2HDN糖尿病ニュース1月11日配信2

ホスピス利用の2型糖尿病患者で低血糖頻度が高い

介護施設でホスピスケアを受ける高齢の2型糖尿病患者では、糖尿病治療により低血糖を起こす頻度が高いことが新しい研究で報告された。

「JAMA Internal Medicine」2017年12月26日オンライン版に掲載されたこの研究では、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のLaura Petrillo氏らが、2006~2015年に退役軍人局(VA)の介護施設でホスピスケアを受けた2型糖尿病患者2万329人のデータを後ろ向きに解析し、低血糖や高血糖の発生頻度を調べた。対象者全員が65歳超で、98%が男性であり、100日間の死亡率は83%であった。

低血糖は脱力感や発汗、動悸、手足の震え、眠気、めまいなどを伴い、患者のQOL(生活の質)を大きく低下させる。低血糖エピソードを血糖値70mg/dL未満と定義して解析した結果、180日間の追跡期間中に低血糖エピソードは9人に1人に生じていたが、インスリン治療を受ける患者ではその発生率は38%と3人に1人に上昇しており、18%は重篤な低血糖(血糖値50mg/dL未満)を来していたことが分かった。

また、ホスピスケアを受ける高齢患者では、喉の渇きや頻尿を伴う高血糖エピソード(血糖値400mg/dL超と定義)の頻度も高く、180日間の追跡期間中、インスリン治療を受ける患者の35%に高血糖が認められた。なお、1日の平均血糖測定回数はインスリン治療を受ける患者群では1.7回、インスリン以外の治療を受ける患者群では0.6回であった。

Petrillo氏は「ホスピスケアでは身体的な苦痛や死への恐怖を和らげて、人生の最期を安らかに迎えられるようにすることに注力するため、短期的なベネフィットが期待できない治療は中止されることが多い。しかし、こうしたケアを受ける2型糖尿病患者において高い頻度で低血糖が生じているのは、糖尿病の治療に改善の余地があることを示唆している」と述べている。

専門家の一人、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「Petrillo氏らの研究結果は、介護施設やホスピスケアを受ける2型糖尿病患者の治療や管理には特別な指針が必要であるという問題を提起するものだ」と強調している。同氏によると低血糖の原因はインスリンに限らず、経口治療薬の一部にもその可能性があることや、低血糖は高齢者のQOLに大きく影響を及ぼす転倒の危険性も増すことに留意すべきだという。

また、同氏は「患者のQOLを高めないならば、その薬物治療を行う意義はあまりない」としつつ、比較的新しい経口治療薬はコストはかかるものの、低血糖を引き起こさずに高血糖を管理できることから、こうした薬剤を選択するのも一つの方法だとしている。

米国糖尿病学会(ADA)のMatt Petersen氏は同じく専門家の立場から、この研究は糖尿病患者の終末期医療への理解を深めるものだと評価しつつ、「患者の安全とQOLを保持するために低血糖と高血糖はいずれも避けるべきだ。ホスピスケアを受ける高齢患者の糖尿病管理には、患者それぞれの健康状態に合わせて個別化した方法が必要であり、総合的な判断が求められる」と述べている。

米国人の4人に1人は介護施設で人生の最期を迎えるという。Petrillo氏は「愛する家族がホスピスケアを受けているならば、行われている薬物治療が適切なものか、患者のQOLを損なう治療が行われていないか、そして治療が短期的なベネフィットを受けるためのものであることを医師に確かめるとよいだろう」とアドバイスしている。(HealthDay New 2018年1月4日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/diabetics-may-often-fare-poorly-in-hospice-care-729753.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4.1.1

カゼイン加水分解ミルクに1型糖尿病予防効果みられず

遺伝的に1型糖尿病の発症リスクが高い乳児に特別に調整したカゼイン加水分解ミルクを与えても、1型糖尿病のリスクは低減されない可能性のあることが「Journal of the American Medical Association(JAMA)」1月2日号に掲載された二重盲検デザインのランダム化比較試験(RCT)で報告された。

