2型糖尿病の発症リスクには、食事と運動などの生活習慣に加えて遺伝的な要因も重要であることが知られている。米ミシガン大学公衆衛生大学院遺伝統計学センター部長のMichael Boehnke氏らによる国際共同研究で、2型糖尿病の発症に関与する可能性がある稀な4つの遺伝子変異が同定された。研究の詳細は「Nature」5月22日オンライン版に発表された。Boehnke氏らは、2型糖尿病患者2万791人と糖尿病のない対照群(2万4,440人)について、ヒトゲノムのうちタンパク質をコードするエクソン配列を網羅的に解析するエクソーム解析を実施した。対象には、欧州やアフリカ系米国人、ヒスパニックやラテン系、東アジア、南アジア系など、多様な民族的背景を持つ人々が含まれた。.Boehnke氏らによれば、今回の研究で同定された遺伝子変異とそれらをコードするタンパク質は、糖尿病治療薬の新たな標的となる可能性があり、糖尿病の理解を深め、治療の向上に役立つとも考えられる。また、今回得られたデータにより、将来、糖尿病に関与する何百もの遺伝子が同定されることが示唆されるという。.また、今回の研究結果について、Boehnke氏は「多様な民族的背景を持つ人から成る大規模サンプルを対象とした研究の重要性が示された」と指摘する。同氏は「これまでの地域住民を対象とした大規模研究の多くは欧州系の人々を対象としたものであったため、その結果を別の人種や民族に当てはめるのは難しい場合があった。コホート集団が多様であればあるほど研究として望ましく、科学的により有益なものとなる」と説明している。.論文の筆頭著者である米ハーバード大学医学大学院小児科/米ボストン小児病院遺伝・ゲノム部門のJason Flannick氏は「糖尿病の発症に稀な遺伝子変異が関与しているという最新の情報が得られた」と述べている。その上で、同氏は「これらの稀な遺伝子変異が同定されたことで、創薬の分野に貴重な研究資源がもたらされる可能性がある」と展望している。.世界保健機関(WHO)によると、世界の糖尿病人口は4億人を超えており、その多くが2型糖尿病である。糖尿病は世界で7番目に多い死亡原因とされている。なお、今回の研究結果は、オンライン(「Type 2 Diabetes Knowledge Portal」)で一般公開され、研究者は誰でも利用することができるようになっている。(HealthDay News 2019年5月23日).https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/new-gene-variants-for-type-2-diabetes-found-746625.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
2型糖尿病の発症リスクには、食事と運動などの生活習慣に加えて遺伝的な要因も重要であることが知られている。米ミシガン大学公衆衛生大学院遺伝統計学センター部長のMichael Boehnke氏らによる国際共同研究で、2型糖尿病の発症に関与する可能性がある稀な4つの遺伝子変異が同定された。研究の詳細は「Nature」5月22日オンライン版に発表された。Boehnke氏らは、2型糖尿病患者2万791人と糖尿病のない対照群(2万4,440人)について、ヒトゲノムのうちタンパク質をコードするエクソン配列を網羅的に解析するエクソーム解析を実施した。対象には、欧州やアフリカ系米国人、ヒスパニックやラテン系、東アジア、南アジア系など、多様な民族的背景を持つ人々が含まれた。.Boehnke氏らによれば、今回の研究で同定された遺伝子変異とそれらをコードするタンパク質は、糖尿病治療薬の新たな標的となる可能性があり、糖尿病の理解を深め、治療の向上に役立つとも考えられる。また、今回得られたデータにより、将来、糖尿病に関与する何百もの遺伝子が同定されることが示唆されるという。.また、今回の研究結果について、Boehnke氏は「多様な民族的背景を持つ人から成る大規模サンプルを対象とした研究の重要性が示された」と指摘する。同氏は「これまでの地域住民を対象とした大規模研究の多くは欧州系の人々を対象としたものであったため、その結果を別の人種や民族に当てはめるのは難しい場合があった。コホート集団が多様であればあるほど研究として望ましく、科学的により有益なものとなる」と説明している。.論文の筆頭著者である米ハーバード大学医学大学院小児科/米ボストン小児病院遺伝・ゲノム部門のJason Flannick氏は「糖尿病の発症に稀な遺伝子変異が関与しているという最新の情報が得られた」と述べている。その上で、同氏は「これらの稀な遺伝子変異が同定されたことで、創薬の分野に貴重な研究資源がもたらされる可能性がある」と展望している。.世界保健機関(WHO)によると、世界の糖尿病人口は4億人を超えており、その多くが2型糖尿病である。糖尿病は世界で7番目に多い死亡原因とされている。なお、今回の研究結果は、オンライン(「Type 2 Diabetes Knowledge Portal」)で一般公開され、研究者は誰でも利用することができるようになっている。(HealthDay News 2019年5月23日).https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/new-gene-variants-for-type-2-diabetes-found-746625.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.