2HDN糖尿病ニュース11月16日配信2

肥満患者で膝関節脱臼、血管損傷リスクが上昇

成人の約4割が肥満と推定される米国では、肥満の増加とともに膝関節脱臼も増えており、医療費の増大や下肢切断などを要する血管損傷リスクも高まっていることが新しい研究で示された。詳細は「Journal of Orthopaedic Trauma」10月23日オンライン版に掲載された。

研究を主導した米ブラウン大学ウォーレン・アルパート医学校のJoey Johnson氏は「肥満患者の増加とともに膝関節脱臼の手術件数も増えており、医療コストを押し上げる原因にもなっている。米国の肥満患者は増加し続けており、この問題はますます複雑化するだろう」と指摘している。なお、膝関節脱臼は複数の靱帯損傷を伴う重症なケースもあり、主に交通事故やアメリカンフットボールのような対戦相手と接触するコンタクトスポーツで生じるとされる。

この研究は、全米をカバーする入院患者データベースから2000~2012年に発生した1万9,087件の膝関節脱臼を対象に、肥満と膝関節脱臼および血管合併症との関連を後ろ向きに調べたもの。なお、解析対象とした患者のうち11.9%(2,265人)が過体重または肥満であった。

解析の結果、肥満または重度の肥満と診断された患者における膝関節脱臼の年間発生率は、2000年の8%から2012年には19%へと増加していた。また、膝関節脱臼を伴う肥満患者では、適正体重の人よりも入院期間が長く、入院コストも増大していることが分かった。

さらに、膝関節脱臼に伴って膝の後方にある重要な血管を損傷する確率は、適正体重の人では5.63%だったのに対し、肥満患者では7.2%、重度の肥満患者では11.3%と2倍近くに上昇することが分かった。なお、こうした重度の合併症は「血管損傷」と呼ばれ、治療せずに放置すると下肢切断につながる恐れがあるという。

また、血管損傷を伴う患者の入院期間は平均15日で、血管損傷を伴わない患者よりも約1週間も長いほか、入院費用は血管損傷がない患者の6万ドル(約680万円)と比べて血管損傷がある患者では13万1,000ドル(約1480万円)に上るとの報告もある。

これらの結果を踏まえて、論文共著者の一人である同大学のChristopher Born氏は「膝の痛みを訴える肥満患者では、特に膝関節脱臼を伴う場合には血管損傷を見逃さないように注意深く評価する必要がある」と強調し、「膝関節脱臼リスクの低減を目指すには、まずは肥満率を抑えることが先決だ」と述べている。(HealthDay New 2017年11月10日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/knee-problem-news-436/obesity-to-blame-for-epidemic-of-knee-dislocations-complications-728246.html

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2HDN糖尿病ニュース11月16日配信1

メタボ予防に全粒穀物の摂取が有効

精製された穀物の代わりに全粒粉や玄米といった精製されていない「全粒穀物」を多く摂取すると満腹感が得られやすく減量に効果的なほか、全身の炎症も低減することが、デンマークで行われた研究で報告された。全粒穀物が豊富な食事はメタボリック症候群の予防や進展抑制につながる可能性があるという。詳細は「Gut」11月1日オンライン版に掲載された。

論文の責任著者であるデンマーク工科大学教授のTine Rask Licht氏は「この研究結果は、全粒穀物の摂取を推奨することが科学的根拠に基づくことを裏づけるものだ。また、全粒穀物の中でも特にライ麦を摂取すると全身の炎症低減に効果的なようだ」と述べている。

今回の研究は、血糖異常や脂質異常、高血圧などのメタボリック症候群のリスク因子を1つ以上有する成人男女60人を対象としたもの。参加者は20~65歳で、全員が過体重または肥満であった。

Licht氏らは、参加者をランダムに2つの群に割り付けて、一方の群では、最初に全粒穀物が豊富な食事(1日75g以上)を8週間続け、次に普段の食事を6週間続けるウォッシュアウト期間を設けた後、精製穀物を中心とした食事(全粒穀物の摂取量を1日10g未満に制限)を8週間続けてもらい、もう一方の群では食事の順番を逆にするクロスオーバー試験を行った。参加者には血液検査を行うとともに、採取した糞便試料からDNAを抽出して腸内細菌の組成について解析した。なお、全粒穀物には小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、玄米、乾燥トウモロコシなどが含まれていた。

