4HDN国内ニュース6月4日配信2

尿酸値が高い男性は高血圧に注意? 約2千人の会社員を対象に解析、九州大

日本人の男性会社員は、血清尿酸値が高いほど高血圧を発症しやすい可能性のあることが、九州大学大学院病態機能内科の寒水康雄氏らの研究グループの調べで分かった。特に45歳以下で、糖尿病やHDL-コレステロール(HDL-C)低値がない男性は気をつける必要があることも示された。詳細は「Journal of Hypertension」5月8日オンライン版に掲載された。

高尿酸血症は高血圧患者で合併する頻度が高く、その有病率は25%から50%に上るとの報告もみられる。また、高尿酸血症を合併した高血圧患者では肥満やメタボリック症候群のリスクも高いとされる。しかし、特に若年期から中年期の日本人において、血清尿酸値が高血圧の発症にどのような影響を及ぼすのかは明らかにされていない。研究グループは今回、男性会社員を対象に、血清尿酸値が高血圧の発症リスクに及ぼす影響を調べる観察研究を実施した。

対象は、某バス・鉄道会社に勤務する18~64歳の男性会社員のうち、2009年のベースライン時に高血圧が認められなかった2,335人。2015年まで6年間追跡し、血清尿酸値と高血圧の発症の有無を調べた。

その結果、追跡期間中に380人が新たに高血圧を発症した。対象者を血清尿酸値で4群(5.1mg/dL以下、5.2~5.8mg/dL群、5.9~6.6mg/dL群、6.7mg/dL以上)に分けて高血圧の発症リスクを比較したところ、年齢やBMI、収縮期血圧値などで調整した解析でも、血清尿酸値が高いほど高血圧リスクは上昇することが分かった(5.1mg/dL以下群と比べて、それぞれ1.34倍、1.42倍、1.65倍)。血清尿酸値が1mg/dL高いごとに高血圧リスクは13%上昇したという。

また、こうした関連は、糖尿病がなく、HDL-C低値(40mg/dL以下)ではない45歳以下の若年男性で強いことも明らかになった。

これらの結果を踏まえて、研究グループは「血清尿酸値が高い人は将来、高血圧を発症するリスクが高い可能性があることが分かった。高血圧を予防するためには、若いうちから尿酸値が上がらないように気をつける必要があるだろう」と述べている。(HealthDay News 2018年6月4日)

Abstract/Full Text
https://journals.lww.com/jhypertension/Abstract/publishahead/Impact_of_serum_uric_acid_on_incident_hypertension.97473.aspx

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1HDN6月25日「パッケージニュース」No.1

質の高い食事でがんサバイバーの生存率向上

がんサバイバー(経験者)は、野菜や果物、全粒粉や玄米など精製されていない全粒穀物、たんぱく質、低脂肪の乳製品が多く、栄養バランスに富む食事を取ると死亡リスクが低下する可能性のあることが、米フロリダ大学公衆衛生大学院のAshish Deshmukh氏らが行った新たな研究で示された。約1,200人のがんサバイバーを対象に食事の質と死亡リスクとの関係を調べた結果、食事の質が高い人では低い人と比べて、がんによる死亡リスクが65%低減することが分かったという。研究の詳細は「JNCI Cancer Spectrum」6月5日オンライン版に掲載された。

この研究は、1988~1994年の米国民健康栄養調査(NHANES)IIIに参加した約3万4,000人のうち、がんと診断されていた1,191人を対象としたもの。Deshmukh氏らは、対象としたがんサバイバーの食事内容の聞き取り調査や食物摂取頻度調査票のデータを用いて、米国農務省による食生活指針をどの程度守っているかをHealthy Eating Index(健康食指数;HEI)で評価した。なお、この指針では果物や野菜、未精製の全粒穀物、たんぱく質、乳製品、飽和脂肪、コレステロール、ナトリウム(塩分)の推奨摂取量を明示している。

中央値で17.2年の追跡期間中に607人ががんで死亡していた。解析の結果、HEIスコアが高い群では低い群と比べて、全死亡リスクが41%、がんによる死亡リスクが65%低いことが分かった。さらに、がんの種類別にHEIスコアと死亡リスクの関連をみたところ、皮膚がんや乳がんなど一部のがん種で質の高い食事と死亡リスクの低減に強い関連がみられたという。

Deshmukh氏は「がん患者の予後には、特定の栄養成分ではなく食事全体の質が影響するという結果は予想外だった」と話している。ただし、この研究は因果関係を証明したものではなく、食事の質を高めると延命効果がどの程度得られるのかは明らかではない上に、運動などの健康に良い他の習慣が影響した可能性も考慮されていないと強調している。

