PPI使用は糖尿病患者の腎機能低下と関連しない――日本人患者約3,800人を解析

日本人の糖尿病患者において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用はアルブミン尿の発症や進展、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下といった腎機能の低下と関連しない可能性があると、天理よろづ相談所病院(奈良県)内分泌内科部長の林野泰明氏らの研究グループが発表した。「Diabetes Research and Clinical Practice」2月3日オンライン版に掲載の論文。

研究グループは、前向きコホート研究であるDDCRT研究に参加した1型および2型糖尿病患者3,875人(2型糖尿病が95.4%)を対象に、PPIの使用とアルブミン尿の発症や進展、eGFR値の低下との関連を調べた。(HealthDay News 2018年2月14日)

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睡眠の質が血糖コントロールに及ぼす影響は? -日本人2型糖尿病患者を解析

日本人の2型糖尿病患者は一般集団と比べて睡眠時間が短く、入眠までの時間が長いなど睡眠の質が低下しており、特に血糖コントロールが不良な患者でこの傾向が強い可能性のあることが、横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科部長の山川正氏らの研究グループの検討で分かった。「PLOS ONE」1月24日オンライン版に掲載の論文。

研究グループは、観察研究(SOREKA研究)に参加した20歳以上の2型糖尿病患者3,249人を対象に、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いて睡眠の質や睡眠状況を評価し、血糖コントロール状況との関連を調べた。(HealthDay News 2018年2月13日)

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アルブミン尿は認知症の有意なリスク因子――久山町研究

福岡県久山町の一般住民を対象とした疫学調査(久山町研究)から、日本人の高齢者においてアルブミン尿はアルツハイマー病(AD)および血管性認知症(VaD)の有意なリスク因子である可能性があると、九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野教授の二宮利治氏らの研究グループが「Journal of the American Heart Association」1月20日オンライン版に発表した。一方で、アルブミン尿と推算糸球体濾過量(eGFR)低値を組み合わせるとVaDのみ発症リスクが上昇することも分かった。

研究グループは、2002年および2003年に60歳以上で認知症のない一般住民1,562人(うち男性が672人)を対象に、前向きに2012年11月まで(中央値で10.2年)追跡した。(HealthDay News 2018年2月5日)

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尿蛋白正常の慢性腎臓病は腎障害が進行しにくい可能性――東京医歯大

尿試験紙検査で尿蛋白が正常の慢性腎臓病(CKD)患者は腎障害が進行しにくい可能性があると、東京医科歯科大学腎臓内科の飯盛聡一郎氏らの研究グループが「PLOS ONE」1月17日オンライン版に発表した。尿蛋白正常のCKD患者は、CKD病期が進行しても腎機能の低下速度は速まらず、心血管イベントの発生リスクや全死亡率にも病期間で有意な差は認められなかった。

研究グループはCKD-ROUTE研究に参加し、2010年10月~2011年12月に腎臓内科専門医の外来を初めて受診した病期G2~G5のCKD患者1,138人(eGFR 60mL/分/1.73m2未満で尿蛋白正常の患者は32.5%)のうち、6カ月間を超えて追跡し得た患者927人を解析した。(HealthDay News 2018年2月5日)

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脂肪細胞のインスリン作用を調節する遺伝子を同定――神戸薬科大

正常な脂肪組織では多く発現するが、肥満時には著明に発現が低下する遺伝子「Fam13a」が脂肪細胞のインスリン作用に重要な役割を担っていることを、神戸薬科大学臨床薬学研究室の江本憲昭氏(教授)と池田宏二氏(准教授)らの研究グループがマウスを用いた実験で突き止めた。肥満したマウスではFam13a遺伝子の発現が低下し、脂肪細胞のインスリン作用不全が引き起こされ、糖尿病やメタボリック症候群の発症につながる可能性があることが分かった。一方で、脂肪細胞でFam13a遺伝子を高発現させたマウスは、肥満時でも糖尿病やメタボリック症候群になりにくかった。「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」1月31日オンライン版に掲載の論文。(HealthDay News 2018年2月1日)

