2HDN糖尿病ニュース7月19日配信2

糖尿病の診断でパートナーの生活習慣も改善

パートナーが糖尿病と診断されると、自分は糖尿病と診断されていなくても健康的な生活習慣を送るようになる可能性のあることが、新たな研究で示された。パートナーが糖尿病と新たに診断された人は、そうでない人と比べて減量プログラムへの参加率が有意に向上したほか、禁煙を試みたり、血糖や血圧、コレステロールの検査を受けるようになるなど健康行動への関心が高まることが分かった。研究の詳細は「Annals of Family Medicine」7月/8月号に掲載された。

米国の糖尿病患者数は2900万人を超えると推定され、そのほとんどを2型糖尿病が占めている。2型糖尿病の発症には遺伝要因のほか、生活習慣が強く関与しており、その管理には食生活の改善や運動、禁煙などの生活習慣の是正が重要になる。2型糖尿病患者の家族は、患者と生活習慣が共通していることが多く、その発症リスクは高いとされている。

米カイザーパーマネンテ北カリフォルニアのJulie Schmittdiel氏らは今回、家族の一人が新たに糖尿病と診断されると、他の家族の生活習慣にも影響が及ぶのかどうかを調べる研究を行った。同氏らは、2007~2011年にカイザーパーマネンテ北カリフォルニアの健康プランに加入していた18万910組のカップルを対象に、パートナーが糖尿病と新たに診断されたグループと診断されていないグループで8種類の生活習慣の変化を比較検討した。

その結果、パートナーが新たに糖尿病と診断された人は、そうでない人と比べて減量の教育プログラムへの参加率が有意に50%向上した。その他にも、パートナーが糖尿病と診断された人では、禁煙補助薬を使う確率が25%高かったほか、血糖や血圧、コレステロールの検査を受ける確率は2~7%、臨床的に有意義な減量の成功率は6%、インフルエンザの予防接種を受ける確率も3%、それぞれわずかだが有意に高いことが分かった。

研究を主導したSchmittdiel氏は「家族が糖尿病と診断されることは、その家庭にとって大きな問題ではあるが、患者だけでなく家族全員の生活習慣を見直すよい機会になると思われる。医療従事者は、糖尿病患者とその家族がともに長期にわたって生活習慣を改善できるように手助けすべきだ」と話している。

また、今回の研究では、パートナーが糖尿病と診断された人が生活習慣を改善した理由については調べていないが、Schmittdiel氏は「糖尿病患者が受ける教育や生活習慣の改善、体重管理の方法などの情報に直接触れることが、パートナーにもポジティブな効果をもたらしたのではないか」と説明している。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院糖尿病研究所のGerald Bernstein氏は「この研究で示されたパートナーが糖尿病と診断された人とそうでない人の差はわずかだったが、臨床的には意味のある数字だ。この結果は、家族が糖尿病の教育や管理に参加する重要性を認識するきっかけになるだろう」と研究を評価。生活習慣の改善は、糖尿病患者だけでなく家族全体、特に子どもが糖尿病になるのを防ぐ予防策にもなると指摘している。(HealthDay News 2018年7月9日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/diabetes-management-news-180/diabetes-diagnosis-silver-lining-other-family-members-health-may-improve-735577.html

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2HDN糖尿病ニュース7月19日配信1

妊娠高血圧で産後の高血圧や2型糖尿病リスク上昇

妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症(子癇前症)といった妊娠高血圧症候群になると、出産後の数十年間に高血圧や2型糖尿病、脂質異常症を発症するリスクが高まる可能性のあることが、新たな研究で示された。研究を実施した米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院および米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のJennifer Stuart氏らは、今回の結果は、妊娠高血圧症候群の既往がある女性では心筋梗塞リスクが高いことの理由になるかもしれないと話している。研究の詳細は「Annals of Internal Medicine」7月3日オンライン版に掲載された。

妊娠高血圧症候群財団(Preeclampsia Foundation)によると、妊娠中に高血圧がみられると妊娠高血圧、高血圧に加えて蛋白尿が認められると、妊娠高血圧腎症と呼び、重症になると腎臓や肝臓の機能障害や肺水腫などを引き起こすことがあるという。

