関節リウマチ(RA)発症例の約3分の1は、喫煙、高BMIおよびアルコール摂取量の少なさに起因すると考えられることが、「BMJ」に1月26日掲載された論文で明らかにされた。. 浙江中医薬大学(中国)のDing Ye氏らは、米国の成人を対象に、遺伝子とは無関係のリスク因子(生活習慣関連因子など)がRAの発症にどれほど寄与しているかを調べる研究を行った。まず、2005~2006年に国民健康栄養調査(NHANES)に登録された15歳以上の6,437例を対象として、一般集団のリスク因子の保有率を推定した。この際、NHANESでは複雑抽出法でサンプリングを行っていたことから、重み付け解析を行った。次にPubMedおよびWeb of Scienceに2019年3月31日までに登録された論文を検索し、米国の成人を対象にリスク因子とRAとの関連を検討した疫学研究を抽出した。生活習慣関連因子のように改めることが可能なリスク因子とRAとの関連を評価するために、相対リスク(RR)とその信頼区間(CI)をメタアナリシスで統合した。さらに、これらのリスク因子の保有率およびRRのデータを使用して、人口寄与割合(PAF)を算出した。. 重み付けしたリスク因子の保有率(標準誤差;SE)は、元喫煙者24.84%(1.04)、現喫煙者23.93%(1.22)、過体重(BMI 25.0~29.9)31.40%(0.82)、肥満(BMI>30)32.57%(1.44)であった。重み付けしたアルコールの平均摂取量(SE)は51.34g/週(2.75)であった。メタアナリシスでは、9本の論文から、非喫煙者と比べ、元喫煙者(RR 1.22、95%CI 1.10~1.36、I2=57.4%)および現喫煙者(同1.47、1.29~1.68、I2=60.1%)でRAリスクが高いことが明らかになった。また、4本の論文から、過体重および肥満の場合、RAリスクが高いことも示された(同1.27、1.09~1.48、I2=44.0%)。さらに、4本の論文から量反応関係を検討したところ、アルコール摂取量が50g/週増加するごとに、RAリスクが8%(95%CI 0~16)低下していた。. WHOのデータなどから推定した米国のRA患者の数は11万4,800例であった。各リスク因子のPAFは、喫煙14.00%(95%CI 8.13~23.33、このリスク因子でRAを発症した患者数は1万6,072例)、過体重または肥満14.73%(同5.45~23.50、1万6,910例)、アルコール摂取量の少なさ8.21%(同0.31~16.39、9,425例)であった。喫煙、過体重または肥満、およびアルコール摂取量の少なさの3因子を統合したPAFは32.69%(同13.41~50.96、3万7,528例)であった。. 著者らは、「RAリスクを軽減するために実行できる対策として、適正体重を維持し、禁煙することが挙げられるが、これを推奨するためのエビデンスは十分あると考えてよいだろう」と述べている。(HealthDay News 2021年1月29日).https://consumer.healthday.com/lifestyle-factors-a….Abstract/Full Text.Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
関節リウマチ(RA)発症例の約3分の1は、喫煙、高BMIおよびアルコール摂取量の少なさに起因すると考えられることが、「BMJ」に1月26日掲載された論文で明らかにされた。. 浙江中医薬大学(中国)のDing Ye氏らは、米国の成人を対象に、遺伝子とは無関係のリスク因子(生活習慣関連因子など)がRAの発症にどれほど寄与しているかを調べる研究を行った。まず、2005~2006年に国民健康栄養調査(NHANES)に登録された15歳以上の6,437例を対象として、一般集団のリスク因子の保有率を推定した。この際、NHANESでは複雑抽出法でサンプリングを行っていたことから、重み付け解析を行った。次にPubMedおよびWeb of Scienceに2019年3月31日までに登録された論文を検索し、米国の成人を対象にリスク因子とRAとの関連を検討した疫学研究を抽出した。生活習慣関連因子のように改めることが可能なリスク因子とRAとの関連を評価するために、相対リスク(RR)とその信頼区間(CI)をメタアナリシスで統合した。さらに、これらのリスク因子の保有率およびRRのデータを使用して、人口寄与割合(PAF)を算出した。. 重み付けしたリスク因子の保有率(標準誤差;SE)は、元喫煙者24.84%(1.04)、現喫煙者23.93%(1.22)、過体重(BMI 25.0~29.9)31.40%(0.82)、肥満(BMI>30)32.57%(1.44)であった。重み付けしたアルコールの平均摂取量(SE)は51.34g/週(2.75)であった。メタアナリシスでは、9本の論文から、非喫煙者と比べ、元喫煙者(RR 1.22、95%CI 1.10~1.36、I2=57.4%)および現喫煙者(同1.47、1.29~1.68、I2=60.1%)でRAリスクが高いことが明らかになった。また、4本の論文から、過体重および肥満の場合、RAリスクが高いことも示された(同1.27、1.09~1.48、I2=44.0%)。さらに、4本の論文から量反応関係を検討したところ、アルコール摂取量が50g/週増加するごとに、RAリスクが8%(95%CI 0~16)低下していた。. WHOのデータなどから推定した米国のRA患者の数は11万4,800例であった。各リスク因子のPAFは、喫煙14.00%(95%CI 8.13~23.33、このリスク因子でRAを発症した患者数は1万6,072例)、過体重または肥満14.73%(同5.45~23.50、1万6,910例)、アルコール摂取量の少なさ8.21%(同0.31~16.39、9,425例)であった。喫煙、過体重または肥満、およびアルコール摂取量の少なさの3因子を統合したPAFは32.69%(同13.41~50.96、3万7,528例)であった。. 著者らは、「RAリスクを軽減するために実行できる対策として、適正体重を維持し、禁煙することが挙げられるが、これを推奨するためのエビデンスは十分あると考えてよいだろう」と述べている。(HealthDay News 2021年1月29日).https://consumer.healthday.com/lifestyle-factors-a….Abstract/Full Text.Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.