2HDN糖尿病ニュース9月21日配信2

2型糖尿病患者は大動脈瘤になりにくい?

2型糖尿病があると、ない場合に比べて大動脈瘤と大動脈解離の長期的なリスクが有意に低く、大動脈瘤破裂後の死亡リスクも低いとする研究結果が第53回欧州糖尿病学会(EASD 2017、9月11~15日、ポルトガル・リスボン)で報告された。しかし、これらの疾患リスクは低減するものの、2型糖尿病患者では動脈硬化の進展による心血管疾患リスクの方がはるかに上回るため、楽観視はできないようだ。

大動脈瘤は心臓から胸部や腹部へ走る大動脈の血管壁が弱くなり、バルーン状に膨張するもの。一方の大動脈解離は大動脈の内膜に亀裂が生じ、血液が流れ込むことで血管壁が2層に解離する。いずれも大動脈の破裂を生じうるため、時に致死的な内出血をもたらすが、発症率は10万人当たりそれぞれ5~10人、2~4人と比較的まれな疾患とされている。

これまでの研究で、2型糖尿病患者では短期的に大動脈瘤や大動脈解離になるリスクは低減することが、少なくとも20年前から知られているが、その理由は明らかにされていなかった。

そこで、スウェーデン全国糖尿病レジスター(Swedish National Diabetes Register)に所属するTarik Avdic氏らの研究グループは、1998~2015年の同レジスターに登録された2型糖尿病患者44万8,319人と年齢や性、地域をマッチさせた糖尿病がない225万1,015人の対照群のデータを比較し、2型糖尿病による大動脈瘤と大動脈解離の長期的なリスクへの影響を調べた。平均追跡期間は2型糖尿病患者群が7.0年、対照群が7.2年であった。

その結果、対照群と比べて2型糖尿病患者群では大動脈瘤になるリスクが28%、大動脈解離になるリスクは47%それぞれ低いことが分かった。また、大動脈瘤の破裂による入院から2年後までの死亡率は、対照群と比べて2型糖尿病患者群で有意に低いことも示された。

2型糖尿病患者において大動脈瘤と大動脈解離の長期的なリスクに低減がみられた理由について、Avdic氏らは、循環血液中の血糖の濃度が高まると血管壁がストレスに対して強くなり、膨張したり裂ける危険性が低くなる可能性があると考察している。

専門家の1人、米レノックス・ヒル病院血管外科の部門長を務めるDerek Brinster氏は、高血糖状態になることは動脈硬化の形成も促すことから「両刃の剣だ」と強調。2型糖尿病患者はアテローム性動脈硬化の進展により心筋梗塞や脳卒中を起こす危険性が高まっており、「今回の結果を聞いて“2型糖尿病で良かった”などと患者が思わないように医師は注意すべきだ」と述べ、今回観察された2型糖尿病によるベネフィットは比較的まれな疾患に対するもので「リスク低減はごく少数に認められるだけ」と付け加えている。

なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまで予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年9月13日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/aneurysm-news-354/upside-to-diabetes-really-isn-t-726472.html

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2HDN糖尿病ニュース9月21日配信1

腹部肥満で閉経後女性のがんリスクが高まる

体重やBMIではなく、腹部肥満が閉経後女性における一部のがん発症のリスク因子になり得るとの研究結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2017、9月8~12日、スペイン・マドリッド)で報告された。

この研究は、Nordic Bioscience and ProScion(デンマーク)のLine Mærsk Staunstrup氏らが約5,900人の閉経後女性を最長で12年間追跡したもの。閉経後女性の肺がんや消化器がんのリスク因子として、体重やBMI、体脂肪率ではなく「腹部肥満」が重要であることが明らかにされた。

Staunstrup氏らによると、この結果は閉経を迎えた女性では体重管理、特に腹部肥満の予防ががんリスクの低減に肝要であることを示しており、「閉経後には、脂肪は身体の中心部にたまりやすくなることが知られており、今回の結果は高齢女性に有用な情報をもたらした。女性は閉経期が近づいてきたら生活習慣に気を配り、余分な脂肪が身体にたまらないように気をつけるべきだ」と述べている。

この研究では、デンマークの閉経後女性5,855人(平均年齢71歳)を対象に、ベースライン時に二重エネルギーX線吸収測定(dual-energy X-ray absorptiometry;DXA)法により体脂肪や体組成を測定し、12年間追跡した。