これまでの研究で、遺伝的にリスクが高い乳児に牛乳をベースとした通常のミルクを与えると、1型糖尿病を発症しやすくなる可能性が示唆されている。この原因として、牛乳に含まれる複雑な構造の蛋白質への生後早い時期からの曝露の関与が指摘されている。今回、ヘルシンキ大学(フィンランド)のMikael Knip氏らは、遺伝的に高リスクな乳児に通常の牛乳に含まれる蛋白質を与える時期を遅らせることで、1型糖尿病の発症リスクが低減するかどうかを調べるRCT(TRIGR試験)を行った。

対象は、2002~2007年に15カ国78施設から登録した一等親内に1型糖尿病の患者がいる乳児2,159人。母乳育児期間を終えた後、乳児を牛乳の蛋白質を高度に加水分解して特別に調整したカゼイン加水分解ミルク(extensively hydrolyzed casein formula)を与える群(1,081人)と普通の牛乳の蛋白質を含んだミルクを与える群(対照群;1,078人)にランダムに割り付けて生後6~8カ月まで観察した。この期間中はその他の牛乳蛋白質を与えないように指示し、12歳近くになるまで健康状態を追跡した。

追跡期間は中央値で11.5年であり、対象のうち1,744人(80.8%)が追跡を完了した。解析の結果、1型糖尿病の累積発症率はカゼイン加水分解ミルク群が8.4%、対照群が7.6%であり、カゼイン加水分解ミルクを与えても1型糖尿病リスクの低減はみられないことが分かった。複数因子を調整した解析の結果、対照群に対するカゼイン加水分解ミルク群の1型糖尿病発症リスクは1.1倍(P=0.46)で、両群間に有意な差はみられなかった。

なお、1型糖尿病診断時の年齢はカゼイン加水分解ミルク群が6歳、対照群は5.8歳と両群間に差はみられなかった。(HealthDay New 2018年1月2日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/special-baby-formula-doesn-t-seem-to-prevent-type-1-diabetes-729720.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース1月5日配信2

友人が多いほど糖尿病になりにくい?

中高年から高齢になると社会的に孤立している人よりも、付き合いのある友人が多い人ほど2型糖尿病になりにくい可能性があることが、オランダで行われた新たな研究で報告された。「BMC Public Health」2017年12月19日オンライン版に掲載された論文の著者らは、社会的なネットワークを広げて孤立を防ぐことは、2型糖尿病の予防策の一つになると強調している。

この研究は、オランダに在住する40~75歳の男女を対象とした観察研究(Maastricht Study)に参加した2,861人のデータを解析したもので、交友関係の広さや社会的な交流への参加頻度と糖尿病リスクとの関係を調べた。参加者の平均年齢は60歳、半数は女性であり、56.7%は血糖値が正常で、15.0%は糖尿病前症、28.3%は2型糖尿病患者(既往例が24.4%、新規診断例が3.9%)であった。

解析の結果、付き合いのある知り合いが多い方が、少ない人よりも2型糖尿病の発症リスクが低かった。こうした知り合いが一人減るごとに、男女で糖尿病リスクは5~12%高まっていた。

また、女性では独居であるかどうかは糖尿病リスクに影響しなかったが、男性では一人暮らしをする人で糖尿病リスクが94%高まっていた。

研究を主導したマーストリヒト大学のStephanie Brinkhues 氏は「社会的ネットワークはその範囲が広いほど、個人のライフスタイルに重要な影響を与えるようになる。ネットワークが広いということは、必要な時に社会的支援を受けやすく、自宅の外に出る機会が多いことを意味する。こうした活動は健康的な食習慣や運動習慣を促し、ライフスタイルに改善をもたらす」と述べており、社会的なネットワークを広げることは運動不足や肥満を主たる原因とする2型糖尿病を予防するのに重要なステップになると強調している。