この研究は、米国の女性看護師を対象としたコホート研究(Nurses’ Health Study II;NHS II)に参加し、ベースライン時に心血管疾患またはそのリスク因子がなかった参加者5万8,671人を対象としたもの。対象女性は18~45歳で出産経験が1回以上あり、初回の出産時から2013年まで平均で25~32年間追跡し、高血圧と2型糖尿病、脂質異常症の診断歴の有無を調べた。

その結果、初回妊娠時には女性の2.9%に妊娠高血圧が、6.3%には妊娠高血圧腎症が認められた。これらの女性は、妊娠中に正常血圧だった女性に比べて、出産後に高血圧を発症するリスクが2.2~2.8倍、2型糖尿病リスクは1.7~1.8倍、脂質異常症リスクは1.3~1.4倍であることが分かった。特に、高血圧の発症リスクは、初めての出産から5年間が最も高いことも明らかになった。

以上の結果を踏まえて、Stuart氏は「妊娠は心臓病の負荷テストとしての役割を果たし、高血圧やその他の心血管リスク因子を来す可能性が高い女性を事前に特定する機会になると考えられる。妊娠中の高血圧や蛋白尿が産後の心血管リスクを高めることを早くから知っていれば、これらの予防に早期から取り組めるようになるだろう。健康的な食生活や運動といった生活習慣の改善を開始するのに遅すぎるということはない」と話している。

また、Stuart氏によれば、この情報はプライマリケア医にとって特に重要なものだという。「プライマリケア医は、妊婦が高血圧や蛋白尿を来すリスクは妊娠直後から高まることを知り、妊婦検診時にはこれらのリスク因子を念頭に置く必要がある」と同氏は強調している。

今回の結果について、ニューヨーク市の心臓医であるPeter Mercurio氏は「妊娠中に高血圧となった女性は、特に産後5年間は高血圧を発症するリスクが高いことが分かった。現行の診療ガイドラインでは、女性には妊娠中の高血圧の既往を尋ねることが推奨されているが、より包括的なチーム医療による健康管理が必要だ」と話している。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/pre-eclampsia-994/preeclampsia-in-pregnancy-can-mean-heart-risks-after-735425.html

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2HDN糖尿病ニュース7月12日配信2

腎臓病の「世界的流行」に専門家が警鐘

腎臓病の患者数は世界で8億5000万人に達すると推計され、腎臓病はいまや世界的に流行していると専門家が警鐘を鳴らしている。推計によれば、この数字は糖尿病患者(4億2200万人)の約2倍、がん患者(4200万人)やHIV/AIDS患者(3670万人)の20倍以上に上るとされるが、腎臓病に対する一般の認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していないという。

国際腎臓学会(ISN)現会長のDavid Harris氏と元会長のAdeera Levin氏は「腎臓病の世界的な蔓延に目を向けるときが来た」と話している。腎臓病の初期段階では、ほとんど自覚症状がないため患者自身が気づきにくい。また、腎臓病になると感染症、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患、腎不全になるリスクが高まり、入院するリスクも増加するが、これらのリスクは一般にほとんど知られていない。

各国の推計から、世界中で男性の約10%、女性では12%近くが慢性腎臓病(CKD)に罹患していると推定されている。また、透析療法や腎移植を必要とする患者は530万人~1050万人と推定されるが、医療費や臓器不足などの問題で多くの患者は適切な治療を受けていない。さらに、毎年1300万人以上が急性腎障害(AKI)を来たしており、その一部はCKDや腎不全に進行するとされる。

「今現在、得られているあらゆる情報から推定すると、世界の腎臓病患者は8億5000万人に上ることが明らかになった。この数字が腎臓病の世界的な蔓延を意味するのは明らかだ」とLevin氏は述べている。

腎臓は血液中の老廃物や塩分を取り除き、体内の水分量や電解質のバランスを整えるほか、血圧を調節する、赤血球を作る働きを助けるなど生命維持に欠かせないさまざまな役割を担っている。

腎機能が低下した状態が長く続くと、さまざまな合併症をもたらすことにも注意が必要だ。欧州腎臓・透析移植学会(ERA-EDTA)会長のCarmine Zoccali氏は「腎臓病患者は自覚症状がなくても脳卒中や心筋梗塞を発症したり、感染症を起こすリスクは高い」と強調する。

