身体活動量が糖尿病網膜症リスクと関連 ――日本人2型糖尿病患者約1,800人を前向きに解析

運動量が多い人ほど糖尿病網膜症の発症リスクが低下することが、奈良県立医科大学糖尿病学講座の石井均氏らの研究グループの調べでわかった。「PLOS ONE」3月3日電子版に掲載の論文。

研究グループは、天理よろづ相談所病院(奈良県)に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリーから抽出した、調査開始時点に網膜症を有さない2型糖尿病患者1,814人を対象に、調査開始時点の身体活動量と糖尿病網膜症の新規発症との関連を前向きに調べた。対象患者をMET-hours/週で評価した身体活動レベルで第1~5群に分類し、2年間追跡した結果、運動習慣がない群(第1群)に比べて第4群、第5群で糖尿病網膜症の新規発症リスクが有意に低下した。(HealthDay News 2017年3月15日)

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運動効果を妨げる肝臓ホルモン「ヘパトカイン」の働きを解明 ――金沢大の研究グループ

運動の効果には個人差が大きいことが知られているが、これには肝臓から分泌される「ヘパトカイン」と呼ばれるホルモンの1つ、セレノプロテインPが骨格筋に作用することで運動効果を無効にしている可能性があることを、金沢大学大学院内分泌・代謝内科学の御簾博文氏とシステム生物学の金子周一氏らの研究グループがマウスを用いた実験で突き止めた。運動してもなかなか効果が得られない人ではこのセレノプロテインPの血中濃度が高いこともわかった。セレノプロテインPと受容体LRP1を標的とした生活習慣病対策の開発や個々人の運動効果の出やすさの判定に応用できる可能性があるという。「Nature Medicine」2月27日電子版に掲載の論文。(HealthDay News 2017年3月13日)

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糖尿病患者の診察時間に影響を及ぼす因子とは? ――日本人の糖尿病患者約1,100人を解析

医師が糖尿病患者を診察する時間は患者のHbA1c値が高いほど長くなり、また、1型糖尿病患者やインスリン注射、睡眠導入薬、抗不安薬を使用する患者の場合も診察時間は長くなることが、東海大学医学部付属八王子病院総合内科の壁谷悠介氏らの研究グループの調査でわかった。医師側の因子としては女性であることと、40歳未満に比べて40~60歳、60歳以上と年齢が高まるに伴って診察時間は長くなった。「Diabetes Research and Clinical Practice」4月号に掲載の論文。

研究グループは、2014年4~5月に22人の医師が診察した東京都内の某病院の大規模糖尿病外来患者1,197人を対象に横断研究を行った。(HealthDay News 2017年3月9日)

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脳の酸化ストレス増加が糖尿病発症につながる機序を解明 ――東北大と筑波大

東北大学大学院医化学分野の山本雅之氏らの研究グループは、筑波大学とのマウスを用いた共同研究で、脳の酸化ストレスが増えると糖尿病や肥満の発症につながる機序を解明したと発表した。

全身の代謝調節の司令塔として働く脳視床下部領域で酸化ストレスが増加すると神経細胞死が促され、代謝調節に重要な役割を果たす神経細胞が減少した結果、インスリンやレプチンといったホルモンの作用が減弱し、糖尿病や肥満を引き起こす可能性があるという。視床下部領域における酸化ストレスの抑制が、糖尿病や肥満の新しい治療標的になりうるものと期待される。「Cell Report」2月21日電子版に掲載の論文。(HealthDay News 2017年3月6日)

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加齢に伴うインスリンシグナルの変化が記憶低下と関連 ――千葉大の研究グループ

記憶を維持するには、血糖値の調節に重要なインスリンと脂肪細胞内のインスリンシグナル伝達が必要とされることを、千葉大学大学院薬学研究院生化学研究室の殿城亜矢子氏らの研究グループがショウジョウバエを用いた実験で突き止めた。加齢に伴ってインスリンシグナルに変化が生じ、シグナル伝達が低下することが記憶低下を引き起こしている可能性がある。「Cell Reports」2月14日電子版に掲載の論文。

研究グループは今回、ショウジョウバエを用いてインスリンが記憶を制御する機序や加齢に伴う記憶能力の低下とどのように関連するのかを調べた。(HealthDay News 2017年3月6日)

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IoTや健康情報の活用で糖尿病改善に一定の効果――経産省の実証事業

