質の高い食事、定期的な運動といった健康的な生活習慣を複数組み合わせることで、アルツハイマー病のリスクを60%も低減できる可能性のあることが、約3,000人を対象にした観察研究から明らかになった。研究結果の詳細は、「Neurology」6月17日オンライン版に掲載された。米国立老化研究所(NIA)ディレクターのRichard Hodes氏らが今回の研究でレビューの対象としたのは、Chicago Health and Aging Project(CHAP、1,845人)とRush Memory and Aging Project(MAP、920人)の2つのデータ。同氏らは、健康的な生活習慣として、1)週150分以上の中等度から強度の運動、2)禁煙、3)少量から中等量の飲酒量、4)質の高い地中海-DASH食の摂取、5)高齢者向けの認知活動の実践、の5つを設定し、参加者がこれらをいくつ達成できているかをスコア化した。.CHAPで5.8年、MAPで6.0年に及ぶ追跡期間(中央値)の間に、それぞれ379人、229人がアルツハイマー病を発症した。解析の結果、上記5つの健康的な生活習慣のうち0〜1個しか達成していなかった人に比べ、2~3個達成していた人はアルツハイマー病リスクが37%低く、4~5個達成していた人は60%低くなることが明らかになった。.Hodes氏は、「この観察研究は、改善可能な行動を組み合わせることで、アルツハイマー病のリスクを低減できる可能性があることを示す新たなエビデンスとなるものだ。この研究から、健康的な生活習慣とアルツハイマー病のリスク低下との関連が強化されただけではなく、介入措置によるアルツハイマー病の発症予防や発症遅延の可能性を調べる比較臨床試験の実施も視野に入ってきた」と述べている。.一方、NIA神経科学部門のプログラムディレクターを務めるDallas Anderson氏は、「この研究は、アルツハイマー病リスクにおいて、複数の因子がどのように関与するかを明らかにする上で役立つ」と述べ、「明確な因果関係が示されたわけではないが、有力な結果だ」と付け加えている。.脳の健康に有益であるとして挙げられた5つの生活習慣の詳細は以下の通り。1)中等度から強度の身体活動を週に150分以上行う。NIAは、運動継続のための最善策について、かかりつけ医に相談することを勧めている。2)禁煙を行う。何十年も喫煙を続けてきた60歳以上の人でも、禁煙すれば健康状態を改善できることが、研究により明らかにされているという。3)飲酒量は少量〜中等量にする。適度な飲酒は脳の健康に役立つ可能性がある。4)食事の内容に気を付ける。NIAは、認知症予防との関連が示されている、植物性食品を中心に摂取するMIND食(地中海食とDASH食を合わせたもの)が有益であるとしている。5)高齢者向けの認知活動を実践する。読書、ゲーム、講座を受ける、新しい技能や趣味を学ぶなど、常に頭を働かせ、知的な行動を取るよう心掛ける。(HealthDay News 2020年6月17日).https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/5-healthy-steps-to-lower-your-odds-for-alzheimer-s-758669.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
質の高い食事、定期的な運動といった健康的な生活習慣を複数組み合わせることで、アルツハイマー病のリスクを60%も低減できる可能性のあることが、約3,000人を対象にした観察研究から明らかになった。研究結果の詳細は、「Neurology」6月17日オンライン版に掲載された。米国立老化研究所(NIA)ディレクターのRichard Hodes氏らが今回の研究でレビューの対象としたのは、Chicago Health and Aging Project(CHAP、1,845人)とRush Memory and Aging Project(MAP、920人)の2つのデータ。同氏らは、健康的な生活習慣として、1)週150分以上の中等度から強度の運動、2)禁煙、3)少量から中等量の飲酒量、4)質の高い地中海-DASH食の摂取、5)高齢者向けの認知活動の実践、の5つを設定し、参加者がこれらをいくつ達成できているかをスコア化した。.CHAPで5.8年、MAPで6.0年に及ぶ追跡期間(中央値)の間に、それぞれ379人、229人がアルツハイマー病を発症した。解析の結果、上記5つの健康的な生活習慣のうち0〜1個しか達成していなかった人に比べ、2~3個達成していた人はアルツハイマー病リスクが37%低く、4~5個達成していた人は60%低くなることが明らかになった。.Hodes氏は、「この観察研究は、改善可能な行動を組み合わせることで、アルツハイマー病のリスクを低減できる可能性があることを示す新たなエビデンスとなるものだ。この研究から、健康的な生活習慣とアルツハイマー病のリスク低下との関連が強化されただけではなく、介入措置によるアルツハイマー病の発症予防や発症遅延の可能性を調べる比較臨床試験の実施も視野に入ってきた」と述べている。.一方、NIA神経科学部門のプログラムディレクターを務めるDallas Anderson氏は、「この研究は、アルツハイマー病リスクにおいて、複数の因子がどのように関与するかを明らかにする上で役立つ」と述べ、「明確な因果関係が示されたわけではないが、有力な結果だ」と付け加えている。.脳の健康に有益であるとして挙げられた5つの生活習慣の詳細は以下の通り。1)中等度から強度の身体活動を週に150分以上行う。NIAは、運動継続のための最善策について、かかりつけ医に相談することを勧めている。2)禁煙を行う。何十年も喫煙を続けてきた60歳以上の人でも、禁煙すれば健康状態を改善できることが、研究により明らかにされているという。3)飲酒量は少量〜中等量にする。適度な飲酒は脳の健康に役立つ可能性がある。4)食事の内容に気を付ける。NIAは、認知症予防との関連が示されている、植物性食品を中心に摂取するMIND食(地中海食とDASH食を合わせたもの)が有益であるとしている。5)高齢者向けの認知活動を実践する。読書、ゲーム、講座を受ける、新しい技能や趣味を学ぶなど、常に頭を働かせ、知的な行動を取るよう心掛ける。(HealthDay News 2020年6月17日).https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/5-healthy-steps-to-lower-your-odds-for-alzheimer-s-758669.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.