その結果、対象女性が発症したがんのうち、特に肺がんと消化器がんリスクには、「腹部肥満」が独立した予測因子となることが分かった。一方で、BMIと体脂肪率はいずれも有意ながんのリスク因子ではないことも示された。

ガリレア病院(イタリア)の腫瘍医学部長のAndrea De Censi氏は、この結果は一部のがんの発症には肥満、中でもインスリン抵抗性が深く関与していることを裏付けるものだとし、「インスリン抵抗性は、特に内臓脂肪や腹部脂肪の過剰な蓄積につながる」と指摘している。

また、Censi氏によると、インスリンはホルモンの分泌にも悪影響を及ぼしており、脂肪が過剰に蓄積すると全身で慢性炎症が引き起こされ、ある種のがん発症のリスク因子になる可能性が考えられるという。同氏は「今回のデータは、肥満患者に積極的な介入を行うきっかけとなるものだ」とし、食生活の是正や運動によって脂肪を減らすなどの対策のほか、インスリンの影響を低減するとされるメトホルミンなどの糖尿病治療薬にがん予防での有益性が期待される可能性を指摘している。

なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年9月12日)

https://consumer.healthday.com/women-s-health-information-34/menopause-and-postmenopause-news-472/widening-waistlines-may-raise-women-s-cancer-risk-726431.html

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2HDN糖尿病ニュース9月14日配信2

米国成人の肥満率、横ばいで推移も依然高水準

米国保健信託(Trust for America’s Health;TFAH)とロバート・ウッド・ジョンソン財団は、2017年の国民の肥満率に関する報告書をまとめ、成人の肥満率は昨年からほぼ横ばいで推移しているものの依然として高い水準にあることを発表した。

報告書によると、米国51州のうち5つの州では肥満率が35%に達し、25州では30%、46州では25%を超えており、25%を超える州は1つもみられなかった2000年の報告から著しい対照をなしている。なお、肥満率が最も高いのはウェストバージニア州(37.7%)で、最も低いのはコロラド州(22.3%)であった。

TFAH会長のJohn Auerbach氏は「米国が直面する肥満の危機を脱したとは言えないが、一部の州では改善する傾向もみられている」と評価し、「家庭や教育現場、職場、医療現場などさまざまな場面で肥満対策が進められていることの現れであり、今後も対策を強化していく必要がある」と述べている。

報告書では、過去1年間で成人の肥満率が増加したのはコロラド州、ミネソタ州、ワシントン州、ウェストバージニア州の4つの州に過ぎず、カンザス州では減少し、残りの州では大きな変化はみられなかった。昨年は4つの州で成人の肥満率が初めて減少に転じたことが報告されたが、今回の報告書では、こうした肥満率の上昇に歯止めがかかった状態が継続してみられたとしている。

また、子どもの肥満率については過去10年間、横ばいで推移しており、未就学児ではここ数年で減少していることも示された。

米国心臓協会(AHA)CEO(最高経営責任者)のNancy Brown氏は「過去数十年間の肥満率の急激な上昇に歯止めがかかったことは、大きな進歩だと言える。しかし、肥満率は大人も子どもも依然として高過ぎる。特に低所得者層や民族的マイノリティで高いことが課題だ。今後も地域や州、国政レベルでこの問題を認識し、対策を進めていくべきだ」と強調している。

同氏によれば、対策として学校給食を見直し、安全に運動やウォーキング、自転車に乗れる環境を整備し、健康的な食品を手頃な価格で買えるような近隣環境にしていくことが大切であり、AHAは加糖飲料への課税も支持していると付け加えている。

この報告では、肥満率には顕著な地域差や人種差がみられることも示された。肥満率が最も高い11州のうち9州は南部にあり、15州で黒人の肥満率は40%に達し、9州でラテンアメリカ系住民の肥満率は35%を超えていた。また、大学教育を受けていない、あるいは年収1万5000ドル(約162万円)未満の成人では、高学歴、高年収の人に比べて肥満率が30%高かった。さらに、若年成人の4人に1人は体力や体重の問題で軍に入隊できないといった課題も抱えているという。(HealthDay News 2017年8月31日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/u-s-obesity-rate-holding-steady-but-still-high-726119.html

