2HDN糖尿病ニュース3月23日配信2

テレビやスマホ依存で子どもの糖尿病リスクが増加する

テレビやスマートフォン、パソコンの画面をみる時間が長いほど、子どもが2型糖尿病を発症するリスクが高まることが、英国の研究で報告された。1日3時間以上をテレビの視聴やパソコン、ビデオゲームに費やす子どもは体脂肪量が多く、インスリン抵抗性が高いことがわかったという。

「この知見は、人種や男女を問わず、子ども時代にスマートフォンやパソコンを使用する時間を制限すると、その後に2型糖尿病を発症するリスクが低減する可能性を示唆している」と、研究を主導した英ロンドン大学セント・ジョージ校のClaire Nightingale氏は述べている。

これまでの研究で、テレビやパソコンの前で過ごす時間が長いと、成人では体重が増えやすく2型糖尿病リスクが高まることが報告されている。そこで、同氏らは小児にもこの知見が当てはまるのかどうかを調べた。

同氏らの研究チームは、英国のバーミンガム、レスター、ロンドンに住む9~10歳の小児4,495人を対象に、コレステロール値や空腹時血糖値、インスリン抵抗性、炎症マーカー、血圧、体脂肪を測定し、1日のうちどれくらいの時間をテレビの視聴やパソコン、ビデオゲームなどの電子機器の使用に費やしているかを尋ねた。

その結果、まったくテレビを視聴せず、電子機器も使用していなかった小児は全体の4%にすぎなかった。また、参加した小児の約3分の1(37%)ではテレビの視聴やパソコンなどの電子機器の使用に費やす時間は「1時間未満」で、28%は「1~2時間未満」、13%は「2~3時間未満」、18%は「3時間以上」と回答した。こうしたスクリーンタイムは女子より男子で長く、白人や南アジア系よりもアフリカ系やカリブ海系の小児で長くなる傾向がみられた。

また、スクリーンタイムが1日1時間未満だった小児に比べて3時間以上だった小児では肥満度や皮下脂肪厚、脂肪量指数が高く、レプチン濃度やインスリン抵抗性も高かった。レプチンは食欲のコントロールやインスリン抵抗性に関連するホルモン。また、インスリン抵抗性との関連は家庭の経済状況や身体活動量などの他の糖尿病リスク因子とは独立して認められた。

著者らは、この知見は因果関係を証明するものではないが、近年では子どもがスマートフォンやパソコンを使用する機会が増えており、この知見は公衆衛生の観点からも重要な意味をもつとしている。

この研究は、「Archives of Disease in Childhood」オンライン版に3月13日掲載された。(HealthDay News 2017年3月14日)

https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/misc-kid-s-health-news-435/too-much-screen-time-may-raise-kids-diabetes-risk-720578.html

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2HDN糖尿病ニュース3月23日配信1

生活習慣改善+薬物治療の強化介入で2型糖尿病が寛解する可能性

経口血糖降下薬とインスリン治療、食事療法、運動療法を併用する強化療法により、2型糖尿病患者の一部は数カ月間ではあるが寛解に至る可能性があることが、小規模な予備研究で示された。この研究によると、こうした強化療法により2型糖尿病患者の約4割で3カ月間、完全寛解または部分寛解が得られたという。

「生活習慣の改善と薬物治療を組み合わせた強化療法により糖尿病を克服できる可能性がある。この知見は、患者が減量や血糖コントロールに最善を尽くそうと意欲を高める契機になるだろう」と研究を主導したマックマスター大学(カナダ)内分泌代謝内科助教授のNatalia McInnes氏は述べている。

ただし、今回の研究では、治療開始から1年後も寛解を維持した患者はごく一部にすぎなかった。「治療開始52週時点における糖尿病寛解率は、強化療法による介入群と対照群の間で有意な差は認められなかった」と、米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDK)のChristine Lee氏(本研究には参加していない)は述べている。

今回の研究は、新たに2型糖尿病を発症した30~80歳の成人患者83人を対象に、8週間または16週間の強化療法を受ける介入群あるいは標準治療を受ける対照群の3群にランダムに割り付けて比較検討した。対象患者の糖尿病罹病期間は最長で3年間であり、食事療法単独または1~2剤の薬物療法を受けていた。なお、インスリン治療を既に受けている患者は対象から除外した。