また、一人暮らしの男性で2型糖尿病リスクが高かった理由について、論文の責任著者を務める同大学准教授のMiranda Schram氏は「男性は一人になると、女性よりも自分自身の事に無頓着になり、新鮮な野菜や果物を食べなくなったり、運動をしなくなるなど不健康な生活習慣に陥りやすくなると考えられる」と指摘する。そのため、2型糖尿病のリスクが高い人には、新しい友人を作って交流したり、ボランティアや趣味の集まりに積極的に参加することが勧められるとしている。

両氏はともに、この研究は社会的ネットワークの広さと2型糖尿病リスクとの関連を示したに過ぎないが、これまで他の研究で独居や社会的サポートの不足が2型糖尿病リスクを高める可能性が報告されていることから、「これらの2つの因子は2型糖尿病の発症に大きく影響する可能性が高い」との考えを示している。

一方で、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長を務めるJoel Zonszein氏は専門家の立場から、この研究は大規模で印象的なものではあるが、数々の限界点があると指摘する。その一つは、研究デザイン自体の問題で、人生のある時期だけを検討したに過ぎず、人生の中で起こった個々人の変化を考慮していない点にあるという。また、糖尿病の発症には多くの因子が関連しており、それぞれの影響の大きさを正確に測るのは難しく、今回の結果を再現するにはさらに多くの研究を行う必要があるとしている。

同氏は、社会的ネットワークが2型糖尿病の発症に何らかの役割を果たすにしてもその影響は小さく、「友人の多さや社会的な孤立の有無で糖尿病の発症や進行に影響があるとは考えにくい」と話している。(HealthDay News 2017年12月19日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/friendships-may-be-your-defense-against-diabetes-729508.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース1月5日配信1

腎機能低下で糖尿病リスクが上昇

糖尿病になると腎機能が低下し、腎不全につながることが知られているが、腎機能が低下して血中尿素窒素(BUN)濃度が高まると糖尿病の発症リスクが上昇する可能性があることが新しい研究で示された。研究を行った米ワシントン大学医学部のZiyad Al-Aly氏は「腎不全は糖尿病の発症につながる可能性があり、老廃物である尿素の蓄積がこれらの疾患を関連づける重要な役割を果たしている」と述べている。研究の詳細は「Kidney International」2017年12月10日オンライン版に掲載された。

尿素は体内でタンパク質が分解された際に生じるもので、血液中の尿素に含まれる窒素分がBUNと呼ばれる。BUNは通常、腎臓から尿中に排出されるが、腎機能が障害されて十分に排出されないと血液中のBUN濃度が上昇する。これまで基礎研究で血中の尿素レベルが上昇するとインスリン抵抗性が増大し、インスリン分泌不全につながる可能性が示唆されているが、血中BUN濃度の上昇と糖尿病の発症リスクとの関係は明らかにされていなかった。

そこで、Al-Aly氏らは、133万7,452人の糖尿病のない米国退役軍人を対象に、約5年間にわたる医療記録を分析して血中BUNと糖尿病リスクとの関係を調べた。中央値で4.93年の追跡期間中に17万2,913人が糖尿病を発症した。

対象者を血中BUN値で25mg/dL以下(BUN低値)と25mg/dL超(BUN高値)に分けて糖尿病リスクを比較したところ、BUNが低値の場合には推算糸球体濾過量(eGFR)と糖尿病発症リスクとの間に関連はみられなかったが、BUNが高値の場合にはeGFRが60mL/分/1.73m2以上でも低値の場合と比べて糖尿病リスクは1.27倍であった。

また、eGFRを連続変数に加えて解析した結果、BUNが低値の場合に比べてBUNが高値の場合には糖尿病リスクは1.23倍であった。BUN値の上昇はeGFR値とは独立して糖尿病リスクに影響を及ぼし、BUN値が10mg/dL上昇するごとに糖尿病リスクは1.15倍になった。なお、対象者のうち9%がBUN高値を示したが、Al-Aly氏らによるとこの比率は一般集団と大差はないものだったという。