ウェアラブル端末を用いて糖尿病予備軍や軽症者の歩数や活動量、体重、血圧、HbA1c値などの健康関連データを見える化し、データに基づいて医師や保健師、管理栄養士が指導・介入することは本人の自己管理をサポートし、行動変容をより効果的に促すことが、経済産業省が進める実証事業で明らかにされた。詳細は2月22日に開かれた「企業保険者等が有する個人の健康・医療情報を活用した行動変容に向けた検討会(平成28年度第3回)」で報告された。

実証事業は8つのコンソーシアムから成り、糖尿病予備軍や軽症者、メタボリック症候群など生活習慣病の高リスク者1,000人超を対象にIoT(Internet of Things)を活用した介入を行った。(HealthDay News 2017年2月28日)

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ブロッコリーの新芽の成分に肥満や糖尿病予防効果 ――金沢大の研究グループ

ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)に多く含まれる「スルフォラファン」が肥満や糖尿病予防に働く可能性のあることを、金沢大学脳・肝インターフェースメディシン研究センターの太田嗣人氏らが、マウスを用いた実験で明らかにした。スルフォラファンは脂肪細胞の褐色化を促してエネルギー消費量を増やし、肥満型の腸内細菌叢を改善するという。「Diabetes」2月17日電子版に掲載の論文。

研究グループは高脂肪食または通常食にスルフォラファンを混ぜる、あるいは混ぜない4群に分けて14週間観察した。その結果、スルフォラファン摂取群では非摂取群に比べて体重増加率が15%抑えられ、内臓脂肪が20%減少した。また摂取群ではインスリン抵抗性や空腹時血糖値が改善した。(HealthDay News 2017年2月24日)

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2014年度特定健診受診者の約6割が「血圧」「脂質」「血糖」のリスクを保有 ――健保連調査

2014年度の特定健診受診者(40~74歳)270万4,001人のうち約6割が「血圧」「脂質」「血糖」の検査値に何らかのリスクを保有しており、保有者の割合は男性では約7割、女性では約4割と男性で高いことなどが、健康保険組合連合会(健保連)の調査でわかった。

調査では、受診者の約4割が肥満で、業種別では建設業、運輸業、サービス業で割合が比較的高かった。2015年度のレセプトデータと紐づけられた156万8,373人を対象に健診検査値のリスクの有無と疾患との関連を検討した結果、リスクがない人では血管運動性・アレルギー性鼻炎が最も多かったのに対し、肥満、血圧、脂質、血糖リスクをもつ人ではいずれも本態性高血圧が最も多くみられた。(HealthDay News 2017年2月21日)

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前向きな心理や社会とのつながりが糖尿病腎症リスクに影響 ――阪大の研究グループ

幸福感が高く、心理的ストレスをあまり感じず、社会とのつながりも強いことは、2型糖尿病患者において細小血管合併症である糖尿病腎症になるリスクが低下する可能性のあることが、大阪大学大学院内分泌・代謝内科の片上直人氏らの研究グループによる検討でわかった。「Journal of Diabetes Investigation」2月8日電子版に掲載の論文。

研究グループは、同大学病院に通院中の30~79歳の2型糖尿病患者343人を対象とした前向き観察研究のベースライン調査結果を用いて、糖尿病腎症に対する「幸福感」「楽観性」「笑う頻度」「自覚しているストレスの程度」「社会とのつながり」「社会的支援」の影響を調べた。(HealthDay News 2017年2月17日)

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筋肉内の脂肪蓄積が高齢者のサルコペニアと関連――名大の研究グループ

高齢者では筋肉内に脂肪が蓄積すると、筋肉量や筋力が低下するサルコペニアと強く関連し、運動機能にも悪影響を及ぼすことが、名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広氏らの研究グループによる検討でわかった。心臓や肝臓、筋肉といった通常はほとんど脂肪が蓄積することのない臓器に蓄積した「異所性脂肪」は、“第三の脂肪”とも呼ばれ、近年注目を集めている。今回の知見から、若年・中年層だけでなく高齢者でも健康を維持するには、定期的な運動で筋肉量を維持し、筋肉脂肪の蓄積を抑える必要があることが示唆されたという。「Archives of Gerontology and Geriatrics」1月14日電子版に掲載の論文。(HealthDay News 2017年2月16日)

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