定期的なマンモグラフィ検査により、進行乳がんや致死的な乳がんに罹患するリスクを低減できるとする研究結果を、英ロンドン大学クイーンメアリー校のStephen Duffy氏らが「Cancer」5月11日オンライン版に発表した。Duffy氏らは、マンモグラフィによるスクリーニングに適格なスウェーデンの女性のデータを用いて、スクリーニングを受けた女性と受けなかった女性を対象に、進行乳がんおよび診断から10年以内に致死的となった乳がんの罹患率を算出して比較した。対象者は総計54万9,091人で、これはスウェーデンでマンモグラフィに適格な女性のおよそ30%に相当する数だという。.その結果、マンモグラフィ検査を受けなかった女性に比べ、受けた女性は進行乳がんの罹患リスクが25%低く(相対リスク0.75)、診断から10年以内に乳がんで死亡するリスクは41%低かった(相対リスク0.59)。.この結果を受けてDuffy氏は、「この知見は、乳がんのスクリーニングを受けることで、致死的な乳がんのリスクを大幅に低減できることを示すものだ」と述べている。マンモグラフィ検査を受けることのベネフィットについては、これまで複数の研究で示唆されている。それを、検査を受けたことによる成果ではなく、乳がんの治療技術が向上したことによる成果だと考える専門家もいる。しかし、今回の研究では、研究対象者を同じ時期に追跡しているため、Duffy氏は「経時的な治療の変化による影響は受けていない」としている。.この研究論文の共著者の一人であるファールン中央病院(スウェーデン)のLaszlo Tabar氏は、「今回得られた知見は、最新治療の成果に加え、マンモグラフィ受診によって、乳がんによる死亡リスクをさらに低減できることを示唆するものだ」と話す。そして、「近年の乳がん治療技術の向上により、早期発見の重要性は薄れていると考える人もいるかもしれない。だが、やはり早期発見に代わるものはないことが、今回の研究で明らかにされた」と研究結果の意義を強調している。.米ノースウェル・ヘルスがん研究所のAlice Police氏もTabar氏の見解に同意を示し、近年、一部のガイドラインで、マンモグラフィの受診開始年齢を40歳から50歳に引き上げるなど、基準を緩める傾向があることを指摘する。その上で、「今回の研究により、進行乳がんおよび致死的な乳がんのリスクを低減するにはスクリーニングが重要であり、40歳からマンモグラフィ検査を受けるべきであることが再確認された」との見方を示している。.一方、米レノックス・ヒル病院の乳房造影のチーフを務めるKristin Byrne氏は、「結論は明白であり、乳がんがまだ小さく、転移のないうちに発見するには、マンモグラフィによるスクリーニングが極めて重要であることを再確認させるものだ」と述べ、「40代以上の女性は、年に1回、マンモグラフィ検査を受けることが重要だ。ハイリスクの女性は医師に相談の上、さらに早く始める方が良い場合もある」と助言している。(HealthDay News 2020年5月11日).https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/mammograms-do-save-women-s-lives-study-finds-757437.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
定期的なマンモグラフィ検査により、進行乳がんや致死的な乳がんに罹患するリスクを低減できるとする研究結果を、英ロンドン大学クイーンメアリー校のStephen Duffy氏らが「Cancer」5月11日オンライン版に発表した。Duffy氏らは、マンモグラフィによるスクリーニングに適格なスウェーデンの女性のデータを用いて、スクリーニングを受けた女性と受けなかった女性を対象に、進行乳がんおよび診断から10年以内に致死的となった乳がんの罹患率を算出して比較した。対象者は総計54万9,091人で、これはスウェーデンでマンモグラフィに適格な女性のおよそ30%に相当する数だという。.その結果、マンモグラフィ検査を受けなかった女性に比べ、受けた女性は進行乳がんの罹患リスクが25%低く(相対リスク0.75)、診断から10年以内に乳がんで死亡するリスクは41%低かった(相対リスク0.59)。.この結果を受けてDuffy氏は、「この知見は、乳がんのスクリーニングを受けることで、致死的な乳がんのリスクを大幅に低減できることを示すものだ」と述べている。マンモグラフィ検査を受けることのベネフィットについては、これまで複数の研究で示唆されている。それを、検査を受けたことによる成果ではなく、乳がんの治療技術が向上したことによる成果だと考える専門家もいる。しかし、今回の研究では、研究対象者を同じ時期に追跡しているため、Duffy氏は「経時的な治療の変化による影響は受けていない」としている。.この研究論文の共著者の一人であるファールン中央病院(スウェーデン)のLaszlo Tabar氏は、「今回得られた知見は、最新治療の成果に加え、マンモグラフィ受診によって、乳がんによる死亡リスクをさらに低減できることを示唆するものだ」と話す。そして、「近年の乳がん治療技術の向上により、早期発見の重要性は薄れていると考える人もいるかもしれない。だが、やはり早期発見に代わるものはないことが、今回の研究で明らかにされた」と研究結果の意義を強調している。.米ノースウェル・ヘルスがん研究所のAlice Police氏もTabar氏の見解に同意を示し、近年、一部のガイドラインで、マンモグラフィの受診開始年齢を40歳から50歳に引き上げるなど、基準を緩める傾向があることを指摘する。その上で、「今回の研究により、進行乳がんおよび致死的な乳がんのリスクを低減するにはスクリーニングが重要であり、40歳からマンモグラフィ検査を受けるべきであることが再確認された」との見方を示している。.一方、米レノックス・ヒル病院の乳房造影のチーフを務めるKristin Byrne氏は、「結論は明白であり、乳がんがまだ小さく、転移のないうちに発見するには、マンモグラフィによるスクリーニングが極めて重要であることを再確認させるものだ」と述べ、「40代以上の女性は、年に1回、マンモグラフィ検査を受けることが重要だ。ハイリスクの女性は医師に相談の上、さらに早く始める方が良い場合もある」と助言している。(HealthDay News 2020年5月11日).https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/mammograms-do-save-women-s-lives-study-finds-757437.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.