飼っているネコが、自宅の玄関先に捕らえてきた鳥やヘビを置いたことはないだろうか? 英エクセター大学環境・持続可能性研究所(ESI)のSarah Crowley氏らの研究によると、ネコのこのような狩猟本能やネコが外をうろつくことに対する飼い主の見方は、5つのタイプに分類することができるという。研究の詳細は、「Frontiers in Ecology and the Environment」9月3日オンライン版に掲載された。英国の環境保護団体は以前より、ペットとして飼われているネコにより捕獲される、鳥類や小型哺乳類、爬虫類などの野生動物の数に懸念を表明している。ネコが殺す野生動物の数自体は多くの場合、極めて少ないにしても、ペットとして飼われているネコの頭数の多さから、捕獲される小動物や爬虫類の数は相当数に上ると考えられるからだ。それならネコを家から出さなければよいのかというと、事はそう単純にはいかない。なぜなら、ネコの本能を尊重する人と、自然環境の保全を優先する人の間で、ネコの飼い方についての意見が一致しないからだ。.そのような状況の中、現在進行中のCrowley氏らの研究「Cats, Cat Owners and Wildlife」は、ネコにとっても、狩猟対象となる野生動物にとってもベネフィットとなるネコの飼い方を特定して、この問題を解決することを目指している。今回の研究では、過去のアンケート調査で得たネコの飼い主48人の回答や、新聞に掲載された投書の中から、外をうろついたり狩りをするネコの行動とその管理法に関して、合計157件の陳述が集められた。そのうちの62件の陳述を研究対象として採用し、Q方法論を用いて、ネコに対する飼い主の見方と、最良の飼い方に関する見解について調査した。.その結果、この件に関するネコの飼い主の見方には、5つの明確なタイプがあることが明らかになった。.1)心配性の保護者:屋外にいる間のネコの安全(迷子や事故など)を心配し、危険を避けるためなら家に閉じ込めることもよしとするが、狩りをさせないために家に閉じ込めることには賛同しない。2)自由擁護者:外をうろつくことはネコにとってベネフィットがあると考え、安全性に関してはほとんど心配していない。狩りについては、ネコの正常で健康的な行動であり、げっ歯類の個体数コントロールにもなると捉えている。3)寛容な保護者:ネコは外に出るべきだが、安全性の面から夜間は外に出さないことに賛同する。狩りを好ましく思っていないが、ネコの本能として理解を示す。狩猟行動が増えれば管理が必要と考えるが、その方法が分からない。4)良心的な世話人:ネコが外に出る必要性を認め、外に出るベネフィットは安全性の面でのリスクを上回ると考える。自然環境に悪影響を与える狩りを好ましく思っておらず、責任を感じて狩猟行動を管理しようと努めている。5)自由放任主義の飼い主:ネコは外に出しても出さなくてもどちらでも良いが、外に出したときの安全性は気に掛ける。狩りについては真剣に考えたことがないが、頻繁に行っているのであれば、行動を管理する必要があると考える。.Crowley氏は、「集めた陳述の中にはさまざまな意見があったものの、ほとんどの飼い主は、ネコが外に出られることを重視しており、狩をさせない目的で家に閉じ込めておくことには反対の意を示した」と述べている。.一方、狩りについてCrowley氏は、「狩りを肯定的なものと見なした飼い主のタイプは一つだけだった」と述べ、他のタイプの飼い主たちは、何らかの措置を講じて狩りを減らすことに関心を持つ可能性があるとしている。また、「最大限の効果を得るためには、狩りを減らすための対策が、飼い主の置かれた状況にかかわりなく実行できるものでなければならない」と述べ、その具体例として、ネコに鈴をつけたり、鮮やかな色の首輪カバーを付けることを挙げている。Crowley氏は現在、これらを含む種々の対策の有効性、および飼い主がそれらについてどのように感じているのかを評価している最中だという。(HealthDay News 2020年9月7日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/pets-and-health-news-531/what-kind-of-cat-owner-are-you-760982.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
