麻疹、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、風疹、水痘(水ぼうそう)のワクチンは極めて効果が高く、自閉症などのリスクはないことが、計2,348万668人の小児を対象とした138件の研究のレビューで明らかにされた。詳細は「Cochrane Review」4月20日オンライン版に掲載された。この研究論文の筆頭著者でRegional Epidemiology Unit SeREMI(イタリア)のCarlo Di Pietrantonj氏は、「安全性という点で言えば、これまでに世界各国で実施された研究から、麻疹などの疾患によるリスクは予防接種に伴うリスクをはるかに上回ることが分かっている。予防接種にはリスクがつきまとうということが、厳密な科学的根拠がないまま議論されてきたが、今回のレビューでは、そうした予防接種のリスクに対するエビデンスを得ることを目的とした」と述べている。.MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)ワクチンでは3つの感染症を予防することができ、MMRワクチンに水痘を組み合わせたMMRVワクチンや、MMRワクチンと水痘ワクチンを別個に同時接種するMMR+Vもある。Di Pietrantonj氏によると「全体として、既存のエビデンスは、集団予防接種としてこうしたワクチンを使うことの有効性と安全性を支持するものと考えられる」という。.今回の研究では、総計1,024万8,159人の小児を対象にMMRワクチンと水痘ワクチンの有効性を評価した51件の研究と、総計1,323万2,509人の小児を対象にこれらのワクチンのリスクを評価した87件の研究をレビューした。その結果、麻疹予防の有効率は1回接種で95%、2回接種で96%であり、1回接種した小児の感染率は0.5%であるのに対し、ワクチン未接種の小児では7%であることが明らかになった。.また、おたふく風邪予防の有効率は、1回接種で72%、2回接種で86%であり、2回接種した小児の感染率1%に対して、未接種の小児では7.4%であった。さらに、風疹および水痘についても優れた結果が得られ、1回接種による水痘予防の有効率は89%であった。MMRVワクチンによる水痘予防の有効率は、10年後でも95%であるとする研究結果も公表されている。.次に、119万4,764人の小児を対象に、ワクチンと自閉症の関連を調べた2件の研究を分析した結果、ワクチンを接種した小児と未接種の小児との間で、自閉症の診断数に差は見られなかった。また、107万1,088人を対象とした別の2件の研究では、MMRワクチン接種とその後の疾患や障害(脳炎、炎症性腸疾患、クローン病、認知発達遅延、1型糖尿病、喘息、皮膚炎/湿疹、花粉症、白血病、多発性硬化症、歩行障害、細菌またはウイルスによる感染症)発症との間に関連は認められなかった。.Di Pietrantonj氏は「世界的な疾患撲滅を目指す取り組みでは、各国の疫学的・社会経済的状況とともに、高いワクチン接種率を達成する能力についても評価に加える必要がある。ワクチンの予防効果が時間とともに弱まる可能性について検討するには、さらに多くのエビデンスが必要である」と結論付けている。(HealthDay News 2020年4月23日).https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/vaccine-news-689/study-confirms-safety-effectiveness-of-children-s-vaccines-756921.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
麻疹、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、風疹、水痘(水ぼうそう)のワクチンは極めて効果が高く、自閉症などのリスクはないことが、計2,348万668人の小児を対象とした138件の研究のレビューで明らかにされた。詳細は「Cochrane Review」4月20日オンライン版に掲載された。この研究論文の筆頭著者でRegional Epidemiology Unit SeREMI(イタリア)のCarlo Di Pietrantonj氏は、「安全性という点で言えば、これまでに世界各国で実施された研究から、麻疹などの疾患によるリスクは予防接種に伴うリスクをはるかに上回ることが分かっている。予防接種にはリスクがつきまとうということが、厳密な科学的根拠がないまま議論されてきたが、今回のレビューでは、そうした予防接種のリスクに対するエビデンスを得ることを目的とした」と述べている。.MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)ワクチンでは3つの感染症を予防することができ、MMRワクチンに水痘を組み合わせたMMRVワクチンや、MMRワクチンと水痘ワクチンを別個に同時接種するMMR+Vもある。Di Pietrantonj氏によると「全体として、既存のエビデンスは、集団予防接種としてこうしたワクチンを使うことの有効性と安全性を支持するものと考えられる」という。.今回の研究では、総計1,024万8,159人の小児を対象にMMRワクチンと水痘ワクチンの有効性を評価した51件の研究と、総計1,323万2,509人の小児を対象にこれらのワクチンのリスクを評価した87件の研究をレビューした。その結果、麻疹予防の有効率は1回接種で95%、2回接種で96%であり、1回接種した小児の感染率は0.5%であるのに対し、ワクチン未接種の小児では7%であることが明らかになった。.また、おたふく風邪予防の有効率は、1回接種で72%、2回接種で86%であり、2回接種した小児の感染率1%に対して、未接種の小児では7.4%であった。さらに、風疹および水痘についても優れた結果が得られ、1回接種による水痘予防の有効率は89%であった。MMRVワクチンによる水痘予防の有効率は、10年後でも95%であるとする研究結果も公表されている。.次に、119万4,764人の小児を対象に、ワクチンと自閉症の関連を調べた2件の研究を分析した結果、ワクチンを接種した小児と未接種の小児との間で、自閉症の診断数に差は見られなかった。また、107万1,088人を対象とした別の2件の研究では、MMRワクチン接種とその後の疾患や障害(脳炎、炎症性腸疾患、クローン病、認知発達遅延、1型糖尿病、喘息、皮膚炎/湿疹、花粉症、白血病、多発性硬化症、歩行障害、細菌またはウイルスによる感染症)発症との間に関連は認められなかった。.Di Pietrantonj氏は「世界的な疾患撲滅を目指す取り組みでは、各国の疫学的・社会経済的状況とともに、高いワクチン接種率を達成する能力についても評価に加える必要がある。ワクチンの予防効果が時間とともに弱まる可能性について検討するには、さらに多くのエビデンスが必要である」と結論付けている。(HealthDay News 2020年4月23日).https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/vaccine-news-689/study-confirms-safety-effectiveness-of-children-s-vaccines-756921.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.