氏によれば、合併症がなく病状が安定している心房細動患者に対しては、救急受診後でも外来で治療する方法はあるが、うっ血性心不全などの合併症があり、病状が不安定な患者に対しては入院治療が必要になるという。

また、心房細動で救急受診する患者の多くは、高血圧やうっ血性心不全、糖尿病、腎臓病などの慢性疾患を抱えており、Ruskin氏は「こうした患者は入院するリスクがより高まる」と強調している。さらに、今回の研究では、米国の心房細動による入院率は、カナダや欧州の約2倍に上ることも明らかになった。「これまで米国内外での経験から、救急受診した心房細動患者の多くは薬物治療を適切に行えば、外来で管理できることも分かってきている」と、同氏は指摘している。

こうした結果を受け、米ミネソタ大学医学部内科准教授のLin Yee Chen氏は、心房細動患者が増加した理由の一つに、社会の高齢化による影響を指摘している。同氏は「心不全に対しては、入院に至る前から早期に介入して外来で治療を続ける取り組みがなされているが、心房細動に対しても同様な介入により救急受診を抑えるように努める必要があるだろう」と話している。(American Heart Association 2018年7月20日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/atrial-fibrillation-959/aha-er-visits-hospitalizations-for-afib-on-the-rise-736016.html

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