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2HDN糖尿病ニュース9月14日配信1

睡眠時無呼吸の治療中断で血糖値が上昇

閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の治療を数日間中断するだけで、血糖値やストレスホルモンの血中濃度のほか、血圧も上昇することを、米ジョンズ・ホプキンズ大学の研究グループが発表した。「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」9月号に掲載されたこの研究によると、経鼻的持続陽圧呼吸(CPAP)療法を数日間やめるとOSAが再発するほか血糖値などが上昇し、結果的に糖尿病や心血管疾患の発症につながる可能性があるという。

研究を行った同大学のJonathan Jun氏は、この研究は睡眠時無呼吸が夜間の代謝指標にどのような影響を及ぼすのかをリアルタイムに調べた最初の研究の1つで、OSA患者へのCPAP療法は継続すべきことを強く支持する根拠になるとしている。

OSAは、眠っている間に気道が閉塞して呼吸が停止したり、弱まるのを繰り返す疾患で、米国では成人の2~3割にみられると推定されている。睡眠時の呼吸が妨げられると睡眠の質が低下し、日中に強い眠気をもたらすことから、OSAは日常生活に悪影響を及ぼす。こうした睡眠時の無呼吸が糖尿病や心疾患といった循環器系の問題の直接的な原因かどうかは明らかにされていないが、特に肥満の人ではこれらの併存がよくみられるという。

今回の研究は、肥満を伴う中等症から重症のOSA患者31人を対象としたもの。平均年齢は51歳で、約3分の2が男性、65%が白人であった。

対象患者には、CPAP療法を行う日とCPAP療法後に治療を2日間中断-のどちらかをランダムな順番で行ってもらい、CPAP療法中と中断後それぞれの夜間に血糖値と脂肪酸やストレスホルモン(コルチゾール)の血中濃度、血圧などを測定した。また、全ての対象患者に睡眠ポリソムノグラフィー検査を行って睡眠の状態を調べた。

その結果、CPAP療法を中断するとOSAの再発がみられ、低酸素血症や睡眠障害、心拍数の上昇が再び現れることが分かった。また、CPAP療法を中断した後には血糖値と脂肪酸やコルチゾールの血中濃度が有意に上昇し、特にOSAの重症度が高い患者でこれらの数値が大きく上昇することも分かった。さらに、CPAP療法を中断すると収縮期血圧や全身の血管の硬化度を表す指標(augmentation index)も上昇していた。

Jun氏は、今回対象としたOSA患者は肥満を伴っていたことから、この結果を全てのOSA患者に当てはめることはできないとしながらも、「睡眠時無呼吸は、単に糖尿病や心血管疾患の徴候であるにとどまらず、これらの疾患を悪化させる原因の1つになり得ることを示唆している」と説明している。(HealthDay News 2017年9月7日)

https://consumer.healthday.com/sleep-disorder-information-33/apnea-sleep-problems-news-624/sleep-apnea-wreaks-havoc-on-your-metabolism-726145.html

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2HDN糖尿病ニュース9月7日配信1

腎機能の低下で心房細動リスクが高まる?

腎機能が低下するほど、心臓のリズム(拍動)に乱れが生じ、時に致死的となる心房細動を発症するリスクが高まる可能性のあることが「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」8月10日オンライン版に掲載された研究で報告された。

研究を主導した米ワシントン大学腎臓研究所准教授のNisha Bansal 氏は「慢性腎臓病(CKD)患者では、脳卒中や心不全を引き起こしかねない心房細動を来すリスクが2倍に高まることが分かった。この研究によると、腎機能のわずかな変化でさえも心房細動リスクと強く関連することも明らかにされた」と述べている。

今回の研究は、米国で行われた3件の前向きコホート研究(Jackson Heart Study、Multi-Ethnic Study of AtherosclerosisおよびCardiovascular Health Study)のデータを用いてメタ解析したもの。参加者の総数は1万6,769人で、研究開始時点で心房細動を呈した者はいなかった。全ての参加者には、研究開始時に血液検査と尿検査を行い、推算糸球体濾過量(eGFR)と尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)の測定を行った。