特にCKD患者では心筋梗塞などの心臓病の合併頻度が高く、2013年には、腎臓病の合併症として引き起こされた心血管疾患により120万人が死亡しているという。米国腎臓学会(ASN)会長のMark Okusa氏は「世界の腎臓病患者の数は驚くほど多いが、一般の人々はそうした事実に気づいていない。腎臓病患者の転帰は不良な場合が多く、医療費の増大にもつながっている」と話している。なお、米国では透析患者にかかる年間の医療費は、患者一人当たり8万8,195ドル(約978万円)であるという。(HealthDay News 2018年7月5日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/misc-kidney-problem-news-432/850-million-people-worldwide-have-kidney-disease-735411.html

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2HDN糖尿病ニュース7月12日配信1

働き過ぎの女性は2型糖尿病リスクが高い?

長時間の残業などの過重労働は、さまざまな健康リスクを高めることが知られている。今回、新たな研究で、労働時間が週45時間以上の女性は、週35~40時間の女性に比べて2型糖尿病の発症リスクが上昇する可能性が示された。一方で、男性ではこうした関連はみられなかった。この結果について、研究者らは、女性は男性よりも家事や育児など家庭の仕事に費やす時間が長くなりがちなことが影響した可能性を指摘している。詳細は「BMJ Open Diabetes Research and Care」7月2日オンライン版に掲載された。

2型糖尿病の患者数は、世界的に増加傾向が続いており、2030年までに4億3900万人に達するものと推計されている。糖尿病は心臓病や脳卒中などの重大なリスク因子であり、その原因として主に肥満や運動不足、遺伝要因などが挙げられている。

今回の研究は、カナダ職業衛生研究所のPeter Smith氏らによるもの。2003年のカナダ地域保健調査に参加したオンタリオ州に在住する35~74歳の労働者7,065人を対象に12年間追跡し、労働時間と2型糖尿病発症の関連について調べた。

追跡期間中に10人に1人が糖尿病を発症した。年齢や婚姻状況、座りがちな仕事やシフト勤務かどうかなどの複数の因子で調整して解析した結果、男性では労働時間が長くても2型糖尿病リスクの上昇は認められなかった。一方で、女性では、2型糖尿病リスクは労働時間が週35~40時間の場合に比べて、週45時間以上の場合には1.63倍であることが分かった。なお、喫煙習慣や余暇の身体活動度、飲酒習慣、BMIで調整して解析すると、こうした関連はわずかに弱まったという。

論文の最終著者であるSmith氏は、今回はこれらの因果関係が証明された訳ではないと強調しつつ、「2型糖尿病などの慢性疾患の発症には職場環境の影響も大きいことを理解するのは重要だ。特に働く女性は、仕事以外にも家事や育児に追われて、テレビを見ながらくつろいだり、運動する時間が十分に取れない人も多いと思われる」と話す。また、同氏は長時間労働によりストレス反応が生じて、ホルモンバランスが崩れたり、インスリン抵抗性が引き起こされる可能性を指摘している。

専門家の一人で米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「家族に対する責任や義務、家事を含めた全体の仕事量のほか、睡眠時間やストレス度など多くの点で男女の差は大きく、このことが今回の結果につながった可能性がある」との見方を示している。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/working-overtime-could-raise-women-s-diabetes-risk-735393.html

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2HDN糖尿病ニュース7月5日配信2

イオン液体利用の薬物送達で「経口インスリン」実現の可能性

多くの糖尿病患者にとって、1日数回のインスリン注射は痛みを伴い、治療を続ける上で大きな負担となっている。今回、米ハーバード大学の研究グループはラットの実験で、インスリンを経口投与する新しい方法を開発したと「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」6月25日オンライン版に発表した。インスリンの薬物送達にイオン液体を利用した結果、インスリンの経口投与はラットの血糖値を有意に低下させ、その状態をしばらく維持できたことが確認されたという。

経口インスリン開発には多くの障壁が立ちはだかっている。インスリンは胃の消化作用で壊れやすく、胃酸を逃れたとしても分子が大きいインスリンは腸壁を通過できないとされているためだ。

