身体を動かすことを心がけている高齢者は少なくないが、日本人高齢者を対象とした研究から、ゴルフ好きの男性やウォーキング好きの女性は健康に対する自己評価が高く、抑うつ症状が少なく、生活の中で笑う頻度が多いことが明らかになった。千葉大学予防医学センターの辻大士氏らが日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを横断的に解析した結果で、詳細は「Journal of Sports Sciences」12月26日オンライン版に掲載された。調査対象は自立した生活を送っている65歳以上の高齢者13万1,962人。グループに参加して日常行っているスポーツの種類とその頻度、主観的健康感、日常生活での笑いの頻度、および老年期うつ病スコア(GDS-15)を測定した。.その結果、男性の33.6%、女性の37.4%がグループに参加し何かしらのスポーツを実践していた。スポーツの種目としては、男性はゴルフ(11.3%)、ウォーキング(8.4%)、グランドゴルフ(6.3%)、女性はフィットネス体操(13.8%)、ウォーキング(8.3%)、筋力トレーニング(6.2%)が上位を占めた。.続いて、グループに参加し実践しているスポーツと、健康感やうつ病スコア、笑いの頻度との関連を検討した。結果に影響を与える可能性のある、性別、年齢、飲酒・喫煙習慣、婚姻状況、学歴、世帯収入、および高血圧、脂質異常症、糖尿病、心血管疾患、脳卒中、がん、筋骨格疾患の既往とフレイルスコアで調整の上、逆確率加重法により関連の強さを比較した。.有意な関連がみられた項目を性別に挙げると、グループに参加しゴルフをしている男性は参加していない男性に比べて主観的健康感が「非常に良い」と回答した割合が1.13倍多く、「うつ傾向あり(GDS-15が5点以上)」の割合は0.70倍と少なく、「ほぼ毎日笑う」人の割合が1.12倍多いという結果で、評価した項目の全てにおいて良好な状態と有意に関連していた。またハイキングをする男性は主観的健康感が「非常に良い」人が1.95倍で、「うつ傾向あり」は0.62倍であり、ウォーキングをする男性は「うつ傾向あり」が0.82倍、「ほぼ毎日笑う」が1.06倍で有意な関連がみられた。.続いて女性では、グループに参加しウォーキングをしている人は参加していない人に比べて主観的健康感が「非常に良い」と回答した割合が1.23倍多く、「うつ傾向あり」は0.79倍と少なく、「ほぼ毎日笑う」が1.06倍だった。またゴルフをしている女性も同順に、1.78倍、0.72倍、1.13倍であり、いずれも良好な結果と有意に関連していた。なお、女性において実践者が最も多かったフィットネス体操は、主観的健康感やうつ傾向、笑う頻度との有意な関連は見られなかった。.これらの結果から研究グループは、「年齢や収入に関係なく、男性にはゴルフ、女性にはウォーキングが人気であり、グループに参加してそれらを実践している人はそうでない人に比べ、健康に関する自己評価が高く、うつ傾向が少なく、笑い声の多い生活をしている。よってゴルフやウォーキングは、高齢者に推奨するスポーツとして第一の候補となり得る」と述べている。(HealthDay News 2020年1月20日).Abstract/Full Texthttps://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02640414.2019.1705541.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
身体を動かすことを心がけている高齢者は少なくないが、日本人高齢者を対象とした研究から、ゴルフ好きの男性やウォーキング好きの女性は健康に対する自己評価が高く、抑うつ症状が少なく、生活の中で笑う頻度が多いことが明らかになった。千葉大学予防医学センターの辻大士氏らが日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを横断的に解析した結果で、詳細は「Journal of Sports Sciences」12月26日オンライン版に掲載された。調査対象は自立した生活を送っている65歳以上の高齢者13万1,962人。グループに参加して日常行っているスポーツの種類とその頻度、主観的健康感、日常生活での笑いの頻度、および老年期うつ病スコア(GDS-15)を測定した。.その結果、男性の33.6%、女性の37.4%がグループに参加し何かしらのスポーツを実践していた。スポーツの種目としては、男性はゴルフ(11.3%)、ウォーキング(8.4%)、グランドゴルフ(6.3%)、女性はフィットネス体操(13.8%)、ウォーキング(8.3%)、筋力トレーニング(6.2%)が上位を占めた。.続いて、グループに参加し実践しているスポーツと、健康感やうつ病スコア、笑いの頻度との関連を検討した。結果に影響を与える可能性のある、性別、年齢、飲酒・喫煙習慣、婚姻状況、学歴、世帯収入、および高血圧、脂質異常症、糖尿病、心血管疾患、脳卒中、がん、筋骨格疾患の既往とフレイルスコアで調整の上、逆確率加重法により関連の強さを比較した。.有意な関連がみられた項目を性別に挙げると、グループに参加しゴルフをしている男性は参加していない男性に比べて主観的健康感が「非常に良い」と回答した割合が1.13倍多く、「うつ傾向あり(GDS-15が5点以上)」の割合は0.70倍と少なく、「ほぼ毎日笑う」人の割合が1.12倍多いという結果で、評価した項目の全てにおいて良好な状態と有意に関連していた。またハイキングをする男性は主観的健康感が「非常に良い」人が1.95倍で、「うつ傾向あり」は0.62倍であり、ウォーキングをする男性は「うつ傾向あり」が0.82倍、「ほぼ毎日笑う」が1.06倍で有意な関連がみられた。.続いて女性では、グループに参加しウォーキングをしている人は参加していない人に比べて主観的健康感が「非常に良い」と回答した割合が1.23倍多く、「うつ傾向あり」は0.79倍と少なく、「ほぼ毎日笑う」が1.06倍だった。またゴルフをしている女性も同順に、1.78倍、0.72倍、1.13倍であり、いずれも良好な結果と有意に関連していた。なお、女性において実践者が最も多かったフィットネス体操は、主観的健康感やうつ傾向、笑う頻度との有意な関連は見られなかった。.これらの結果から研究グループは、「年齢や収入に関係なく、男性にはゴルフ、女性にはウォーキングが人気であり、グループに参加してそれらを実践している人はそうでない人に比べ、健康に関する自己評価が高く、うつ傾向が少なく、笑い声の多い生活をしている。よってゴルフやウォーキングは、高齢者に推奨するスポーツとして第一の候補となり得る」と述べている。(HealthDay News 2020年1月20日).Abstract/Full Texthttps://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02640414.2019.1705541.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.