2HDN糖尿病ニュース8月9日配信2

慢性腎臓病患者の9割が食事指導を受けていない、米調査

適切な食事療法は慢性腎臓病(CKD)の進展を遅らせる効果があるが、米国では、透析療法の開始に至っていないCKD患者の9割が管理栄養士による食事指導を受けていないことが、米ロヨラ大学などの新たな研究で示唆された。詳細は「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」7月31日オンライン版に掲載された。

米国では、成人人口の約15%にあたる3000万人がCKD患者と推計されている。肥満の増加や高齢化が進む中、CKDの有病率は今後20年間増加し続け、米国では65歳以上の半数近くが生涯のうちにCKDを発症すると考えられている。メディケア(高齢者および障害者向けの公的医療保険)の透析患者に関わる医療費は年間で330億ドル(約3兆6700億円)に上り、透析に至っていないCKDに関わる医療費も脳卒中やがんを上回るとされている。

今回の研究によれば、CKD患者の多くは管理栄養士ではなく、医師や看護師から食事指導を受けていた。しかし、その指導内容は減塩やたんぱく質の制限といった限られた情報しか伝えられていなかったという。研究を行った同大学公衆衛生学部准教授のHolly Kramer氏は「ほとんどの患者は、CKDを管理し進展を抑制するためには食生活の改善が重要であることを知らされていない」と話している。

米国腎臓財団と米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)は、CKDの管理において食事療法を重視しており、患者は病期(ステージ)にかかわらず食事療法を受けることを推奨している。食事療法では、管理栄養士が患者それぞれの食生活を評価し、個別に治療計画を立てて、患者への教育を行う。減塩やカロリー制限を基本とした食生活の改善で血糖や血圧を管理し、CKDの進展を抑えることで透析療法の開始や腎移植に至るのを防ぐことができる。

Kramer氏らは、CKD患者の一部しか食事指導を受けていない理由として、医師が食事療法は医療保険でカバーされていないと誤解して患者に推奨していなかったり、食事療法の重要性を理解していないことなどを挙げている。その他にも、CKD患者の食事指導のスキルがある管理栄養士が不足していることも理由として挙げられ、特にメディケアの加入者は食事療法を受けにくい状況にあるという。

これらを踏まえ、Kramer氏らは「CKD患者数の増加に伴って患者の負担や医療コストが増大する中、早急な対応が求められている。CKDの進展を抑えるためには、まず、食事療法を幅広い保険プランに組み入れるべきではないか」と述べている。(HealthDay News 2018年8月1日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/misc-kidney-problem-news-432/too-many-kidney-disease-patients-in-the-dark-about-diet-736270.html

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