参加者のうち50人が全粒穀物または精製穀物が中心の食事を終了した。解析の結果、精製穀物と比べて全粒穀物を中心とした食生活を送るとエネルギー摂取量とともに体重も減少することが分かった。この結果について、Licht氏は「全粒穀物を食べると満腹感が得られやすく食べる量も減ったことが減量につながったのではないか」と話している。

また、全粒穀物が豊富な食事を取るとメタボリック症候群のリスク因子とされるインターロイキン(IL)-6やC反応性蛋白(CRP)といった全身性の炎症マーカーが大きく低下することも分かった。一方で、全粒穀物を多く摂取しても腸内細菌叢の組成に大きな変化はみられないとする結果も得られた。

米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏は、これまでの研究では全粒穀物を摂取すると腸内細菌叢に変化がもたらされ、インスリン抵抗性が改善する可能性も一部で報告されていると指摘しつつ、「Licht氏らの研究は、これらの効果を示すには小規模であったか、摂取する穀物の種類や量、研究期間も結果に影響した可能性もある」と説明している。

また、Heller氏は、全粒穀物はビタミンやミネラルを多く含む健康的な食品であるが食べ過ぎには気をつける必要があるとし、理想的な食事の構成として「でんぷんを含まない野菜を半分、全粒穀物とたんぱく質をそれぞれ4分の1とするのが良い」とアドバイスしている。さらに、同氏は食品を選ぶ際にはパッケージに「全粒穀物でできている」と表示されていても、栄養成分の表示を改めて確認するよう促している。(HealthDay New 2017年11月9日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dieting-to-increase-fiber-health-news-194/switching-to-whole-grain-foods-could-trim-your-waistline-728375.html

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2HDN糖尿病ニュース11月9日配信1

糖尿病患者の腎不全、1990年代半ばから減少傾向に――米CDC報告

米国では糖尿病患者は増加の一途にある一方で、糖尿病腎症が進行した腎不全患者は減少傾向にあることが、米疾病対策センター(CDC)の報告で明らかになった。CDCが発行する「Mortality and Morbidity Weekly Report」11月3日号に掲載された報告によると、糖尿病患者のうち透析療法や腎移植を必要とする末期腎不全(end-stage renal disease;ESRD)に至った患者は1990年代半ばから減少傾向にあり、2000年から2014年には33%減少したことが明らかにされた。

CDCのDivision of Diabetes Translationの疫学者であるNilka Rios Burrows氏は「糖尿病と腎不全のリスク因子の啓発を進めるとともに、糖尿病の治療の質を向上させ、その予

防に尽力し続けることで、こうした腎不全患者の減少傾向を今後も維持できるだろう」と述べている。

今回の調査は、米国内の50州とコロンビア特別行政区(ワシントンD.C.)、プエルトリコにおける国内の腎臓データシステム(U.S. Renal Data System)と行動リスク因子サーベイランスシステム(Behavioral Risk Factor Surveillance System)から2000~2014年のデータを解析したもの。この期間中、年齢を調整した糖尿病患者におけるESRDの発症率は10万患者当たり206.2件から173.9件に33%減少し、ほとんどの州で有意な減少が認められた。

調査によると、成人の糖尿病患者の3人に1人に腎機能障害や腎機能の低下がみられたが、患者の多くはそのことに気づいていないことも分かった。Rios Burrows氏らは「糖尿病患者では腎臓病のスクリーニングを早期に行うことが大切であり、よりよい治療を早期に行うことで合併症も予防できる」と述べている。

また、この調査結果を踏まえてRios Burrows氏らは、糖尿病患者では腎不全のリスク因子である高血圧と高血糖が良好に管理されている可能性が示唆されると指摘している。例えば、ACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)は血圧を下げると同時に腎機能の低下を遅らせる働きも持ち合わせるとされ、糖尿病患者の降圧と血糖コントロールを目指した治療が腎不全の抑制に影響している可能性が考えられるという。

調査には参加していないが、米レノックスヒル病院の腎臓専門医であるMaria DeVita氏もこうした見解に同意を示す一方で、「今回の調査データは自己報告に基づくものであり、解釈には注意が必要だ。また、ESRDに至る前に腎移植を受ける患者が増えており、こうした患者のデータは把握できていない点にも留意する必要がある」と述べている。

