米国の50~64歳の男女約1,000人を対象とした米ミシガン大学の研究グループによる調査から、遺伝子検査を受けたことがある人の割合はわずかだが、受けることに興味がある人は多いことが明らかになった。この調査では、大多数が自分の先祖や健康上のリスクに興味はあるものの、加齢黄斑変性やアルツハイマー病、パーキンソン病といった進行性の疾患の遺伝的リスクが高いことが明らかになってしまうことを恐れ、検査を受けるのに慎重になっていることも分かったという。.今回の調査の計画やデータ分析を担当した米ミシガン大学公衆衛生学部教授のScott Roberts氏は、同大学のプレスリリースで「一般成人を対象としたこれまでの調査結果を考慮すると、この年齢層は全般的に遺伝子検査のリスクに対するベネフィットをそれほど高く評価しているわけではないことが示された」と説明している。.50~64歳の男女993人を対象とした今回の調査では、回答者の14%に消費者向け遺伝子検査または医師のオーダーによる遺伝子検査を受けた経験があった。より詳しくみると、10人中1人以上に自らの意志で遺伝子検査を受けた経験があり、医師のオーダーによる遺伝子検査を受けた経験があったのは20人中1人だった。.また、回答者の半数以上が、どのような医療を受けるのかを決める際の指標とするために、遺伝子検査で自分の疾患リスクを明らかにし、先祖について知ることに興味を持っていることも分かった。さらに、70%が「アルツハイマー病リスクについて知っておいた方が良いかもしれない」と回答した。なお、研究グループは、遺伝子検査のメリットとして、自分の健康を守るためにアルツハイマー病治療薬の臨床試験に参加すべきかどうかを判断する一助となることを挙げている。.この調査を後援した全米退職者協会(AARP)研究部門のシニア・バイス・プレジデントであるAlison Bryant氏は「今後、遺伝子検査の質が向上し、高齢者の間でも利用が広がるに伴い、利用者にはそのベネフィットと限界について正確に理解してもらうことが課題となるだろう」と話している。.なお、調査では回答者の約10人中9人が遺伝子検査によって自分や自分の子ども、さらに孫の健康上のリスクが明らかになると考えていたことも分かった。しかし、約40%は家族の既往歴やリスク因子が分かっているのであれば遺伝子検査は不要と考えていた。.また、3分の2の回答者は、遺伝子検査がきっかけで健康に過度な不安を抱くようになるのではという懸念を示していた。研究グループは「自分の遺伝的ルーツが知りたいという目的だけで遺伝子検査を受けた結果、予想外の衰弱性疾患の遺伝的リスクに関する警告を受ける可能性はある」と指摘する。さらに、遺伝子検査の結果は100%正確ではないことを知っておく必要があるほか、医師の指示で検査を受けた場合には遺伝カウンセラーの助言を得られるが、自分で検査キットを購入した場合にはそのようなサービスは受けられないことを知っておくべきだと、研究グループは付け加えている。(HealthDay News 2018年10月2日).https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/genetics-news-334/many-americans-curious-but-wary-about-gene-testing-738122.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.
米国の50~64歳の男女約1,000人を対象とした米ミシガン大学の研究グループによる調査から、遺伝子検査を受けたことがある人の割合はわずかだが、受けることに興味がある人は多いことが明らかになった。この調査では、大多数が自分の先祖や健康上のリスクに興味はあるものの、加齢黄斑変性やアルツハイマー病、パーキンソン病といった進行性の疾患の遺伝的リスクが高いことが明らかになってしまうことを恐れ、検査を受けるのに慎重になっていることも分かったという。.今回の調査の計画やデータ分析を担当した米ミシガン大学公衆衛生学部教授のScott Roberts氏は、同大学のプレスリリースで「一般成人を対象としたこれまでの調査結果を考慮すると、この年齢層は全般的に遺伝子検査のリスクに対するベネフィットをそれほど高く評価しているわけではないことが示された」と説明している。.50~64歳の男女993人を対象とした今回の調査では、回答者の14%に消費者向け遺伝子検査または医師のオーダーによる遺伝子検査を受けた経験があった。より詳しくみると、10人中1人以上に自らの意志で遺伝子検査を受けた経験があり、医師のオーダーによる遺伝子検査を受けた経験があったのは20人中1人だった。.また、回答者の半数以上が、どのような医療を受けるのかを決める際の指標とするために、遺伝子検査で自分の疾患リスクを明らかにし、先祖について知ることに興味を持っていることも分かった。さらに、70%が「アルツハイマー病リスクについて知っておいた方が良いかもしれない」と回答した。なお、研究グループは、遺伝子検査のメリットとして、自分の健康を守るためにアルツハイマー病治療薬の臨床試験に参加すべきかどうかを判断する一助となることを挙げている。.この調査を後援した全米退職者協会(AARP)研究部門のシニア・バイス・プレジデントであるAlison Bryant氏は「今後、遺伝子検査の質が向上し、高齢者の間でも利用が広がるに伴い、利用者にはそのベネフィットと限界について正確に理解してもらうことが課題となるだろう」と話している。.なお、調査では回答者の約10人中9人が遺伝子検査によって自分や自分の子ども、さらに孫の健康上のリスクが明らかになると考えていたことも分かった。しかし、約40%は家族の既往歴やリスク因子が分かっているのであれば遺伝子検査は不要と考えていた。.また、3分の2の回答者は、遺伝子検査がきっかけで健康に過度な不安を抱くようになるのではという懸念を示していた。研究グループは「自分の遺伝的ルーツが知りたいという目的だけで遺伝子検査を受けた結果、予想外の衰弱性疾患の遺伝的リスクに関する警告を受ける可能性はある」と指摘する。さらに、遺伝子検査の結果は100%正確ではないことを知っておく必要があるほか、医師の指示で検査を受けた場合には遺伝カウンセラーの助言を得られるが、自分で検査キットを購入した場合にはそのようなサービスは受けられないことを知っておくべきだと、研究グループは付け加えている。(HealthDay News 2018年10月2日).https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/genetics-news-334/many-americans-curious-but-wary-about-gene-testing-738122.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.