1HDN8月20日「パッケージニュース」No.2
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喘息の未就学児の親は治療の備えが不十分、米調査

喘息の未就学児を持つ親のうち、自宅での治療に備えているのは約半数に過ぎないことが、新たな調査から明らかになった。論文著者の一人である米ジョンズ・ホプキンス大学医学部准教授のMichelle Eakin氏は「喘息発作時にきちんと対応できないことは救急受診の増加につながる可能性が高い」と懸念を示している。研究の詳細は「Pediatrics」8月7日オンライン版に掲載された。

米国では、喘息は子どもに最もよくみられる慢性疾患の一つとされている。喘息の子どもの割合は黒人の16%に対し、白人では7%であり、喘息は子どもの医療格差の主な要因にもなっている。喘息になると特に夜間に咳の発作が起こったり、喘鳴や息切れ、胸が締め付けられるような症状が生じ、重症になると命に関わることもある。喘息の治療薬には発作を和らげる薬と、吸入ステロイド薬などの長期にわたって症状を管理する薬の2種類がある。

今回の研究は、米ボルチモアの未就学児を対象とした教育プログラムと共同で、地方都市に住む世帯収入が低い家庭を対象に実施したもの。2~6歳(平均4歳)の子ども288人の保護者を対象に、喘息治療に関する対面調査を自宅で2時間かけて行った。92%の家庭がアフリカ系米国人で、子どもの約3分の2にコントロール不良の喘息があった。また、保護者のほとんど(92%)は子どもの親で、40%は高等学校を卒業しておらず、3分の1は大学に通ったことがあるか大学を卒業していた。

Eakin氏らの研究チームは、子どもの保護者に、喘息の治療薬について、「すぐに使用できる(手の届く場所にある)」「使用期限が切れていない」「残量を示すカウンター表示がある」「発作治療薬または長期管理薬のどちらかを知っている」「薬の使い方を知っている」という5つの質問項目を尋ね、治療の備えが十分かどうかを調べた。

その結果、対象とした子どものうち277人(96%)は発作治療薬を使用していたが、自宅に薬があったのは79%で、5つの基準を全て満たしていた保護者は60%であることが分かった。また、長期管理薬を必要とした161人の子どもについても、自宅に薬があったのは79%で、5つの基準を全て満たしていた保護者は49%にとどまっていた。

Eakin氏は、ほとんどの子どもは州の医療保険に加入していたことから、「今回の結果に医療費の問題が影響した可能性は低く、喘息に関する教育不足が主な原因ではないか」と指摘している。専門家の一人で米セントジョン病院アレルギー・免疫科部長のJennifer Appleyard氏は「この問題は地方都市のアフリカ系米国人の家庭に限ったものではなく、あらゆる年齢層の喘息の子どもを持つ家庭に当てはまるものだ」と強調し、患者やその家族が疾患自体やその管理法を理解すれば遵守率は向上するが、そのためには時間と医療資源の投入が必要だと付け加えている。(HealthDay News 2018年8月8日)

https://consumer.healthday.com/respiratory-and-allergy-information-2/asthma-news-47/preschoolers-parents-may-be-unprepared-to-treat-asthma-736528.html

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