参加者をeGFR値で5つの群に、UACRで4つの群に分けて平均で8.5~12.5年間追跡した結果、研究開始時点で腎機能が低下しているほど、追跡期間中に心房細動を発症する確率が高まることが分かった。eGFR値が正常な群(90mL/分/1.73m3超)と比べた心房細動を来すリスクは、CKDが強く疑われる群(30~44mL/分/1.73m3)では1.59倍、CKD患者群(30mL/分/1.73m3未満)では2.03倍であった。同様に、尿中アルブミン/クレアチニン比が正常な群(15mg/g未満)に比べて顕性蛋白尿を呈する群(300mg/g以上)では心房細動リスクは1.76倍であった。

今回の研究ではこれらの因果関係は証明されていないが、糖尿病や喫煙習慣、心臓病の既往歴といった心房細動のリスク因子を調整した解析でもこれらの関連は認められたことから、「腎機能はその他の因子とは独立した心房細動のリスク因子であることが分かった」とBansal氏は述べている。

腎機能と心房細動の関連を説明する要因はいくつかあり、その1つには、腎機能の低下がカリウムやビタミンD、カルシウム、リンといった心機能維持に必須な栄養素の血中レベルに影響することが挙げられる。また、排尿によって余分な水分を体外に排出し、体内の血液量を適正に維持する腎臓の機能自体にも要因があるという。Bansal氏は「腎機能が悪化すると体内の血流量が増加し、これが心臓に負荷をかけて拍動に異常が生じる引き金となる可能性がある」と説明している。

専門家の1人、米マサチューセッツ総合病院のKevin Chan氏は、腎機能が低下して血液から濾過されずに体内に残された毒素が心機能に悪影響を及ぼしている可能性を指摘する。「今回の報告に基づくと、医師は患者に腎機能の低下がみられたら心臓の状態にも注意を払うべきであり、心房細動などの異常が見つかれば抗血栓薬やペースメーカーなどの適切な措置を取る必要がある」と同氏は強調している。

また、Bansal氏は「食生活の改善や運動習慣、禁煙といった生活習慣の是正は、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患だけでなく腎疾患の予防や進行抑制にも有効であり、強く推奨される」とアドバイスしている(HealthDay News 2017年8月10日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/atrial-fibrillation-959/kidney-disease-may-boost-risk-of-abnormal-heartbeat-725476.html
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2HDN糖尿病ニュース9月7日配信2

若い慢性疾患患者で自殺リスク増

20歳代までに糖尿病や喘息などの慢性疾患にかかると、同世代の健康な若者に比べて自殺を図るリスクが4倍以上に高まることが、カナダの研究で示唆された。

この研究は、カナダで行われたメンタルヘルスに関する全国調査(Canadian Community Health Survey-Mental Health)に参加した15~30歳の男女5,248人を対象としたもの。対象者を慢性疾患の有無別に分けて12カ月間に自殺念慮を抱いたり、自殺を計画したり、実際に自殺を図る確率を比較検討した。

その結果、若い慢性疾患患者は、健康な若者に比べて自殺念慮を抱いたり、自殺を計画する、実際に自殺を図る確率がいずれも有意に高く(P<0.01)、結果に影響する因子を調整した解析でも確率はそれぞれ1.28倍、2.34倍、4.63倍に高まっていた。また、慢性疾患患者が自殺念慮を抱く確率は、気分障害を併存すると併存しない場合に比べて1.89倍であることも分かった。

研究を率いたウォータールー大学教授のMark Ferro氏は「これまでの研究で、こうした若い患者の自殺企図リスクは慢性疾患と診断された直後に最も高まることが示唆されている。今回の研究結果を踏まえても、慢性疾患の診断直後は患者のモニタリングを強化し、自殺の予防に努めるべき大事な時期と言えるだろう」と述べている。

また、Ferro氏らは、因果関係は明らかではないものの、若者が慢性疾患にかかると精神疾患を発症する可能性も高まり、自殺念慮や自殺企図リスクの増加につながるのではないかとの考えを示した上で、「慢性疾患と精神疾患の併存は相乗効果をもたらし、自殺に関連した行動を取るリスクはさらに増加するものと考えられる」と説明している。

Ferro氏によると、この研究から、医師は若い慢性疾患患者を診察する際には、慢性疾患だけでなく精神疾患にも留意すべきという重要なメッセージが読み取れるという。「こうした患者の多くでは身体疾患の治療が優先され、精神疾患にはほとんど注意が払われていない。“No health without mental health.(精神的に健康でなければ健康であるとは言えない)”とする原則が臨床の場で定着するにはまだまだ時間がかかりそうだ」と同氏は述べている。

この研究の詳細は「Canadian Journal of Psychiatry」8月17日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 2017年8月31日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/suicide-health-news-646/chronic-illness-can-plunge-young-adults-into-despair-725726.html

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2HDN糖尿病ニュース8月31日配信2

CGM使用の糖尿病患者の6割以上がFDA承認部位以外に装着、インスタグラム投稿写真で判明

持続血糖モニター(CGM)を使用する糖尿病患者がインスタグラムに投稿した写真から、患者の6割以上が米食品医薬品局(FDA)が承認する腹部や臀部以外の部位にセンサーを挿入して装着していることが分かった。この研究によると、上腕部や大腿部にセンサーを挿入しても腹部や臀部に挿入した場合と比べて装着成功率には差はみられないことも明らかにされた。

CGMは腹部などの皮下に専用のセンサーを挿入し、血糖値を連続的に記録する検査法。血糖値の日内変動を的確に評価できるCGMデータは、1型糖尿病患者や一部の2型糖尿病患者がインスリン投与量を決定する際や食事・運動を調整する際に用いることができ、血糖コントロールの改善に有用であるとされる。

米ユタ大学看護学部のMichelle Litchman氏は、日常診療で接する糖尿病患者の多くが身体のさまざまな部位にCGMを装着していることに着目した。患者が実際にどの部位にセンサーを挿入しているのか、また、挿入部位によって装着成功率に影響が出るのかを調べるため、ソーシャルメディア(インスタグラム)に投稿された、米Dexcom社製のCGMを装着した患者(部位)が写っている写真353枚を選び出し、装着部位などを確認した。

その結果、患者のうち64%は上腕部や大腿部などのFDAが承認する部位以外にセンサーを挿入していることが分かった。なお、Dexcom社製のCGMは、成人の場合は腹部が、17歳以下の小児の場合は腹部または臀部(の上側)が挿入部位としてFDAにより承認されている。

腹部や臀部以外の部位にセンサーを挿入する理由について、Litchman氏は「瘢痕組織のある部位を避ける必要があること」と「痛みを和らげること」を挙げている。また、センサーを挿入する位置は腹部(または臀部)の範囲内で7日ごとに変える必要があるが、特に小児の場合には範囲が限られてしまうことも理由に挙げられるという。

さらに、今回の検討では、センサーの挿入に失敗する確率は、FDAが承認する部位とそれ以外の部位で差はみられないことも分かった。挿入部として最も多かった上腕後部(39.4%)は脂肪がやや多い部位で、約8割が装着に成功していた。次に多かった部位は腹部(25.1%)で装着成功率は77%、3番目は大腿部(12.7%)で成功率は69%であった。

Litchman氏によると、1型糖尿病患者はソーシャルメディアに投稿された他の患者のCGMを装着した写真や情報を参考にすることが多く、ソーシャルメディア上で情報交換している様子もみられたという。

同氏は自身の経験から今回の知見は驚くべきではないものとしながらも、糖尿病患者は下肢に重篤な感染を起こしやすいことから「下肢は避けるべき」と強調。腹部や臀部以外の部位を試したいときには、まずは主治医に相談するようアドバイスしている。

この研究結果は、米国糖尿病教育者会議(AADE 2017、8月4日~8月7日、インディアナポリス)で発表された。なお、学会で発表された研究結果は査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年8月7日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/blood-glucose-monitor-news-69/instagram-shows-how-diabetics-really-wear-a-glucose-monitor-725275.html

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2HDN糖尿病ニュース8月31日配信1

生活習慣への介入強化で2型糖尿病患者の血糖コントロールが改善

成人の2型糖尿病患者では、薬物治療や一般的な生活習慣改善による標準治療に加えて、生活習慣への介入を強化すると血糖コントロールが大きく改善することがデンマークで行われた研究で明らかにされた。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」8月15日号に掲載された。

研究を率いたコペンハーゲン大学病院(Rigshospitalet)のMathias Ried-Larsen氏によると、生活習慣への強化介入を行った患者群では半数以上が薬を減量しても良好な血糖コントロールが維持されたほか、一部の患者では血糖値に改善がみられたとしている。

