有酸素運動は多くの人々にとって有益である。しかし、準備が不十分なままマラソンやトライアスロンなどの激しい運動を行うと、突然の心停止、心房細動、心筋梗塞などを招く可能性があるとする科学的声明を、米国心臓協会(AHA)が「Circulation」2月26日オンライン版で発表した。この新しい声明の執筆委員会委員長で、米ボーモント・ヘルス予防心臓病学・心臓リハビリテーション部長のBarry Franklin氏は「マラソンやトライアスロンに参加したり、高強度のインターバルトレーニングを行ったりする人は増えている。今回の声明の目的は、こうした激しい運動プログラムのベネフィットとリスクを正しく見直すことにあった」と説明している。.さらに、Franklin氏は「"運動は薬"であり、中等度から強度の運動が心血管の全体的な健康に有益であることは間違いない。しかし、薬と同じように運動にも適正レベルというものがあり、運動量が多ければ良いとは限らない。特に、心疾患を持っているか未診断の心疾患がある運動不足の人が高強度の運動を行うと、心イベントが生じることがある」と話している。.同委員会は、300件を超える研究をレビューし、大半の人にとって、運動量の増加と体力の向上によるベネフィットはリスクを上回ると結論付けている。定期的に散歩をするなどしてよく体を動かしている人は、心筋梗塞や心臓突然死のリスクが最大50%低減するという。.その一方で、高強度の運動には、心臓突然死や心筋梗塞のリスクが伴い得ることも明らかになった。1件の小規模研究では、マラソンやトライアスロンに参加する人々の心臓突然死のリスクは低いと結論付けられている。しかし、マラソンでは、男性において2000~2004年から2005~2010年の間で心臓突然死の発生率が10万人当たり0.71人から2.03人に増加していた。一方、トライアスロンでは、心臓突然死や突然の心停止を起こした人の40%弱が初参加者であり、訓練不足や基礎疾患との因果関係が示唆されたという。.運動量の増加を考えている人に対しAHAは、激しいトレーニングプログラムをいきなり始めるのではなく、まずは軽い運動プログラムから始め、徐々に強度を上げていくことを勧めている。また、運動中に、胸痛、胸部圧迫感、重度の息切れなどの症状が出た場合は、医師に相談する必要がある。「まずは運動を始めることが大切だ。しかし、たとえ高校時代にスポーツをやっていたとしても、ゆっくり進めてほしい」とFranklin氏は助言している。(HealthDay News 2020年3月2日).https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/intense-exercise-can-trigger-heart-trouble-in-the-unprepared-755204.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
有酸素運動は多くの人々にとって有益である。しかし、準備が不十分なままマラソンやトライアスロンなどの激しい運動を行うと、突然の心停止、心房細動、心筋梗塞などを招く可能性があるとする科学的声明を、米国心臓協会(AHA)が「Circulation」2月26日オンライン版で発表した。この新しい声明の執筆委員会委員長で、米ボーモント・ヘルス予防心臓病学・心臓リハビリテーション部長のBarry Franklin氏は「マラソンやトライアスロンに参加したり、高強度のインターバルトレーニングを行ったりする人は増えている。今回の声明の目的は、こうした激しい運動プログラムのベネフィットとリスクを正しく見直すことにあった」と説明している。.さらに、Franklin氏は「"運動は薬"であり、中等度から強度の運動が心血管の全体的な健康に有益であることは間違いない。しかし、薬と同じように運動にも適正レベルというものがあり、運動量が多ければ良いとは限らない。特に、心疾患を持っているか未診断の心疾患がある運動不足の人が高強度の運動を行うと、心イベントが生じることがある」と話している。.同委員会は、300件を超える研究をレビューし、大半の人にとって、運動量の増加と体力の向上によるベネフィットはリスクを上回ると結論付けている。定期的に散歩をするなどしてよく体を動かしている人は、心筋梗塞や心臓突然死のリスクが最大50%低減するという。.その一方で、高強度の運動には、心臓突然死や心筋梗塞のリスクが伴い得ることも明らかになった。1件の小規模研究では、マラソンやトライアスロンに参加する人々の心臓突然死のリスクは低いと結論付けられている。しかし、マラソンでは、男性において2000~2004年から2005~2010年の間で心臓突然死の発生率が10万人当たり0.71人から2.03人に増加していた。一方、トライアスロンでは、心臓突然死や突然の心停止を起こした人の40%弱が初参加者であり、訓練不足や基礎疾患との因果関係が示唆されたという。.運動量の増加を考えている人に対しAHAは、激しいトレーニングプログラムをいきなり始めるのではなく、まずは軽い運動プログラムから始め、徐々に強度を上げていくことを勧めている。また、運動中に、胸痛、胸部圧迫感、重度の息切れなどの症状が出た場合は、医師に相談する必要がある。「まずは運動を始めることが大切だ。しかし、たとえ高校時代にスポーツをやっていたとしても、ゆっくり進めてほしい」とFranklin氏は助言している。(HealthDay News 2020年3月2日).https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/intense-exercise-can-trigger-heart-trouble-in-the-unprepared-755204.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.