1HDN8月23日「パッケージニュース」No.4
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「食卓の上にスマホ」で食事の楽しみが減る?

食事中もスマートフォン(スマホ)を手放せないという人は少なくない。しかし、スマホを食卓の上に置いたままだと、家族や友人との食事の時間を十分に楽しめないことが、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のRyan Dwyer氏らの研究で明らかになった。この研究結果は米国心理学会(APA 2018、8月9~12日、米サンフランシスコ)で発表された。同学会ではこのほか、自己中心的で自己愛的な人と比べて、思いやりのある人はFacebookなどのソーシャルメディアの使用時間が短かったとする研究結果も発表された。

Dwyer氏らはまず、300人以上の成人男女を対象に、(1)携帯電話を着信音またはバイブレーションが鳴る設定でテーブルの上に置く、または(2)携帯電話をマナーモード設定で入れ物に入れて置く―のいずれかにランダムに割り付け、レストランで友人または家族と一緒に食事を取る実験を行った。食事の後に質問紙調査を行い、会話や食事を楽しんだか、また注意力や退屈さの程度、携帯電話の使用頻度などについて調べた。その結果、携帯電話が鳴る状態でテーブルに置いていた群では、食事中に携帯電話を使用する頻度が高かったほか、注意力が散漫で食事の時間を楽しんでいないことが分かった。

さらにDwyer氏らは、米バージニア大学の学生120人を対象に、1週間にわたって1日5回、調査を実施した。調査ではそれまでの15分間、何をしていたか、またどのような気分だったかを尋ねた。その結果、誰かと対面で交流しているときに携帯電話を使用すると、使用しなかった場合と比べて気が散りやすくなることが明らかになった。また、携帯電話の使用中は目の前にいる人との交流により得られる喜びが感じられにくくなり、交流への興味も薄れやすくなることも分かった。

同学会ではこのほか、自己愛(ナルシシズム)とソーシャルメディアとの関係について調べた米インディアナ大学のSara Konrath氏らによる研究の結果も発表された。この研究では、既報の4件の研究に参加した計1,200人以上のデータを分析した。これらの研究では、自己愛や共感力、情動知能(emotional intelligence)などを既存のツールで評価していたほか、FacebookやTwitter、Instagramといったソーシャルメディアをチェックする頻度や投稿する頻度などについても尋ねていた。

その結果、共感力が高い人では、他者に対する優しさや思いやりに乏しい人よりもTwitterを使用する頻度が低かった。また、他者の感情を理解したり自分の感情をコントロールできない人は、それらができる人よりもソーシャルメディアを使用する頻度が高かった。これらの結果を踏まえ、Konrath氏は「自分や他者の情動を受け入れにくい人は、対面よりもオンライン上の方が居心地良く感じるのかもしれない」と考察している。

一方、専門家の一人で米ミシガン大学コミュニケーション学教授のScott Campbell氏は「共感力とは何か、またその評価法については、専門家の間でも意見が分かれている」と指摘し、Konrath氏らの研究結果は慎重に解釈すべきだとの見解を示している。また、「われわれの研究ではメールやメッセージ、電話の使用時間が長い人ほど対面で交流する時間も長いことが分かっている。そのため、対面での交流は時間よりも質が重要だ」と話している。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年8月10日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/cellphone-health-news-729/dining-out-with-smartphones-isn-t-appetizing-736630.html

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