子どもが電子タバコを使い始めても、親は気付かない場合が多いことが、新たな研究で明らかにされた。一方、子どもが従来のタバコを使用している場合は、親が気付くことが多いことも判明したという。この研究を実施した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究グループは、いかなる形のタバコ使用に対しても、家庭内で厳格なルールを設け、大人もそれを守ることが、子どものタバコ使用に対する最善の防止策であるとしている。研究結果は、「Pediatrics」10月5日オンライン版に掲載された。この研究は、12~17歳の子ども2万3,170人を対象にしたもの。研究チームは、対象者に質問票を通して、これまでのタバコ使用歴や過去30日以内のタバコ使用歴について調査した。また、対象者の親または保護者に対しても、同様の内容について尋ねた。.調査対象としたのは、紙巻タバコ、電子タバコのほか、葉巻、パイプ、水タバコ、ビディ(インドのタバコ)などの紙巻タバコではない燃焼式のタバコ製品。さらに、嗅ぎタバコ、噛みタバコ、スヌース(嗅ぎタバコの一種)、溶解性タバコ(dissolvable tobacco;口中で溶解するタバコ)などの無煙タバコ製品についても調べた。.その結果、子どもが電子タバコや、紙巻タバコではない燃焼式のタバコ、または無煙タバコを使用している場合は、従来の紙巻タバコを使用している場合に比べて、親が気付いたり疑ったりする確率が低いことが明らかになった。また、子どもが比較的高年齢、男児、白人、喫煙者と同居、両親が低学歴、質問への回答者が母親である場合には、親は子どものタバコ使用に気付きやすく、疑いやすいことも分かった。さらに、親がタバコに関して、家族全員に厳格なルールを設けている家庭では、タバコ使用に関して最も寛容な家庭に比べて、子どもがタバコ使用を開始する率は20~26%低かった。.研究論文の上席著者で、同大学歯学部准教授のBenjamin Chaffee氏は、「われわれの研究から、子どもの喫煙を防ぐ上で鍵となるのは、タバコのない家庭に育つことであることが明らかになった」と述べている。そして、「子どものタバコ使用は厄介な問題であり、医療従事者だけでなく、歯科医も、子どものタバコ使用防止に関心を持つべきだ」と主張している。.子どものタバコ使用防止のために親にできる対策として、研究グループは以下のことを勧めている。.・親自身がタバコを使用しない・家の中では、全室原則禁煙とする・家族全員がタバコ使用についての厳格なルールを守る・タバコを使用してはならないことを子どもに明確に伝える.なお、米国の若者の間では、従来のタバコの使用は減少しているが、電子タバコの使用が増加している。米疾病対策センター(CDC)によると、2019年には、高校生の4人に1人が電子タバコを使用していたという。(HealthDay News 2020年10月6日).https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/electronic-cigarettes-970/parents-often-in-the-dark-when-kids-take-up-vaping-761871.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.
子どもが電子タバコを使い始めても、親は気付かない場合が多いことが、新たな研究で明らかにされた。一方、子どもが従来のタバコを使用している場合は、親が気付くことが多いことも判明したという。この研究を実施した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究グループは、いかなる形のタバコ使用に対しても、家庭内で厳格なルールを設け、大人もそれを守ることが、子どものタバコ使用に対する最善の防止策であるとしている。研究結果は、「Pediatrics」10月5日オンライン版に掲載された。この研究は、12~17歳の子ども2万3,170人を対象にしたもの。研究チームは、対象者に質問票を通して、これまでのタバコ使用歴や過去30日以内のタバコ使用歴について調査した。また、対象者の親または保護者に対しても、同様の内容について尋ねた。.調査対象としたのは、紙巻タバコ、電子タバコのほか、葉巻、パイプ、水タバコ、ビディ(インドのタバコ)などの紙巻タバコではない燃焼式のタバコ製品。さらに、嗅ぎタバコ、噛みタバコ、スヌース(嗅ぎタバコの一種)、溶解性タバコ(dissolvable tobacco;口中で溶解するタバコ)などの無煙タバコ製品についても調べた。.その結果、子どもが電子タバコや、紙巻タバコではない燃焼式のタバコ、または無煙タバコを使用している場合は、従来の紙巻タバコを使用している場合に比べて、親が気付いたり疑ったりする確率が低いことが明らかになった。また、子どもが比較的高年齢、男児、白人、喫煙者と同居、両親が低学歴、質問への回答者が母親である場合には、親は子どものタバコ使用に気付きやすく、疑いやすいことも分かった。さらに、親がタバコに関して、家族全員に厳格なルールを設けている家庭では、タバコ使用に関して最も寛容な家庭に比べて、子どもがタバコ使用を開始する率は20~26%低かった。.研究論文の上席著者で、同大学歯学部准教授のBenjamin Chaffee氏は、「われわれの研究から、子どもの喫煙を防ぐ上で鍵となるのは、タバコのない家庭に育つことであることが明らかになった」と述べている。そして、「子どものタバコ使用は厄介な問題であり、医療従事者だけでなく、歯科医も、子どものタバコ使用防止に関心を持つべきだ」と主張している。.子どものタバコ使用防止のために親にできる対策として、研究グループは以下のことを勧めている。.・親自身がタバコを使用しない・家の中では、全室原則禁煙とする・家族全員がタバコ使用についての厳格なルールを守る・タバコを使用してはならないことを子どもに明確に伝える.なお、米国の若者の間では、従来のタバコの使用は減少しているが、電子タバコの使用が増加している。米疾病対策センター(CDC)によると、2019年には、高校生の4人に1人が電子タバコを使用していたという。(HealthDay News 2020年10月6日).https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/electronic-cigarettes-970/parents-often-in-the-dark-when-kids-take-up-vaping-761871.html.Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.