また、強化療法群の薬物療法では、糖尿病の発症予防や進行抑制に有効とするエビデンスに基づいてビグアナイド薬のメトホルミンおよびα-グルコシダーゼ阻害薬のアカルボース持効型溶解インスリンアナログ製剤のインスリングラルギンを併用した。強化療法群ではこれまでの糖尿病治療薬の服用を中止し、新しいレジメンに移行した。

さらに、強化療法群では栄養士による食事指導を行い、カロリーを1日で500~700kcal減らすように勧めた。また、運動療法士が週150分の中強度運動を目標とする運動プログラムを個別に作成して指導したほか、対象患者には歩数計を携帯させて1日1万歩を目指すように勧めた。一方で、対照群の患者には標準的な血糖管理に関するアドバイスを行った。

その結果、治療終了から12週の時点で完全寛解(HbA1c値が6.0%未満と定義)または部分寛解(同6.5%未満)に至った患者の割合は、16週間の強化療法群では40.7%(27人中11人)、8週間の強化療法群では21.4%(28人中6人)であり、対照群では14.3%(28人中4人)であった。

Lee氏は「糖尿病が寛解に至った要因が薬物療法にあるのか、食事療法や運動療法による減量にあるのかは明らかではない」と指摘している。

今回の研究では医療コストについては検討されていないが、「糖尿病が寛解に至れば治療や合併症の管理に関わる費用が抑えられるため、長期的にはコストの削減につながるだろう」とMcInnes氏は推測している。同氏は、こうした強化療法を行うことで糖尿病の寛解がより長期かつ高い確率で達成できるかどうかを調べる研究を行う必要があると付け加えている。

この研究は、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に3月15日掲載された。(HealthDay News 2017年3月15日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/intensive-treatment-shows-potential-against-type-2-diabetes-720695.html

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4HDN国内ニュース3月21日配信2

ビールの苦み成分がアルツハイマー病の予防に有効 ――Aβ脳内沈着を抑制し、認知機能改善に働く

ホップ由来のビール苦み成分「イソα酸」がアルツハイマー病の予防に有効である可能性が、マウスを用いた実験で判明した。イソα酸はアルツハイマー病の原因物質であるAβの脳内沈着を抑制し、認知機能の改善に働く可能性があるという。東京大学大学院農学生命科学研究科の中山裕之氏らの研究グループが学習院大学、キリン株式会社との共同研究で明らかにしたもので、詳細は「Journal of Biological Chemistry」3月3日号に掲載された。

超高齢社会となった日本では認知症対策は喫緊の課題であるが、根本的な治療法はいまだ確立されていない。そこで、日常生活でできる認知症予防への取り組みが注目されている。その1つとして赤ワインに含まれるポリフェノールの摂取が認知症予防に効果がある可能性が報告されているが、ビールの成分については十分に検討されていなかった。そこで、研究グループは古来より薬用植物として利用されてきたポップ由来のビール苦み成分である「イソα酸」に着目し、アルツハイマー病モデルとして用いられている遺伝子改変マウスを使って実験を行った。

研究グループは、イソα酸がマウスの初代培養ミクログリア(脳内の免疫を担う細胞の一種)のAβ貪食能を亢進し、炎症性サイトカインの産生を抑制する作用をもつことを見いだした。次に、通常マウスにイソα酸を含有する食餌を3日間摂取させたところ、脳内ミクログリアの貪食活性が亢進して抗炎症型へと変化したことから、脳の炎症が抑制されることも明らかにされた。

さらに、アルツハイマー病モデルマウスにイソα酸を含有する食餌を3カ月間摂取させたところ、対照マウスに比べて脳内ミクログリアの機能が活性化し、脳内に生じるAβなどの老廃物の沈着や炎症を抑制することがわかった。また、イソα酸の摂取により海馬における神経細胞のシナプス量が有意に増加し、記憶学習機能が改善することも判明した。

