未就学児は、親が思っている以上に長い時間、スマートフォン(スマホ)やタブレットを使っており、なかにはティーンや大人向けのアプリを使用している者もいることが、米ミシガン大学C.S. Mott小児病院のJenny Radesky氏らの研究で明らかになった。研究結果の詳細は「Pediatrics」6月1日号に掲載された。この研究で対象とされたのは、3~5歳の小児およびその保護者346組である。346人の小児のうち、タブレット使用者は178人(アンドロイド:35人、iOS:143人)、スマホ使用者は168人(アンドロイド:91人、iOS:77人)で、自分のスマホやタブレットを持っている小児の割合は35%(121人)だった。Radesky氏らは、小児のモバイル端末の使用状況を9カ月以上追跡し、その結果を親が推定した使用時間と比較した。.その結果、自分のモバイル端末を持っている小児のスクリーンタイム(使用時間)は1日平均115.3分であり、アンドロイドユーザーとiOSユーザーの間に大きな差はなかった(アンドロイド:117.7分、iOS:114.2分)。半数以上(59.5%)の小児が1日1時間以上、モバイル端末を使用し、そのうちの14.9%(18人)は1日4時間以上もの時間を費やしていた。.一方、自分のスマホやタブレットを持っている小児の親で、子どものモバイル端末の使用状況を報告した115人の回答を調べたところ、使用時間を実際より少なく見積もっていたのは41人(35.7%)、正しく見積もっていたのは34人(29.6%)、実際より多く見積もっていたのは40人(34.8%)だった。.小児は1~85種類のアプリを使っており、その中には、ギャンブルや暴力的なゲーム、個人情報の収集や第三者広告主との情報共有が制限されていない一般向けゲームなども含まれていた。最も長時間、使用されていたアプリは、YouTube、YouTube Kids、動画ストリーミングサービスであった。ブラウザやSiriなども大多数の小児が使用していたが、使用時間は短かった。.こうした結果を受けてRadesky氏は「多くの親が、子どものモバイル端末の使用時間を正しく把握していないことが分かった。親は子どもが端末を使用しているとき、どんなコンテンツを見ているのか、どんなアプリが販売されているのかを知らない可能性もある」と述べている。.米国小児科学会(AAP)のスクリーンタイムガイドラインも執筆しているRadesky氏は、親は子どもが常に年齢に相応の教育アプリを使っていると思っているかもしれないが、実はそうではないと指摘。「小児が見ていたコンテンツの一部には、17歳以上向けのものもあった」と驚きを表す。.なお、これまでの研究では、小児の多くは1歳前からモバイル端末を扱い始め、最大で75%の小児が自分自身のモバイル端末を持っているとの報告もある。(HealthDay News 2020年6月1日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/misc-kid-s-health-news-435/parents-unaware-of-young-kids-smartphone-use-study-758088.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
未就学児は、親が思っている以上に長い時間、スマートフォン(スマホ)やタブレットを使っており、なかにはティーンや大人向けのアプリを使用している者もいることが、米ミシガン大学C.S. Mott小児病院のJenny Radesky氏らの研究で明らかになった。研究結果の詳細は「Pediatrics」6月1日号に掲載された。この研究で対象とされたのは、3~5歳の小児およびその保護者346組である。346人の小児のうち、タブレット使用者は178人(アンドロイド:35人、iOS:143人)、スマホ使用者は168人(アンドロイド:91人、iOS:77人)で、自分のスマホやタブレットを持っている小児の割合は35%(121人)だった。Radesky氏らは、小児のモバイル端末の使用状況を9カ月以上追跡し、その結果を親が推定した使用時間と比較した。.その結果、自分のモバイル端末を持っている小児のスクリーンタイム(使用時間)は1日平均115.3分であり、アンドロイドユーザーとiOSユーザーの間に大きな差はなかった(アンドロイド:117.7分、iOS:114.2分)。半数以上(59.5%)の小児が1日1時間以上、モバイル端末を使用し、そのうちの14.9%(18人)は1日4時間以上もの時間を費やしていた。.一方、自分のスマホやタブレットを持っている小児の親で、子どものモバイル端末の使用状況を報告した115人の回答を調べたところ、使用時間を実際より少なく見積もっていたのは41人(35.7%)、正しく見積もっていたのは34人(29.6%)、実際より多く見積もっていたのは40人(34.8%)だった。.小児は1~85種類のアプリを使っており、その中には、ギャンブルや暴力的なゲーム、個人情報の収集や第三者広告主との情報共有が制限されていない一般向けゲームなども含まれていた。最も長時間、使用されていたアプリは、YouTube、YouTube Kids、動画ストリーミングサービスであった。ブラウザやSiriなども大多数の小児が使用していたが、使用時間は短かった。.こうした結果を受けてRadesky氏は「多くの親が、子どものモバイル端末の使用時間を正しく把握していないことが分かった。親は子どもが端末を使用しているとき、どんなコンテンツを見ているのか、どんなアプリが販売されているのかを知らない可能性もある」と述べている。.米国小児科学会(AAP)のスクリーンタイムガイドラインも執筆しているRadesky氏は、親は子どもが常に年齢に相応の教育アプリを使っていると思っているかもしれないが、実はそうではないと指摘。「小児が見ていたコンテンツの一部には、17歳以上向けのものもあった」と驚きを表す。.なお、これまでの研究では、小児の多くは1歳前からモバイル端末を扱い始め、最大で75%の小児が自分自身のモバイル端末を持っているとの報告もある。(HealthDay News 2020年6月1日).https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/misc-kid-s-health-news-435/parents-unaware-of-young-kids-smartphone-use-study-758088.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.