専門家の一人で米国がん協会(ACS)のMarjorie Lynn McCullough氏は、喫煙の影響が調整されておらず、改定前の食生活指針が用いられているなど、Deshmukh氏らの研究にはいくつかの限界点があるものの、「最近集積されつつある、がんサバイバーに健康的な食事を推奨すべきとするエビデンスと概ね一致するものだ」とコメントしている。ただし、がんの治療中や回復期には必要とされる栄養素が変わることがあるため、がんサバイバーは自分に必要な栄養素や運動について、医療従事者に事前に相談する必要があると付け加えている。(HealthDay News 2018年6月12日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/mis-cancer-news-102/balanced-diet-may-be-key-to-cancer-survival-734725.html

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1HDN6月25日「パッケージニュース」No.2

「50歳で血圧高め」は認知症のリスク因子か

50歳の時点で収縮期血圧(SBP)値が130mmHg以上だった人は、血圧が低かった人と比べて、後に認知症を発症するリスクが高い可能性のあることが新たな研究で示された。論文の筆頭著者で国立保健医学研究所(フランス)のJessica Abell氏は「このことは、正常高値血圧(SBP 130~139mmHg)であっても脳に悪影響を及ぼす可能性があることを示唆している」と述べている。詳細は「European Heart Journal」6月12日オンライン版に掲載された。

各国の診療ガイドラインでは従来、高血圧の定義はSBP/拡張期血圧(DBP)値140/90mmHg以上が採用されてきた。しかし、正常高値血圧でも心筋梗塞や脳卒中、心不全、腎不全のリスクが2倍とする最新のエビデンスに基づき、2017年に米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は診断基準を130/80mmHgに引き下げている。一方で、欧州高血圧学会(ESH)のガイドラインでは、診断基準は従来通り140/90mmHgに据え置かれている。

今回の研究では、Whitehall IIコホート研究に参加した英国の公務員8,639人(女性32.5%)を対象に、1985年から2003年の間に血圧を6年ごとに計4回測定し、2017年まで認知症の発症を追跡して血圧と認知症の発症との関連を調べた。今回は特に50歳、60歳および70歳時点の血圧に焦点を当てて解析したという。

その結果、社会人口学的な因子などさまざまな因子で調整した解析でも、50歳時点でSBP値が130mmHg以上だった人は、130mmHg未満だった人と比べてその後に認知症を発症するリスクが1.38倍であることが分かった。一方で、60歳および70歳時点のSBP値とDBP値はいずれの年齢でも認知症リスクと関連しないことも明らかになった。さらに、平均年齢で45歳と61歳の間にSBP値が130mmHg以上だった期間が長いほど認知症リスクは上昇することも示された。

Abell氏によると、高血圧は一過性脳虚血発作(TIA)や脳白質の損傷、脳への血流不足などを引き起こす可能性が指摘されているという。また、この結果から、中年期の早くから血圧が高い状態が続くほど認知症リスクは高まることが示唆されたことから、「健康寿命を延ばすには中年期の血圧を正常に保つことが重要だ」と同氏は強調している。

専門家の一人で米アルツハイマー病協会のHeather Snyder氏は、この結果は脳と心臓の健康は直接関係するとした既存の報告を裏付けるもので、「認知症予防のためにこの結果をどう生かしていくべきか、真剣に考えるべきだ」とコメントしている。一方で、米マウントサイナイ医療センターのSam Gandy氏によると、一定の年齢を過ぎると血圧を下げても認知症を予防できない可能性が示されており、「血圧が高い状態が長期間続いた人は身体がその状態に慣れており、血圧を下げるとかえって認知機能に悪影響が出る可能性がある」と話している。(HealthDay News 2018年6月13日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/high-blood-pressure-health-news-358/high-blood-pressure-in-your-50s-may-set-stage-for-dementia-734794.html

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1HDN6月25日「パッケージニュース」No.3

ヒトの脳は「脂質+糖質」を好むようにできている

ヒトの脳は、本能的に脂質と糖質の組み合わせを好むようにできている可能性のあることが、米イェール大学精神科のDana Small氏らによる研究で示唆された。この研究では、脂質と糖質のいずれかを多く含む食品よりも、ファストフードや加工食品などの両方を含んだ食品の方が、脳内の報酬系のシグナル伝達を増強することが明らかになったという。詳細は「Cell Metabolism」6月14日オンライン版に掲載された。

これまでの研究で、食欲を司る脳領域に空腹感や満腹感を伝えるシグナルは、主に腸管から伝達されることが分かっていた。一方、最近の研究では、脂質を摂取したときと糖質を摂取したときでは、異なるシグナル伝達経路が使われることも示されている。こうした結果を踏まえ、Small氏らは、脂質と糖質の両方を含む食品を摂取すると、カロリーは同じだが一方だけを含む食品を摂取するよりも、相乗作用によってシグナル伝達系への影響が強まる可能性があると考え、今回の研究を実施した。

研究では、健康なボランティアを対象に(1)キャンディーなどの糖質を多く含む食品、(2)ミートボールやチーズなどの脂質を多く含む食品、(3)クッキーやケーキなどの糖質と脂質の両方を多く含む食品のいずれかの写真を見てもらい、MRIによる脳画像検査を実施した。なお、対象者には、オークションで競り落とせば自分が好きなものを食べることができると説明した。

その結果、脂質+糖質を多く含む食品に対して最も高額な値が付けられた。また、脳画像検査の結果、脂質+糖質を多く含む食品の写真を見せられた際に、自分の好きな食べ物や、より甘い食品やより高カロリーな食品、量が多い食品の写真を見せられたときよりも、報酬系を司る脳領域の神経回路が活性化していた。

この結果について、Small氏は「脳内の報酬系は単純にカロリー量の増加に応じて活性化するわけではないことが分かり、驚いた」と話す。また、今回の研究では、脂質が多い食品のカロリーを推測できる人は多いが、糖質が多い食品のカロリーを推測できる人は少ないことも明らかになった。このことから、同氏は「多くの人は、脂質と糖質の両方を含む食品から正確にカロリーを推測することは難しいと思われる」と述べている。

Small氏は、脂質と糖質を多く含む食品は、ヒトの食欲を司るシグナルを“ハイジャックする”と表現する。「現代人が食べるほとんどの食品は脂質と糖質の両方を多く含んでいるが、こうした食品は母乳を除けば自然界には存在しない」と説明し、「現代的なこれらの食品が脳内の報酬系のシグナル伝達をより増強するのであれば、肥満や糖尿病が蔓延していることの説明がつく可能性がある」との見方を示している。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院肥満外科部長のMitchell Roslin氏は、この研究結果について「食べ過ぎに気づかずに、スナック菓子を一袋食べてしまう理由となるものだ」とした上で、「消費者には、自分の空腹感や満腹感に従うのではなく、適切な食品を選ぶように啓発する必要がある」と話している。米ロサンゼルスの管理栄養士であるMascha Davis氏は、ドライフルーツやナッツなどを含む健康に良いおやつを常備しておけば、脂質と糖質を同時に摂取でき、満腹感も得られるとアドバイスしている。(HealthDay News 2018年6月14日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dietary-fat-health-news-301/human-brain-hard-wired-to-love-fat-carb-combo-study-734887.html

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1HDN6月25日「パッケージニュース」No.4

周術期の輸血で血栓リスク上昇か

術前から術中、術後の周術期に輸血を受けると静脈血栓塞栓症(VTE)を発症するリスクが上昇する可能性があることが、米ジョンズ・ホプキンス大学輸血医学のAaron Tobian氏らによる研究から明らかになった。約75万人の外科手術患者のデータを分析した結果、周術期に輸血を受けた患者の約1%が術後30日以内にVTEを発症し、術後のVTEリスクは輸血を受けなかった患者の約2倍であることが分かった。この研究結果は「JAMA Surgery」6月13日オンライン版に発表された。

VTEとは手足の静脈に血栓ができる深部静脈血栓症(DVT)と、血栓が流れて肺の動脈に詰まる肺血栓塞栓症(PE)の総称で、死に至る可能性もある重篤な疾患だ。Tobian氏らによれば、輸血は手術時の炎症を抑えるとされるが、輸血用血液製剤は保存期間中に性状が変化して血栓ができやすくなる可能性が指摘されている。同氏らは、こうした輸血用血液製剤の変化と手術時の炎症が重なることで輸血により血栓リスクが高まる可能性があると推測。米国外科学会(ACS)の手術症例登録データベース(National Surgical Quality Improvement Program;NSQIP)を用いて、周術期の赤血球製剤を用いた輸血と術後のVTEリスクとの関連を調べた。

対象は、北米の525カ所の医療施設で2014年に登録された外科手術患者75万937人(年齢中央値58歳、女性56.8%)。このうち4万7,410人(6.3%)が周術期に赤血球輸血を1回以上受けていた。また、対象患者のうち6,309人(0.8%)が術後30日以内にVTEを発症し、その内訳はDVTが4,336人(0.6%)、PEが2,514人(0.3%)、DVTとPEの両方が541人(0.1%)であった。

解析の結果、周術期に赤血球輸血を受けた患者では、輸血を受けなかった患者と比べてVTEとDVT、PEのリスクが約2倍になることが分かった(調整後のオッズ比は順に2.1、2.2、1.9)。また、術後のVTEリスクは、周術期の赤血球輸血の回数が1回の場合は2.1倍に、2回の場合は3.1倍に、3回以上の場合には4.5倍と、輸血回数の増加に伴って術後のVTEリスクは上昇していた。

今回の研究は、輸血が原因でVTEを発症するという因果関係を証明したものではないが、Tobian氏らは「輸血には一般に知られていないリスクを伴う可能性のあることが示唆された。今後さらなる研究で同様の結果が得られれば、現行の輸血のあり方を再考する必要性が生じるかもしれない」と話す。また、同氏は「この研究結果は、輸血は必要最小限にとどめることの重要性を強調するものだ」と付け加えている。

専門家の一人で米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのDavid Evans氏も、外科手術を受けるときには本当に輸血が必要なのか、輸血以外に治療法がないのかを医師に尋ねるよう助言している。米レノックス・ヒル病院のAllan Conway氏もこの意見に同意し、「術後の血栓予防には、術後早期から歩き始めたり、低用量の抗凝固薬を使用するなどさまざまな方法がある」と話している。(HealthDay News 2018年6月13日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/clots-health-news-731/surgical-blood-transfusions-tied-to-clot-risk-734817.html

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4HDN国内ニュース6月25日配信2

日本の学校給食が思春期男子の肥満抑制に効果 東大グループ

日本の学校給食プログラムは、思春期男子の過体重や肥満を低減させる可能性があると、東京大学大学院公衆衛生学教授の小林廉毅氏と宮脇敦士氏らの研究グループが「Journal of Public Health」6月5日オンライン版に発表した。一方で、女子では過体重などの有意な低減効果はみられなかったという。

小児や思春期の若者における肥満増加は世界的な問題とされているが、世界各国に比べて日本の肥満率は低いとされている。その要因の一つに「学校給食プログラム」の影響が指摘されているが、明確なエビデンスは得られていなかった。研究グループは今回、過去10年間で中学校の給食の実施率が上昇した点に着目。政府統計の公開データを用いて、学校給食が思春期男女の肥満に及ぼす影響を調べた。

研究グループは、文部科学省による学校給食実施状況等調査・学校保健統計調査の公表データを用いて、2006~2015年の都道府県ごとの給食実施率と栄養状態の指標(過体重と肥満、やせの生徒の割合)、平均身長、平均体重のデータを性および年齢別(中学2年~高校1年の13~15歳)に抽出。パネルデータ分析の手法を用いて、都道府県レベルにおける給食実施率の前年からの変化が栄養状態の指標などに及ぼす影響について調べた。なお、調査によると、学校給食の実施率が90%以上の都道府県の割合は、2006年の約半数から2010年には5分の3、2015年には3分の2を占めるまでに増加したという。

解析の結果、都道府県レベルの学校給食の実施率が10%増えると、男子では翌年の過体重の割合は0.37%、肥満の割合は0.23%低下することが分かった。2015年の学校保健統計調査の報告(中学生男子の約10%が過体重、約5%が肥満)を踏まえると、学校給食の実施率の10%増加は1年間で過体重の男子の3.7%、肥満の男子の4.6%が減少することを意味するという。

一方で、女子では、学校給食の実施率の向上により過体重や肥満の減少傾向はみられたが、統計学的に有意な結果ではなかった。また、学校給食の実施率によるやせの割合や平均体重、平均身長への影響は男女ともにみられなかった。

これらの結果を踏まえ、研究グループは「日本の思春期の生徒を対象とした大規模データを用いて、学校給食プログラムによる過体重や肥満の低減効果を実証した研究は今回が初めて。学校給食を介して適切な栄養基準に基づいた食事を提供することは、思春期の肥満を減らす有効な施策の一つになると思われる」と話している。(HealthDay News 2018年6月25日)

Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/jpubhealth/advance-article/doi/10.1093/pubmed/fdy095/5033367

Press Release
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20180605.pdf

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4HDN国内ニュース6月25日配信1

家庭の経済状況は未就学児の肥満にも影響か 東北大

家庭の経済状況は、未就学児の肥満率に影響を及ぼす可能性のあることが、東北大学大学院公衆衛生学分野講師の遠又靖丈氏らの研究グループの検討で分かった。特に時間的な余裕がない家庭において、経済状況が幼児の肥満リスクに関連していたことが示唆され、研究グループは「暮らし向きは、幼児の肥満の原因の一つに挙げられるのではないか」としている。詳細は「Journal of Epidemiology」6月9日オンライン版に掲載された。

