精製されていない全粒穀物の摂取量が多いほど、2型糖尿病の発症リスクは低減する可能性があることが、デンマークがん学会研究センターのCecilie Kyrø氏らの研究から示唆された。1日1サービング(一食当たりの標準摂取量)の全粒穀物(16g)を摂取すると、男女ともに2型糖尿病予防に有効な可能性があるという。研究の詳細は「The Journal of Nutrition」9月号に発表された。全粒穀物の摂取は2型糖尿病リスクの低減と関連する可能性が指摘されているが、全粒穀物の種類で効果に差はあるのか、またその適切な摂取量については明らかにされていなかった。Kyrø氏らは今回、デンマークの50~65歳の男女5万5,465人を対象に、食物摂取頻度質問票を用いて全粒穀物の1日当たりの摂取量とその種類を評価し、2型糖尿病の発症リスクとの関連を検討した。.中央値で15年間の追跡期間中に7,417人が2型糖尿病と診断された。解析の結果、1日1サービングの全粒穀物(16g)を摂取するごとに、2型糖尿病リスクは男性では11%、女性では7%低くなることが明らかとなった。.全粒穀物の種類別にみると、男性では小麦とライ麦、オート麦の全てが2型糖尿病リスクの低減と関連したのに対し、女性では小麦とオート麦のみがリスク低減と関連していた。しかし、こうした結果についてKyrø氏は、女性では糖尿病発症率が低いことが解析結果に影響した可能性があると指摘している。.これらの結果を踏まえ、Kyrø氏は「全粒穀物が2型糖尿病予防に重要な役割を果たす可能性が示された。2型糖尿病を予防するには、精製された穀物ではなく全粒穀物の摂取が推奨されるだろう」と述べている。.今回の研究は観察研究であるため、因果関係は明らかになっていないが、全粒穀物が糖尿病予防に有効とされる理由について、専門家の一人で管理栄養士のSamantha Heller氏は「全粒穀物は食物繊維やビタミン、ミネラル、たんぱく質、植物性栄養素を多く含んでいる。また、食物繊維はインスリン抵抗性を改善し、食後血糖値の急上昇や炎症を抑制することが分かっている。これらが2型糖尿病に対して有益な予防効果をもたらしている可能性がある」と話している。.Kyrø氏によると、1サービングの全粒穀物食品には16gの全粒穀物が含まれており、これは全粒粉パン約1枚分に相当するという。また、Heller氏は「米国の栄養ガイドラインでは1日に全粒穀物を3~4サービング摂取することが推奨されているが、これは座りがちな生活の人を対象としたものであるため、活動的な人であればより多く摂取する必要がある」と指摘している。(HealthDay News 2018年9月10日).https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/want-to-avoid-type-2-diabetes-eat-more-whole-grains-737582.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.
精製されていない全粒穀物の摂取量が多いほど、2型糖尿病の発症リスクは低減する可能性があることが、デンマークがん学会研究センターのCecilie Kyrø氏らの研究から示唆された。1日1サービング(一食当たりの標準摂取量)の全粒穀物(16g)を摂取すると、男女ともに2型糖尿病予防に有効な可能性があるという。研究の詳細は「The Journal of Nutrition」9月号に発表された。全粒穀物の摂取は2型糖尿病リスクの低減と関連する可能性が指摘されているが、全粒穀物の種類で効果に差はあるのか、またその適切な摂取量については明らかにされていなかった。Kyrø氏らは今回、デンマークの50~65歳の男女5万5,465人を対象に、食物摂取頻度質問票を用いて全粒穀物の1日当たりの摂取量とその種類を評価し、2型糖尿病の発症リスクとの関連を検討した。.中央値で15年間の追跡期間中に7,417人が2型糖尿病と診断された。解析の結果、1日1サービングの全粒穀物(16g)を摂取するごとに、2型糖尿病リスクは男性では11%、女性では7%低くなることが明らかとなった。.全粒穀物の種類別にみると、男性では小麦とライ麦、オート麦の全てが2型糖尿病リスクの低減と関連したのに対し、女性では小麦とオート麦のみがリスク低減と関連していた。しかし、こうした結果についてKyrø氏は、女性では糖尿病発症率が低いことが解析結果に影響した可能性があると指摘している。.これらの結果を踏まえ、Kyrø氏は「全粒穀物が2型糖尿病予防に重要な役割を果たす可能性が示された。2型糖尿病を予防するには、精製された穀物ではなく全粒穀物の摂取が推奨されるだろう」と述べている。.今回の研究は観察研究であるため、因果関係は明らかになっていないが、全粒穀物が糖尿病予防に有効とされる理由について、専門家の一人で管理栄養士のSamantha Heller氏は「全粒穀物は食物繊維やビタミン、ミネラル、たんぱく質、植物性栄養素を多く含んでいる。また、食物繊維はインスリン抵抗性を改善し、食後血糖値の急上昇や炎症を抑制することが分かっている。これらが2型糖尿病に対して有益な予防効果をもたらしている可能性がある」と話している。.Kyrø氏によると、1サービングの全粒穀物食品には16gの全粒穀物が含まれており、これは全粒粉パン約1枚分に相当するという。また、Heller氏は「米国の栄養ガイドラインでは1日に全粒穀物を3~4サービング摂取することが推奨されているが、これは座りがちな生活の人を対象としたものであるため、活動的な人であればより多く摂取する必要がある」と指摘している。(HealthDay News 2018年9月10日).https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/want-to-avoid-type-2-diabetes-eat-more-whole-grains-737582.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.