昨年の冬(2017/18)のインフルエンザシーズンにインフルエンザによって命を落とした米国民は8万人と推定され、過去40年で最も死者数の多いシーズンとなったことを米国の公衆衛生当局が9月27日に明らかにした。昨シーズンには特に病原性が高い亜型であるH3N2インフルエンザウイルスが米国全土で猛威をふるい、米疾病対策センター(CDC)のデータでは死亡者数や入院者数が史上最多となった。米公衆衛生局のJerome Adams氏は「昨年はインフルエンザワクチンの接種率が低下し、インフルエンザに感染しやすい状態の人が多かったことも事態を悪化させた」と説明した。.Adams氏ら公衆衛生局の関係者らは27日の記者会見で、自分や家族をインフルエンザ感染から守るために毎年ワクチンを接種するよう、米国民に対して強く呼びかけた。.CDCのスポークスパーソンであるKristen Nordlund氏がCNNに語ったところによると、昨シーズンのインフルエンザやその合併症による死亡者数は8万人と推定されており、CDCが統計を取り始めた1976年以降で最も多かった。なお、それまでは5万6,000人が死亡した2012/13シーズンが最悪だったが、同シーズンも主に流行したのはH3N2インフルエンザウイルスだった。.CDCの推計では、2017/18シーズンにはインフルエンザによる小児の死亡者数も180人と2012/13シーズンの171人を上回った。Adams氏によると、死亡した小児の大多数はワクチンを接種していなかったという。.また、昨シーズンはインフルエンザによる入院者数も90万人と史上最多を記録し、病人で溢れかえった病院の様子がメディアでも報じられた。さらに、全ての年齢層で重症度の高さが記録された初めてのシーズンとなった。.しかし、インフルエンザによる打撃を受けたにもかかわらず、米国におけるワクチン接種率は2年前の59%から昨シーズンには57.9%と1.1ポイント低下した。特に感染弱者であり、感染すると周囲にも感染が広がりやすい特定の年齢層で接種率が低下したことは状況を悪化させた。例えば、生後6カ月~4歳の乳幼児で接種率の低下がみられたが、「これらの年齢層の子どもは、それまで健康であったとしても病気になると重篤な合併症を発症しやすい」とAdams氏は指摘した。.米シアトル小児病院の医師で、二児の母親でもあるWendy Sue Swanson氏も「低年齢児が感染すると、免疫系の働きが低下した祖父母などの家族間や学校で感染が拡大する可能性もある」と説明する。.昨シーズンは妊婦のワクチン接種率も低下したが、米マサチューセッツ総合病院のLaura Elizabeth Riley氏は「妊婦は免疫が低下しているためインフルエンザに感染しやすい。また、妊娠中に高熱が続くと子どもに先天異常が起こる可能性が高まることが分かっている」と指摘する。Adams氏も、「6カ月未満の子どもにワクチンは接種できないが、妊婦がワクチンを接種すると胎児にも抗体が移行するため出生後に感染から守ることができる」と話し、妊婦に対しても積極的な接種を呼びかけた。(HealthDay News 2018年9月27日).https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/with-80-000-flu-deaths-last-season-experts-urge-vaccination-738102.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.
昨年の冬(2017/18)のインフルエンザシーズンにインフルエンザによって命を落とした米国民は8万人と推定され、過去40年で最も死者数の多いシーズンとなったことを米国の公衆衛生当局が9月27日に明らかにした。昨シーズンには特に病原性が高い亜型であるH3N2インフルエンザウイルスが米国全土で猛威をふるい、米疾病対策センター(CDC)のデータでは死亡者数や入院者数が史上最多となった。米公衆衛生局のJerome Adams氏は「昨年はインフルエンザワクチンの接種率が低下し、インフルエンザに感染しやすい状態の人が多かったことも事態を悪化させた」と説明した。.Adams氏ら公衆衛生局の関係者らは27日の記者会見で、自分や家族をインフルエンザ感染から守るために毎年ワクチンを接種するよう、米国民に対して強く呼びかけた。.CDCのスポークスパーソンであるKristen Nordlund氏がCNNに語ったところによると、昨シーズンのインフルエンザやその合併症による死亡者数は8万人と推定されており、CDCが統計を取り始めた1976年以降で最も多かった。なお、それまでは5万6,000人が死亡した2012/13シーズンが最悪だったが、同シーズンも主に流行したのはH3N2インフルエンザウイルスだった。.CDCの推計では、2017/18シーズンにはインフルエンザによる小児の死亡者数も180人と2012/13シーズンの171人を上回った。Adams氏によると、死亡した小児の大多数はワクチンを接種していなかったという。.また、昨シーズンはインフルエンザによる入院者数も90万人と史上最多を記録し、病人で溢れかえった病院の様子がメディアでも報じられた。さらに、全ての年齢層で重症度の高さが記録された初めてのシーズンとなった。.しかし、インフルエンザによる打撃を受けたにもかかわらず、米国におけるワクチン接種率は2年前の59%から昨シーズンには57.9%と1.1ポイント低下した。特に感染弱者であり、感染すると周囲にも感染が広がりやすい特定の年齢層で接種率が低下したことは状況を悪化させた。例えば、生後6カ月~4歳の乳幼児で接種率の低下がみられたが、「これらの年齢層の子どもは、それまで健康であったとしても病気になると重篤な合併症を発症しやすい」とAdams氏は指摘した。.米シアトル小児病院の医師で、二児の母親でもあるWendy Sue Swanson氏も「低年齢児が感染すると、免疫系の働きが低下した祖父母などの家族間や学校で感染が拡大する可能性もある」と説明する。.昨シーズンは妊婦のワクチン接種率も低下したが、米マサチューセッツ総合病院のLaura Elizabeth Riley氏は「妊婦は免疫が低下しているためインフルエンザに感染しやすい。また、妊娠中に高熱が続くと子どもに先天異常が起こる可能性が高まることが分かっている」と指摘する。Adams氏も、「6カ月未満の子どもにワクチンは接種できないが、妊婦がワクチンを接種すると胎児にも抗体が移行するため出生後に感染から守ることができる」と話し、妊婦に対しても積極的な接種を呼びかけた。(HealthDay News 2018年9月27日).https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/with-80-000-flu-deaths-last-season-experts-urge-vaccination-738102.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.