そこで研究グループは、インスリンが腸壁を通過できる方法として、室温で液体として存在する塩(えん)であるイオン液体に着目。コリンとゲラネート(CAGE)のイオン液体にインスリンを混ぜて、このインスリン-イオン液体をラットの空腸に直接投与したところ、インスリンはイオン液体の助けで大腸壁を通過し、血液中に入ることが確認された。体重1kg当たり3~10単位の低用量でも、ラットの血糖値は少なくとも12時間は有意に低下した状態が保たれていた。

さらに、研究グループは、このインスリン-イオン液体が胃を無事に通過して小腸で溶けるように、経口投与可能なカプセル剤を設計した。ラットに、このカプセル剤(体重1kg当たり10単位)を経口投与したところ、血糖値は最大で45%低下し、その状態がしばらく維持されることが分かった。

論文の最終著者で同大学生物工学教授のSamir Mitragotri氏は、経口インスリンの利点として注射剤よりも常温保存しやすい点を挙げる。現状のインスリン製剤は常温で約28日間保存できるが、この経口インスリンは少なくとも常温で2カ月間、冷蔵では4カ月間保存できるという。また、インスリンの過量投与は低血糖をもたらす危険性があるが、同氏は、今回の経口インスリンは放出されるまでに時間を要するため低血糖リスクも少ないと指摘している。

この経口インスリンには用量設定やきちんと薬剤が血液中に送達されるのか、ヒトでも効果を発揮するのかなどの数々の問題がある。Mitragotri氏は、さらなる研究の必要性を認めながらも、「うまくいけば3~5年のうちに臨床試験に進めるのではないか」と期待を示し、「ラットの実験では、この方法を用いると経口インスリンを腸内まで無事に届けることができた。これは非侵襲的で患者に優しい治療法になるだろう」と話している。

なお、経口インスリン製剤の価格は今のところ不明だが、イオン液体やカプセルのコーティング材は高価なものではないため、既存のインスリン製剤とあまり変わらない価格になることが予想されるという。

米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センターのセンター長を務めるJoel Zonszein氏は「インスリンの新しい薬物送達システムに関する研究は、大いに歓迎される。今回のラットの実験で得られた結果は、過去のものよりも実現の可能性が高い印象を持った。ただし、インスリンの放出は変動が大きいため、経口薬が実際に利用できるようになるかどうかは不明だ」としている。(HealthDay News 2018年6月25日)

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2HDN糖尿病ニュース7月5日配信1

2型糖尿病の血糖管理に人工膵臓が有用か

自動注入インスリンポンプと持続血糖測定器(CGM)を組み合わせた「人工膵臓」は、入院中の2型糖尿病患者における血糖コントロールに有用とする研究結果が米国糖尿病学会(ADA 2018、6月22~26日、米オーランド)で発表され、論文が「New England Journal of Medicine」6月25日オンライン版に掲載された。

入院中の2型糖尿病患者は血糖コントロールが不良だと入院期間が延長し、合併症や死亡のリスクが高まるとされている。英ケンブリッジ大学代謝研究所のRoman Hovorka氏らは、近年、1型糖尿病患者を対象に実用化が進む人工膵臓システムに着目。一般病棟に入院し、インスリン治療を必要とする2型糖尿病患者を対象に、クローズドループ型の人工膵臓システムの有用性を検証するオープンラベルデザインのランダム化比較試験を実施した。

この研究では、英国およびスイスの2カ所の大学病院に入院した成人の2型糖尿病患者136人を対象に、人工膵臓システムを使用する群(70人)または従来のインスリン皮下注射を行う対照群(66人)にランダムに割り付けて、治療開始から15日後または退院時までに血糖値が目標範囲内(100~180mg/dL)を示した時間の割合を比較した。

その結果、血糖値が目標範囲内を示した時間の割合の平均値は、人工膵臓群の65.8±16.8%に対し、対照群では41.5±16.9%と両群間に有意差がみられた(P<0.001)。また、人工膵臓群では対照群と比べて平均血糖値も有意に低いことが分かった(154mg/dL対188mg/dL、P<0.001)。なお、血糖値が54mg/dL未満の低血糖を示した時間の割合には両群間で差はみられず、いずれの群でも重症の低血糖を来した症例は認められなかった。