Al-Aly氏は「BUNが高値である場合と低値である場合のリスクの差は10万人当たり688人であり、これはBUNが高値の人では糖尿病を発症する症例数が10万当たり688人多いことを意味する。糖尿病が腎不全の主要なリスク因子であることは知られていたが、今回の研究で腎不全が尿素レベルの上昇を介して糖尿病リスクを高めることへの理解が深まった」と述べている。

また、同氏は腎不全により排出されなかった尿素が血中に蓄積するとインスリン抵抗性が増大し、インスリン分泌が障害されると説明するとともに、「尿素レベルは薬物療法や食生活など多くの方法でコントロールできるため、今回の結果は糖尿病の予防と治療の向上に役立つだろう」と期待を示している。(HealthDay New 2017年12月26日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/kidney-disease-can-lead-to-diabetes-not-just-the-other-way-around-729238.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース12月28日配信2

肥満女性で酒さリスクが上昇

女性は体重が増えるほど炎症性皮膚疾患の「酒さ」になりやすい可能性があることが「Journal of the American Academy of Dermatology」12月号に掲載された新たな大規模研究で示された。

酒さは顔に生じる皮膚疾患の一つで、赤みや発疹、にきび、皮膚の硬化、痒みなどが生じる。米国では1600万人が酒さに罹っていると推定されており、一般には30歳前後で発症し、症状の程度は個人差が大きいと考えられている。今現在も根治的な治療法はなく、経口薬や塗り薬、抗生物質の服用のほか、レーザー治療などで症状をコントロールする治療が行われている。

米ブラウン大学のWen-Qing Li氏らは、1991年から2005年にかけて行われた全米看護師健康調査(Nurses’ Health Study)IIに参加した8万9,886人の女性の健康データを用いて、体重増加と酒さの発症リスクとの関連を調べた。

14年間の追跡期間中に5,249人が酒さを発症した。解析の結果、肥満度を表すBMIの値が高いほど酒さリスクは上昇し、BMIが35以上の肥満度が高い女性では適正体重(BMI 21.0~22.9)の女性と比べてそのリスクは1.48倍であった。

また、18歳以降に体重が増えた人で酒さリスクが上昇する傾向がみられ、体重が約5kg増えるごとに酒さリスクは4%上昇した。さらに、BMIとは独立してウエスト周囲長やヒップ周りが増えるほど酒さリスクは上昇することも分かった。

Li氏らは「肥満の病態下でみられる軽度の慢性炎症などを考慮すると、肥満に伴う酒さリスクの上昇を示した今回の結果は驚くに値しない。今後も個々の健康面だけでなく、公衆衛生の面からも適正体重を維持することの重要性を広く周知していく必要がある」と述べている。

また、同氏らは、さらなる臨床上のエビデンスの蓄積が必要としつつも、「今回の結果は酒さのある患者には、症状を緩和させるためにも適正な体重を勧める根拠になる」としている。ただし、この研究では肥満と酒さの関連が認められたに過ぎず、「より大規模な臨床研究で減量すると酒さの症状が緩和できるのかを改めて検証する必要がある」と強調している。

米国では成人の3人に1人が肥満とされる。肥満は糖尿病やがん、早期死亡など数多くの健康問題と同様に、乾癬やにきびなどの炎症性皮膚疾患のリスク上昇とも関連することが知られている。

専門家の一人、米ノーザン・ウェストチェスター病院のRoss Levy氏も、Li氏と同様に肥満による慢性炎症で体重増加と酒さリスク上昇との関連が説明できるとし、「これまでも酒さの患者には減量した方が良いかもしれないと伝えてきている。米国では肥満は主な死因の一つであり、私たちの予想以上に、多岐にわたる領域に大きな影響を及ぼしている」とコメントしている。(HealthDay New 2017年12月15日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/excess-weight-may-raise-rosacea-risk-729369.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース12月28日配信1

