2HDN糖尿病ニュース8月9日配信1
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米国で末期腎不全患者の下肢切断率が低下

米国では2000年から2014年にかけて、透析療法を受ける末期腎不全(ESRD)患者の下肢切断率が大きく低下していることが、米スタンフォード大学腎臓病学のTara Chang氏らの検討で分かった。同期間中には、下肢切断に至ったESRD患者の死亡率も低下していたが、術後1年の死亡率は依然として高いことも明らかになった。研究の詳細は「JAMA Internal Medicine」7月9日オンライン版に掲載された。

Chang氏らは今回、2000~2014年に、全米で血液透析または腹膜透析を行っていたESRD患者登録から370万902件のデータを収集し、下肢切断率と死亡率の推移を調べた。その結果、下肢切断率は同期間中に51%低下しており、これには100人年当たりの大切断率(膝上または膝下の部位で切断すること)が2000年の5.4件から2014年には2.7件へと低下したことが大きく影響していた。また、下肢切断術から1年後の死亡率についても、2000年の52.2%から2013年には43.6%へと低下していることが明らかになった。

さらに、糖尿病を合併しているESRD患者では、糖尿病のない患者に比べて下肢切断率は5倍に上っていた。下肢切断率は65歳以上の高齢者に比べて65歳未満の人で高く、女性に比べて男性で高かった。なお、下肢切断率は全米50州のどの州でも低下していたが、米国西部や中西部に比べて南部や北東部では高い傾向がみられた。

これらの結果から、Chang氏は「透析療法中のESRD患者における下肢切断率は、ここ数年で低下しているとはいえ、腎機能が正常な人に比べてはるかに高い。また、下肢切断に至った患者のほぼ半数は術後1年以内に死亡していることにも注意が必要だ」と強調している。

腎不全患者は末梢動脈疾患(PAD)を合併するリスクが高く、末梢動脈が狭まって血流不足となり、重症になると下肢を切断せざるを得なくなる。Chang氏は「腎不全患者でPADリスクが高まる理由は明らかではないが、腎不全患者によくみられる糖尿病や高血圧などの他の疾患や、炎症や血管の石灰化、尿毒症といった腎不全患者特有のリスク因子が関連している可能性がある」と指摘している。

また、こうした患者の下肢切断率が低下した理由は不明だが、Chang氏は、腎不全患者の血糖や血圧、コレステロールなどの管理全体が向上したことや、診察時に足病変を重視するようになったことなど、さまざまな要因が関連しているのではとの見方を示している。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院腎臓内科のMaria DeVita氏は「この結果は、心血管リスクと同時にPADの管理や診断も向上したことを反映したものだ。PADと早期に診断され、血管形成術が行われるようになったことでリスクが高いバイパス手術は減ってきている」と指摘している。ただし、下肢切断に至った腎不全患者の生存率を改善するには、まだ道のりは長いと付け加えている。(HealthDay News 2018年7月31日)

https://consumer.healthday.com/disabilities-information-11/amputation-news-720/fewer-dialysis-patients-facing-leg-amputations-736296.html

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