簡単に作れるインスタントのスープは、特に子どもたちの間で人気の食品だ。しかし、米国では熱いインスタントスープなどが原因で熱傷(やけど)を負う小児が年間約1万人に上ることが、米エモリー大学小児救急医学のCourtney Allen氏らによる調査で明らかになった。熱湯が原因の熱傷で救急搬送された小児の10人中2人が、電子レンジで加熱するタイプのインスタントスープをこぼして熱傷を負っていたことも分かったという。この調査結果は米国小児科学会(AAP 2018、11月2~6日、米オーランド)で発表された。Allen氏らは今回、2006~2016年の全米傷害調査電子システム(U.S. National Electronic Injury Surveillance System)のデータを用い、4~12歳の小児を対象に、インスタントのスープや麺、カップに注いだスープ、インスタントスープを作る際の熱湯などによる熱傷の発生件数を調べた。.その結果、同年齢層の小児におけるインスタントのスープや麺に関連した熱傷の発生件数は、年間で9,500件を超えていた。熱傷患児の平均年齢は7歳で、その部位は体幹が最も多く約4割を占めていた。.Allen氏は「子どもを持つ親は、コンロの火よりも電子レンジの方が安全だと考えているのではないか」と推測する。しかし、電子レンジで加熱するタイプのインスタントスープやインスタント麺による熱傷はあまりにも高頻度に起こっており、「学齢期の子どもたちがこれらのインスタント食品を食べる際には、大人がそばで見守る必要がある」と注意を喚起している。.専門家の一人で米スタテン・アイランド大学病院熱傷センターのMichael Cooper氏も「インスタントのスープや麺で熱傷を負ったこの年齢層の患者を診る機会は多い」と話し、今回の調査結果は同氏の日常診療の経験を反映したものだとしている。ただ、こうした熱傷を負った子どものほとんどは救急外来で治療を受けた後、すぐに帰宅できていた。また、熱傷も2週間以内に治癒するケースが大半だったという。.Cooper氏の経験では、親が容器入りのスープを電子レンジで加熱して子どもに与えた後に、子どもが食べている間に容器をひっくり返して熱傷を負うというケースが多いという。そのため、同氏は加熱したスープや麺は、子どもが使い慣れている食器に移して与えることを勧めている。.ただし、Allen氏によると、今回用いたデータベースではインスタント食品を電子レンジで温めたのが子ども本人だったのか、親などの保護者だったのかは明らかではないという。また、同氏は、電子レンジから容器を取り出す際に熱さで手を滑らせ、熱湯をこぼしてしまうケースや、熱いスープを含んだインスタント麺が身体に貼りついて熱傷の原因となる可能性があることを指摘している。.また、Cooper氏は「今回の調査結果を踏まえ、子どもの保護者は、インスタントスープなどには熱傷リスクがあることを十分に理解しておくべきだ」と強調している。なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年11月2日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/burn-health-news-87/instant-soup-burns-send-almost-10-000-kids-to-ers-each-year-739201.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.
簡単に作れるインスタントのスープは、特に子どもたちの間で人気の食品だ。しかし、米国では熱いインスタントスープなどが原因で熱傷(やけど)を負う小児が年間約1万人に上ることが、米エモリー大学小児救急医学のCourtney Allen氏らによる調査で明らかになった。熱湯が原因の熱傷で救急搬送された小児の10人中2人が、電子レンジで加熱するタイプのインスタントスープをこぼして熱傷を負っていたことも分かったという。この調査結果は米国小児科学会(AAP 2018、11月2~6日、米オーランド)で発表された。Allen氏らは今回、2006~2016年の全米傷害調査電子システム(U.S. National Electronic Injury Surveillance System)のデータを用い、4~12歳の小児を対象に、インスタントのスープや麺、カップに注いだスープ、インスタントスープを作る際の熱湯などによる熱傷の発生件数を調べた。.その結果、同年齢層の小児におけるインスタントのスープや麺に関連した熱傷の発生件数は、年間で9,500件を超えていた。熱傷患児の平均年齢は7歳で、その部位は体幹が最も多く約4割を占めていた。.Allen氏は「子どもを持つ親は、コンロの火よりも電子レンジの方が安全だと考えているのではないか」と推測する。しかし、電子レンジで加熱するタイプのインスタントスープやインスタント麺による熱傷はあまりにも高頻度に起こっており、「学齢期の子どもたちがこれらのインスタント食品を食べる際には、大人がそばで見守る必要がある」と注意を喚起している。.専門家の一人で米スタテン・アイランド大学病院熱傷センターのMichael Cooper氏も「インスタントのスープや麺で熱傷を負ったこの年齢層の患者を診る機会は多い」と話し、今回の調査結果は同氏の日常診療の経験を反映したものだとしている。ただ、こうした熱傷を負った子どものほとんどは救急外来で治療を受けた後、すぐに帰宅できていた。また、熱傷も2週間以内に治癒するケースが大半だったという。.Cooper氏の経験では、親が容器入りのスープを電子レンジで加熱して子どもに与えた後に、子どもが食べている間に容器をひっくり返して熱傷を負うというケースが多いという。そのため、同氏は加熱したスープや麺は、子どもが使い慣れている食器に移して与えることを勧めている。.ただし、Allen氏によると、今回用いたデータベースではインスタント食品を電子レンジで温めたのが子ども本人だったのか、親などの保護者だったのかは明らかではないという。また、同氏は、電子レンジから容器を取り出す際に熱さで手を滑らせ、熱湯をこぼしてしまうケースや、熱いスープを含んだインスタント麺が身体に貼りついて熱傷の原因となる可能性があることを指摘している。.また、Cooper氏は「今回の調査結果を踏まえ、子どもの保護者は、インスタントスープなどには熱傷リスクがあることを十分に理解しておくべきだ」と強調している。なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年11月2日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/burn-health-news-87/instant-soup-burns-send-almost-10-000-kids-to-ers-each-year-739201.html.Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.