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「におい物質」で血糖値が改善する? ――東北大ら

鼻の嗅覚神経でにおいの感知に必要な嗅覚受容体が膵β細胞にも存在することを、東北大学大学院糖尿病代謝内科学の山田哲也准教授らの研究グループがマウスを用いた研究で突き止めた。嗅覚受容体15(Olfr15)に、におい物質の一つであるオクタン酸を作用させるとインスリンの分泌が促進されることも分かった。さらに、マウスにオクタン酸を経口投与したところ、血糖値が高い条件下でのみインスリンの分泌が促進され、血糖値が改善した。この嗅覚受容体はヒトの膵β細胞にも発現することが確認されており、新しい糖尿病治療の開発につながる可能性があるという。「Scientific Reports」1月24日オンライン版に掲載の論文。(HealthDay News 2018年1月30日)

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特定保健指導に長期的なメタボ改善効果――国循グループ

40歳以上を対象とする特定健診(メタボ健診)で生活習慣病の発症リスクが高いと判定された人のうち、特定保健指導を受けると、受けなかった人と比べて3年後のウエスト周囲長やBMI、血圧や脂質などの心血管代謝の指標が有意に改善することが、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の中尾葉子氏と宮本恵宏氏(部長)らの研究グループの調査で分かった。「PLOS ONE」1月9日オンライン版に掲載の論文。

研究グループは、特定健診・特定保健指導の長期効果を検証するため、2008年度の特定健診受診者1996万9,722人のうち、特定保健指導の対象とされた40~74歳の成人男女101万9,688人を抽出し、特定保健指導の受診の有無で分けて後ろ向きに追跡した。(HealthDay News 2018年1月29日)

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肝臓の糖取り込み機能をコントロールする分子を特定――金沢大

金沢大学新学術創成研究機構革新的統合バイオ研究コア栄養・代謝研究ユニット教授の井上啓氏らの研究グループは、肝臓の糖取り込みに関与する分子「Sirt2」を世界で初めて特定し、肥満や2型糖尿病で肝臓での糖取り込み障害が起こる機序を解明したと「Nature Communications」1月2日オンライン版に発表した。

研究グループは、肥満マウスモデルでは肝臓のサーチュインと呼ばれるタンパク質の一種であるSirt2の機能が低下していることを突き止め、この分子の機能の低下が肝臓での糖取り込み障害とそれに伴う高血糖を引き起こすことなどを見出した。肥満や2型糖尿病の病態解明や新しい糖尿病治療薬の開発につながることが期待されるとしている。(HealthDay News 2018年1月22日)

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安静時エネルギー消費量が糖尿病妊婦の栄養療法の指標となる可能性――岡山大

耐糖能が正常な日本人の妊婦は妊娠後期になると安静時エネルギー消費量(resting energy expenditure;REE)が増えるが、糖尿病のある妊婦では血糖コントロールによりこのREEの増加が抑えられている可能性のあることが、岡山大学大学院産科・婦人科学教室の衛藤英理子氏と増山寿氏(教授)らの研究グループの検討で分かった。REEは除脂肪量(fat-free mass)と強く相関することから、これらは糖尿病のある妊婦において医学的な栄養療法の指標となる可能性があるとしている。「Journal of Diabetes Investigation」2017年12月27日オンライン版に掲載の論文。(HealthDay News 2018年1月15日)

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「電解水」を用いた血液透析システムで心血管合併症リスクが低減――東北大

東北大学大学院附属創成応用医学研究センター特任教授の中山昌明氏らの研究グループは、水の電気分解によって生成される「電解水」を用いた新しい血液透析システムにより、通常の血液透析療法と比べて血液透析患者の全死亡と心血管合併症の複合エンドポイントの発症リスクを低減できたとする臨床研究の結果を「Scientific Reports」1月10日オンライン版に発表した。

研究グループは水の電気分解によって生成される「電解水」が生体内で酸化ストレスを抑える働きに着目。2006年から株式会社日本トリムと共同研究を開始し、電解水を用いた血液透析システムを開発し、2011年からはこの新しい透析システムを利用した5年間に及ぶ臨床研究を行った。(HealthDay News 2018年1月15日)

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