CDCの推定によると、米国人における糖尿病患者の割合は9%を超えており、腎臓病患者を減らすには2型糖尿病を予防することが先決だとされている。専門家らは、米国で腎臓病患者が減少傾向にあることを示した今回の調査結果に満足することなく、糖尿病と腎臓病の予防や早期治療の大切さを医療関係者だけでなく一般にも広く啓発すべきだと強調している。(HealthDay New 2017年11月2日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/centers-for-disease-control-news-120/kidney-failure-declining-among-u-s-diabetics-cdc-728163.html

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2HDN糖尿病ニュース11月9日配信2

加糖飲料で2型糖尿病や高血圧リスクが上昇

近年では生活習慣病対策の一環として、糖類を多く含んだ加糖飲料に課税する国も増えている。「Journal of the Endocrine Society」11月2日オンライン版に掲載されたレビュー論文によると、加糖飲料はやはり肥満の原因となるだけでなく、2型糖尿病や高血圧のリスクを高める可能性のあることが明らかにされた。

研究を率いたステレンボッシュ大学(南アフリカ)のFaadiel Essop氏は「複数の研究で、加糖飲料を週に2杯飲むだけでもメタボリック症候群や糖尿病、心臓病、脳卒中のリスクを上昇させることが示されているほか、ある研究では加糖飲料を1日1杯飲むと高血圧リスクが高まることが示されていた」と述べている。同氏は、特に加糖飲料により10代の若者の血圧が上昇することに懸念を示している。

この研究では、加糖飲料の摂取頻度がメタボリック症候群や糖尿病前症、2型糖尿病、高血圧の発症リスクに及ぼす影響を調べた、過去10年間に発表された36件の研究をレビューした。

その結果、解析対象とされた研究の結果にはばらつきがみられたものの、ほとんどの研究で加糖飲料の定期的な摂取とメタボリック症候群や2型糖尿病リスクとの関連が示されていた。また、加糖飲料の摂取頻度は高血圧リスクとも関連していた。なお、こうした研究の多くは、加糖飲料を週に5杯以上飲む人を対象としていた。

Essop氏は、メタボリック症候群のリスクが上昇する原因が加糖飲料にあるのかどうかは明らかではないとしつつも、「加糖飲料の摂り過ぎはウエスト周囲長の増大や肥満のほか、インスリン抵抗性や慢性炎症、脂質異常症、高血圧とも関連していた」と述べている。また、同氏によると、摂取カロリーが同じでも加糖飲料では固形物を食べた時のような満腹感が得られにくいことも、食べ過ぎや飲み過ぎにつながる可能性があるという。

米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長を務めるJoel Zonszein氏は、果物を例に挙げて、「リンゴには糖分も多く含まれるが、食物繊維が多いため満腹感が得られやすい。一方で、1杯のリンゴジュースにはリンゴ3~4個分の糖分が含まれており摂取すると血糖値が跳ね上がるが、食物繊維は含まれていないため満腹感は得られない」と説明している。

米国糖尿病学会(ADA)のWilliam Cefalu氏は専門家の立場から、「今回のレビューで対象とされた研究は観察研究であるため因果関係が証明されたわけではないが、糖尿病の有無にかかわらず、1日の終わりに飲む水分は糖分が含まれない水にするのが良いだろう」とアドバイスしている。(HealthDay News 2017年11月2日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/sugar-health-news-644/sugary-drinks-could-break-your-heart-728137.html

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2HDN糖尿病ニュース11月2日配信2

米国で未診断の糖尿病患者の割合が減少

米国では糖尿病患者は依然として増え続けている一方で、未診断で見過ごされている患者の割合は従来考えられていたよりも低いことが「Annals of Internal Medicine」10月24日オンライン版に掲載の論文で報告された。この研究によると、過去25年間で糖尿病患者全体に占める未診断の患者の割合は16.3%から10.9%にまで大きく減少していることが明らかにされた。

これまでの調査で、糖尿病患者の約3割は自分が糖尿病であることを知らないとする結果が報告されていた。しかし、こうした推定は医師が再検査による糖尿病の確定診断を行っていないとする仮定に基づくものが多かった。しかし、研究を行った米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のElizabeth Selvin氏によると、この仮定は実情からかけ離れたもので、実際には糖尿病の2回検査法は広く普及しており、糖尿病患者全体の約9割はこの方法で確定診断を受けているという。

