もし、あなたの今の目標が「やせること」であるなら、コーヒーを飲むと良いかもしれない。コーヒー摂取によって体脂肪が減る可能性があるとする新たな研究が報告された。詳細は「American Journal of Clinical Nutrition」12月31日オンライン版に掲載された。この研究は本来、コーヒーがインスリン抵抗性を改善し得るか否かを検討することが目的だった。シンガポール国立大学のDerrick Johnston Alperet氏らは、35~69歳の過体重の成人126人をランダムに2群に分け、1群は1日に4杯のカフェイン入りインスタントコーヒーを摂取する群(62人)、他の1群はプラセボを摂取する群(64人)として24週間介入。その結果、グルコースクランプ法で評価したインスリン感受性は群間差が見られなかった(P=0.53)。.ところが意外なことに、24週間後の体脂肪量はコーヒー摂取群がプラセボ群よりも-3.7%有意に低い値だった(P=0.006)。この変化についてAlperet氏は、「脂肪の減少は食生活や運動などの、いわゆるライフスタイルが変更された影響によるものではないようだ」と述べている。同氏は、コーヒー摂取による体脂肪の減少は、カフェインが代謝プロセスを亢進させた結果と考えており、それによってコーヒーを摂取していない状態に比べてより多くのエネルギーが燃焼され、体脂肪の減少につながった可能性を考察している。.では、カフェイン入りコーヒーを1日4杯、長期間飲み続けることにリスクはないのだろうか。この点について同氏はリスクでないと考えている。このくらいの量はこれまでに報告されてきた研究の標準的な量であり、多くの報告から、米国では平均的に1日4杯、ヨーロッパでは平均1日7杯のコーヒーが摂取されていると見られるという。.一方、栄養と食事のアカデミー(AND、旧米国栄養士会)の元理事長のConnie Diekman氏は、「この研究で用いられた1日4杯のコーヒーという量はかなり多くお勧めできない」と述べている。「カフェイン摂取が多いと食欲が抑制される可能性がある。さらに、過剰なカフェイン摂取は全身に影響し、頭痛、いらいら感、心拍数の増加、胃の不調の原因となる」という。Alperet氏もこの注意点については同じ考えで、「現在コーヒーを飲んでいない人がこれから1日4杯飲もうとする場合は、他の飲食物や薬剤によるカフェイン摂取量を考慮しなければならない」としている。.論文をレビューした米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのLona Sandon 氏によると、「コーヒー、より具体的にいえばカフェインが食欲や体脂肪に何かしらの影響を及ぼす可能性は長年にわたり注目されている。しかし、体脂肪をどのように減らすのか、その正確なメカニズムについては今も議論が続けられている」という。.Sandon氏は、仮にコーヒーが体脂肪を減少させることが証明されたとしても、半年間飲み続けてわずかしか減少しないことから、過度な期待はすべきではないと指摘した上で、「体組成を変えるには、ゆるやかなエネルギー摂取制限に適度の運動プログラムを併用する方が効果的。コーヒーを1日数杯飲んだからといって、過剰に溜まった体脂肪がすぐになくなるわけではない」と語っている。(HealthDay News 2020年 1月13日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/could-your-morning-coffee-be-a-weight-loss-tool-753803.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
もし、あなたの今の目標が「やせること」であるなら、コーヒーを飲むと良いかもしれない。コーヒー摂取によって体脂肪が減る可能性があるとする新たな研究が報告された。詳細は「American Journal of Clinical Nutrition」12月31日オンライン版に掲載された。この研究は本来、コーヒーがインスリン抵抗性を改善し得るか否かを検討することが目的だった。シンガポール国立大学のDerrick Johnston Alperet氏らは、35~69歳の過体重の成人126人をランダムに2群に分け、1群は1日に4杯のカフェイン入りインスタントコーヒーを摂取する群(62人)、他の1群はプラセボを摂取する群(64人)として24週間介入。その結果、グルコースクランプ法で評価したインスリン感受性は群間差が見られなかった(P=0.53)。.ところが意外なことに、24週間後の体脂肪量はコーヒー摂取群がプラセボ群よりも-3.7%有意に低い値だった(P=0.006)。この変化についてAlperet氏は、「脂肪の減少は食生活や運動などの、いわゆるライフスタイルが変更された影響によるものではないようだ」と述べている。同氏は、コーヒー摂取による体脂肪の減少は、カフェインが代謝プロセスを亢進させた結果と考えており、それによってコーヒーを摂取していない状態に比べてより多くのエネルギーが燃焼され、体脂肪の減少につながった可能性を考察している。.では、カフェイン入りコーヒーを1日4杯、長期間飲み続けることにリスクはないのだろうか。この点について同氏はリスクでないと考えている。このくらいの量はこれまでに報告されてきた研究の標準的な量であり、多くの報告から、米国では平均的に1日4杯、ヨーロッパでは平均1日7杯のコーヒーが摂取されていると見られるという。.一方、栄養と食事のアカデミー(AND、旧米国栄養士会)の元理事長のConnie Diekman氏は、「この研究で用いられた1日4杯のコーヒーという量はかなり多くお勧めできない」と述べている。「カフェイン摂取が多いと食欲が抑制される可能性がある。さらに、過剰なカフェイン摂取は全身に影響し、頭痛、いらいら感、心拍数の増加、胃の不調の原因となる」という。Alperet氏もこの注意点については同じ考えで、「現在コーヒーを飲んでいない人がこれから1日4杯飲もうとする場合は、他の飲食物や薬剤によるカフェイン摂取量を考慮しなければならない」としている。.論文をレビューした米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのLona Sandon 氏によると、「コーヒー、より具体的にいえばカフェインが食欲や体脂肪に何かしらの影響を及ぼす可能性は長年にわたり注目されている。しかし、体脂肪をどのように減らすのか、その正確なメカニズムについては今も議論が続けられている」という。.Sandon氏は、仮にコーヒーが体脂肪を減少させることが証明されたとしても、半年間飲み続けてわずかしか減少しないことから、過度な期待はすべきではないと指摘した上で、「体組成を変えるには、ゆるやかなエネルギー摂取制限に適度の運動プログラムを併用する方が効果的。コーヒーを1日数杯飲んだからといって、過剰に溜まった体脂肪がすぐになくなるわけではない」と語っている。(HealthDay News 2020年 1月13日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/could-your-morning-coffee-be-a-weight-loss-tool-753803.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.