ひどい頭痛持ちで、スマートフォン(スマホ)をよく使う人は、できるだけ使用頻度を減らした方が良いかもしれない。全インド医科大学(インド)のDeepti Vibha氏らが実施した予備研究から、頭痛や片頭痛持ちでスマホを頻繁に使用する人は、頭痛持ちでスマホを持っていない人と比べて、鎮痛薬の使用量が多いことが明らかになった。この研究結果は「Neurology Clinical Practice」3月4日オンライン版に発表された。Vibha氏らは今回、片頭痛や緊張型頭痛など、さまざまなタイプの頭痛患者400人を対象に、スマホの使用状況や頭痛の状態、使用している薬剤に関する調査を行い、回答データを解析した。対象者のうち206人がスマホ使用者だった。.その結果、頭痛緩和のために鎮痛薬を使用していた人の割合は、スマホ非使用者で81%だったのに対し、スマホ使用者では96%と高かった。1カ月当たりの鎮痛薬の平均使用量も、スマホ非使用者の5錠に対してスマホ使用者では8錠と多かった。さらに、鎮痛薬により頭痛が緩和すると報告した人の割合は、スマホ非使用者では94%であったが、スマホ使用者では84%にとどまっていた。一方、頭痛の頻度や持続時間、重症度については、スマホの使用者と非使用者の間で差はなかった。.Vibha氏は結果を受けて「理由は不明だが、頭痛患者のスマホ使用と、鎮痛薬の使用量の増加およびその効果の減弱との間に関連が認められた」と結論付けている。ただし、同氏らは「スマホの使用による頭痛の悪化が証明されたわけではない」として、慎重な解釈を求めている。また、解析したデータは対象者の記憶に頼った報告に基づいたものであるため、正確性に欠ける可能性があることにも言及している。.この論文の付随論評の共著者で米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のHeidi Moawad氏は、「多くの人々にとってモバイル端末はなくてはならない存在であることを考慮すると、この研究結果は極めて重要な問題を提起したといえる」と話す。また、「この結果を受けて、スマホの使用時間を減らそうとする人もいるかもしれない。しかし、多くの人は、たとえ頭痛に苦しんでいても、スマホの使用頻度を控えはしないだろう」と述べ、むしろ頭痛や目の疲れ、首の痛みといった問題に悩まなくても済むように、スマホに技術的な改良が加えられていくのではないかとの見方を示している。.一方、米ノースウェル・ヘルス頭痛センターのNoah Rosen氏は、携帯電話やスマホはまたたく間に普及し、通話だけでなくショッピング、メールの送受信、音楽やメディアの視聴など、さまざまな用途で使用されるようになったことを述べ、「スマホの使用頻度が上昇し続けていることを踏まえれば、手根管症候群から脳腫瘍まで、さまざまなリスクを考量することは重要だ」との見解を示している。.ただし、今回の研究に関しては、頭痛や片頭痛、またそれらの治療へのアクセスに影響する可能性がある教育レベルや社会経済的地位などの要因が考慮されていないことを指摘し、「こうした点を考慮しない限り、疑問は解明されないままだ」と話している。(HealthDay News 2020年3月4日).https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/cellphone-health-news-729/could-smartphones-be-making-migraines-even-tougher-to-treat-755450.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
ひどい頭痛持ちで、スマートフォン(スマホ)をよく使う人は、できるだけ使用頻度を減らした方が良いかもしれない。全インド医科大学(インド)のDeepti Vibha氏らが実施した予備研究から、頭痛や片頭痛持ちでスマホを頻繁に使用する人は、頭痛持ちでスマホを持っていない人と比べて、鎮痛薬の使用量が多いことが明らかになった。この研究結果は「Neurology Clinical Practice」3月4日オンライン版に発表された。Vibha氏らは今回、片頭痛や緊張型頭痛など、さまざまなタイプの頭痛患者400人を対象に、スマホの使用状況や頭痛の状態、使用している薬剤に関する調査を行い、回答データを解析した。対象者のうち206人がスマホ使用者だった。.その結果、頭痛緩和のために鎮痛薬を使用していた人の割合は、スマホ非使用者で81%だったのに対し、スマホ使用者では96%と高かった。1カ月当たりの鎮痛薬の平均使用量も、スマホ非使用者の5錠に対してスマホ使用者では8錠と多かった。さらに、鎮痛薬により頭痛が緩和すると報告した人の割合は、スマホ非使用者では94%であったが、スマホ使用者では84%にとどまっていた。一方、頭痛の頻度や持続時間、重症度については、スマホの使用者と非使用者の間で差はなかった。.Vibha氏は結果を受けて「理由は不明だが、頭痛患者のスマホ使用と、鎮痛薬の使用量の増加およびその効果の減弱との間に関連が認められた」と結論付けている。ただし、同氏らは「スマホの使用による頭痛の悪化が証明されたわけではない」として、慎重な解釈を求めている。また、解析したデータは対象者の記憶に頼った報告に基づいたものであるため、正確性に欠ける可能性があることにも言及している。.この論文の付随論評の共著者で米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のHeidi Moawad氏は、「多くの人々にとってモバイル端末はなくてはならない存在であることを考慮すると、この研究結果は極めて重要な問題を提起したといえる」と話す。また、「この結果を受けて、スマホの使用時間を減らそうとする人もいるかもしれない。しかし、多くの人は、たとえ頭痛に苦しんでいても、スマホの使用頻度を控えはしないだろう」と述べ、むしろ頭痛や目の疲れ、首の痛みといった問題に悩まなくても済むように、スマホに技術的な改良が加えられていくのではないかとの見方を示している。.一方、米ノースウェル・ヘルス頭痛センターのNoah Rosen氏は、携帯電話やスマホはまたたく間に普及し、通話だけでなくショッピング、メールの送受信、音楽やメディアの視聴など、さまざまな用途で使用されるようになったことを述べ、「スマホの使用頻度が上昇し続けていることを踏まえれば、手根管症候群から脳腫瘍まで、さまざまなリスクを考量することは重要だ」との見解を示している。.ただし、今回の研究に関しては、頭痛や片頭痛、またそれらの治療へのアクセスに影響する可能性がある教育レベルや社会経済的地位などの要因が考慮されていないことを指摘し、「こうした点を考慮しない限り、疑問は解明されないままだ」と話している。(HealthDay News 2020年3月4日).https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/cellphone-health-news-729/could-smartphones-be-making-migraines-even-tougher-to-treat-755450.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.