Selvin氏らは今回、米国国民健康栄養調査(NHANES)から1988~1994年および2011~2014年の調査に参加した20歳以上の成人男女のデータを用いて横断研究を行った。未診断の糖尿病は、空腹時血糖値が126mg/dL以上およびHbA1c値が6.5%以上にもかかわらず糖尿病と診断されていない者と定義した。

解析の結果、糖尿病と診断された患者と糖尿病が未診断であることが確認された患者数は、1988~1994年の970万人(有病率は5.5%)から2011~2014年には2550万人(同10.8%)にまで増加していることが分かった。

しかし、この25年の間に糖尿病患者全体に占める未診断の患者の割合は16.3%から10.9%にまで減少していることも明らかにされた。こうした未診断の糖尿病患者は過体重や肥満の人、高齢者、人種・民族的マイノリティのほか、医療保険に未加入で医療的なケアを受ける機会が少ない人で多かった。

Selvin氏は専門家の役割として、「こうした糖尿病が未診断のまま放置されている患者をどのように早期に発見し、予防策を施すべきかに議論を集中させ対策を進める必要がある」と述べている。

また、南カリフォルニア大学ケック医学部のAnne Peters氏は付随論説で、「未診断の糖尿病患者はこれまで推定されていたよりも少ないと思われるが、依然として多くの患者が未診断のままであることは明らかだ。糖尿病のリスク因子を持つ人には積極的に検査を行い、糖尿病と診断されれば早期に適切な治療につなげることが重要だ」と述べている。(HealthDay New 2017年10月24日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/fewer-diabetes-cases-being-missed-727799.html

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2HDN糖尿病ニュース11月2日配信1

ヨガと有酸素運動の組み合わせは心臓病患者に有益

2型糖尿病を合併する心臓病患者は有酸素運動に加えてヨガも行うと、どちらか一方しか行わなかった場合と比べて血圧や脂質、BMIといった心臓病のリスク因子が大きく改善することがインドの研究で明らかにされた。研究の詳細は第5回首長国心臓病学会(10月19~21日、ドバイ、米国心臓病学会中東会議2017と同時開催)で発表された。

研究を行ったHG SMS(Hridaya Ganesha Sunil Memorial Superspeciality)病院のSonal Tanwar氏とNaresh Sen氏は「インド式のヨガと有酸素運動を組み合わせると、精神的ストレスのほか、身体的ストレスや血管にかかる負荷も軽減し、心血管疾患による死亡率や罹患率の低下につながると考えられる」と述べている。

この研究は、750人の2型糖尿病と肥満がある冠動脈疾患患者を対象としたもの。参加者を、有酸素運動を行う群(225人)とヨガを行う群(240人)、これらを組み合わせて行う群(285人)に割り付けて6カ月間継続してもらった。

その結果、有酸素運動またはヨガのどちらか一方を行った群では血圧や総コレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)、LDL(悪玉)コレステロールのほか、体重とウエスト周囲長がいずれも同程度に改善していた。

しかし、ヨガと有酸素運動を組み合わせて行うと、これらを単独で行った場合と比べて血圧や脂質、体重などの低下幅は2倍となり、心機能と運動能力にも有意な向上が認められた。

これらの結果から、両氏は「心臓病患者はインド式のヨガを生活に取り入れることで健康への大きなベネフィットが得られるだろう」と話している。なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay New 2017年10月20日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/aerobics-or-calisthenics-health-news-239/yoga-43-aerobics-doubles-heart-benefits-727601.html

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2HDN糖尿病ニュース10月26日配信2

米国成人の4割が肥満-米CDC調査

米国成人の肥満の有病率は2015~2016年には39.8%に上り、成人の4割が肥満であるとの調査結果を、米疾病対策センター(CDC)が「NCHS Data Brief」10月号に発表した。同調査では2~19歳の未成年者の18.5%が肥満であることも明らかにされた。

米国の肥満率は2013~2014年の調査時(成人37.7%、未成年者17.2%)からは有意な変化はみられなかったが、1999~2000年調査時(それぞれ30.5%、13.9%)から大幅に上昇し、いずれも過去最高を記録した。公衆衛生の専門家らは、こうした肥満率の上昇により糖尿病や心疾患などの慢性疾患患者は今後ますます増え続けることが懸念されると警鐘を鳴らしている。

