1日に30分ほど椅子から立ち上がって運動するだけで、余命が延長する可能性があることが、米コロンビア大学のKeith Diaz氏らの研究で示された。同氏は「デスクワークや座りがちな生活習慣の人は、できる限り立ち上がって動くことで、早期死亡リスクを減らすことができる。運動はランニングなどの高強度のものでも、ウォーキングなどの軽めのものでもよい」と述べている。詳細は「American Journal of Epidemiology」1月14日オンライン版に掲載された。この研究は、脳卒中のリスク因子などの検討を目的とした大規模な観察研究であるREGARDS(REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)研究に参加した45歳以上の男女7,999人を対象としたもの。2009~2013年に、参加者には活動量計を4日間以上装着してもらい、座位時間を測定した後、2017年まで追跡した。.その結果、座り続ける代わりに、1日30分でも軽い運動を行っていた人は、そうでない人に比べて早期死亡リスクが17%低いことが分かった。また、運動の強度を高めると、より大きなベネフィットが得られることも明らかになった。座っているよりも中強度の運動を1日30分行うと、早期死亡リスクは35%低減することが示された。.これらの結果から、Diaz氏は「どんな強度であっても、運動は健康にベネフィットをもたらすようだ」と述べている。.最近の研究から、米国成人の4人に1人は1日に8時間以上座って過ごしていることが明らかになっている。専門家の一人で、米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏は「運動は余命延長だけでなく、心筋梗塞や脳卒中の予防にもつながると期待される」と話している。.同じく専門家の米ノースウェル・ヘルス・サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏は「座りがちな生活を改善する方法には多くの選択肢がある」と指摘する。例えば、米国心臓協会(AHA)は「中強度の有酸素運動を週150分以上、または高強度運動を週75分以上」行うことを推奨している。また、Google社などの一部の企業は、肥満や糖尿病、心臓病の予防のため運動を重視し、仕事中でも立ち上がって、ストレッチ、卓球、ウォーキング、トレッドミルやエアロバイクでの運動などをするよう勧めている。.Mintz氏は「従業員が運動するようになれば、生産性が向上し、病気による欠勤や医療コストが減り、モチベーションが上がるなどの効果が得られるという考え方が広まってきている」と話し、「いずれ他の企業もこうした取り組みを始めるのでは」との見方を示している。一方、Diaz氏は「今後は、座りがちな生活を続けた場合と座位時間を減らして運動を行った場合で、心筋梗塞や心不全、心血管死など特定の心血管転帰に差が出るのか検証していきたい」と展望している。(HealthDay News 2019年1月15日).https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/want-to-live-longer-just-sit-a-bit-less-each-day-741479.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
1日に30分ほど椅子から立ち上がって運動するだけで、余命が延長する可能性があることが、米コロンビア大学のKeith Diaz氏らの研究で示された。同氏は「デスクワークや座りがちな生活習慣の人は、できる限り立ち上がって動くことで、早期死亡リスクを減らすことができる。運動はランニングなどの高強度のものでも、ウォーキングなどの軽めのものでもよい」と述べている。詳細は「American Journal of Epidemiology」1月14日オンライン版に掲載された。この研究は、脳卒中のリスク因子などの検討を目的とした大規模な観察研究であるREGARDS(REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)研究に参加した45歳以上の男女7,999人を対象としたもの。2009~2013年に、参加者には活動量計を4日間以上装着してもらい、座位時間を測定した後、2017年まで追跡した。.その結果、座り続ける代わりに、1日30分でも軽い運動を行っていた人は、そうでない人に比べて早期死亡リスクが17%低いことが分かった。また、運動の強度を高めると、より大きなベネフィットが得られることも明らかになった。座っているよりも中強度の運動を1日30分行うと、早期死亡リスクは35%低減することが示された。.これらの結果から、Diaz氏は「どんな強度であっても、運動は健康にベネフィットをもたらすようだ」と述べている。.最近の研究から、米国成人の4人に1人は1日に8時間以上座って過ごしていることが明らかになっている。専門家の一人で、米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏は「運動は余命延長だけでなく、心筋梗塞や脳卒中の予防にもつながると期待される」と話している。.同じく専門家の米ノースウェル・ヘルス・サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏は「座りがちな生活を改善する方法には多くの選択肢がある」と指摘する。例えば、米国心臓協会(AHA)は「中強度の有酸素運動を週150分以上、または高強度運動を週75分以上」行うことを推奨している。また、Google社などの一部の企業は、肥満や糖尿病、心臓病の予防のため運動を重視し、仕事中でも立ち上がって、ストレッチ、卓球、ウォーキング、トレッドミルやエアロバイクでの運動などをするよう勧めている。.Mintz氏は「従業員が運動するようになれば、生産性が向上し、病気による欠勤や医療コストが減り、モチベーションが上がるなどの効果が得られるという考え方が広まってきている」と話し、「いずれ他の企業もこうした取り組みを始めるのでは」との見方を示している。一方、Diaz氏は「今後は、座りがちな生活を続けた場合と座位時間を減らして運動を行った場合で、心筋梗塞や心不全、心血管死など特定の心血管転帰に差が出るのか検証していきたい」と展望している。(HealthDay News 2019年1月15日).https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/want-to-live-longer-just-sit-a-bit-less-each-day-741479.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.