研究グループは、適量のビールやノンアルコールのビールテイスト飲料の摂取が認知症予防につながる可能性があるとしている。(HealthDay News 2017年3月21日)

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4HDN国内ニュース3月21日配信1

身体活動量が糖尿病網膜症リスクと関連 ――日本人2型糖尿病患者1,814人を解析

運動量が多い人ほど糖尿病の3大合併症の1つである糖尿病網膜症の発症リスクが低下することが、奈良県立医科大学糖尿病学講座の石井均氏らの研究グループの調べでわかった。日本人の2型糖尿病患者を対象とした大規模研究でこれらの関連を調べたのは初の試み。細小血管合併症の予防において運動が重要である可能性が示唆された。詳細は「PLOS ONE」オンライン版に3月3日掲載された。

これまでの研究で、身体活動量が増えると心血管イベントの発症リスクが低下することや、2型糖尿病患者では身体活動量の減少は全死亡の独立した予測因子であることが報告されている。一方で、運動量が減ると糖尿病の細小血管合併症の1つである糖尿病網膜症の発症リスクが増加するのかは明らかにされていなかった。研究グループは今回、2型糖尿病患者を対象に、ベースライン時の身体活動量とその後の糖尿病網膜症の新規発症との関連を前向きに検討するコホート研究を行った。

対象患者は、天理よろづ相談所病院(奈良県)の内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリー(Diabetes Distress and Care Registry at Tenri;DDCRT)から抽出した調査開始時点に網膜症を有さない2型糖尿病患者1,814人。平均年齢は65.5歳、平均BMIは24.5、HbA1c平均値は7.2%であった。身体活動量は国際標準化身体活動質問票(IPAQ)を用いて調査し、対象患者をMET-hours/週で評価した身体活動レベルで第1~第5群に分類し(MET-hours/週の中央値はそれぞれ0、4.8、13.2、26.4、77)、2年間追跡した。

その結果、追跡期間中に184人(10.1%)が新たに糖尿病網膜症を発症した。新たに糖尿病網膜症を発症した患者では、発症しなかった患者に比べて2型糖尿病の罹病期間が有意に長く(14.7年対11.0年、P<0.0001)、収縮期血圧値が高く(139.2mmHg対135.1mmHg、P=0.0012)、推算糸球体濾過量(eGFR)が低く(74.0mL/分/1.73m2対77.1mL/分/1.73m2、P=0.0382)、尿中アルブミン/クレアチニン比が大きく(4.00mg/mmoL対2.45mg/mmoL、P<0.0039)、HbA1c値が高かった(7.5%対7.2%、P=0.0006)。

また、運動習慣と糖尿病網膜症の新規発症との関連を、運動習慣がない群(第1群)と比較したCox比例ハザードモデルを用いて解析したところ、多変量調整モデルにおいて第2~第5群のハザード比はそれぞれ0.87(95%信頼区間0.53~1.40、P=0.557)、0.83(同0.52~1.31、P=0.421)、0.58(同0.35~0.94、P=0.027)、0.63(同0.42~0.94、P=0.025)と第4群および第5群で有意な低下が認められた。(HealthDay News 2017年3月21日)

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身体活動量が糖尿病網膜症リスクと関連 ――日本人2型糖尿病患者約1,800人を前向きに解析

運動量が多い人ほど糖尿病網膜症の発症リスクが低下することが、奈良県立医科大学糖尿病学講座の石井均氏らの研究グループの調べでわかった。「PLOS ONE」3月3日電子版に掲載の論文。

研究グループは、天理よろづ相談所病院(奈良県)に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリーから抽出した、調査開始時点に網膜症を有さない2型糖尿病患者1,814人を対象に、調査開始時点の身体活動量と糖尿病網膜症の新規発症との関連を前向きに調べた。対象患者をMET-hours/週で評価した身体活動レベルで第1~5群に分類し、2年間追跡した結果、運動習慣がない群(第1群)に比べて第4群、第5群で糖尿病網膜症の新規発症リスクが有意に低下した。(HealthDay News 2017年3月15日)

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Woman taking blood sample for measuring sugar level