この調査結果について、米国心臓協会(AHA)のEduardo Sanchez 氏は「米国では近年、主に治療の進歩や喫煙率の低下により心血管疾患や脳卒中による死亡率が大きく低減している。しかし、こうした米国人の肥満傾向が改善しない限り、これらのベネフィットを享受しにくくなることが心配される」と述べている。

また、米メイヨー・クリニックの小児肥満を専門とするSeema Kumar氏は、特に小児肥満の増加は生涯にわたる健康リスクにつながると、その問題点を強調する。同氏は診療現場で、かつては成人に多くみられた2型糖尿病や高血圧、脂質異常、脂肪肝などを抱える子どもが増えている現実に直面しており、「子どもの肥満率の高さから、子どもたちはその親に比べて健康状態が悪く、短命になることが考えられる。糖尿病や高血圧、心疾患にかかる成人は今後も増え続けるだろう」と述べている。

専門家の中には、全体的な肥満率の増加だけでなくいくつかの傾向を心配する声もある。その1つは、近年、国内で急増している特定の人種の成人で明らかに肥満率が高いことで、例えば、人種別の肥満率をみると白人では37.9%、アジア系では12.7%なのに対し、ヒスパニック系および黒人の成人ではそれぞれ47.0%、46.8%に上っていた。

また、この調査では肥満率は年齢に伴って上昇していることも明らかにされた。2~5歳児では13.9%だった肥満率は、小児(6~11歳)では18.4%、思春期の若者(12~19歳)では20.6%、若年成人(20~39歳)では35.7%となり、中年期(40~59歳)を迎えると42.8%にまで上昇していた。

Sanchez 氏とKumar氏はともに、肥満対策には家庭レベルにとどまらず、地域レベルでの取り組みが重要になると強調している。両氏によると、家庭レベルの対策として、子どもを持つ親に健康的な食生活や運動の大切さ、さらにその実践法を学ばせることで、それを子どもに伝えていくといった方法が考えられるという。

また、地域レベルでの対策も重要で、両氏らは以下のポイントを挙げている。
(1)学校や職場の自動販売機では(砂糖などを含まない)健康に良い飲み物や食べ物を提供する
(2)農家から直接、健康に良い食品を手軽に購入できるようにする
(3)歩行や自転車に乗りやすい近隣環境を整備する
(4)学校や家庭で子どもに運動習慣をつけさせる

Sanchez 氏は「対策を講じる際には、単に情報を提供するではなく、地域住民に行動変容を促す環境づくりをするという視点が重要になる」と述べている。(HealthDay New 2017年10月13日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/nearly-4-in-10-u-s-adults-now-obese-727470.html

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2HDN糖尿病ニュース10月26日配信1

GLP-1受容体作動薬の経口投与が可能に?

糖尿病治療薬の1つで、週1回皮下注射で投与するGLP-1受容体作動薬のsemaglutide(セマグルチド、日本国内未承認)に経口投与の可能性を示唆する第2相の臨床試験結果が「Journal of the American Medical Association(JAMA)」10月17日号に掲載された。2013~2014年に行われた6カ月にわたる臨床試験でsemaglutideの経口薬は血糖コントロールに優れ、体重減少効果も高かったほか、有害事象の発現率も増加しないことが示された。

研究を主導した英レスター大学糖尿病研究センター教授のMelanie Davies氏は「semaglutideの経口薬によるHbA1c値の低減効果と体重の減少効果は非常に印象的で、これまで注射製剤で認められているものと同程度だった」と述べている。

第2相臨床試験の対象は、14カ国100施設から登録した2型糖尿病患者632人。食事療法や運動療法単独、一定用量のメトホルミン投与で十分な血糖コントロールが得られなかった患者とした。対象患者の平均年齢は57.1歳で、糖尿病の罹病期間は平均6年、BMIは平均31.7と肥満者が多く、HbA1cの平均値は7.9%であった。

対象患者を、semaglutideを1日1回経口投与する群(2.5mg、5mg、10mg、20mg、40mg;5mg以上は4週間で徐々に増量)と2 週間または8週間かけて40mgまで経口薬を増量する群、semaglutide 1.0mg(最初の2週間は0.25mg、続く2週間は0.5mg)を皮下注射で週1回投与する群、プラセボ群にランダムに割り付けて26週間治療を行い、その後5週間追跡を行った。