妊娠中の高血糖で子どもの先天性心疾患リスクが上昇

妊娠糖尿病の母親から生まれた子どもは先天性心疾患リスクが高まることはよく知られている。このたび、「The Journal of Pediatrics」12月15日オンライン版に掲載された新たな研究から、母親が妊娠14週までの妊娠初期に高血糖状態になるだけでも、子どもの先天性心疾患リスクが上昇する可能性のあることが分かった。

この研究は、米スタンフォード大学医学部小児心臓病学のJames Priest氏らが行ったもの。2009~2015年に出産した妊婦とその子ども1万9,107組の診療録データを用いて、母親の血糖値と子どもの心臓関連疾患との関係について後ろ向きに分析した。

その結果、生まれた新生児のうち811児に先天性心疾患が認められた。解析の結果、妊娠前および妊娠中に糖尿病のなかった妊婦において、妊娠初期の血糖値が10mg/dL上昇するごとに子どもの先天性心疾患リスクが8%増加した。なお、この研究には一部の遺伝性疾患のある新生児や双子以上の多胎出産例、極端な痩せや肥満の母親などは対象に含めなかった。

Priest氏は「先天性心疾患のある子どもを出産した妊婦のほとんどで糖尿病は認められなかった。妊娠初期の血糖変動を注意深く観察することで、妊娠以前および妊娠中に糖尿病を発症しなかった妊婦でも子どもの先天性心疾患リスクを予測できる可能性がある」とニュースリリースの中で述べている。

専門家の一人で、この研究をレビューした米サウスサイド病院のBarry Goldberg氏は「この研究結果は、妊娠糖尿病だけでなく、妊娠中の高血糖状態もスクリーニングと治療の対象とすべきことを強く示唆している」と述べている。同氏によると、胎児期に心臓が正常に発達しないことで生じる先天性心疾患は、先天性異常の中でも最も頻度が高く、出生児1,000例中8例、全体の約1%にみられるという。

同じく専門家の立場から米ハッチンソン病院のMichael Grosso氏は、この研究は診療録を後ろ向きに解析したもので、妊娠中の母親の高血糖状態と子どもの先天性心疾患リスクとの関連を示したに過ぎないとしつつ、「今後、前向き研究で検証する必要がある」と強調している。なお、Priest氏らはこの研究をさらに進めていく予定だという。

また、Goldberg氏は「妊娠初期における血糖値の上昇と子どもの先天性心疾患の関連性が確証されれば、今後の産科ケアにも大きな影響を及ぼすだろう」と指摘している。「これらの関連が明らかにされれば、妊婦に対する早期から積極的な血糖コントロールを行うことで先天性心疾患を抱える子どもが劇的に減り、多くの乳児の命を救うことになると思われる」と同氏は述べている。(HealthDay News 2017年12月15日)

https://consumer.healthday.com/disabilities-information-11/misc-birth-defect-news-63/mom-to-be-s-high-blood-sugar-may-raise-baby-s-odds-for-heart-defects-729326.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース12月21日配信2

糖尿病網膜症や乳がん転移の診断にAI活用進む

人工知能(AI)が糖尿病網膜症の診断と乳がんのリンパ節転移の画像判定に有用とする2つの研究結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」12月12日号に掲載された。

一つ目の研究では、機械学習の手法の一つであるディープラーニング(深層学習、DL)システムを採用したAIを活用することで、高い感度と特異度で糖尿病網膜症の検出が可能となることが示された。DLシステムとは、人間の脳の神経ネットワークを模倣した情報処理を行い、膨大なデータから自動的に学習するシステムを指す。

シンガポール国立眼科センターのDaniel Shu Wei Ting氏らは、49万4,661件の網膜画像を用いて、糖尿病網膜症と緑内障、加齢黄斑変性などの眼科疾患の診断を行うDLシステムを構築し、これらの診断精度を検証した。

その結果、DLシステムにより90.5%の感度と91.6%の特異度で糖尿病網膜症を検出できることが分かった。また、失明の恐れのある糖尿病網膜症検出の感度は100%、特異度は91.1%と、重症度が高い糖尿病網膜症患者は全て診断でき、重症度が高くない網膜症患者の91.1%は正しく陰性であると診断されていた。

なお、このDLシステムによる緑内障検出の感度は96.4%、特異度は87.2%、加齢黄斑変性の検出ではそれぞれ93.2%、88.7%といずれも高かった。

以上の結果から、Ting氏らは「多民族の糖尿病患者集団の網膜画像を用いても、DLシステムは糖尿病網膜症と関連する眼科疾患を高い感度と特異度で検出できることが明らかにされた」と述べている。

次に、同誌に掲載されたラドバウド大学医療センター(オランダ)のBabak Ehteshami Bejnordi氏らによる別の研究は、乳がんのリンパ節転移の診断精度をAIと病理医で競った国際コンペ「CAMELYON16」を行ったもので、DLアルゴリズムの成績が11人の病理医よりも上回ったことが報告された。

この研究では、転移のある49画像と転移のない80画像の計129のスライド画像の診断精度について、32件のDLアルゴリズムと11人の病理医で比較した。なお、一部の病理医の診断には時間制限が与えられた。その結果、10件のアルゴリズムは時間制限のある病理医よりも成績が良く、上位5位のアルゴリズムは時間制限のない病理医と成績に差はみられなかった。

付随論評を執筆いた米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のJeffrey Golden氏は「実臨床ではコンピューター・アルゴリズムと病理医を直接比較することは難しい上に、病理診断の分野でコンピューターを活用するには、まず組織標本をデジタル化したり、病理医がこの技術を使いこなせるようトレーニングする費用なども考慮しなければならない」と指摘しつつ、現時点ではAIは医師に取って代わるものではなく、医師の業務を補佐する支援ツールとして活用されるだろうと述べている。(HealthDay New 2017年12月12日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/medical-technology-news-466/will-ai-be-part-of-your-health-care-team-729323.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース12月21日配信1

就寝時の電子機器の使用、子どもの健康への影響は?

スマートフォン(スマホ)やタブレットなどの電子機器は、今や私たちの生活に欠かせないアイテムとなり、これらを上手に使いこなす子どもも少なくない。しかし、子どもに質の良い睡眠を十分に取らせ、肥満にさせたくなければ、就寝時のこれらの使用は制限すべきだとする新たな研究結果が「Global Pediatric Health」10月27日オンライン版に掲載された。

保護者を対象に行ったこの調査によると、子どもが就寝時にスマホを使用したりテレビを視聴すると、BMIが増加することが示された。また、テレビの視聴やスマホ、コンピューター、ビデオゲームの使用は、子どもの睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下を招くことが分かった。

論文の筆頭著者である米ペンシルベニア州立大学ハーシー医学部のCaitlyn Fuller氏は「子どもにスマホなどの電子機器を与える際には、親は小児科医に年齢にふさわしい使い方について相談するとよい。もし子どもに十分な睡眠を取らせたいならば、ベッドに入る前にこれらの電源は切り、スマホを枕元に置かせるようなことはあってはならない」と述べている。なお、同氏は、今回の研究では、就寝時の電子機器の使用が子どもの睡眠や肥満に悪影響を与える可能性が示されたに過ぎないとしている。

Fuller氏らの調査では、小学校5年生までの小児の約4割が自分のスマホを所有しており、それより低い年齢でも多くの子どもが電子玩具やタブレット式の玩具に親しんでいるという。

今回の研究は、同大学の2つの診療所(うち1カ所は肥満専門クリニック)から登録した8~17歳の子ども234人の保護者を対象としたもの。保護者には、子どもの電子機器(コンピューター、ビデオゲーム、スマホ、テレビ)の使用時間や使用するタイミングのほか、睡眠時間や睡眠の質、朝の疲労感、注意力、日頃の運動量などについて尋ね、就寝時の電子機器の使用とBMI、睡眠、注意力への影響を調べた。