家庭の経済状況は、学童期における肥満のリスク因子の一つとされているが、未就学児における関連は明らかにされていない。研究グループは、家庭の経済状況と未就学児の肥満との関連を検討するため、保育所に通う4歳児を対象とした観察研究を行った。

研究グループは、仙台市内の143カ所の認可保育所に通う計1,848人の未就学児を対象に、2015年10月から12月にかけて横断研究を実施した。家庭の経済状況に関しては、両親に暮らし向きや生活の中の時間的なゆとりについて尋ね、その回答から評価。対象とした子どもを「ゆとりがある」「どちらともいえない」「あまりゆとりはない」「全くゆとりはない」の4つの群に分けて解析した。なお、肥満は男児がBMI 17.47kg/m2以上、女児は17.19kg/m2以上と定義した。

対象とした子どもの肥満率は6.8%であった。また、家庭の経済状況は「ゆとりがある」が547人、「どちらともいえない」が600人、「あまりゆとりはない」が536人、「全くゆとりはない」は165人であった。

解析の結果、家庭の経済状況にゆとりがないと未就学児が肥満となる確率が有意に上昇することが分かった(ゆとりがある場合と比べた全くゆとりがない場合の肥満の調整オッズ比は2.31、95%信頼区間1.23~4.33)。

研究グループは「今回の解析では、認可保育所で給食を利用する子どもが対象となっていたが、こうした中でさえも家庭の経済状況が肥満の頻度と関連していた。また、特に時間的な余裕がない家庭の子どもにおいて、家庭の経済状況と未就学児の肥満との間に強い関連がみられた。家庭の経済状況は食生活と関連しており、例えば暮らし向きに余裕がない家庭では加工食品やファストフードの頻度が高い傾向にある」と分析。未就学児においても、家庭の経済状況は肥満のリスクを高める可能性があると結論づけている。(HealthDay News 2018年6月25日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170081/_article

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生活習慣病とADL低下は認知症のリスク因子か――NCNPなど

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)脳病態統合イメージングセンターの松田博史氏らの研究グループが実施した大規模調査から、「風呂に入る」「洋服を着る」などの日常生活動作(ADL)に支障が出ることと、糖尿病やがんの既往、抑うつ、慢性的な痛み、聴力の損失は認知症のリスク因子である可能性のあることが分かった。

研究グループは、2016年7月に運用を開始したインターネット健常者登録システム(IROOP)に登録し、2017年8月までに初回の質問票に回答し、10単語記憶検査を完了した1,038人と追跡時の質問票に回答し、2回目の同検査を完了した353人を対象に解析を行った。「PLOS ONE」5月17日オンライン版に掲載の論文。(HealthDay News 2018年6月18日)

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短い教育歴や生活習慣病は認知症のリスク因子か――富山大

日本人では、短い教育歴や糖尿病などの生活習慣病は認知症のリスク因子である可能性のあることが、富山大学大学院疫学・健康政策学教授の関根道和氏らの研究グループが実施した地域住民対象の症例対照研究により明らかとなった。「BMC Geriatrics」4月27日オンライン版に掲載の論文。

研究グループは、2014年に富山県在住の65歳以上の高齢者1,537人を無作為に抽出し、同意が得られた1,303人(回答率84.8%)を対象とした富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて分析した。今回の研究では、認知症患者137人と認知症のない1,039人(対照群)を対象に、病歴や生活習慣に関する因子(喫煙歴、飲酒習慣など)、社会経済的因子(教育歴および職歴)と認知症との関係を調べた。(HealthDay News 2018年6月18日)

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o-180611

海馬の石灰化に「糖尿病」と「喫煙」が関連か――オランダの研究

喫煙習慣がある人や糖尿病患者では、記憶の形成や学習に重要な役割を担う脳の海馬が石灰化するリスクが高まる可能性を示す研究結果が「Radiology」6月12日オンライン版に掲載された。

ユトレヒト大学医療センター(オランダ)のEsther J.M. de Brouwer氏らは、2009~2015年に一般病院の物忘れ外来を受診した1,991人を後ろ向きに追跡して解析した。その結果、対象患者の19.1%(380人)で海馬の石灰化が認められた。解析の結果、海馬の石灰化には、糖尿病と喫煙習慣、加齢の3つの因子が有意に関連することが分かった。一方で、海馬の石灰化の有無やその程度と認知機能との間には関連はみられなかった。(HealthDay News 2018年6月12日)

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