この研究は、糖尿病の診断から10年未満で合併症のない2型糖尿病患者98人を対象としたもの。平均年齢は54.6歳で、約半数が女性であり、研究開始時点の平均HbA1c値は6.7%であった。インスリン治療を行っている患者はみられなかった。

Ried-Larsen氏らは、対象患者を標準的な治療を行う群(34人)または標準治療に加えて生活習慣への介入を強化する群(64人)にランダムに割り付けて1年間追跡した。生活習慣への強化介入を行う群では、1回30~60分の有酸素運動を週に5~6回、このうち2~3回はレジスタンス運動も併用するように指導した。強化介入群では、運動指導のほかに減量を目指した食生活の改善点についても情報を提供した。なお、運動療法は当初、指導者の監督下で行ったが、次第に患者自身で運動を行えるようになったという。

その結果、対象患者のうち93人が試験を完了した。研究開始から1年後の体重の変化をみると、強化介入群では約5.5kg減少したのに対し、標準治療群では約1.8kgの減少にとどまっていた。標準治療群と比べて強化介入群ではLDL-コレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)の値がより大きく低下し、HDL-コレステロール値はより大きく増えていた。

また、研究開始時点から1年後のHbA1cの平均値は、強化介入群では6.65%から6.34%に、標準治療群では6.74%から6.66%に低下していた。さらに、強化介入群では73.5%の患者が薬を減量できたのに対し、標準治療群では減量できたのは26.4%に過ぎなかった。

しかし、生活習慣への介入を強化した後すぐに薬の減量や服薬中止を行うことに疑問を呈する専門家もいる。米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、今回の研究に参加した患者の多くはメトホルミンとGLP-1受容体作動薬を服用し、研究を開始する時点で血糖値は比較的安定していた点を指摘しつつ、「薬物治療と生活習慣の改善はどちらか一方を選ぶのではなく、併用することに意義がある」と述べている。また、対象患者はインスリンを使用せず、合併症もない「独特な患者集団」であったことから、米国における2型糖尿病患者の臨床像とはかけ離れている点も指摘している。

さらに、Ried-Larsen氏は、生活習慣への介入を強化することで薬の種類や服薬量を減らせれば医療コストの削減につながるとの期待を示しているが、Zonszein氏は「生活習慣の改善だけで良好な血糖コントロールが得られるとは限らない。糖尿病治療にかかる医療費の多くは合併症の治療によるもので、それぞれの患者に適した費用対効果に優れる薬剤選択が重要だ」との見解を述べている。(HealthDay News 2017年8月15日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/diabetes-management-news-180/could-big-lifestyle-changes-be-key-to-managing-type-2-diabetes-725562.html

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2HDN糖尿病ニュース8月24日配信2

睡眠不足で子どもの2型糖尿病リスクが高まる?

英国の子どもを対象とした観察研究で、睡眠時間が短いほど2型糖尿病の危険因子が多く、その後に2型糖尿病を発症しやすいことが分かった。「Pediatrics」8月15日オンライン版に掲載されたこの研究によると、睡眠時間が短いほどBMIやインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)が高まるなど、睡眠時間は2型糖尿病のリスクマーカーと負の関連を示したという。

研究を行った英ロンドン大学セント・ジョージ校疫学教授のChristopher Owen氏は、この知見は小児期の睡眠習慣がその後の糖尿病などの慢性疾患リスクに影響する可能性を示唆しており、「子どもの頃に生じたインスリン抵抗性やBMIなどの糖尿病リスクマーカーのわずかな差は、成長後も影響し続けるようだ」と述べている。

Owen氏らは、9~10歳の小児4,525人を対象に、平日の就寝時刻と起床時刻を尋ねたほか、体重や身長、体脂肪を測定し、血液検査でインスリン値や血糖値などを調べ、睡眠時間と2型糖尿病リスクマーカーとの関連を調べた。

その結果、対象とした小児の1晩の睡眠時間は平均で10.5時間であった。これは全米睡眠財団(NSF)が6~13歳の子どもに推奨する睡眠時間(9~11時間)の範囲内であったが、8時間から12時間と幅広く、個人差が大きいことも分かった。

解析したところ、全体的に睡眠時間が長いほど痩せており、インスリン抵抗性の子どもも少なかった。睡眠時間が1時間増えるごとにBMIは0.19ポイント、HOMA-IRは2.9%、空腹時血糖値は0.24%それぞれ低下した。

