女性は、自信のない男性に合わせるために、実際には感じていない性的満足を感じているふりをしがちだ。既に多くの女性が知っているこの事実を裏付ける3つの研究結果が、「Social Psychological and Personality Science」に1月31日発表された。これらの研究では、パートナーのことを自尊心が傷つきやすい人だと感じている女性は、パートナーの自尊心を守るためにオーガズムに達しているふりをしがちであり、その結果として、セックスから得られる満足度が低いことが示されたという。研究論文の筆頭著者で米南フロリダ大学のJessica Jordan氏は、「私はあるとき、この研究プロジェクトについて共同研究者の一人と話をしていた。その研究者は、男らしさに自信がない男性は、あまり性行為のフィードバックを求めないのではないかとの仮説を立てた。それを聞いて私はすぐに、それ以前に、女性がパートナーの自信のなさを察知したら、本当のことをパートナーに伝えはしないだろう、と思った」と振り返る。今回明らかになった3つの研究のうちの1つでは、ソーシャルメディアを通じた募集に応じて匿名で参加した157人の女性を対象に調査が実施された。その結果、パートナーよりも収入が多い女性は、パートナーより収入が低い女性と比べてオーガズムに達したふりをすると報告する確率が2倍であることが示された。2つ目の研究は、283人の女性を対象に実施された。この研究からは、女性が、自分のパートナーには"不安定な男らしさ(precarious manhood)"があると強く感じている場合には、オーガズムに達したふりをしがちであることが明らかになった。また、それによって女性の性的満足度が低下し、不安感が増大し、率直なコミュニケーションを取りにくくなることが判明した。3つ目の研究では196人の女性に、男らしさに自信のないパートナーがいたと仮定した場合、どのように反応するのかを尋ねた。その結果、パートナーが抱く不安への懸念から、女性はセックスに関して率直なコミュニケーションを取ることに消極的になることが示された。Jordan氏は、「このようなコミュニケーション不全が起こるのは、男性のせいでも女性のせいでもない」と言う。同氏によると、現代の米国文化において、性的なスキルは男らしさの一部とみなされている。そのため、女性からの肯定的なフィードバックは、男性に自分の男らしさを感じさせる力になる。同氏はこの点について、「われわれの文化では、男性は男らしくあるべきだという社会的風潮があり、男性たちも、"男らしくなければならない。自分の男らしさを見せなくてはならない"と考えがちだ。女性は、男性が男らしくあるための手助けをしているのだ」と説明する。しかしその代償として、女性は率直なコミュニケーションを取ることができなくなり、必然的に満足度も低下する。Jordan氏は、「私からのカップルへのアドバイスは、性的なことやそれ以外のことの両面でのニーズについて、早い段階で頻繁に話し合うようにする、というものだ」と述べ、セックスの前にどのようにそれぞれのニーズを伝え合うかを話してみることを提案している。この研究には関与していない「男性性」の専門家で、非営利団体CatalystのSarah DiMuccio氏は、「どのような人間関係においてもコミュニケーションの不足は望ましくない。寝室の中だけでなく、あらゆる場面でそれは問題となる。とりわけ性的満足には、コミュニケーションが成立してないこと、お互いのニーズについて認識が合致していないことが悪影響を与える」と説明する。一方、南フロリダ大学心理学教授のJennifer Bosson氏は、「親密な関係にある相手には、やさしさと尊敬を忘れずに正直な気持ちを伝えるのがベストな方法だ」と話している。(HealthDay News 2022年2月2日).https://consumer.healthday.com/2-1-fragile-male-eg….Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
女性は、自信のない男性に合わせるために、実際には感じていない性的満足を感じているふりをしがちだ。既に多くの女性が知っているこの事実を裏付ける3つの研究結果が、「Social Psychological and Personality Science」に1月31日発表された。これらの研究では、パートナーのことを自尊心が傷つきやすい人だと感じている女性は、パートナーの自尊心を守るためにオーガズムに達しているふりをしがちであり、その結果として、セックスから得られる満足度が低いことが示されたという。研究論文の筆頭著者で米南フロリダ大学のJessica Jordan氏は、「私はあるとき、この研究プロジェクトについて共同研究者の一人と話をしていた。その研究者は、男らしさに自信がない男性は、あまり性行為のフィードバックを求めないのではないかとの仮説を立てた。それを聞いて私はすぐに、それ以前に、女性がパートナーの自信のなさを察知したら、本当のことをパートナーに伝えはしないだろう、と思った」と振り返る。今回明らかになった3つの研究のうちの1つでは、ソーシャルメディアを通じた募集に応じて匿名で参加した157人の女性を対象に調査が実施された。その結果、パートナーよりも収入が多い女性は、パートナーより収入が低い女性と比べてオーガズムに達したふりをすると報告する確率が2倍であることが示された。2つ目の研究は、283人の女性を対象に実施された。この研究からは、女性が、自分のパートナーには"不安定な男らしさ(precarious manhood)"があると強く感じている場合には、オーガズムに達したふりをしがちであることが明らかになった。また、それによって女性の性的満足度が低下し、不安感が増大し、率直なコミュニケーションを取りにくくなることが判明した。3つ目の研究では196人の女性に、男らしさに自信のないパートナーがいたと仮定した場合、どのように反応するのかを尋ねた。その結果、パートナーが抱く不安への懸念から、女性はセックスに関して率直なコミュニケーションを取ることに消極的になることが示された。Jordan氏は、「このようなコミュニケーション不全が起こるのは、男性のせいでも女性のせいでもない」と言う。同氏によると、現代の米国文化において、性的なスキルは男らしさの一部とみなされている。そのため、女性からの肯定的なフィードバックは、男性に自分の男らしさを感じさせる力になる。同氏はこの点について、「われわれの文化では、男性は男らしくあるべきだという社会的風潮があり、男性たちも、"男らしくなければならない。自分の男らしさを見せなくてはならない"と考えがちだ。女性は、男性が男らしくあるための手助けをしているのだ」と説明する。しかしその代償として、女性は率直なコミュニケーションを取ることができなくなり、必然的に満足度も低下する。Jordan氏は、「私からのカップルへのアドバイスは、性的なことやそれ以外のことの両面でのニーズについて、早い段階で頻繁に話し合うようにする、というものだ」と述べ、セックスの前にどのようにそれぞれのニーズを伝え合うかを話してみることを提案している。この研究には関与していない「男性性」の専門家で、非営利団体CatalystのSarah DiMuccio氏は、「どのような人間関係においてもコミュニケーションの不足は望ましくない。寝室の中だけでなく、あらゆる場面でそれは問題となる。とりわけ性的満足には、コミュニケーションが成立してないこと、お互いのニーズについて認識が合致していないことが悪影響を与える」と説明する。一方、南フロリダ大学心理学教授のJennifer Bosson氏は、「親密な関係にある相手には、やさしさと尊敬を忘れずに正直な気持ちを伝えるのがベストな方法だ」と話している。(HealthDay News 2022年2月2日).https://consumer.healthday.com/2-1-fragile-male-eg….Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock