米国では、多くの祖父母は孫が側にいても、薬を安全に保管しておらず、子どもが誤飲や中毒事故のリスクに曝されていることが、全米で実施された加齢に関する世論調査(National Poll on Healthy Aging)から明らかになった。調査では、祖父母のほとんどは、薬を孫の手が届きやすい場所、開けやすい戸棚やキャビネットに閉まっており、きちんと保管していないことが分かった。この調査は、米ミシガン大学ヘルスケア政策研究所のPreeti Malani氏らが実施したもの。同氏らは、孫のいる50~80歳の祖父母1,074人を対象に、孫の世話や薬の保管状況に関するオンライン調査を実施した。.その結果、ほとんど(97%)の回答者が自宅で何らかの薬を服用していた。このうち84%は、孫がいても「薬をいつもの保管場所に置いたままにしている」と回答した。保管場所としては、食器棚やキャビネット(61%)、調理台やテーブル(18%)、財布やバッグ(7%)が挙げられた。一方、「日常的に鍵のかかった戸棚やキャビネットに薬を保管している」と回答した人は5%に過ぎなかった。.また、子どもが薬を誤飲するリスクは、祖父母の自宅には限らないことも分かった。祖父母が孫の家を訪れた際、鍵をかけた食器棚やキャビネットに薬をしまう人は7%に過ぎず、4分の3はバッグに入れっぱなしだった。さらに、回答者の約3分の1は、普段から処方薬を蓋が開けやすい別の容器に移し替えていたという。.なお、祖父母の10人中9人は、「過去1年間に孫が自宅を訪れた」と回答した。5人中2人は「月1回以上」、5人中1人は「週に1回以上」、孫の世話をしていると回答した。さらに、10人中1人は過去1年を通して孫と同居していたという。.Malani氏は「今回の調査結果は、孫と過ごす祖父母は、薬の安全な保管方法について見直す必要があることが示唆された」と説明。「処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントでも子どもや10歳代の若者にとっては有害な場合がある。一方、オピオイド鎮痛薬や睡眠薬は既に、10歳代の若者が娯楽目的で使えることからも、孫が何歳になっても薬の安全性について考える必要がある」と述べている。.米疾病対策センター(CDC)によれば、薬物関連の中毒症状で救急外来を受診した子どもの約40%が、祖父母の薬の誤飲が原因であると報告されているという。.今回の研究を支援したAARP(米国退職者連合)のリサーチ部門でシニア・バイス・プレジデントを務めるAlison Bryant氏は「いくつかの簡単な手順を知っているだけで、子どもたちの安全を守ることができる」と話す。また、同氏は「決して薬を財布や台所のカウンターの上に置いたままにしてはいけない」と述べ、薬は常に鍵をかけた場所に保管することや、数カ月ごとに薬を確認し、消費期限が切れたり、不要になったりした薬は安全に処分するよう勧めている。(HealthDay News 2019年7月2日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/child-safety-news-587/survey-urges-grandparents-to-lock-down-their-meds-when-kids-visit-747869.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.
米国では、多くの祖父母は孫が側にいても、薬を安全に保管しておらず、子どもが誤飲や中毒事故のリスクに曝されていることが、全米で実施された加齢に関する世論調査(National Poll on Healthy Aging)から明らかになった。調査では、祖父母のほとんどは、薬を孫の手が届きやすい場所、開けやすい戸棚やキャビネットに閉まっており、きちんと保管していないことが分かった。この調査は、米ミシガン大学ヘルスケア政策研究所のPreeti Malani氏らが実施したもの。同氏らは、孫のいる50~80歳の祖父母1,074人を対象に、孫の世話や薬の保管状況に関するオンライン調査を実施した。.その結果、ほとんど(97%)の回答者が自宅で何らかの薬を服用していた。このうち84%は、孫がいても「薬をいつもの保管場所に置いたままにしている」と回答した。保管場所としては、食器棚やキャビネット(61%)、調理台やテーブル(18%)、財布やバッグ(7%)が挙げられた。一方、「日常的に鍵のかかった戸棚やキャビネットに薬を保管している」と回答した人は5%に過ぎなかった。.また、子どもが薬を誤飲するリスクは、祖父母の自宅には限らないことも分かった。祖父母が孫の家を訪れた際、鍵をかけた食器棚やキャビネットに薬をしまう人は7%に過ぎず、4分の3はバッグに入れっぱなしだった。さらに、回答者の約3分の1は、普段から処方薬を蓋が開けやすい別の容器に移し替えていたという。.なお、祖父母の10人中9人は、「過去1年間に孫が自宅を訪れた」と回答した。5人中2人は「月1回以上」、5人中1人は「週に1回以上」、孫の世話をしていると回答した。さらに、10人中1人は過去1年を通して孫と同居していたという。.Malani氏は「今回の調査結果は、孫と過ごす祖父母は、薬の安全な保管方法について見直す必要があることが示唆された」と説明。「処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントでも子どもや10歳代の若者にとっては有害な場合がある。一方、オピオイド鎮痛薬や睡眠薬は既に、10歳代の若者が娯楽目的で使えることからも、孫が何歳になっても薬の安全性について考える必要がある」と述べている。.米疾病対策センター(CDC)によれば、薬物関連の中毒症状で救急外来を受診した子どもの約40%が、祖父母の薬の誤飲が原因であると報告されているという。.今回の研究を支援したAARP(米国退職者連合)のリサーチ部門でシニア・バイス・プレジデントを務めるAlison Bryant氏は「いくつかの簡単な手順を知っているだけで、子どもたちの安全を守ることができる」と話す。また、同氏は「決して薬を財布や台所のカウンターの上に置いたままにしてはいけない」と述べ、薬は常に鍵をかけた場所に保管することや、数カ月ごとに薬を確認し、消費期限が切れたり、不要になったりした薬は安全に処分するよう勧めている。(HealthDay News 2019年7月2日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/child-safety-news-587/survey-urges-grandparents-to-lock-down-their-meds-when-kids-visit-747869.html.Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.