対象患者のうち583人(92%)が第2相試験を完遂した。解析の結果、ベースラインから26週後のHbA1c値の低下幅は、semaglutide経口投与群では平均で-0.7~-1.9%とプラセボ群(-0.3%)より有意に大きく、注射群(-1.9%)と同程度であることが分かった。また、体重減少幅は注射群の-6.4kg、プラセボ群の-1.2kgに比べて経口投与群では-2.1kg~-6.9kgであり、10mg以上の経口投与群でプラセボ群との間に有意差がみられた。

有害事象の発現率は、経口投与群(63~86%)と注射群(81%)の間で差はみられなかった(プラセボ群では68%)。軽度から中等度の消化器系に関連した症状の頻度が最も高かったが、そのほとんどが時間の経過とともに消失した。また、投与量を徐々に増やした群の患者では吐き気も認められた。過去の研究で同薬との関連が報告されていた膵炎については注射群で1例、経口投与群では2例が報告された。

内分泌の専門医である米サウスサイド病院のRobert Courgi氏は「GLP-1受容体作動薬は糖尿病診療ガイドラインでその使用が強く推奨されているにもかかわらず、注射薬という使いにくさから広く普及するまでには至っていない。経口薬は利便性も高く、semaglutideの経口薬は糖尿病治療に変革をもたらすのではないか」と期待を示している。

米モンテフィオーレ医療センターの臨床糖尿病センター長を務めるJoel Zonszein氏もこの意見に同意し、「この経口薬は心血管死の低減効果を示した注射薬と同じ分子でできており、高用量では注射薬に匹敵する効果が示された。血糖コントロールに優れる上に低血糖も少なく、減量にもつながることから発売されれば糖尿病患者に大きなベネフィットをもたらすだろう」と述べている。

なお、この研究はsemaglutideの製造元であるNovo Nordisk社の資金提供を受けて行われた。Davies氏によると、経口薬の第3相臨床試験が既に進行中だという。(HealthDay News 10月17日)

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2HDN糖尿病ニュース10月19日配信2

若年1型糖尿病患者はポンプ療法と頻回注射のどちらを選択すべき?

2万人近くの若年1型糖尿病患者を約3年間追跡した結果、インスリンの頻回注射と比べてインスリンポンプ療法は低血糖などの合併症を抑制し、血糖コントロールにも有用な可能性があると、ドイツ糖尿病研究センターのJoachim Rosenbauer氏らが「Journal of the American Medical Association(JAMA)」10月10日号に発表した。

インスリンを十分に産生できない1型糖尿病患者では、インスリンポンプや頻回注射でインスリンを毎日補充する必要がある。しかし、どちらの治療法もインスリン投与量のバランスをとるのは難しく、インスリン量が多過ぎると低血糖に、少な過ぎても血糖コントロールの不良や糖尿病ケトアシドーシス(DKA)など生死に関わる問題につながる。また、高血糖状態が未治療のまま長期間続くと心臓病や網膜症、腎症などの合併症も引き起こす。

今回の研究は2011年から2015年にかけて行われ、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクにおける446施設から3万579人の20歳未満の1型糖尿病患者が参加した。対象患者を、4回以上のインスリン注射を行っている患者群とインスリンポンプ療法を行っている患者群(それぞれ1万6,460人、1万4,119人)に分けて重症低血糖とDKAの発生率を調べたほか、血糖コントロール状況を比較した。なお、対象患者の平均年齢は14.1歳で、1型糖尿病と診断されてから1年以上が経過していた。

最終的に、性や年齢を一致させたポンプ療法群9,814人と注射治療群9,814人のデータを抽出して解析した結果、ポンプ療法群では注射治療群と比べて重症低血糖(100人年当たり9.55件対13.97件、P<0.001)およびDKA(同3.64件対4.26件、P=0.04)の発生率が低いことが分かった。

また、追跡期間中のHbA1cの平均値はポンプ療法群では8.04%、注射治療群では8.22%とポンプ療法群で有意に低いことも明らかにされた(P<0.001)。

専門家の一人、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のRobert Rapapor氏は「インスリンポンプ療法の方が注射治療よりもきめ細かいインスリン投与量の調整ができる」と説明する。ただし、インスリン注射でも良好な血糖コントロールを行うことは可能なため、治療を選択する際には患者の好みを重視して決めるべきだとしている。同氏によると問題はインスリンポンプにかかる費用にあり、約5,000ドル(約52万円)の初期費用に加えて月々の支払いも必要となるため患者には負担がかかるという。

