フライドチキンやフライドポテトなどを食べ過ぎると、寿命が縮むかもしれない。こんな研究結果を、米アイオワ大学公衆衛生学部のWei Bao氏らが報告した。揚げ物を毎日食べる女性は、そうした習慣がない女性に比べて心臓病などで死亡するリスクが高いことが分かった。詳細は「BMJ」1月23日オンライン版に掲載された。この研究は、閉経後女性を対象とした大規模コホート研究「Women's Health Initiative(女性健康イニシアチブ)」のデータを用いたもの。1993~1998年の研究参加時点で50~79歳だった女性10万6,966人を対象に、食生活や健康状態に関する質問紙調査を実施し、2017年2月まで追跡した。.その結果、平均で約18年の追跡期間中に3万1,588人の女性が死亡した。このうち9,320人は心血管疾患が原因で死亡し、8,358人はがん、1万3,880人はその他の原因により死亡した。.解析の結果、揚げ物を1日1回以上食べる女性では、全く食べない女性に比べて死亡リスクが8%高いことが分かった。フライドチキンを週に1回以上食べる女性では、全く食べない女性に比べて死亡リスクは13%上昇し、心血管疾患による死亡リスクも12%上昇した。また、揚げた魚介類を週に1回以上食べる女性も同様に、全死亡リスクは7%上昇し、心血管疾患による死亡リスクは13%上昇することも明らかになった。.この研究には参加していない米ノースウェルヘルス・サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏によると、習慣的に揚げ物を食べる女性には肥満者が多く、週に1回以上食べる女性では3分の1が、1日に1回以上食べる女性では44%が肥満だったという。また、参加者の半数以上は週150分以上の運動をする習慣がなく、約40%には喫煙歴があった。しかし、これらのリスク因子で調整して解析しても、揚げ物を毎日食べることは死亡リスクの上昇と独立して関連することが分かった。.一方で、この研究では、揚げ物の摂取は、がんによる死亡とは関連しなかった。Bao氏は「今回の研究は女性を対象としたものだったが、男性でも同様の結果が得られるのではないか」と指摘している。しかし、「今回の研究は揚げ物の摂取と早期死亡の因果関係を証明するものではない」と付け加えている。.また、Mintz氏は「揚げ物の取り過ぎがコレステロール値や中性脂肪(トリグリセライド)値の上昇と肥満と関連することを考えれば、この結果は驚きではない」と述べている。Bao氏も「揚げ物を習慣的に食べる女性は、そうでない女性に比べて1日の摂取カロリーがはるかに多い」とし、肥満の役割が大きいとする意見に同意している。.ただし、Bao氏は、肥満以外の因子による影響も指摘する。例えば、スペインの人は揚げ物をよく食べるが、過去の研究では揚げ物の摂取と死亡リスク上昇との関連は認められていない。.この理由として、同氏は、「スペインでは、揚げ物料理にはオリーブ油を使い、外食よりも自宅で料理することが多いこと」を挙げている。米国では、揚げ物は外食時に食べることが多く、ピーナッツ油やキャノーラ油がよく使われている。さらに、レストランやファストフード店では、同じ油で何度も調理することが多いが、家庭では油を何度も使い回すことが少ない点も、外食と家庭料理の大きな違いであるという。.また、専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏は「高脂肪食品の摂取が心臓の健康に与える影響は、決して軽視すべきではない」と強調し、揚げ物による過度な脂肪の摂取は心筋梗塞の原因になりうると、注意を促している。(HealthDay News 2019年1月23日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/too-much-fried-food-may-shorten-your-life-741893.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
フライドチキンやフライドポテトなどを食べ過ぎると、寿命が縮むかもしれない。こんな研究結果を、米アイオワ大学公衆衛生学部のWei Bao氏らが報告した。揚げ物を毎日食べる女性は、そうした習慣がない女性に比べて心臓病などで死亡するリスクが高いことが分かった。詳細は「BMJ」1月23日オンライン版に掲載された。この研究は、閉経後女性を対象とした大規模コホート研究「Women's Health Initiative(女性健康イニシアチブ)」のデータを用いたもの。1993~1998年の研究参加時点で50~79歳だった女性10万6,966人を対象に、食生活や健康状態に関する質問紙調査を実施し、2017年2月まで追跡した。.その結果、平均で約18年の追跡期間中に3万1,588人の女性が死亡した。このうち9,320人は心血管疾患が原因で死亡し、8,358人はがん、1万3,880人はその他の原因により死亡した。.解析の結果、揚げ物を1日1回以上食べる女性では、全く食べない女性に比べて死亡リスクが8%高いことが分かった。フライドチキンを週に1回以上食べる女性では、全く食べない女性に比べて死亡リスクは13%上昇し、心血管疾患による死亡リスクも12%上昇した。また、揚げた魚介類を週に1回以上食べる女性も同様に、全死亡リスクは7%上昇し、心血管疾患による死亡リスクは13%上昇することも明らかになった。.この研究には参加していない米ノースウェルヘルス・サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏によると、習慣的に揚げ物を食べる女性には肥満者が多く、週に1回以上食べる女性では3分の1が、1日に1回以上食べる女性では44%が肥満だったという。また、参加者の半数以上は週150分以上の運動をする習慣がなく、約40%には喫煙歴があった。しかし、これらのリスク因子で調整して解析しても、揚げ物を毎日食べることは死亡リスクの上昇と独立して関連することが分かった。.一方で、この研究では、揚げ物の摂取は、がんによる死亡とは関連しなかった。Bao氏は「今回の研究は女性を対象としたものだったが、男性でも同様の結果が得られるのではないか」と指摘している。しかし、「今回の研究は揚げ物の摂取と早期死亡の因果関係を証明するものではない」と付け加えている。.また、Mintz氏は「揚げ物の取り過ぎがコレステロール値や中性脂肪(トリグリセライド)値の上昇と肥満と関連することを考えれば、この結果は驚きではない」と述べている。Bao氏も「揚げ物を習慣的に食べる女性は、そうでない女性に比べて1日の摂取カロリーがはるかに多い」とし、肥満の役割が大きいとする意見に同意している。.ただし、Bao氏は、肥満以外の因子による影響も指摘する。例えば、スペインの人は揚げ物をよく食べるが、過去の研究では揚げ物の摂取と死亡リスク上昇との関連は認められていない。.この理由として、同氏は、「スペインでは、揚げ物料理にはオリーブ油を使い、外食よりも自宅で料理することが多いこと」を挙げている。米国では、揚げ物は外食時に食べることが多く、ピーナッツ油やキャノーラ油がよく使われている。さらに、レストランやファストフード店では、同じ油で何度も調理することが多いが、家庭では油を何度も使い回すことが少ない点も、外食と家庭料理の大きな違いであるという。.また、専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏は「高脂肪食品の摂取が心臓の健康に与える影響は、決して軽視すべきではない」と強調し、揚げ物による過度な脂肪の摂取は心筋梗塞の原因になりうると、注意を促している。(HealthDay News 2019年1月23日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/too-much-fried-food-may-shorten-your-life-741893.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.