ティーンエージャーや若年成人はビタミン剤を摂取してもほぼ問題ないが、減量や筋肉増強、活力増進などの効果を謳ったサプリメントを摂取すると、重篤な健康問題につながる危険性があることが、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のFlora Or氏らの研究で明らかになった。同氏らは「若者が健康に有害な可能性があるサプリメント製品を使用できないように規制をかけることが急務だ」と述べている。研究の詳細は「Journal of Adolescent Health」6月5日オンライン版に掲載された。Or氏によれば、米食品医薬品局(FDA)はこれまで、減量や筋肉増強、スポーツパフォーマンスや性機能の向上、活力増進を謳ったサプリメント製品について、幾度となく警告を発してきた。それでも、こうした製品は広く若者に向けて販売され、多くの若者に使用されているという。.Or氏らは今回、FDA有害事象報告システムを用い、2004年1月~2015年4月の0~25歳の子どもから若年成人におけるサプリメント製品による健康被害の報告例について調査。ビタミン剤に関する報告例と比較検討した。なお、重篤な健康被害には、障害や生命に危険がある状態に陥ったり、入院を要したり、救急受診例や最悪なケースでは死亡例も含まれていた。.その結果、期間中に合計で977件のサプリメント摂取に関連した健康被害が報告されていた。このうち40%は重篤な健康被害を引き起こしていた。.解析の結果、減量や筋肉増強、活力増進などの効果を謳ったサプリメントの摂取は、ビタミン剤を摂取した場合と比べて、重篤な健康被害を引き起こすリスクが約3倍に上っていた。さらに、性機能の向上や腸内洗浄を目的としたサプリメントの摂取は、ビタミン剤に比べてそのリスクは約2倍であった。.同大学院社会・行動科学教授のS. Bryn Austin氏は「信頼できる医師であれば、減量効果や筋肉増強効果を謳うタイプのサプリメントは処方しない」と指摘する。同氏によれば、こうしたサプリメントには、品質の悪い医薬品成分や禁止薬物、重金属、殺虫剤といった危険な化学物質が混入し、安全面が危惧される製品が多くみられる。また、これらのサプリメントは脳卒中や精巣がん、肝障害、死亡と関連することを示した研究も報告されているという。.これらを踏まえ、Austin氏は「政策立案者やサプリメントの製造企業、小売業者には、子どもたちを含めた全ての年齢層の消費者を守るため、意味のある対策を早急に講じることが求められる」と述べている。(HealthDay News 2019年6月5日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/nutritional-supplements-health-news-504/many-dietary-supplements-dangerous-for-teens-747120.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
ティーンエージャーや若年成人はビタミン剤を摂取してもほぼ問題ないが、減量や筋肉増強、活力増進などの効果を謳ったサプリメントを摂取すると、重篤な健康問題につながる危険性があることが、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のFlora Or氏らの研究で明らかになった。同氏らは「若者が健康に有害な可能性があるサプリメント製品を使用できないように規制をかけることが急務だ」と述べている。研究の詳細は「Journal of Adolescent Health」6月5日オンライン版に掲載された。Or氏によれば、米食品医薬品局(FDA)はこれまで、減量や筋肉増強、スポーツパフォーマンスや性機能の向上、活力増進を謳ったサプリメント製品について、幾度となく警告を発してきた。それでも、こうした製品は広く若者に向けて販売され、多くの若者に使用されているという。.Or氏らは今回、FDA有害事象報告システムを用い、2004年1月~2015年4月の0~25歳の子どもから若年成人におけるサプリメント製品による健康被害の報告例について調査。ビタミン剤に関する報告例と比較検討した。なお、重篤な健康被害には、障害や生命に危険がある状態に陥ったり、入院を要したり、救急受診例や最悪なケースでは死亡例も含まれていた。.その結果、期間中に合計で977件のサプリメント摂取に関連した健康被害が報告されていた。このうち40%は重篤な健康被害を引き起こしていた。.解析の結果、減量や筋肉増強、活力増進などの効果を謳ったサプリメントの摂取は、ビタミン剤を摂取した場合と比べて、重篤な健康被害を引き起こすリスクが約3倍に上っていた。さらに、性機能の向上や腸内洗浄を目的としたサプリメントの摂取は、ビタミン剤に比べてそのリスクは約2倍であった。.同大学院社会・行動科学教授のS. Bryn Austin氏は「信頼できる医師であれば、減量効果や筋肉増強効果を謳うタイプのサプリメントは処方しない」と指摘する。同氏によれば、こうしたサプリメントには、品質の悪い医薬品成分や禁止薬物、重金属、殺虫剤といった危険な化学物質が混入し、安全面が危惧される製品が多くみられる。また、これらのサプリメントは脳卒中や精巣がん、肝障害、死亡と関連することを示した研究も報告されているという。.これらを踏まえ、Austin氏は「政策立案者やサプリメントの製造企業、小売業者には、子どもたちを含めた全ての年齢層の消費者を守るため、意味のある対策を早急に講じることが求められる」と述べている。(HealthDay News 2019年6月5日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/nutritional-supplements-health-news-504/many-dietary-supplements-dangerous-for-teens-747120.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.