その結果、就寝時にテレビを視聴したり、スマホを使用する子どもは、そうでない子どもと比べて過体重や肥満になるリスクが2倍以上であることが分かった。また、当然ながら戸外での運動量が多いほど過体重になるリスクは低かった。

さらに、就寝時にテレビを視聴したり、ビデオゲームを使用する子どもは、そうでない子どもと比べて一晩の睡眠時間が30分短く、スマホやコンピューターを使用する子どもは、使わない子どもと比べて睡眠時間が1時間短かった。なお、コンピューターを使用する子どもは寝付きが悪く、ビデオゲームを使用する子どもはすぐに目が覚めてしまうといったトラブルも抱えていた。

就寝時の電子機器の使用は睡眠の質にも悪影響を及ぼしていた。就寝時にスマホやビデオゲーム、コンピューターを使用する子どもは朝に疲労を感じやすく、朝食を取らない傾向がみられた。一方で、子どもの電子機器の使用による注意力への影響は認められなかった。

専門家の一人、米ノーザン・ウェストチェスター医療センターのPeter Richel氏は「スマホやタブレットなどの電子機器は私たちの生活の一部になっており、より幼い頃から身近なものとなっている。最近では、10歳代の子どもや若者がソーシャルメディアやIT機器に費やす時間も著しく増えたことで、戸外で遊んだり読書の楽しさを経験する機会が奪われていることに危機感を抱いている」と述べ、日常生活にITが浸透していくほど子どもの睡眠が妨げられるのは確実で、就寝1時間前には家族全員でこうした電子機器の電源を切るよう勧めている。(HealthDay News 2017年12月12日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/cellphone-health-news-729/tech-at-bedtime-may-mean-heavier-kids-729298.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース12月14日配信2

わずかな減量でも乳がんリスクが低減

閉経後に3年間で5%程度減量すると乳がんの発症リスクが12%低下する可能性があるという新しい研究結果が、米サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS 2017、12月5~9日、米サンアントニオ)で発表された。

研究を主導した米シティ・オブ・ホープ病院のRowan Chlebowski氏は「適正体重にならなくても、わずかな減量で乳がんリスクの低減効果が得られるとする今回の結果は、多くの女性にとって励みになるだろう。5%程度の減量であれば取り組みやすく、体重も維持しやすい」と述べている。

肥満が乳がんのリスク因子である可能性を示す研究結果はこれまで報告されているが、減量がリスク低減につながるのか否かは明らかにされていなかった。Chlebowski氏らは今回、米国立衛生研究所(NIH)が行ったWomen’s Health Initiative(WHI)研究に参加した閉経後女性6万1,335人を対象に、研究開始時と3年後に体重を測定し、前向きに追跡した。研究参加当時(1993~1998年)の女性の年齢は50~79歳で、乳がんの既往歴がなく、マンモグラフィー検査の結果も正常であった。

平均で11.4年の追跡期間中に3,061人が浸潤性乳がんを発症した。解析の結果、追跡期間中の体重に変化がみられなかった女性(約4万1,100人)と比べて、5%以上減量した女性(約8,100人)では乳がんの発症リスクが12%低下した。また、15%以上減量した女性では乳がんリスクは37%低下することも分かった。

なお、研究開始時点の平均BMIは体重に変化がみられなかった女性では26.7だったのに対し、5%以上減量した女性では29.9であった。この点について、Chlebowski氏は「5%以上減量した女性はベースライン時に体重がより重く、活動量も少なかった」と指摘している。

さらに、追跡期間中に5%以上体重が増加した女性(約1万2,000人)を対象に、体重増加による乳がんリスクへの影響を調べたところ、これらの間に関連は認められなかった。ただし、トリプルネガティブ乳がんについては、閉経後の体重増加でリスクが54%増大していた。Chlebowski氏らは、特定の乳がんでこうした関連が認められた理由は不明だとしている。