しかし、Rapapor氏は今回の研究結果を踏まえた上で、「インスリンポンプは注射治療よりも高価にはなるが、高い治療効果が得られるため合併症を減らすことができ、結果的に医療コストの削減につながるのではないか」とその有用性を強調している。別の専門家もインスリンポンプを用いて頻回注射をしなくてもよい状態になることで、患者は普通の人と同じような生活を送れるようになるとその利点を説明している。(HealthDay New 2017年10月10日)

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2HDN糖尿病ニュース10月19日配信1

1型糖尿病はセリアック病のリスク因子?

1型糖尿病の子どもを持つ親は、同じく自己免疫疾患であるセリアック病の症状にも注意する必要があるかもしれない-。「Pediatrics」10月10日オンライン版に掲載された研究で、1型糖尿病の家族歴があるなど遺伝的にリスクが高い小児はセリアック病にもなりやすく、これらの併存率は予想を上回る可能性が示された。

研究を行った米パシフィク・ノースウェスト研究所のWilliam Hagopian氏は「1型糖尿病とセリアック病は遺伝的に関連が強く、一方に罹患するともう一方にも罹患する可能性が高いと考えられる。1型糖尿病の自己抗体を有する人はセリアック病の自己抗体検査も受けるべきだ」と話している。

1型糖尿病は、免疫系が膵臓のβ細胞を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患で、セリアック病も摂取したグルテンが原因となり小腸粘膜が攻撃される自己免疫疾患である。セリアック病の症状は胃痛や腹部膨満感、下痢、嘔吐、便秘、体重減少、疲労感のほか、発育や思春期の徴候の遅れなど多岐にわたる。

これまでの研究で1型糖尿病とセリアック病の併存率は5~8%であると報告されているが、詳細な検討はあまりなされていなかった。Hagopian氏らは今回の研究で、これらが同時に発症するのか、あるいはどちらか一方が引き金となるのかに加え、これらの併存率や遺伝的または環境的な発症に関わる因子を探るため、1型糖尿病とセリアック病の遺伝的リスクが高い小児を対象に追跡調査を行った。

研究では、米国および欧州の6つの医療施設から参加した5,891人の小児を対象に、中央値で66カ月(5.5年)間の追跡を行った。対象とした小児のうち367人が1型糖尿病の自己抗体を、808人がセリアック病の自己抗体を有していた。両方を有していた小児は90人に上ったことから、Hagopian氏らはこれらの併存率は予想よりも高かったとしている。

また、多くの場合、1型糖尿病の自己抗体はセリアック病のそれに先行して認められていた。さらに、1型糖尿病の家族歴がある小児はセリアック病を併存するリスクが2.8倍となることも分かった。

これらの結果から、Hagopian氏は「1型糖尿病が引き金となってセリアック病を発症する可能性はあるが、これらの疾患は環境要因の一部が共通している可能性も考えられる」と指摘。今回の研究対象は6歳未満の小児に限られており、解釈には注意が必要であることも付け加えている。付随論説を執筆した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のChristine Ferrara氏もこの研究は関連性を示したに過ぎないと話している。

セリアック病に詳しい米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院消化器病学のJames Grendell氏は「セリアック病の治療はグルテンフリー食を早期に開始し、特に子どもの発育の遅れなどを抑えることが重要で、そのためにも早期診断・早期発見が必要不可欠となる。セリアック病にはその他にも鉄欠乏性貧血や骨粗鬆症、皮膚炎、まれではあるが致死的なリンパ腫や小腸がんなどの合併症もみられる」と早期診断の大切さを強調している。

さらに、同氏は「1型糖尿病がセリアック病のリスク因子であることは明らかで、今回の研究が示す重要なメッセージはこれまで推奨されてきたように子どもが1型糖尿病と診断された親はセリアック病の検査を早めに行い、セリアック病が見つかれば早期に治療を開始すべき点にある」と述べている。(HealthDay New 2017年10月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/where-there-s-type-1-diabetes-celiac-disease-may-follow-727354.html

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