これらの結果から、Hovorka氏は「インスリン治療を必要とする2型糖尿病の入院患者において、人工膵臓システムは従来のインスリン皮下投与よりも血糖コントロールに優れ、低血糖リスクを高めないことが分かった」と結論づけている。ただし、この研究では2型糖尿病患者が退院後もインスリンポンプとCGMの両方を使い続ける意思があるかどうかは調べていないという。

米国では、入院患者の約4人に1人が糖尿病を有すると推計されている。入院中の糖尿病の管理は併存疾患、食生活や薬物療法の変化などの多くの要因による影響を受けるため、看護師などの医療スタッフは患者の状態の変化により注意を払う必要が生じる。しかし、Hovorka氏によると、人工膵臓はCGMで測定した血糖値に基づきインスリン投与量をコンピューターで自動制御する仕組みになっており、医療スタッフの煩雑な作業を自動化することができるという。

Hovorka氏は今後、医療費削減の観点も含めて、2型糖尿病患者を対象とした人工膵臓の大規模な試験を実施し、外来治療における有効性も検討する必要があると指摘している。一方で、専門家の一人で米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センターのセンター長を務めるJoel Zonszein氏は、人工膵臓システムは高価なため、近い将来に入院中の2型糖尿病患者が適用となる可能性は低いとの見方を示している。(HealthDay News 2018年6月26日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/artificial-pancreas-helps-hospitalized-type-2-diabetics-735175.html

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2HDN糖尿病ニュース6月28日配信2

一度の採血で2型糖尿病は確定診断できる

2型糖尿病の診断は通常、空腹時血糖値とHbA1c値を組み合わせて行われ、2回以上の採血を要する場合が多い。しかし、「Annals of Internal Medicine」6月19日オンライン版に掲載された新たな研究で、血糖値とHbA1c値を同時測定すると未診断で見過ごされている2型糖尿病を発見できる可能性のあることが示された。論文の筆頭著者で米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のElizabeth Selvin氏は「従来の方法でも2型糖尿病の診断が見逃されるケースは多かった。一度の採血で2型糖尿病と確定診断できれば、患者の手間も医療費も節約できるだろう」と期待を示している。

この研究は、1980年代に開始されたアテローム性動脈硬化症に関する前向きコホート研究であるARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)研究のデータを解析したもの。Selvin氏は今回、ARIC研究に参加した1万3,346人のうち、ベースライン時(1990~1992年)に2型糖尿病と診断されていない1万2,268人を対象に25年間追跡し、血糖値とHbA1c値の同時測定が未診断の2型糖尿病の検出に有用かどうかを検討した。なお、同時測定で空腹時血糖値が126mg/dL以上かつHbA1c値が6.5%以上だった場合を2型糖尿病と判定した。

その結果、ベースライン時に空腹時血糖値またはHbA1c値のいずれかに異常が認められた978人のうち、39%は同時測定でどちらも2型糖尿病の判定基準を満たし、未診断の2型糖尿病であることが確認された。残る61%はどちらか一方だけが判定基準を満たしていた。解析の結果、追跡期間の最初5年間の2型糖尿病を検出する感度は54.9%だったが、特異度は98.1%と高く、15年後には特異度は99.6%にまで上昇した。

これまでにも糖尿病が疑われる場合には、初回検査で血糖値とHbA1c値の同時測定が行われている。Selvin氏は「米国の現行のガイドラインではこうした検査法が分かりやすく表記されていない」と指摘。「2019年に予定されている改訂時にはこの点が改善され、多くの症例で2型糖尿病の診断が迅速に行われるようになることが望まれる」と話している。

米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院のRobert Courgi氏は専門家の立場から、「今回の結果は糖尿病の早期診断につながり、転帰の改善や心筋梗塞、透析導入、下肢切断といった合併症の予防に役立つだろう」とコメントしている。

米レノックス・ヒル病院でフリードマン糖尿病プログラムを担当するGerald Bernstein氏もこの意見に同意し、「米国成人の約半数は糖尿病または糖尿病の前段階にあると推計されている。この数字を考慮すれば、空腹時や食後の血糖値、随時血糖値、HbA1c値のいずれかに異常があれば教育プログラムや生活習慣の是正などの予防的介入を始める十分な理由になるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年6月19日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/one-blood-test-might-be-enough-to-diagnose-diabetes-734895.html