Owen氏らは、こうした結果は「運動量が多い子どもでは睡眠時間が長くなること」では説明できないことも突き止めたほか、子どもの生活習慣や健康度に影響するとみられる家庭の社会経済的状況でも説明できなかったとしている。

付随論説の共著者で米カリフォルニア大学デービス校教授のNicole Glaser氏は、この研究はこれらの因果関係を証明するものではなく、睡眠や食欲、インスリン感受性などを制御する脳機能が関与している可能性を指摘しているが、学習面や精神面からも子どもに十分な睡眠をとらせることは大切だと付け加えている。

米ニクラウス小児病院睡眠障害センターのMercedes Bello氏は、睡眠は多くのホルモンの分泌に影響することから、睡眠不足が子どもの体重やインスリンに直接的に影響するのは確かだとし、この研究がさらなる検討の実施につながる良い契機となることに期待を示している。なお、同氏は子どもが健やかな睡眠をとるために、就寝する1時間前からテレビや電子機器の電源を切り、就寝前にはカフェイン入りの飲み物を摂らないようアドバイスしている。(HealthDay News 2017年8月15日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/lack-of-sleep-may-raise-child-s-type-2-diabetes-risk-study-725585.html

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2HDN糖尿病ニュース8月24日配信1

オンラインゲームで2型糖尿病患者の血糖コントロールが改善

糖尿病の自己管理について学習できるチーム対抗のオンラインゲームに参加すると、2型糖尿病患者の血糖コントロールが長期にわたり改善することが新たな研究で示された。

「Diabetes Care」8月8日オンライン版に掲載されたこの研究は、経口血糖降下薬を服用しても血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者を対象としたもの。患者の自己管理教育用に特別に設計したオンラインゲームに参加した患者は、一般的な教育ゲームに参加した患者と比べてHbA1c値が長期にわたって改善されたという。

論文筆頭著者の米ハーバード大学および米退役軍人省ボストン・ヘルスケアシステムのB. Price Kerfoot氏は「(自己管理教育用の)オンラインゲームに少しの時間を費やすだけで、糖尿病患者の健康に大きな影響を与える可能性がある」と述べている。

この研究の対象は、経口血糖降下薬の服用にもかかわらずHbA1c値が7.5%(58mmol/mol;以下すべてNGSP値)以上の2型糖尿病患者456人。対象患者の半数を患者教育用のオンラインゲームを行う群に、残りの半数を一般的な教育ゲームを行う群(対照群)にランダムに割り付けて6カ月間続けてもらった。

具体的には、患者教育用のオンラインゲームに参加すると、血糖管理や運動、長期的な合併症、薬物療法などに関する問題をメールや携帯アプリで週に2回、2問ずつ受け取ることができる。これらの問題に解答すると、患者は正解と解説を確認できる仕組みになっている。問題に正解するとチームにポイントが与えられ、個人戦にも参加できる。

研究開始時および6カ月後、12カ月後のHbA1c値を測定したところ、患者教育用のオンラインゲーム群ではHbA1c値は研究開始時から12カ月後には0.74%(8mmol/mol)低下したが、対照群では0.44%(5mmol/mol)の低下にとどまっていた。特にHbA1c値が9.0%(75mmol/mol)を超える患者群でHbA1c値が最も低下したことが分かった。

こうした結果について、Kerfoot氏は「治療しても血糖値が安定しない2型糖尿病患者でも、オンラインゲームに参加することで、新たに薬物療法を開始した場合と同程度のHbA1c値低下が認められた」と説明。研究開始から1年後の血糖値は目標範囲内には届いていないものの、「オンラインゲームをさらに続けることで、臨床的に意義のある血糖値の改善につながる可能性も考えられる」と期待を示している。

研究を指導した米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院内科副部長のPaul Conlin氏は、オンラインゲームは学習に役立つだけでなく、参加した患者はゲームの時間を楽しみ、約9割が今後も続けたいと希望していたと指摘しつつ、「こうしたアプローチは糖尿病以外の慢性疾患にも応用できる可能性がある」とコメントしている。(HealthDay News 2017年8月8日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/diabetes-management-news-180/online-game-helps-those-with-diabetes-control-blood-sugar-725343.html

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