健康のために食事や運動に関する習慣を改めるようにとのアドバイスが、古くから繰り返され続けている。このアドバイスには多くの根拠があるが、また一つ、生活習慣を改善することの重要性を示す報告が追加された。米国で長年続けられ数々のエビデンスを発信してきている「フラミンガム研究」のデータを解析した結果であり、中年期に食事と運動のガイドラインの推奨を守っている人は、人生の後半に差しかかった時にメタボリックシンドローム(MetS)になる確率が有意に低いとのことだ。研究の詳細は「Journal of the American Heart Association」に3月31日掲載された。.米ボストン大学のVanessa Xanthakis氏らは、フラミンガム研究の第3世代コホートの参加者2,379人(平均年齢47歳、女性54.4%)を対象に、食事と運動に関するガイドラインの順守状況とMetS有病率との関連を検討した。順守状況は、2015年の食事ガイドラインを基準とするアドヒアランスインデックス(Dietary Guidelines for Americans Adherence Index;DGAI)の中央値(100点満点中の62.1点)を上回るか否かで全体を二分。また運動については、2018年のガイドラインの推奨である「週に中強度の運動を150分以上、または高強度の運動を75分以上」を満たしているか否かで二分した。.2008~2011年の参加登録時データを用いた横断的解析から、MetS発症に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、喫煙、摂取エネルギー量、心血管疾患の既往など)を調整しても、ガイドラインを順守している人にはMetSが少ないという関連が認められた。例えば、食事ガイドラインを順守している人がMetSである確率は、順守していない人より33%低く〔オッズ比(OR)0.67、95%信頼区間0.51~0.90〕、運動ガイドラインを順守している人はOR0.49(同0.40~0.60)だった。また両方の推奨を順守している人は、両方とも順守していない人に比べOR0.35(同0.26~0.47)であり、MetSである確率が65%低かった。.本研究ではさらに、研究参加者を平均8年間追跡してMetSの新規発症リスクを検討するという縦断的解析も行った。その結果、食事ガイドラインを順守していた人のMetS発症率は順守していなかった人より32%低く〔ハザード比(HR)0.68、同0.51~0.90〕、運動ガイドラインを順守していた人はHR0.66(同0.50~0.88)だった。また両方の推奨を順守していた人は、両方とも順守していなかった人に比べHR 0.48(同0.32~0.70)であり、MetSを発症する確率が52%低かった。.論文の上席著者であるXanthakis氏は、この結果を、「人生の早い段階で食事や運動の習慣を改めるほど、人生の後半で心血管疾患のリスクが低下する確率が高くなる」と総括。その上で、「ヘルスケアスタッフは指導対象者に向けて、健康的な食事と定期的な運動のメリットを、より強調して伝えるべきだ」と語っている。ただし、本研究は参加者が全員白人であるため、「他の人種・民族を含むさらなる研究が必要だ」と付け加えている。(HealthDay News 2021年3月31日).https://consumer.healthday.com/b-3-31-healthy-livi….Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
健康のために食事や運動に関する習慣を改めるようにとのアドバイスが、古くから繰り返され続けている。このアドバイスには多くの根拠があるが、また一つ、生活習慣を改善することの重要性を示す報告が追加された。米国で長年続けられ数々のエビデンスを発信してきている「フラミンガム研究」のデータを解析した結果であり、中年期に食事と運動のガイドラインの推奨を守っている人は、人生の後半に差しかかった時にメタボリックシンドローム(MetS)になる確率が有意に低いとのことだ。研究の詳細は「Journal of the American Heart Association」に3月31日掲載された。.米ボストン大学のVanessa Xanthakis氏らは、フラミンガム研究の第3世代コホートの参加者2,379人(平均年齢47歳、女性54.4%)を対象に、食事と運動に関するガイドラインの順守状況とMetS有病率との関連を検討した。順守状況は、2015年の食事ガイドラインを基準とするアドヒアランスインデックス(Dietary Guidelines for Americans Adherence Index;DGAI)の中央値(100点満点中の62.1点)を上回るか否かで全体を二分。また運動については、2018年のガイドラインの推奨である「週に中強度の運動を150分以上、または高強度の運動を75分以上」を満たしているか否かで二分した。.2008~2011年の参加登録時データを用いた横断的解析から、MetS発症に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、喫煙、摂取エネルギー量、心血管疾患の既往など)を調整しても、ガイドラインを順守している人にはMetSが少ないという関連が認められた。例えば、食事ガイドラインを順守している人がMetSである確率は、順守していない人より33%低く〔オッズ比(OR)0.67、95%信頼区間0.51~0.90〕、運動ガイドラインを順守している人はOR0.49(同0.40~0.60)だった。また両方の推奨を順守している人は、両方とも順守していない人に比べOR0.35(同0.26~0.47)であり、MetSである確率が65%低かった。.本研究ではさらに、研究参加者を平均8年間追跡してMetSの新規発症リスクを検討するという縦断的解析も行った。その結果、食事ガイドラインを順守していた人のMetS発症率は順守していなかった人より32%低く〔ハザード比(HR)0.68、同0.51~0.90〕、運動ガイドラインを順守していた人はHR0.66(同0.50~0.88)だった。また両方の推奨を順守していた人は、両方とも順守していなかった人に比べHR 0.48(同0.32~0.70)であり、MetSを発症する確率が52%低かった。.論文の上席著者であるXanthakis氏は、この結果を、「人生の早い段階で食事や運動の習慣を改めるほど、人生の後半で心血管疾患のリスクが低下する確率が高くなる」と総括。その上で、「ヘルスケアスタッフは指導対象者に向けて、健康的な食事と定期的な運動のメリットを、より強調して伝えるべきだ」と語っている。ただし、本研究は参加者が全員白人であるため、「他の人種・民族を含むさらなる研究が必要だ」と付け加えている。(HealthDay News 2021年3月31日).https://consumer.healthday.com/b-3-31-healthy-livi….Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.