脳卒中および心筋梗塞(MI)のサバイバーが緑茶を飲むと予後が改善される可能性があることが、「Stroke」に2月4日掲載された論文で明らかにされた。. 大阪大学大学院医学系研究科の寺本将行氏らは、JACC研究(Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk)に参加した日本人男女を対象に、緑茶およびコーヒーの摂取量と死亡リスクとの関連を検討する研究を行った。1988~1990年に参加登録された40~79歳の参加者4万6,213例(脳卒中サバイバー478例、MIサバイバー1,214例、脳卒中およびMIの既往のない参加者4万4,521例)が、ライフスタイル、食事および病歴に関するアンケートに回答した。死亡については2009年まで追跡した。. Cox比例ハザードモデルを用いて潜在的交絡因子(年齢、性別、高血圧・糖尿病の既往、BMI、喫煙の有無、飲酒量、運動時間、歩行時間、精神的ストレス、教育水準、雇用形態、野菜・魚・果物・大豆の摂取量)を調整後、緑茶およびコーヒーの摂取量と全死亡リスクとの関連を解析し、全死亡の多変量ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。緑茶の摂取量と全死亡リスクの関連の解析ではコーヒーの摂取量を交絡因子とし、コーヒーの摂取量と全死亡リスクの関連の解析では緑茶の摂取量を交絡因子とした。. 追跡期間中央値18.5年で9,253例が死亡した。脳卒中サバイバーでは、緑茶の摂取量と全死亡との間に負の関連が認められた〔緑茶を飲まない場合と比較した全死亡の多変量HR(95%CI)は、緑茶の摂取量が1~6杯/週で0.73(0.42~1.27)、1~2杯/日で0.65(0.36~1.15)、3~4杯/日で0.56(0.34~0.92)、5~6杯/日で0.52(0.31~0.86)、7杯/日以上で0.38(0.20~0.71)(P for trend=0.002)〕。MIサバイバーでも脳卒中サバイバーと同様の負の関連が認められた(P for trend=0.01)。しかし、このような関連は、脳卒中およびMIの既往のない参加者では認められなかった。. 脳卒中およびMIの既往のない人では、コーヒーの摂取量と全死亡との間に負の関連が認められた〔コーヒーを飲まない場合と比較した多変量調整HR(95%CI)は、コーヒーの摂取量が1~6杯/週で0.86(0.82~0.91)、1杯/日で0.86(0.80~0.92)、2杯/日以上で0.82(0.77~0.89)(P for trend<0.001)〕。MIサバイバーでも、コーヒーの摂取量と全死亡との間に負の関連が認められた〔同0.69(0.53~0.91)、同0.78(0.55~1.10)、同0.61(0.41~0.90)(P for trend=0.03)〕。しかし、脳卒中サバイバーではこのような関連は認められなかった。. 著者は、「心血管疾患のサバイバーにおける緑茶やコーヒーの心臓保護効果および神経保護効果を検証するためには、さらなる研究が必要である」と述べている。(HealthDay News 2021年2月4日).https://consumer.healthday.com/green-tea-consumpti….Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
脳卒中および心筋梗塞(MI)のサバイバーが緑茶を飲むと予後が改善される可能性があることが、「Stroke」に2月4日掲載された論文で明らかにされた。. 大阪大学大学院医学系研究科の寺本将行氏らは、JACC研究(Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk)に参加した日本人男女を対象に、緑茶およびコーヒーの摂取量と死亡リスクとの関連を検討する研究を行った。1988~1990年に参加登録された40~79歳の参加者4万6,213例(脳卒中サバイバー478例、MIサバイバー1,214例、脳卒中およびMIの既往のない参加者4万4,521例)が、ライフスタイル、食事および病歴に関するアンケートに回答した。死亡については2009年まで追跡した。. Cox比例ハザードモデルを用いて潜在的交絡因子(年齢、性別、高血圧・糖尿病の既往、BMI、喫煙の有無、飲酒量、運動時間、歩行時間、精神的ストレス、教育水準、雇用形態、野菜・魚・果物・大豆の摂取量)を調整後、緑茶およびコーヒーの摂取量と全死亡リスクとの関連を解析し、全死亡の多変量ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。緑茶の摂取量と全死亡リスクの関連の解析ではコーヒーの摂取量を交絡因子とし、コーヒーの摂取量と全死亡リスクの関連の解析では緑茶の摂取量を交絡因子とした。. 追跡期間中央値18.5年で9,253例が死亡した。脳卒中サバイバーでは、緑茶の摂取量と全死亡との間に負の関連が認められた〔緑茶を飲まない場合と比較した全死亡の多変量HR(95%CI)は、緑茶の摂取量が1~6杯/週で0.73(0.42~1.27)、1~2杯/日で0.65(0.36~1.15)、3~4杯/日で0.56(0.34~0.92)、5~6杯/日で0.52(0.31~0.86)、7杯/日以上で0.38(0.20~0.71)(P for trend=0.002)〕。MIサバイバーでも脳卒中サバイバーと同様の負の関連が認められた(P for trend=0.01)。しかし、このような関連は、脳卒中およびMIの既往のない参加者では認められなかった。. 脳卒中およびMIの既往のない人では、コーヒーの摂取量と全死亡との間に負の関連が認められた〔コーヒーを飲まない場合と比較した多変量調整HR(95%CI)は、コーヒーの摂取量が1~6杯/週で0.86(0.82~0.91)、1杯/日で0.86(0.80~0.92)、2杯/日以上で0.82(0.77~0.89)(P for trend<0.001)〕。MIサバイバーでも、コーヒーの摂取量と全死亡との間に負の関連が認められた〔同0.69(0.53~0.91)、同0.78(0.55~1.10)、同0.61(0.41~0.90)(P for trend=0.03)〕。しかし、脳卒中サバイバーではこのような関連は認められなかった。. 著者は、「心血管疾患のサバイバーにおける緑茶やコーヒーの心臓保護効果および神経保護効果を検証するためには、さらなる研究が必要である」と述べている。(HealthDay News 2021年2月4日).https://consumer.healthday.com/green-tea-consumpti….Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.