米国では成人だけでなく子どもの肥満人口が急増しており、その一因として糖分を加えた清涼飲料の過剰摂取が挙げられている。しかし、2013~2016年には、米国の2~19歳の幼児から若者が摂取した飲料のほぼ半分を「水」が占めており、水と牛乳を合わせると全体の3分の2に上ることが、米疾病対策センター(CDC)の調査で分かった。調査に関する報告書はCDC発行の「NCHS Data Brief」9月号に掲載された。CDC国立健康統計センター(NCHS)のKirsten Herrick氏らは今回、2013~2016年の米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用い、2~19歳の幼児から若者における飲料の摂取状況を調べた。その結果、飲料の総摂取量の43.7%を水が占めており、牛乳(21.5%)、炭酸飲料などの清涼飲料(19.9%)、果汁100%ジュース(7.3%)が続いた。また、子どもの成長に伴って牛乳と果汁100%ジュースが占める割合は低下したが、水と清涼飲料の割合は上昇した。.さらに、摂取する飲料の種類の割合には人種間や男女で差がみられた。例えば、アジア系では飲料の総摂取量の55.4%を水が占め、白人(46.0%)や黒人(37.6%)、ヒスパニック系(40.4%)を上回った。一方、清涼飲料の割合は黒人が30.4%と最も多く、ヒスパニック系(21.5%)、白人(17.5%)、アジア系(8.8%)が続いた。男児は女児に比べてやや牛乳の摂取量が多く、水の摂取量は少なかった。.専門家の一人で米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターの臨床栄養士であるSamantha Heller氏は、こうした人種差は驚くべきものではないとしている。2013年の米イェール大学による研究では、黒人の子どもや若者がテレビで加糖飲料の広告を目にする頻度は、白人の2倍であったことが報告されているという。.米国では、この10年で炭酸飲料などの加糖飲料の摂取量は減少していることが既に報告されている。Heller氏は「子どもや若者の肥満の原因とされる加糖飲料の摂取量が減り、水の摂取量が増えていることは喜ばしいニュースだ」と話す。また、同氏は、健康的な食生活を送るには飲み物も健康によいものを選ぶべきであるが、果汁100%飲料の取り過ぎには注意する必要があると助言している。.また、Herrick氏も「摂取する飲料の種類よって総カロリーやビタミン、ミネラルなどの栄養素の摂取量が変わってくるため、これらの選択は食事の質を高めるのに非常に重要になる」と強調している。(HealthDay News 2018年9月13日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/water-consumption-health-news-701/more-water-mom-h2o-is-top-kids-beverage-in-u-s-737657.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.
米国では成人だけでなく子どもの肥満人口が急増しており、その一因として糖分を加えた清涼飲料の過剰摂取が挙げられている。しかし、2013~2016年には、米国の2~19歳の幼児から若者が摂取した飲料のほぼ半分を「水」が占めており、水と牛乳を合わせると全体の3分の2に上ることが、米疾病対策センター(CDC)の調査で分かった。調査に関する報告書はCDC発行の「NCHS Data Brief」9月号に掲載された。CDC国立健康統計センター(NCHS)のKirsten Herrick氏らは今回、2013~2016年の米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用い、2~19歳の幼児から若者における飲料の摂取状況を調べた。その結果、飲料の総摂取量の43.7%を水が占めており、牛乳(21.5%)、炭酸飲料などの清涼飲料(19.9%)、果汁100%ジュース(7.3%)が続いた。また、子どもの成長に伴って牛乳と果汁100%ジュースが占める割合は低下したが、水と清涼飲料の割合は上昇した。.さらに、摂取する飲料の種類の割合には人種間や男女で差がみられた。例えば、アジア系では飲料の総摂取量の55.4%を水が占め、白人(46.0%)や黒人(37.6%)、ヒスパニック系(40.4%)を上回った。一方、清涼飲料の割合は黒人が30.4%と最も多く、ヒスパニック系(21.5%)、白人(17.5%)、アジア系(8.8%)が続いた。男児は女児に比べてやや牛乳の摂取量が多く、水の摂取量は少なかった。.専門家の一人で米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターの臨床栄養士であるSamantha Heller氏は、こうした人種差は驚くべきものではないとしている。2013年の米イェール大学による研究では、黒人の子どもや若者がテレビで加糖飲料の広告を目にする頻度は、白人の2倍であったことが報告されているという。.米国では、この10年で炭酸飲料などの加糖飲料の摂取量は減少していることが既に報告されている。Heller氏は「子どもや若者の肥満の原因とされる加糖飲料の摂取量が減り、水の摂取量が増えていることは喜ばしいニュースだ」と話す。また、同氏は、健康的な食生活を送るには飲み物も健康によいものを選ぶべきであるが、果汁100%飲料の取り過ぎには注意する必要があると助言している。.また、Herrick氏も「摂取する飲料の種類よって総カロリーやビタミン、ミネラルなどの栄養素の摂取量が変わってくるため、これらの選択は食事の質を高めるのに非常に重要になる」と強調している。(HealthDay News 2018年9月13日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/water-consumption-health-news-701/more-water-mom-h2o-is-top-kids-beverage-in-u-s-737657.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.