ティーンエージャーの子どもを持つ親には懸念すべき新たな問題が浮上した。米フロリダ・アトランティック大学で犯罪学を専門とするSameer Hinduja氏らによる研究から、米国ではティーンエージャーの5%が"セクストーション(性的脅迫)"の標的となっていることが分かった。研究では、ティーンエージャーの約3%が他人に対してセクストーションの行為に及んだことがあることも明らかになった。詳細は「Sexual Abuse」9月28日オンライン版に発表された。セクストーションとは、sex(性的な)とextortion(脅迫)からの造語で、相手の性的な写真を入手し、性的関係や金銭を目的に同意なしに画像を拡散すると脅迫する行為を指す。セクストーションの事件で最も有名なのはカナダ人のアマンダ・トッドさんの例だ。オンラインで出会った見知らぬ男から言われてウェブカメラの前でシャツを脱いだ時、彼女はまだ12歳だった。.この人物は成人男性だったが、男はアマンダさんに、さらに性的な画像を送るように要求し、応じない場合は彼女の同級生に画像を拡散すると脅した。アマンダさんが要求を拒否したところ男は脅迫内容を実行に移した。その後、アマンダさんは転校したが、男はオンラインで彼女を追跡し、転校先の学校でも画像を拡散するなど執拗にアマンダさんを苦しめ続けた。その結果、アマンダさんは16歳の誕生日を迎える直前に命を絶った。.Hinduja氏は「子どもは間違いを犯すものだが、現代社会では小さな間違いが重大な結果を招き、心理的にも社会的にも長い間にわたって深刻な影響を与えることになる」と指摘する。また、「初めて恋に落ちた若者は、パートナーとの関係を永遠のものだと信じ込み、関係の破綻を招くようなことはしたくないと考えるようになる」と、セクストーションに巻き込まれるティーンエージャーの心理について説明している。.Hinduja氏らは今回、全米の12~17歳の中高生を代表するサンプルとされた5,500人以上の調査データを用いてセクストーション行為の実態について調べた。その結果、セクストーションの加害者または被害者となった経験があるのは女子よりも男子の方が多いことが分かった。また、非異性愛者のティーンエージャーはセクストーションの被害に遭う確率が2倍だった。さらに、セクストーションに巻き込まれる確率が最も高い年齢は15歳であることも明らかになった。.今回の研究結果で親にとって特に気がかりなのは、セクストーション行為の加害者と被害者が恋人関係や友人関係にある場合が多いことが示された点だ。Hinduja氏らによると、全く見知らぬ人からセクストーション行為の標的にされることはまれだという。そのため、同氏はティーンエージャーには、より慎重に人と付き合うように心掛けて欲しいと助言している。.一方、米アセンション・ヘルス心理学のJudy Malinowski氏は「性交や他者への攻撃といった行為は子どもたちに快感をもたらす脳内物質の放出を促す。これらの物質はドラッグを使用している時や、ギャンブルをしている時に放出される物質に似ており、その快感は常識を忘れさせてしまうほど強いものだ」と説明している。同氏は、セクストーション行為の被害に遭ったティーンエージャーには、親や信頼できる大人に相談するよう呼び掛けている。(HealthDay News 2018年10月29日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/children-and-teen-sex-news-605/many-teens-are-sextortion-targets-738698.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.
ティーンエージャーの子どもを持つ親には懸念すべき新たな問題が浮上した。米フロリダ・アトランティック大学で犯罪学を専門とするSameer Hinduja氏らによる研究から、米国ではティーンエージャーの5%が"セクストーション(性的脅迫)"の標的となっていることが分かった。研究では、ティーンエージャーの約3%が他人に対してセクストーションの行為に及んだことがあることも明らかになった。詳細は「Sexual Abuse」9月28日オンライン版に発表された。セクストーションとは、sex(性的な)とextortion(脅迫)からの造語で、相手の性的な写真を入手し、性的関係や金銭を目的に同意なしに画像を拡散すると脅迫する行為を指す。セクストーションの事件で最も有名なのはカナダ人のアマンダ・トッドさんの例だ。オンラインで出会った見知らぬ男から言われてウェブカメラの前でシャツを脱いだ時、彼女はまだ12歳だった。.この人物は成人男性だったが、男はアマンダさんに、さらに性的な画像を送るように要求し、応じない場合は彼女の同級生に画像を拡散すると脅した。アマンダさんが要求を拒否したところ男は脅迫内容を実行に移した。その後、アマンダさんは転校したが、男はオンラインで彼女を追跡し、転校先の学校でも画像を拡散するなど執拗にアマンダさんを苦しめ続けた。その結果、アマンダさんは16歳の誕生日を迎える直前に命を絶った。.Hinduja氏は「子どもは間違いを犯すものだが、現代社会では小さな間違いが重大な結果を招き、心理的にも社会的にも長い間にわたって深刻な影響を与えることになる」と指摘する。また、「初めて恋に落ちた若者は、パートナーとの関係を永遠のものだと信じ込み、関係の破綻を招くようなことはしたくないと考えるようになる」と、セクストーションに巻き込まれるティーンエージャーの心理について説明している。.Hinduja氏らは今回、全米の12~17歳の中高生を代表するサンプルとされた5,500人以上の調査データを用いてセクストーション行為の実態について調べた。その結果、セクストーションの加害者または被害者となった経験があるのは女子よりも男子の方が多いことが分かった。また、非異性愛者のティーンエージャーはセクストーションの被害に遭う確率が2倍だった。さらに、セクストーションに巻き込まれる確率が最も高い年齢は15歳であることも明らかになった。.今回の研究結果で親にとって特に気がかりなのは、セクストーション行為の加害者と被害者が恋人関係や友人関係にある場合が多いことが示された点だ。Hinduja氏らによると、全く見知らぬ人からセクストーション行為の標的にされることはまれだという。そのため、同氏はティーンエージャーには、より慎重に人と付き合うように心掛けて欲しいと助言している。.一方、米アセンション・ヘルス心理学のJudy Malinowski氏は「性交や他者への攻撃といった行為は子どもたちに快感をもたらす脳内物質の放出を促す。これらの物質はドラッグを使用している時や、ギャンブルをしている時に放出される物質に似ており、その快感は常識を忘れさせてしまうほど強いものだ」と説明している。同氏は、セクストーション行為の被害に遭ったティーンエージャーには、親や信頼できる大人に相談するよう呼び掛けている。(HealthDay News 2018年10月29日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/children-and-teen-sex-news-605/many-teens-are-sextortion-targets-738698.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.