経口血糖降下薬の適切な併用開始で2型糖尿病患者の転帰が改善される――米研究

経口血糖降下薬の併用療法を適切に開始すると2型糖尿病患者のHbA1c値が大きく低下し、転帰が改善されるとの研究結果が、「Diabetes, Obesity and Metabolism」2月17日電子版に掲載された。

米エビデラ社のFolse氏らは、メトホルミン服用中でインスリン使用歴のない2型糖尿病患者(HbA1c値8%以上)の仮想コホートにおいて、SU薬、DPP-4阻害薬、チアゾリジン系薬併用の開始遅れの影響を調べた。その結果、1年後のHbA1c平均値は適切に併用した患者では6.8%、併用が遅れた患者では8.2%だった。併用が遅れた場合に比べて適切に併用すると5年後の心血管イベントや下肢切断リスクが減少したが、重篤な低血糖のリスクは増加した。(HealthDay News 2017年3月10日)

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4.1.1

健康によい食品の消費を増やし、不健康な食品の消費を減らす鍵は「価格」――米調査

健康によい食品の価格を下げると消費量が増える一方で、加糖飲料やファストフードに課税するとその消費量は減少するとの調査結果が、「PLOS ONE」3月1日電子版に掲載された。

米タフツ大学のMozaffarian氏らは、23件の介入研究と7件のコホート研究を対象に、不健康な食品への課税(11研究)と健康によい食品の価格を下げた場合(19研究)の消費者の動向を調べた。その結果、野菜や果物の価格を10%下げると消費量は14%増加し、これらの価格を下げるとBMIの低下とも関連した。一方で、加糖飲料やファストフードの価格を10%上げると消費量はそれぞれ7%、3%減少することがわかった。(HealthDay News 2017年3月10日)

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4.1.1

グルテンの摂取制限で2型糖尿病リスクが増加する――米研究

食事からのグルテン摂取を制限すると2型糖尿病の発症リスクが増加するとの研究結果が、米ポートランドで3月7~10日に開かれたAHA Epidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で報告された。

米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のZong氏らは、3つのコホート研究(NHS、NHSⅡ、HPFS)から医療従事者19万9,794人を対象に30年間以上追跡した。その結果、追跡期間中に1万5,947人が2型糖尿病を発症した。参加者の多くはグルテン摂取量が1日12g未満(平均6~7g)であった。グルテン摂取量が最も少ない群(1日4g未満、全体の20%)に比べて最も多い群(同20%)では2型糖尿病の発症率が13%低かった。(HealthDay News 2017年3月9日)

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肥満でも心血管代謝系リスク因子を必ずもつとは限らない――米研究

肥満者のうち約1割は心血管代謝系のリスク因子を保有していないとする調査結果が、米国疾病予防管理センター(CDC)が発行する「Preventing Chronic Disease」3月9日号に掲載された。

米カイザー・パーマネンテ医療研究センターのNichols氏らは、過体重または肥満の米国人130万人(糖尿病患者を除く)の医療記録を用いて4つの心血管代謝系のリスク因子(血圧・TG・血糖値の上昇、LDL-C値低下)の保有状況について調べた。その結果、肥満度の上昇に伴ってリスク因子の保有率は増加したが、過体重者の18.6%、肥満者の9.6%、重度肥満者の5.8%はリスク因子を1つも保有していなかった。(HealthDay News 2017年3月9日)

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食事因子が心血管代謝疾患による死亡と大きく関連する――米研究

米国では心臓病、脳卒中および2型糖尿病による死亡の約半数が、野菜不足や過剰な塩分などの食事因子と関連するとの研究結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」3月7日号に掲載された。

米タフツ大学フリードマン栄養科学政策学部のMicha氏らは、2012年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いて31万8,000件超の心血管疾患による死亡例を解析。その結果、食事因子はこれらの死亡と大きく関連し、最大の因子は過剰な塩分で(死亡例の9.5%と関連)、ナッツ類、魚介類(オメガ3脂肪酸)、野菜などの摂取不足や加工肉、加糖飲料の過剰摂取も強く関連していた(同6~9%)。(HealthDay News 2017年3月8日)

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