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2HDN糖尿病ニュース6月28日配信1

偏見や恥ずかしさが1型糖尿病の血糖管理に悪影響

青年期の1型糖尿病患者の多くが、病気のせいで他人から偏見や差別を受けたり、自分を恥ずかしく思う感情を抱いていることが、マギル大学健康センター(カナダ)准教授のKaberi Dasgupta氏らが行ったオンライン調査で分かった。こうした負の感情を抱くと1型糖尿病患者は治療を軽視するようになり、血糖コントロールも不良になりやすいことも明らかになった。同氏は「偏見や差別、自分を恥ずかしいと思うことは、1型糖尿病の治療を妨げる大きな要因になる」と話している。詳細は「Journal of Medical Internet Research」4月号に掲載された。

今回の研究に参加したコンコルディア大学(カナダ)のMichael Wright氏(現在22歳)は16歳のときに1型糖尿病と診断された。友人たちの支えもあって学校生活は無事に送れたというが、「糖尿病の話題を避けるため、別室などで隠れて血糖測定やインスリン注射をしていた。ときにはトイレですることもあった」と当時を振り返る。同氏は注射をするところを他人にじろじろ見られたり、心ない言葉で傷つけられるが嫌だったと話している。

1型糖尿病患者は、周囲の無理解から社会的な不利益や偏見、差別を受けやすく、劣等感や屈辱感を抱く「スティグマ」と呼ばれる状態に陥りやすい。患者はこうした経験を重ねると治療を怠るようになり、血糖コントロールも不良になりやすいと考えられている。

研究チームは今回、ソーシャルメディアを介して、カナダの14~24歳の1型糖尿病患者を対象に、病気による偏見や差別、恥ずかしさに関するオンライン調査への参加を呼び掛けた。調査では糖尿病治療のアドヒアランスを維持する障壁について尋ね、(1)友人の前では治療や血糖測定をしない、(2)他人と糖尿病について話さない、(3)他人の前で治療することを恥ずかしいと感じる-のうち1つ以上に当てはまる場合をスティグマの状態にあると定義した。

調査では380人の患者から回答が得られた(平均年齢19.5歳、男子31.1%)。その結果、回答した患者の65.5%が病気のせいで劣等感や恥ずかしさを感じていると回答し、その割合は男子(59.3%)よりも女子(68.6%)で高かった。また、こうした負の感情を抱いていると血糖コントロールが不良となる確率は約2倍となったほか(調整オッズ比は2.25)、過去1年以内に重症低血糖や著しい高血糖(HbA1c値9%超)を経験する確率も高まっていた(調整オッズ比はそれぞれ3.05、1.86)。

専門家の一人で米ニューヨーク大学(NYU)ランゴンヘルスHassenfeld小児病院のMary Pat Gallagher氏は「この年代の若者が自分は他の人と違うと感じるのはごく普通のことだ。糖尿病の治療はいつも完璧である必要はない。患者に苦痛がなく、安全であるかどうかが重要だ」と話す。今回の研究では、差別や偏見は10歳代では終わらないことも示さており、「働き始める年代になると否定的なレッテルをより貼られやすくなる」と同氏は指摘している。

なお、研究チームは、小児や青年期の1型糖尿病患者の支援グループを設立している。「1型糖尿病と共に生きる患者は、常にインスリンや血糖値を気にしなければならず、心が休まる暇がないことを広く知って欲しい。支援グループの活動で、病気と闘っているのは自分一人ではないと患者に感じてもらいたい」とWright氏は話している。(HealthDay News 2018年6月19日)

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2HDN糖尿病ニュース6月21日配信2

糖尿病患者でパーキンソン病リスク上昇

2型糖尿病と診断された患者は、2型糖尿病のない患者と比べてその後にパーキンソン病を発症するリスクが高い可能性のあることが、英国の国民保健サービス(NHS)の大規模データを用いた研究で分かった。ただし、研究を率いた英ロンドン大学神経学研究所教授のThomas Warner氏は、2型糖尿病患者全体のうちパーキンソン病を発症する患者はわずかに過ぎず、結果には慎重な解釈が必要だとしている。詳細は「Neurology」6月13日オンライン版に掲載された。

