1HDN8月20日「パッケージニュース」No.1
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下痢で10人に1人が死を思いつめた経験、過敏性腸症候群の患者調査

下痢に苦しむ過敏性腸症候群(IBS)患者の10人に1人は、苦しさのあまり死にたいとまで思いつめていることが、ヨーテボリ大学(スウェーデン)の研究チームが実施したオンライン調査から明らかになった。7カ国のIBS患者と医師を対象としたこの調査から、IBSを抱える患者は身体面だけでなく精神面の負担が極めて大きいと感じていることが浮き彫りになったほか、IBSという疾患に対する認識に医師とずれがあると考えていることも分かった。詳細は「UEG Journal」7月9日オンライン版に掲載された。

世界では、成人人口の約11%がIBSに罹患していると推計されている。IBSでは腹痛を伴う下痢や便秘といった症状が現れるが、患者の約3分の1は下痢と腹痛を繰り返す下痢型のIBSに分類されるという。

研究チームはまず、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペインおよび英国の下痢型のIBS患者513人(平均年齢40.9歳、女性が70%)を対象に、IBSに関するオンライン調査を実施した。その結果、IBS患者の4人に1人(25%)が「IBSのせいで生活を楽しめない」と回答し、10人に1人(11%)が「症状が重いときには死にたいと思う」と回答していた。患者の37%は、いつ、どこでIBS症状が現れるかを常に気にしており、20%は仕事に支障を来していると回答していた。

最も苦痛に感じる症状は「急な下痢」(27%)だった。患者は月に平均18日間は疲労感や無気力感を抱いていた。また、ほぼ半数(49%)は症状を予防するためなら治療を毎日、生涯にわたって続けてもよいと回答しており、46%は症状を改善するためなら「何でも試したい」と答えていた。

さらに、患者の3分の1(32%)は、医師がIBSを深刻な疾患だと考えていないと感じていた。一方で、679人の医師を対象に実施した調査では、3分の2(70%)は患者自身へのサポートが重要だと回答し、73%はIBS治療においてQOL(生活の質)の改善を重視していた。

調査を実施した同大学消化器病学准教授のHans Törnblom氏は「IBSは難治性で複雑な疾患であり、IBSを持病とする患者は精神的にも身体的にもつらい状況にある。そのため、IBSの治療には症状の緩和といった身体的側面だけでなく、心理面や精神面をサポートすることが重要になる」と話している。

米レノックス・ヒル病院で炎症性腸疾患プログラムのディレクターを務めるArun Swaminath氏は専門家の立場から、「下痢が重症にもかかわらず、対象患者の39%が消化器専門医の診察を受けたことがないという結果は予想外だった。対象患者の40%以上が大腸内視鏡検査を受けたことがないと回答した理由もこれで説明がつく」と話している。

このような結果を受けて、Törnblom氏は「IBS患者の多くは医師の診察を受けていない上に、治療を受けていてもその治療法に強い不満を抱いている点に注意する必要がある」と指摘している。その上で、「IBSの治療は難しく、複雑であることは医療従事者も理解している。今回の結果は、医師と患者のコミュニケーションを向上させることが、患者の転帰を改善するのに不可欠であることを示している」と述べている。(HealthDay News 2018年8月8日)

https://consumer.healthday.com/gastrointestinal-information-15/diarrhea-health-news-186/severe-diarrhea-can-send-ibs-patients-over-the-edge-736531.html

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