筋力レベルを適度に高めると2型糖尿病の発症予防につながる可能性があることが、米アイオワ州立大学運動学准教授のDuck-chul Lee氏らの研究で示された。心肺フィットネスの程度とは関係なく、中等度の筋力レベルと2型糖尿病の発症との間には関連が見られたという。研究の詳細は「Mayo Clinic Proceedings」3月11日オンライン版に発表された。研究では、ベースライン時に2型糖尿病のない20~100歳の成人4,681人を対象に、筋力レベルと2型糖尿病の発症との関連を調べた。平均8.3年の追跡期間中に229人(4.9%)が2型糖尿病を発症した。.参加者を、筋力レベルで3つの群に分けて2型糖尿病の発症リスクを比較した結果、喫煙や飲酒の習慣、肥満、高血圧といった因子を調整後も、筋力レベルが最も低い群と比べて中等度の群では2型糖尿病リスクが32%低いことが分かった。.また、中等度の筋力レベルと糖尿病リスクの低下との関連は、心肺フィットネスの程度とは無関係であることも明らかになった。一方で、筋力レベルが最も高い群では、最も低い群と比べて2型糖尿病リスクの低下は認められなかった。.これらの結果から、Lee氏は「レジスタンス運動を適度に行えば、2型糖尿病を予防できる可能性がある」と結論づけている。ただし、現時点で筋力レベルの標準化された測定法はないため、2型糖尿病予防のためにレジスタンス運動をどの程度行うのが理想的なのかを決めることは難しいとしている。同氏は「当然のことながら、多くの人は重いバーベルを何回持ち上げればよいのか、あるいは筋肉量をどの程度つければよいのかを知りたいだろうが、簡単に決められるほど単純なものではない」と述べている。.また、Lee氏は「筋力を測定する方法には、握力やベンチプレスなど複数の手段がある。どの程度のレジスタンス運動が必要なのかは個々人で異なるため、適切な運動量を決めるにはさらに研究を重ねる必要がある」と付け加えている。.共著者の一人で同大学運動学のAngelique Brellenthin氏は「レジスタンス運動を始めるのに、ジムに入会したり、高価な運動器具を使ったりする必要はない」と述べ、体重に応じた運動は自宅で手軽に始められるとしている。.Brellenthin氏は「今回の結果から、2型糖尿病の発症予防には低強度のレジスタンス運動が推奨されるが、複雑な運動をする必要はない」と述べている。また、「まずは、スクワットやプランクと呼ばれる体幹トレーニング、ランジと呼ばれるウエートトレーニングなどでレジスタンス運動を行うことが勧められる。次に、バーベルやダンベルなどを利用したフリーウエートやウエートマシンを加えて筋力を付けるのがよいだろう」と付け加えている。(HealthDay News 2019年3月11日).https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/which-type-of-exercise-might-lower-your-diabetes-risk-743679.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
筋力レベルを適度に高めると2型糖尿病の発症予防につながる可能性があることが、米アイオワ州立大学運動学准教授のDuck-chul Lee氏らの研究で示された。心肺フィットネスの程度とは関係なく、中等度の筋力レベルと2型糖尿病の発症との間には関連が見られたという。研究の詳細は「Mayo Clinic Proceedings」3月11日オンライン版に発表された。研究では、ベースライン時に2型糖尿病のない20~100歳の成人4,681人を対象に、筋力レベルと2型糖尿病の発症との関連を調べた。平均8.3年の追跡期間中に229人(4.9%)が2型糖尿病を発症した。.参加者を、筋力レベルで3つの群に分けて2型糖尿病の発症リスクを比較した結果、喫煙や飲酒の習慣、肥満、高血圧といった因子を調整後も、筋力レベルが最も低い群と比べて中等度の群では2型糖尿病リスクが32%低いことが分かった。.また、中等度の筋力レベルと糖尿病リスクの低下との関連は、心肺フィットネスの程度とは無関係であることも明らかになった。一方で、筋力レベルが最も高い群では、最も低い群と比べて2型糖尿病リスクの低下は認められなかった。.これらの結果から、Lee氏は「レジスタンス運動を適度に行えば、2型糖尿病を予防できる可能性がある」と結論づけている。ただし、現時点で筋力レベルの標準化された測定法はないため、2型糖尿病予防のためにレジスタンス運動をどの程度行うのが理想的なのかを決めることは難しいとしている。同氏は「当然のことながら、多くの人は重いバーベルを何回持ち上げればよいのか、あるいは筋肉量をどの程度つければよいのかを知りたいだろうが、簡単に決められるほど単純なものではない」と述べている。.また、Lee氏は「筋力を測定する方法には、握力やベンチプレスなど複数の手段がある。どの程度のレジスタンス運動が必要なのかは個々人で異なるため、適切な運動量を決めるにはさらに研究を重ねる必要がある」と付け加えている。.共著者の一人で同大学運動学のAngelique Brellenthin氏は「レジスタンス運動を始めるのに、ジムに入会したり、高価な運動器具を使ったりする必要はない」と述べ、体重に応じた運動は自宅で手軽に始められるとしている。.Brellenthin氏は「今回の結果から、2型糖尿病の発症予防には低強度のレジスタンス運動が推奨されるが、複雑な運動をする必要はない」と述べている。また、「まずは、スクワットやプランクと呼ばれる体幹トレーニング、ランジと呼ばれるウエートトレーニングなどでレジスタンス運動を行うことが勧められる。次に、バーベルやダンベルなどを利用したフリーウエートやウエートマシンを加えて筋力を付けるのがよいだろう」と付け加えている。(HealthDay News 2019年3月11日).https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/which-type-of-exercise-might-lower-your-diabetes-risk-743679.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.