寝室の照明やテレビをつけっぱなしにして眠る女性は、太りやすい可能性があるという研究結果が、「JAMA Internal Medicine」6月10日オンライン版に掲載された。研究を率いた米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のYong-Moon Mark Park氏は「就寝中には照明やテレビを消して部屋を暗くすることが、女性の肥満対策に有用な手段となるかもしれない」と述べている。今回の研究は、2003年7月~2009年3月に米国50州およびプエルトリコで登録された35~74歳の女性4万3,722人(平均年齢55.4歳)を対象としたもの。対象とした女性は、研究開始時点でがんや心血管疾患の既往がなく、交代勤務や昼夜逆転の生活をしておらず、妊娠もしていなかった。女性には、研究開始時点における夜間の照明への曝露の程度について尋ね、平均で5.7年間追跡した。.分析の結果、何らかの照明をつけたまま眠っていた女性では、そうでない女性に比べて肥満リスクが19%高いことが分かった。特に、就寝中に寝室の照明やテレビをつけっぱなしにしていた女性では、これらを使わなかった女性に比べて、5年間で体重が5kg以上増える確率が17%高く、過体重リスクは22%、肥満リスクは33%高かった。.また、女性の体重増加には、照明の強さも影響するようだった。例えば、照明やテレビとは異なり、光が弱い常夜灯の使用と体重増加との間に関連はみられなかった。さらに、食生活や身体活動などを考慮しても、これらの関連に変わりはなかったことから、就寝中の照明を消すことが女性の体重増加や肥満の予防に重要な可能性が示された。.これらが関連するメカニズムについて、Park氏は「夜間に人工照明に曝露すると睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑制され、自然な睡眠・覚醒サイクルが乱れる可能性がある」と説明する。また、ストレスホルモンの日々の変動が抑えられ、他の代謝プロセスにも影響が及ぶことで体重増加につながる可能性以外にも、照明をつけたまま眠ると睡眠の質が低下し、睡眠不足になることで運動量が減り、食欲が増して食べ過ぎにつながることも一因として考えられるという。.ただ、Park氏は今回の研究は関連を示したにすぎず、因果関係を証明するものではないと断っている。.一方、この研究には関与していない米イェール大学イェール・グリフィン予防研究センター長のDavid Katz氏は「夜間の人工照明への曝露と肥満との間には因果関係はない可能性もある」と指摘する。同氏によれば、今回の重要なポイントは「睡眠の質の低下」にあるといい、「睡眠不足や睡眠障害は肥満のリスク因子であることが知れられており、その理由は気分や自制心の低下からホルモンバランスの変化に至るまでさまざまだ」と説明する。さらに、就寝中も部屋を明るくしたい心理と肥満はいずれも、孤独や不安など別の要因が関連している可能性もあるとしている。(HealthDay News 2019年6月10日).https://consumer.healthday.com/women-s-health-information-34/misc-women-s-problem-news-707/bedroom-light-at-night-might-boost-women-s-weight-747283.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
寝室の照明やテレビをつけっぱなしにして眠る女性は、太りやすい可能性があるという研究結果が、「JAMA Internal Medicine」6月10日オンライン版に掲載された。研究を率いた米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のYong-Moon Mark Park氏は「就寝中には照明やテレビを消して部屋を暗くすることが、女性の肥満対策に有用な手段となるかもしれない」と述べている。今回の研究は、2003年7月~2009年3月に米国50州およびプエルトリコで登録された35~74歳の女性4万3,722人(平均年齢55.4歳)を対象としたもの。対象とした女性は、研究開始時点でがんや心血管疾患の既往がなく、交代勤務や昼夜逆転の生活をしておらず、妊娠もしていなかった。女性には、研究開始時点における夜間の照明への曝露の程度について尋ね、平均で5.7年間追跡した。.分析の結果、何らかの照明をつけたまま眠っていた女性では、そうでない女性に比べて肥満リスクが19%高いことが分かった。特に、就寝中に寝室の照明やテレビをつけっぱなしにしていた女性では、これらを使わなかった女性に比べて、5年間で体重が5kg以上増える確率が17%高く、過体重リスクは22%、肥満リスクは33%高かった。.また、女性の体重増加には、照明の強さも影響するようだった。例えば、照明やテレビとは異なり、光が弱い常夜灯の使用と体重増加との間に関連はみられなかった。さらに、食生活や身体活動などを考慮しても、これらの関連に変わりはなかったことから、就寝中の照明を消すことが女性の体重増加や肥満の予防に重要な可能性が示された。.これらが関連するメカニズムについて、Park氏は「夜間に人工照明に曝露すると睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑制され、自然な睡眠・覚醒サイクルが乱れる可能性がある」と説明する。また、ストレスホルモンの日々の変動が抑えられ、他の代謝プロセスにも影響が及ぶことで体重増加につながる可能性以外にも、照明をつけたまま眠ると睡眠の質が低下し、睡眠不足になることで運動量が減り、食欲が増して食べ過ぎにつながることも一因として考えられるという。.ただ、Park氏は今回の研究は関連を示したにすぎず、因果関係を証明するものではないと断っている。.一方、この研究には関与していない米イェール大学イェール・グリフィン予防研究センター長のDavid Katz氏は「夜間の人工照明への曝露と肥満との間には因果関係はない可能性もある」と指摘する。同氏によれば、今回の重要なポイントは「睡眠の質の低下」にあるといい、「睡眠不足や睡眠障害は肥満のリスク因子であることが知れられており、その理由は気分や自制心の低下からホルモンバランスの変化に至るまでさまざまだ」と説明する。さらに、就寝中も部屋を明るくしたい心理と肥満はいずれも、孤独や不安など別の要因が関連している可能性もあるとしている。(HealthDay News 2019年6月10日).https://consumer.healthday.com/women-s-health-information-34/misc-women-s-problem-news-707/bedroom-light-at-night-might-boost-women-s-weight-747283.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.