お菓子の甘さが物足りないと思ったら、コーヒーと一緒に楽しむと良いかもしれない。「Foods」4月14日オンライン版に掲載された論文によると、コーヒーは、甘いものをさらに甘く感じさせるという。研究者らは、コーヒーを飲むことで、摂取する糖分やエネルギー量を減らせる可能性があると述べている。オーフス大学(デンマーク)のAlexander Fjældstad氏らは、156人のボランティアを対象に、コーヒーを飲む前後での味覚と嗅覚の変化を検討した。被験者はベースライン時に味覚・嗅覚感度測定検査を受けた後、ぬるめのエスプレッソを二口で飲み干し、2分以内に水道水150mLで口内を洗浄。その後、再び感度検査を受けた。.味覚感度は、水道水にショ糖を加えた「甘味」、クエン酸を加えた「酸味」、塩化ナトリウムを加えた「塩味」、キニーネを加えた「苦味」という4種類で評価。それぞれを10段階の濃度で味付けした水溶液を作成し、被験者が正しく識別できる最も薄い濃度を測定した。嗅覚の評価には、TDI(threshold、discrimination、identification)スコアと呼ばれる指標を用いた。.156人の被験者中101人(平均年齢25.5歳、男性が46人、喫煙者率15%、平均コーヒー摂取量2.1杯/日)に対しては、カフェイン入りのコーヒーによる検討を実施。その結果、4種類の味のうち、甘味に対する感度はコーヒー摂取前が7.72、摂取後は7.98で有意に上昇した(P<0.001)。一方、苦味に対する感度は7.87から7.31へ有意に低下した(P<0.001)。その他の塩味や酸味および嗅覚スコアに有意な変化はなかった。.156人中残りの55人(平均年齢24.5歳、男性が25人、喫煙者率13%、平均コーヒー摂取量1.5杯/日)に対しては、カフェイン抜きのコーヒーで検討を行った。結果はカフェイン入りのコーヒーの場合と同様で、甘味に対する感度が上昇(6.96から7.69。P<0.001)した一方、苦味に対する感度は低下し(7.51から6.87。P<0.001)、その他は有意な変化がなかった。.論文筆頭著者のFjældstad氏は、「味覚が相互に影響することは知られていたが、甘味と苦味の感度がこれほど容易に変わるとは驚きだ」と述べるとともに、「この作用はおそらくコーヒーに含まれる苦味成分によってもたらされるのではないか。コーヒーと一緒にダークチョコレートを食べると、チョコの苦味が減り甘さが増すのはそのためだろう」と説明している。.また同氏は、この研究結果が、人々が砂糖の摂取量を減らして健康的になるための手段につながる可能性について言及している。「食品添加物としての砂糖と甘味料の使用規制を検討するにあたって、この領域のさらなる研究が重要になるだろう。今後の研究成果次第で、コーヒーの摂取が食品中の糖分やエネルギー量を減らす手法として利用できる可能性があり、肥満者や糖尿病患者の福音になるかもしれない」という。(HealthDay News 2020年4月24日).https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/a-surprising-way-to-make-a-sweet-treat-taste-even-sweeter-756989.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.