米国で2016~2020年に小児外科手術を受け退院後30日以内に再入院したか救急外来(ED)を受診した症例について調査した結果、その多くが扁桃摘出術/アデノイド切除術や虫垂切除術など6種類の手術だけで占められていることが、「JAMA」8月23/30日号に掲載の論文で明らかになった。.米アン・アンド・ロバート・H・ルーリー小児病院のChristopher De Boer氏らは、52の小児三次医療機関が参加するPediatric Health Information Systemデータベースを用い、2016~2020年の間に9つの診療科(眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、心臓胸部外科、移植外科、脳神経外科、整形外科、歯科口腔外科、一般小児外科)の外来または入院中に26種類の外科手術のいずれかを受けた18歳以下の若年者(手術件数の合計は118万9,840件)を対象とし、「退院日から30日以内に同じ病院に入院もしくはEDを受診」(以下、再診)した症例を調査した。.その結果、再診の総計は8万8,796件で、再診率は7.46%(8万8,796件/118万9,840件)だった。再診総計のうち43.63%(3万8,742件)はEDのみを受診していた。再診件数が最も多かったのは扁桃摘出術/アデノイド切除術(1万8,279件)であり、再診率が最も高かったのは中心静脈カテーテル(CVC)/ポート挿入(41.45%、1万4,229件/3万4,327件)だった。ED受診のみに限ると、扁桃摘出術/アデノイド摘出術(1万419件)が最多で、虫垂切除術(3,637件)がこれに次いだ。.診療科別に見たところ、一般小児外科と耳鼻咽喉科が、それぞれ再診総計の42.38%(3万7,633件/8万8,796件)、35.20%(3万1,249件/8万8,796件)で、これら2つだけで77.58%を占めていた。また、ED受診件数のみに限ると、それぞれ38.5%(1万4,900件/3万8,742件)、35.9%(1万3,892件/3万8,742件)で、これら2つだけで74.32%を占めていた。一般小児外科と耳鼻咽喉科における6つの処置(扁桃摘出術/アデノイド切除術、虫垂切除術、CVC/ポート挿入術、胃瘻造設、鼓膜切開術および包皮切除)は、再診総計の67.8%(6万172件/8万8,796件)、ED受診件数の63.1%(2万4,435件/3万8,742件)を占めていた。.著者らは、「若年者の術後の再診率の高さが医療費負担を増大させる一因であることはすでに知られているが、この結果は、実際の姿を具体的に示したという点で重要だ」とし、「わずか数種類の手術によって再診件数が高められているという今回の結果を強い契機として、小児外科手術のあり方を見直すべきだろう」と述べている。(HealthDay News 2022年8月29日).https://consumer.healthday.com/6-procedures-account-for-two-third-of-pediatric-postop-revisits-2657946288.html.Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
米国で2016~2020年に小児外科手術を受け退院後30日以内に再入院したか救急外来(ED)を受診した症例について調査した結果、その多くが扁桃摘出術/アデノイド切除術や虫垂切除術など6種類の手術だけで占められていることが、「JAMA」8月23/30日号に掲載の論文で明らかになった。.米アン・アンド・ロバート・H・ルーリー小児病院のChristopher De Boer氏らは、52の小児三次医療機関が参加するPediatric Health Information Systemデータベースを用い、2016~2020年の間に9つの診療科(眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、心臓胸部外科、移植外科、脳神経外科、整形外科、歯科口腔外科、一般小児外科)の外来または入院中に26種類の外科手術のいずれかを受けた18歳以下の若年者(手術件数の合計は118万9,840件)を対象とし、「退院日から30日以内に同じ病院に入院もしくはEDを受診」(以下、再診)した症例を調査した。.その結果、再診の総計は8万8,796件で、再診率は7.46%(8万8,796件/118万9,840件)だった。再診総計のうち43.63%(3万8,742件)はEDのみを受診していた。再診件数が最も多かったのは扁桃摘出術/アデノイド切除術(1万8,279件)であり、再診率が最も高かったのは中心静脈カテーテル(CVC)/ポート挿入(41.45%、1万4,229件/3万4,327件)だった。ED受診のみに限ると、扁桃摘出術/アデノイド摘出術(1万419件)が最多で、虫垂切除術(3,637件)がこれに次いだ。.診療科別に見たところ、一般小児外科と耳鼻咽喉科が、それぞれ再診総計の42.38%(3万7,633件/8万8,796件)、35.20%(3万1,249件/8万8,796件)で、これら2つだけで77.58%を占めていた。また、ED受診件数のみに限ると、それぞれ38.5%(1万4,900件/3万8,742件)、35.9%(1万3,892件/3万8,742件)で、これら2つだけで74.32%を占めていた。一般小児外科と耳鼻咽喉科における6つの処置(扁桃摘出術/アデノイド切除術、虫垂切除術、CVC/ポート挿入術、胃瘻造設、鼓膜切開術および包皮切除)は、再診総計の67.8%(6万172件/8万8,796件)、ED受診件数の63.1%(2万4,435件/3万8,742件)を占めていた。.著者らは、「若年者の術後の再診率の高さが医療費負担を増大させる一因であることはすでに知られているが、この結果は、実際の姿を具体的に示したという点で重要だ」とし、「わずか数種類の手術によって再診件数が高められているという今回の結果を強い契機として、小児外科手術のあり方を見直すべきだろう」と述べている。(HealthDay News 2022年8月29日).https://consumer.healthday.com/6-procedures-account-for-two-third-of-pediatric-postop-revisits-2657946288.html.Abstract/Full Text (subscription or payment may be required).Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock