1HDN9月10日「パッケージニュース」No.4
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心肺蘇生時にラリンゲルチューブ使用で救命率が向上か

心停止状態となった患者の心肺蘇生で、気道確保に使用する呼吸チューブをプラスチック製のものからラリンゲル(喉頭)チューブに変えると生存率が改善する可能性があることが、米テキサス大学健康科学センター救急医学のHenry Wang氏らが実施した研究で示唆された。米国立心肺血液研究所(NHLBI)の助成を受けて実施されたこの研究の詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」8月28日オンライン版に掲載された。

米国では年間で約40万件以上の院外心停止例が報告されている。その90%以上が病院に到着する前あるいは到着して間もなく死亡する。これまで、救急医療サービス(EMS)のスタッフによる標準的な心肺蘇生では、プラスチック製のチューブを気管に挿入して気道を確保する気管内挿管が行われてきた。しかし、近年ではラリンゲルチューブといった新しいデバイスも普及してきている。

Wang氏らは今回、米国内の5つの主要都市で院外心停止となった成人3,000人の生存率を調べた。このうち約半数には気道確保にラリンゲルチューブが使用され、残る半数には従来法である気管内挿管が行われていた。

その結果、ラリンゲルチューブを使用した群では病院到着から3日後までの生存率は18.3%で、生存して退院できた患者の割合は10.8%だった。それに対し、従来の気管内挿管を行った群ではそれぞれ15.4%、8.1%であることが分かった。また、ラリンゲルチューブを使用した群では脳機能が良好に維持された状態で生存できる確率が気管内挿管群と比べて高いことも明らかになった。

以上の結果から、心肺蘇生時にラリンゲルチューブを用いることで、より簡便な方法で気道を確保し、生存率を改善できる可能性が示された。Wang氏は「院外でのストレスフルで厳しい状況下では病院と同じ方法で気管内挿管を行うのは極めて難しく、医療ミスにつながる危険性もはらんでいる」と指摘する。

一方、共同研究者でNHLBI循環器部門のGeorge Sopko氏は、NHLBIのプレスリリースで、「心肺蘇生時に適切に気道を確保することは院外心停止患者の生存に極めて重要だが、最適なデバイスはどれなのかという疑問は以前からあった」と説明する。その上で、「今回の研究では、心肺蘇生の初期段階で適切に気道確保を行うだけで、年間1万人以上の命を救うことができる可能性が示された」と話している。(HealthDay News 2018年8月29日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-attack-news-357/newer-breathing-tube-might-save-more-cardiac-arrest-patients-737151.html

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