米国の子ども(2~19歳)の食生活に関する新たな研究結果が、米タフツ大学栄養科学・政策学部のDariush Mozaffarian氏らにより「Journal of the American Medical Association(JAMA)」3月24日号に報告された。ここ18年の間に、加糖飲料の摂取が減少した一方で、全粒穀物の摂取は増加するなど、ある程度の改善は見られるものの、いまだ半数以上は適切な食事を取っていないという。今回の研究では、1999~2016年の間に実施された9回の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey;NHANES)に参加した、2~19歳の子ども3万1,420人の食事に関するデータが解析された。食事の質は、有効性が認められている3種類のダイエットスコアに基づき、「質が低い」、「中等度の質」、「理想的」に分類した。.18年にわたる研究期間を通じて、食事の質が低い子どもの割合は77%から56%に減少した一方で、食事の質が中等度の子どもの割合は23%から44%に増加した。2016年の時点で、質の低い食事を取っていた子どもを年齢層別に見ると、2~5歳(666人)では40%、6~11歳(1,040人)では53%、12~19歳(1,195人)では67%であった。.また、依然として顕著な栄養格差が継続していることも明らかになった。例えば、研究終了時点で質の低い食事を取っていた子どもの割合は、低所得世帯では65%であったのに対し、高所得世帯では47%であった。.さらに、Mozaffarian氏らは、1999~2016年にかけて見られた食事内容の改善を1日当たりの量に換算した。その結果、加糖飲料は8オンス(約227g)減少していた。これは、添加糖類に換算すると小さじ8杯分に相当する。一方、全粒穀物は2分の1サービング(サービングは、1回分として食べる標準的な量)増加していた。これは、全粒粉パンなら2分の1枚に相当する。そのほか、丸ごとの果物の摂取も5分の1サービング(およそぶどう7粒、りんご1切れなど)増加していた。.ただし、健康的な食物の摂取量が増えたとはいえ、いまだ国の推奨基準を満たすにはほど遠いという。例えば、野菜や果物は、1日当たりの推奨量4.5サービングに対し1.8サービングと半分未満であり、全粒穀物は1日当たりの推奨量の3分の1未満、魚介類にいたっては1週間当たりの推奨量の4分の1未満であった。また、塩分の摂取量は増加傾向にあり、推奨されている1日当たりの摂取量を大幅に超えていることも判明した。これには、加工食品の普及や中食の増加が影響していることが考えられるという。.こうした結果を受けてMozaffarian氏は「コップの水の理論(半分入っているか、半分なくなっているか)と同じで、この結果をどう捉えるかで見方が変わる。子どもの食事の質は間違いなく改善しており、これはとても良いことだ。その一方で、相変わらず栄養の乏しい食事を取っている子どもの割合が高い。これは、特に年長の子どもや、教育レベルや所得が低く、食料へのアクセスが不十分な家庭の子どもにとっては大きな問題だ」と述べている。(HealthDay News 2020年3月24日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/u-s-kids-teens-eating-better-but-nutrition-gaps-persist-756004.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
米国の子ども(2~19歳)の食生活に関する新たな研究結果が、米タフツ大学栄養科学・政策学部のDariush Mozaffarian氏らにより「Journal of the American Medical Association(JAMA)」3月24日号に報告された。ここ18年の間に、加糖飲料の摂取が減少した一方で、全粒穀物の摂取は増加するなど、ある程度の改善は見られるものの、いまだ半数以上は適切な食事を取っていないという。今回の研究では、1999~2016年の間に実施された9回の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey;NHANES)に参加した、2~19歳の子ども3万1,420人の食事に関するデータが解析された。食事の質は、有効性が認められている3種類のダイエットスコアに基づき、「質が低い」、「中等度の質」、「理想的」に分類した。.18年にわたる研究期間を通じて、食事の質が低い子どもの割合は77%から56%に減少した一方で、食事の質が中等度の子どもの割合は23%から44%に増加した。2016年の時点で、質の低い食事を取っていた子どもを年齢層別に見ると、2~5歳(666人)では40%、6~11歳(1,040人)では53%、12~19歳(1,195人)では67%であった。.また、依然として顕著な栄養格差が継続していることも明らかになった。例えば、研究終了時点で質の低い食事を取っていた子どもの割合は、低所得世帯では65%であったのに対し、高所得世帯では47%であった。.さらに、Mozaffarian氏らは、1999~2016年にかけて見られた食事内容の改善を1日当たりの量に換算した。その結果、加糖飲料は8オンス(約227g)減少していた。これは、添加糖類に換算すると小さじ8杯分に相当する。一方、全粒穀物は2分の1サービング(サービングは、1回分として食べる標準的な量)増加していた。これは、全粒粉パンなら2分の1枚に相当する。そのほか、丸ごとの果物の摂取も5分の1サービング(およそぶどう7粒、りんご1切れなど)増加していた。.ただし、健康的な食物の摂取量が増えたとはいえ、いまだ国の推奨基準を満たすにはほど遠いという。例えば、野菜や果物は、1日当たりの推奨量4.5サービングに対し1.8サービングと半分未満であり、全粒穀物は1日当たりの推奨量の3分の1未満、魚介類にいたっては1週間当たりの推奨量の4分の1未満であった。また、塩分の摂取量は増加傾向にあり、推奨されている1日当たりの摂取量を大幅に超えていることも判明した。これには、加工食品の普及や中食の増加が影響していることが考えられるという。.こうした結果を受けてMozaffarian氏は「コップの水の理論(半分入っているか、半分なくなっているか)と同じで、この結果をどう捉えるかで見方が変わる。子どもの食事の質は間違いなく改善しており、これはとても良いことだ。その一方で、相変わらず栄養の乏しい食事を取っている子どもの割合が高い。これは、特に年長の子どもや、教育レベルや所得が低く、食料へのアクセスが不十分な家庭の子どもにとっては大きな問題だ」と述べている。(HealthDay News 2020年3月24日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/u-s-kids-teens-eating-better-but-nutrition-gaps-persist-756004.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.