魚介類に含まれているマイクロプラスチックの量を、種別や産地別に比較したデータが報告された。アジア産の軟体動物(貝類など)が最も強く汚染されているという。研究の詳細は、「Environmental Health Perspectives」に12月23日掲載された。マイクロプラスチックとは、廃棄されたプラスチック製品が完全に分解されずに残った微細な粒子のこと。川や湖、海に流れ込むマイクロプラスチックの一部は魚介類の体内に取り込まれる。マイクロプラスチックで汚染された魚介類をヒトが摂取した場合の健康への影響が懸念されている。また、世界中で年間1億5500万トンに上るプラスチック廃棄物が発生していて、2060年までに2億6500万トンに倍増することが予測されている。.今回発表された研究は、英ハルヨーク医科大学のEvangelos Danopoulos氏らによるもの。同氏は、「マイクロプラスチックが人体に与える影響は、まだ完全には理解されておらず、これまでの研究は初歩的な段階にとどまっていると言えるだろう。そうではあるが、それらの研究は、マイクロプラスチックが人体に害を及ぼすことを示唆している」と述べている。.Danopoulos氏は、世界各地でのマイクロプラスチック汚染の実態を把握するために、2020年10月までに発表された論文を対象とするシステマティックレビューとメタ解析を実施。MEDLINE、EMBASEおよびWeb of Scienceに公開された論文を対象とする文献検索で、50件の研究報告を抽出した。.解析対象となった研究の大多数が、魚介類のマイクロプラスチック汚染を報告していた。メタ解析の結果、種別のマイクロプラスチック含有量は、軟体動物(アサリ、ムール貝、カキ、ホタテなど)が最も多く、湿重量(水分も含む重量)1g当たり0~10.5個だった。軟体動物の主要消費国は、中国、オーストラリア、カナダ、日本、米国であり、ヨーロッパと英国がそれに続く。.軟体動物以外では、甲殻類が同0.1~8.6個、魚類は同0〜2.9個だった。産地別では、アジア海域で採取された軟体動物が最も激しく汚染されていた。ヒトが摂取するマイクロプラスチックの最大量は、1年間に5万5,000個近くに達すると推定された。.大学のニュースリリースの中でDanopoulos氏は、「マイクロプラスチックに汚染された魚介類の摂取による人体への影響を理解するために、まず重要なステップは、ヒトが摂取しているマイクロプラスチックの量を詳細に知ることだ」と述べている。それには、人々が摂取している魚介類の種類や量を把握し、かつ、それらの魚介類に含まれているマイクロプラスチックの量を測定する必要がある。.同氏はまた、「マイクロプラスチックの汚染レベルが、海域によってどの程度異なるのかを知る必要もあり、さまざまな海域からより多くのデータを入手しなければならない」と語っている。加えて、汚染レベルをより正確に比較検討するため、測定方法を標準化することの必要性についても言及している。(HealthDay News 2020年12月28日).https://consumer.healthday.com/b-12-28-which-seafood-has-the-highest-amount-of-microplastics-2649593121.html.Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
魚介類に含まれているマイクロプラスチックの量を、種別や産地別に比較したデータが報告された。アジア産の軟体動物(貝類など)が最も強く汚染されているという。研究の詳細は、「Environmental Health Perspectives」に12月23日掲載された。マイクロプラスチックとは、廃棄されたプラスチック製品が完全に分解されずに残った微細な粒子のこと。川や湖、海に流れ込むマイクロプラスチックの一部は魚介類の体内に取り込まれる。マイクロプラスチックで汚染された魚介類をヒトが摂取した場合の健康への影響が懸念されている。また、世界中で年間1億5500万トンに上るプラスチック廃棄物が発生していて、2060年までに2億6500万トンに倍増することが予測されている。.今回発表された研究は、英ハルヨーク医科大学のEvangelos Danopoulos氏らによるもの。同氏は、「マイクロプラスチックが人体に与える影響は、まだ完全には理解されておらず、これまでの研究は初歩的な段階にとどまっていると言えるだろう。そうではあるが、それらの研究は、マイクロプラスチックが人体に害を及ぼすことを示唆している」と述べている。.Danopoulos氏は、世界各地でのマイクロプラスチック汚染の実態を把握するために、2020年10月までに発表された論文を対象とするシステマティックレビューとメタ解析を実施。MEDLINE、EMBASEおよびWeb of Scienceに公開された論文を対象とする文献検索で、50件の研究報告を抽出した。.解析対象となった研究の大多数が、魚介類のマイクロプラスチック汚染を報告していた。メタ解析の結果、種別のマイクロプラスチック含有量は、軟体動物(アサリ、ムール貝、カキ、ホタテなど)が最も多く、湿重量(水分も含む重量)1g当たり0~10.5個だった。軟体動物の主要消費国は、中国、オーストラリア、カナダ、日本、米国であり、ヨーロッパと英国がそれに続く。.軟体動物以外では、甲殻類が同0.1~8.6個、魚類は同0〜2.9個だった。産地別では、アジア海域で採取された軟体動物が最も激しく汚染されていた。ヒトが摂取するマイクロプラスチックの最大量は、1年間に5万5,000個近くに達すると推定された。.大学のニュースリリースの中でDanopoulos氏は、「マイクロプラスチックに汚染された魚介類の摂取による人体への影響を理解するために、まず重要なステップは、ヒトが摂取しているマイクロプラスチックの量を詳細に知ることだ」と述べている。それには、人々が摂取している魚介類の種類や量を把握し、かつ、それらの魚介類に含まれているマイクロプラスチックの量を測定する必要がある。.同氏はまた、「マイクロプラスチックの汚染レベルが、海域によってどの程度異なるのかを知る必要もあり、さまざまな海域からより多くのデータを入手しなければならない」と語っている。加えて、汚染レベルをより正確に比較検討するため、測定方法を標準化することの必要性についても言及している。(HealthDay News 2020年12月28日).https://consumer.healthday.com/b-12-28-which-seafood-has-the-highest-amount-of-microplastics-2649593121.html.Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.