2HDN糖尿病ニュース8月16日配信1
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たった2週間の運動不足で高齢者の糖尿病リスク増

2型糖尿病リスクが高い高齢者は、運動不足の状態がたった2週間続いただけでも糖尿病に進行しやすいことが、マックマスター大学(カナダ)運動生理学のChris McGlory氏らの研究から示唆された。詳細は「The Journals of Gerontology」7月9日号に掲載された。

McGlory氏らは、糖尿病発症の前段階である糖尿病前症の高齢者を対象に、運動不足の状態で2週間過ごしてもらい、血糖コントロールや筋肉を構成するタンパク質の合成への影響について調べる研究を行った。

対象は、過体重で糖尿病前症の高齢者22人(平均年齢69歳、男性12人)。対象者にはまず、普段の運動量で7日間過ごしてもらった後に、14日間にわたり1日の歩数を1,000歩未満として運動を控えてもらい、その後の14日間は回復期間として普段通りの運動量に戻してもらった。対象者の1日の歩数は、試験開始前の平均7,362歩から運動制限時には991歩まで減少し、その後、回復期間には7,117歩にまで戻っていた。

その結果、運動を制限した期間中には、対象者のインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上昇していることが分かった。また、運動を制限すると筋タンパク質の合成量が減ることも明らかになった。さらに、一部の高齢者では、普段通りの運動量に戻してもインスリンの効きや血糖値、筋タンパク質の合成量は元の状態に回復しなかった。

論文の筆頭著者であるMcGlory氏は、今回対象とした高齢者では運動不足により糖尿病リスクは高まるものと予測していたが、「普段通りの運動量に戻しても血糖コントロールなどの健康状態が回復しないという結果には驚いた」と話している。

今回の結果は、高齢者が病気や怪我で入院して長期間、安静が必要になると健康に問題が生じやすくなることを示唆している。論文の共著者の一人で同大学運動生理学部教授のStuart Phillips氏は「この結果は、長期にわたり安静に過ごさねばならなかった人は年齢にかかわらず、血糖コントロールを回復させるためにも普段よりも身体を動かす必要があることを示している」とコメントしている。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では人口の約9%に当たる3000万人以上が糖尿病であり、8400万人は糖尿病予備群だと推定されている。McGlory氏は今回の結果を踏まえて、「糖尿病予備群の高齢者が2型糖尿病に進行するのを防ぐためには、運動を含めたリハビリテーションや食生活の是正が重要であり、場合によっては薬物治療を行うことが必要になるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年8月6日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/demographic-diabetes-news-177/just-2-weeks-inactivity-can-trigger-diabetes-in-at-risk-seniors-study-736337.html

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