2HDN糖尿病ニュース9月13日配信1
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血中アルドステロン高値で2型糖尿病リスク増

2型糖尿病と高血圧が併存する患者は多いが、血圧調節に重要な役割を果たすホルモンであるアルドステロンが、これらの疾患を関連づけている可能性のあることが新たな研究で示された。血中のアルドステロン値が高い人は2型糖尿病になりやすく、これらの関連には人種差がみられたという。詳細は「Journal of the American Heart Association」9月4日号に掲載された。

アルドステロンは副腎皮質ホルモンの一種で、腎臓でのナトリウムの再吸収を促進して体内のナトリウム量を維持する作用を持つ。アルドステロンが過剰に分泌されると体内にナトリウムと水分が貯め込まれるため、高血圧の発症につながることが知られている。

米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのJoshua Joseph氏らは今回、米国の大規模なコホート研究であるMESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)研究に参加した成人1,570人を対象に、血中アルドステロン値と2型糖尿病との関連について調べた。対象者の人種は非ヒスパニック系の白人や中国系米国人、黒人、ヒスパニック系米国人など多岐にわたっていた。

10.5年以上の追跡期間中に116人が2型糖尿病を発症した。対象者を血中アルドステロン値で三分位に分けて比較したところ、アルドステロンの血中濃度が最も高い群は、最も低い群に比べて2型糖尿病を発症するリスクは2倍以上であることが分かった。また、これらの関連には人種差がみられ、血中アルドステロン値が高い黒人ではリスクは3倍であり、中国系米国人では10倍に上ることが明らかになった。

2型糖尿病の主な原因には、インスリンの働きが低下するインスリン抵抗性と膵β細胞からのインスリン分泌不全が挙げられる。Joseph氏によると、これまでの研究でアルドステロンは骨格筋などのインスリン抵抗性や膵β細胞からのインスリン分泌の低下を引き起こすことが示されているという。そのため、同氏は「2型糖尿病では、アルドステロンの影響でインスリンが正常に働かなくなる可能性が考えられる」と話している。また、これらの関連に人種差がみられた理由は明らかではないが、同氏は遺伝要因や食塩感受性の違いによるものではとの見方を示している。

一方、専門家の一人で米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、今回の結果はアルドステロンが2型糖尿病の発症に重要な役割を果たすことを証明するものではないとした上で、「われわれの経験上、高血圧や心不全の治療に用いられる抗アルドステロン薬のスピロノラクトンを用いても、インスリン抵抗性は改善しないことが分かっている。アルドステロンが2型糖尿病の発症に何らかの作用と及ぼすとしても、それは限定的なものではないか」とコメントしている。

Joseph氏らも今回の研究結果を臨床応用するのは時期尚早だとしているが、健康的な生活習慣でもアルドステロン値は下げられると話している。なお、同氏らの研究チームは、アルドステロンと2型糖尿病の関連をさらに検討するための臨床試験を計画中で、既に米国立衛生研究所(NIH)から助成金を得ているという。(HealthDay News 2018年9月4日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/new-hormonal-link-suspected-in-type-2-diabetes-737413.html

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