1HDN8月9日「パッケージニュース」No.1

検査キットの郵送で大腸がん検診の受診率が向上

大腸がんの早期発見には便潜血検査などによる検診を受診し、適切なフォローアップを受ける必要があるが、その受診率は十分に高いとはいえない。今回、米ノースカロライナ大学包括的がんセンターのAlison Brenner氏らがメディケイド(低所得者向け公的医療保険)加入者を対象に行った新たな研究から、がん検診の案内書だけでなく便潜血検査キットも同送すると、案内書だけを郵送した場合に比べて検診受診率が向上することが示唆された。詳細は「Cancer」7月13日オンライン版に掲載された。

Brenner氏によると、大腸がんは予防できる疾患として、行政レベルで受診率向上を目指したさまざまな対策が進められている。しかし、米国での検診受診率は63%程度にとどまっており、中でも低所得者層など社会的に弱い立場にいる人では低い傾向にあるという。また、同氏らは、医療保険加入者の中でもメディケイド加入者の受診率は特に低いことを報告している。

今回の研究は、ノースカロライナ州のメディケイド加入者のうち、大腸がん検診を受けていない成人2,144人を対象としたもの。参加者をがん検診の案内書と一緒に免疫学的便潜血検査(fecal immunochemical testing;FIT)キットを郵送する群(1,071人)と案内書だけを郵送する群(1,073人)にランダムに割り付けて、検診受診率を比較検討した。前者のうち便を採取して返送した参加者には検査結果が通知され、結果が陽性だった場合には、後日、大腸内視鏡検査が案内されるようになっている。

その結果、検査キットを受け取った群では21.1%が便潜血検査を受けたのに対し、案内書だけを受け取った群では12.3%に過ぎなかった。また、郵送された便潜血検査を受けた参加者のうち18人に異常がみられ、このうち15人が大腸内視鏡検査が必要と判定された。実際に10人が大腸内視鏡検査を受け、1人に異常(大腸がん)が認められたという。

こうした結果について、Brenner氏は「同州のメディケイド加入者の多くは障害を抱えていることからも、大腸がん検診などの検査をできる限り簡便に、継続的に受けられる環境を整備することはきわめて重要だ。検査を受けるのに多少の障壁があっても、実際には目の前に検査キットがあれば検査を行うようになるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年7月31日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/colon-cancer-news-96/to-boost-colon-cancer-screening-use-the-mail-735913.html

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