Chlebowski氏らは「減量にはさまざまな因子が関連しており、例えば減量によって身体の炎症が抑えられたことでがんリスクが低下した可能性が考えられるが、この研究はこれらの因果関係を証明したものではない」と話している。

専門家の一人、米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院のVirginia Maurer氏は「運動量を増やしたり減量することは乳がんだけでなく、糖尿病や心血管疾患、関節の障害などのリスクの低減にもつながる」と強調し、週に3~4時間の有酸素運動や筋肉トレーニングを行うことを推奨している。なお、学会で発表された研究結果は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay New 2017年12月8日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/just-a-little-weight-loss-may-cut-breast-cancer-risk-729196.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース12月14日配信1

妊娠糖尿病と妊娠高血圧で夫婦の糖尿病リスク上昇

妊娠糖尿病や妊娠高血圧を発症した女性は、その後に糖尿病や高血圧、冠動脈疾患などを発症するリスクが高まるが、興味深いことにその夫も将来、糖尿病になるリスクが高いことが、「American Journal of Epidemiology」11月15日号に掲載されたカナダの研究で報告された。また、妊娠糖尿病と妊娠高血圧のいずれか一方を発症した女性と比べて、これらが併存した女性では特に心血管代謝疾患のリスクが上昇することも分かった。

この研究は、ケベック州に在住し、1990~2007年に子どもを一人出産した20~44歳の女性のうち、糖尿病や高血圧の既往がなく、出産から6カ月以内または退院時に妊娠糖尿病と診断された女性とその夫(3万1,719組)および妊娠糖尿病のない女性とその夫(3万1,719組)の計6万3,438組の夫婦を対象としたもの。対象者を妊娠糖尿病と妊娠高血圧の有無別に分けて、その後の糖尿病と高血圧のほか、冠動脈疾患や冠動脈バイパス術(CABG)、血管形成術、脳卒中、頸動脈内膜剥離術といった心血管アウトカムや全死亡を産後12週から2012年3月まで後ろ向きに追跡した。

平均で13年間追跡した結果、妊娠糖尿病または妊娠高血圧のいずれか一方を発症した女性は、これらを発症しなかった女性と比べてその後の糖尿病リスクは14.7倍であり、両方を発症した女性ではリスクは36.9倍に上っていた。また、妊娠糖尿病または妊娠高血圧のいずれか一方を発症した女性の夫も、その後の糖尿病リスクは1.2倍、両方を発症した女性の夫は1.8倍であった。

その後の高血圧の発症リスクについても同様に、妊娠糖尿病または妊娠高血圧のいずれか一方を発症した女性は、これらを発症しなかった女性と比べてリスクは1.9倍で、両方を発症した女性では5.7倍であった。一方で、高血圧リスクについては、女性の夫におけるリスク上昇は認められなかった。

なお、心血管疾患や全死亡のリスクについては、妊娠糖尿病または妊娠高血圧のいずれか一方を発症した女性のリスクは1.4倍、両方を発症した女性では2.4倍であった。

論文の筆頭著者であるマクギル大学ヘルスセンター(カナダ)のRomina Pace氏は「この研究結果によると、医師は糖尿病や高血圧リスクが高い妊婦を早期に見つけ出し、その後のリスクを低減するために生活習慣の是正を指導する必要がある」と述べている。

さらに、妊娠糖尿病や妊娠高血圧を発症した女性の夫もその後の糖尿病リスクが高まっていた結果を踏まえて、「夫婦でリスクが共有されることが示されたのは重要な知見だ。生活習慣の是正を長く続けていくには、家族同士で協力して取り組むことが大切になることを示している」と同氏は付け加えている。(HealthDay New 2017年11月22日)

https://consumer.healthday.com/pregnancy-information-29/pregnancy-news-543/diabetes-high-blood-pressure-while-pregnant-spells-trouble-later-on-728517.html

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.