Warner氏らは、1999~2011年のNHSの公的医療機関における全入院記録を収載したHospital Episode Statistics(HES)のデータを用いて、2型糖尿病の診断とその後のパーキンソン病の発症リスクとの関連を調べた。対象は、追跡期間中に新たに2型糖尿病と診断された患者201万7,115人と捻挫や静脈瘤、虫垂切除術、股関節置換術といった糖尿病と関連しない理由で入院した患者617万3,208人(対照群)とした。

その結果、2型糖尿病と診断された患者は、2型糖尿病のない患者と比べてその後にパーキンソン病を発症するリスクが1.32倍であることが分かった。また、網膜症や腎症、神経障害といった糖尿病合併症のある患者ではそのリスクは1.49倍になり、25~44歳の若年患者ではさらに上昇して3.81倍に上ることも明らかになった。なお、今回の解析では糖尿病の薬物療法の内容や喫煙歴は考慮されなかった。

Warner氏は、この研究は因果関係を証明するものではないとしつつ、これらの疾患を関連づける2つの理由として、遺伝的な要因や発症過程に共通点がある可能性を挙げている。後者については、糖尿病に特徴的なインスリン分泌や血糖コントロールの障害が考えられ、「脳細胞はエネルギー源としてブドウ糖(グルコース)にほぼ完全に依存している。インスリン分泌が障害されると全身の細胞がブドウ糖を使えなくなるが、このことは一部の脳細胞に特に強い影響を与えている可能性がある」と同氏は説明している。

全米パーキンソン病財団のMichael Okun氏は「これまで多くの研究でパーキンソン病と糖尿病の関連が報告されており、今回の結果は驚くべきものではない」とした上で、若い患者では遺伝的な要因が重要な役割を果たし、高齢患者では老化自体が脳内の内分泌系に障害をもたらしている可能性を指摘している。また、一部の糖尿病治療薬がパーキンソン病の予防や治療に有望とする報告もなされているが、同氏は「十分に検証されるまでは安易に使用すべきではない」と強調している。(HealthDay News 2018年6月13日)

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2HDN糖尿病ニュース6月21日配信1

海馬の石灰化に「糖尿病」と「喫煙」が関連か

喫煙習慣がある人や糖尿病患者では、記憶の形成や学習に重要な役割を担う脳の海馬が石灰化するリスクが高まる可能性のあることが、ユトレヒト大学医療センター(オランダ)の研究チームの検討で分かった。一方で、海馬の石灰化の有無やその程度は認知機能とは関連しない可能性も示された。研究の詳細は「Radiology」6月12日オンライン版に掲載された。

この研究は、2009~2015年に、オランダの一般病院のメモリークリニック(物忘れ外来)を受診した1,991人(45~96歳、平均年齢は78歳)を後ろ向きに追跡したもの。頭部CT検査で脳の海馬の石灰化を評価し、認知機能検査や心血管リスク因子(高血圧と糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣)の評価も行って海馬の石灰化に関連する因子と石灰化が認知機能と関連するかどうかを検討した。

解析の結果、対象患者の19.1%(380人)で海馬の石灰化が認められた。また、海馬の石灰化には、糖尿病と喫煙習慣、加齢の3つの因子が有意に関連することが分かった(1年ごとのオッズ比はそれぞれ1.50、1.49、1.05)。一方で、この石灰化の有無や程度と認知機能との間には関連はみられなかったという。

研究を主導した同大学老年医学のEsther J.M. de Brouwer氏は「認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症では、脳の海馬が萎縮していくことが知られている。しかし、驚くべきことに、今回の研究では海馬の石灰化は認知機能と関連しないとする結果が得られた」と話す。この理由として同氏は、海馬にはいくつもの層があり、石灰化しても記憶の貯蔵に重要な部位には影響しない可能性があることや、今回は対象者が全て物忘れ外来を受診した患者であったことを挙げている。

今回の結果からは、糖尿病や喫煙習慣で海馬が石灰化するとは結論づけられないが、de Brouwer氏は「これらの間には強い関連があることが示唆される」と指摘する。同氏は、最近の組織学的な研究では、海馬の石灰化は脳心血管疾患の徴候の一つである可能性が示されているとし、「喫煙や糖尿病はこれらの疾患のリスク因子であることから、喫煙や糖尿病が海馬の石灰化のリスク因子であっても不思議ではない」と話している。(HealthDay News 2018年6月12日)

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