飼っているネコが、自宅の玄関先に捕らえてきた鳥やヘビを置いたことはないだろうか? 英エクセター大学環境・持続可能性研究所(ESI)のSarah Crowley氏らの研究によると、ネコのこのような狩猟本能やネコが外をうろつくことに対する飼い主の見方は、5つのタイプに分類することができるという。研究の詳細は、「Frontiers in Ecology and the Environment」9月3日オンライン版に掲載された。英国の環境保護団体は以前より、ペットとして飼われているネコにより捕獲される、鳥類や小型哺乳類、爬虫類などの野生動物の数に懸念を表明している。ネコが殺す野生動物の数自体は多くの場合、極めて少ないにしても、ペットとして飼われているネコの頭数の多さから、捕獲される小動物や爬虫類の数は相当数に上ると考えられるからだ。それならネコを家から出さなければよいのかというと、事はそう単純にはいかない。なぜなら、ネコの本能を尊重する人と、自然環境の保全を優先する人の間で、ネコの飼い方についての意見が一致しないからだ。.そのような状況の中、現在進行中のCrowley氏らの研究「Cats, Cat Owners and Wildlife」は、ネコにとっても、狩猟対象となる野生動物にとってもベネフィットとなるネコの飼い方を特定して、この問題を解決することを目指している。今回の研究では、過去のアンケート調査で得たネコの飼い主48人の回答や、新聞に掲載された投書の中から、外をうろついたり狩りをするネコの行動とその管理法に関して、合計157件の陳述が集められた。そのうちの62件の陳述を研究対象として採用し、Q方法論を用いて、ネコに対する飼い主の見方と、最良の飼い方に関する見解について調査した。.その結果、この件に関するネコの飼い主の見方には、5つの明確なタイプがあることが明らかになった。.1)心配性の保護者:屋外にいる間のネコの安全(迷子や事故など)を心配し、危険を避けるためなら家に閉じ込めることもよしとするが、狩りをさせないために家に閉じ込めることには賛同しない。2)自由擁護者:外をうろつくことはネコにとってベネフィットがあると考え、安全性に関してはほとんど心配していない。狩りについては、ネコの正常で健康的な行動であり、げっ歯類の個体数コントロールにもなると捉えている。3)寛容な保護者:ネコは外に出るべきだが、安全性の面から夜間は外に出さないことに賛同する。狩りを好ましく思っていないが、ネコの本能として理解を示す。狩猟行動が増えれば管理が必要と考えるが、その方法が分からない。4)良心的な世話人:ネコが外に出る必要性を認め、外に出るベネフィットは安全性の面でのリスクを上回ると考える。自然環境に悪影響を与える狩りを好ましく思っておらず、責任を感じて狩猟行動を管理しようと努めている。5)自由放任主義の飼い主:ネコは外に出しても出さなくてもどちらでも良いが、外に出したときの安全性は気に掛ける。狩りについては真剣に考えたことがないが、頻繁に行っているのであれば、行動を管理する必要があると考える。.Crowley氏は、「集めた陳述の中にはさまざまな意見があったものの、ほとんどの飼い主は、ネコが外に出られることを重視しており、狩をさせない目的で家に閉じ込めておくことには反対の意を示した」と述べている。.一方、狩りについてCrowley氏は、「狩りを肯定的なものと見なした飼い主のタイプは一つだけだった」と述べ、他のタイプの飼い主たちは、何らかの措置を講じて狩りを減らすことに関心を持つ可能性があるとしている。また、「最大限の効果を得るためには、狩りを減らすための対策が、飼い主の置かれた状況にかかわりなく実行できるものでなければならない」と述べ、その具体例として、ネコに鈴をつけたり、鮮やかな色の首輪カバーを付けることを挙げている。Crowley氏は現在、これらを含む種々の対策の有効性、および飼い主がそれらについてどのように感じているのかを評価している最中だという。(HealthDay News 2020年9月7日).https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/pets-and-health-news-531/what-kind-of-cat-owner-are-you-760982.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.