片頭痛患者では、健康な対照群と比較して脈絡膜が有意に薄いというメタアナリシスの結果が、「Survey of Ophthalmology」に1月27日報告された。.複数の研究で片頭痛患者の脈絡膜に関する報告がなされているが、結果に一貫性はなく、研究結果を統合した解析は行われていない。テヘラン医科大学(イラン)のMahdi Gouravani氏らは、PubMed、Scopus、EMBASEのデータベースを用いて、健康な対照群と片頭痛患者群の脈絡膜厚を比較した症例対照研究のシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。解析には10件の研究が含まれた〔片頭痛患者群580人(前兆あり群173人、前兆なし群128人、前兆の有無不明279人)、対照群407人〕。脈絡膜厚はOCT(光干渉断層撮影)により評価した。効果量は標準化平均差(SMD)として計算し、群間差を比較した。.4件の研究(片頭痛患者群242人、対照群173人)で評価された平均脈絡膜厚は、対照群に比べて片頭痛患者群で有意に薄かった〔SMD -1.28、95%信頼区間(CI)-2.47~-0.08、P=0.04〕。8件の研究〔片頭痛患者群426人(前兆あり群152人、前兆なし群116人、前兆の有無不明158人)、対照群322人〕で測定された中心窩下脈絡膜厚については、対照群と片頭痛患者群の間では有意差は見られなかった。しかし、対照群と比較して、前兆あり群の中心窩下脈絡膜厚は有意に薄く(SMD -1.16、95%CI -1.39~-0.92、P<0.0001)、前兆なし群の中心窩下脈絡膜厚も有意に薄かった(同-0.81、-1.28~-0.34、P<0.001)。さらに、前兆あり群と前兆なし群を比較したところ、中心窩下脈絡膜厚は前兆あり群で有意に薄かった(同-0.45、-0.84~-0.05、P=0.03)。.結果に影響を与え得る交絡因子のメタ回帰分析を行ったところ、片頭痛患者群と対照群の平均脈絡膜厚の差は男性の割合(β=-0.0637832、P=0.024)、眼の選択方法(片眼または両眼、β=2.341685、P=0.001)、症例かどうか(β=1.526426、P=0.036)の影響を受けていることが分かった。一方、これらの群間の中心窩下脈絡膜厚の差は、男性の割合(β=0.0705538、P<0.0001)、罹患期間(β=0.0935145、P=0.004)、発作回数(β=0.1720206、P<0.0001)に影響を受けていた。前兆なし群と対照群の中心窩下脈絡膜厚の差は、年齢(β=-0.1062684、P=0.017)、研究の出版年(β=0.2313379、P=0.022)、眼圧(β=-1.75707、P=0.017)の影響を受けていた。.著者らは、「本研究で示された脈絡構造と脈絡厚の変化とともに脈絡膜が支える網膜にも関連した変化が起こっている可能性があり、緑内障などの眼疾患と片頭痛との関連性や、片頭痛や片頭痛に関連した現象(前兆)の機序を解明できるかもしれない」と述べている。(HealthDay News 2022年2月4日).https://consumer.healthday.com/reduced-choroidal-thickness-for-individuals-with-migraine-2656553212.html.Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
片頭痛患者では、健康な対照群と比較して脈絡膜が有意に薄いというメタアナリシスの結果が、「Survey of Ophthalmology」に1月27日報告された。.複数の研究で片頭痛患者の脈絡膜に関する報告がなされているが、結果に一貫性はなく、研究結果を統合した解析は行われていない。テヘラン医科大学(イラン)のMahdi Gouravani氏らは、PubMed、Scopus、EMBASEのデータベースを用いて、健康な対照群と片頭痛患者群の脈絡膜厚を比較した症例対照研究のシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。解析には10件の研究が含まれた〔片頭痛患者群580人(前兆あり群173人、前兆なし群128人、前兆の有無不明279人)、対照群407人〕。脈絡膜厚はOCT(光干渉断層撮影)により評価した。効果量は標準化平均差(SMD)として計算し、群間差を比較した。.4件の研究(片頭痛患者群242人、対照群173人)で評価された平均脈絡膜厚は、対照群に比べて片頭痛患者群で有意に薄かった〔SMD -1.28、95%信頼区間(CI)-2.47~-0.08、P=0.04〕。8件の研究〔片頭痛患者群426人(前兆あり群152人、前兆なし群116人、前兆の有無不明158人)、対照群322人〕で測定された中心窩下脈絡膜厚については、対照群と片頭痛患者群の間では有意差は見られなかった。しかし、対照群と比較して、前兆あり群の中心窩下脈絡膜厚は有意に薄く(SMD -1.16、95%CI -1.39~-0.92、P<0.0001)、前兆なし群の中心窩下脈絡膜厚も有意に薄かった(同-0.81、-1.28~-0.34、P<0.001)。さらに、前兆あり群と前兆なし群を比較したところ、中心窩下脈絡膜厚は前兆あり群で有意に薄かった(同-0.45、-0.84~-0.05、P=0.03)。.結果に影響を与え得る交絡因子のメタ回帰分析を行ったところ、片頭痛患者群と対照群の平均脈絡膜厚の差は男性の割合(β=-0.0637832、P=0.024)、眼の選択方法(片眼または両眼、β=2.341685、P=0.001)、症例かどうか(β=1.526426、P=0.036)の影響を受けていることが分かった。一方、これらの群間の中心窩下脈絡膜厚の差は、男性の割合(β=0.0705538、P<0.0001)、罹患期間(β=0.0935145、P=0.004)、発作回数(β=0.1720206、P<0.0001)に影響を受けていた。前兆なし群と対照群の中心窩下脈絡膜厚の差は、年齢(β=-0.1062684、P=0.017)、研究の出版年(β=0.2313379、P=0.022)、眼圧(β=-1.75707、P=0.017)の影響を受けていた。.著者らは、「本研究で示された脈絡構造と脈絡厚の変化とともに脈絡膜が支える網膜にも関連した変化が起こっている可能性があり、緑内障などの眼疾患と片頭痛との関連性や、片頭痛や片頭痛に関連した現象(前兆)の機序を解明できるかもしれない」と述べている。(HealthDay News 2022年2月4日).https://consumer.healthday.com/reduced-choroidal-thickness-for-individuals-with-migraine-2656553212.html.Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock