2HDN糖尿病ニュース4月27日配信2

1型糖尿病患者は全て眼科検診を年1回受けるべきか?

1型糖尿病患者は糖尿病網膜症などの失明につながる合併症リスクが高いことから、米国の診療ガイドラインでは診断されてから3~5年以内に年1回の眼科検診を始めることが推奨されている。しかし、この推奨に従って全ての1型糖尿病患者で眼科検診を行うことは費用が余計にかかる上に効果的ではないことが、新しい研究で示された。

研究を主導した米マサチューセッツ総合病院(ボストン)糖尿病センター/臨床研究センター長のDavid Nathan氏によると、例えば、血糖コントロールが良好で網膜に異常が検出されない低リスクの患者では眼科検診は4年ごとで済み、一方で、血糖コントロールが不良かつ糖尿病網膜症が検出された患者では3カ月ごとなど頻繁な眼科検診が必要とされるなど、検診の受診間隔は全ての患者で一律ではないという。

同氏らは、現行の診療ガイドラインで推奨されている眼科検診の妥当性を検証するため、1983~1989年のDCCT研究(Diabetes Control and Complications Trial)と追跡観察したEDIC研究(Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications)に参加した13~39歳の1型糖尿病患者約1,400人が、30年間の追跡期間中に受診した眼科検診2万4,000件の網膜の断層画像データを解析した。なお、網膜画像の撮影は1993年までは6カ月ごと、その後の追跡研究中は2012年まで4年ごとに行われた。

検討の結果、平均HbA1c値が6%で糖尿病網膜症の徴候がない場合は眼科検診の頻度を4年ごとに、糖尿病網膜症が早期の場合は3年ごとに減らせる一方で、糖尿病網膜症が中等症~重症に進行した患者では3~6カ月ごとに間隔を狭める必要性が示された。また、HbA1c値が平均で8~10%の高値を示す患者では、より頻繁に検診を受ける必要があるという。

同氏らは、この新しい推奨に従うと1型糖尿病患者の眼科検診にかかる費用は20年間で半減し、約10億ドル(約1100億円)の節約につながると試算しており、また、糖尿病網膜症のリスクが高い患者に対してより積極的な治療を早期に始められるとしている。

この知見は、「New England Journal of Medicine」4月20日号に掲載された。

米国糖尿病協会(ADA)のCourtney Cochran氏は、今年2月に改訂されたADAの糖尿病網膜症に関するガイドラインの中で、1型糖尿病と診断後5年以内に年1回の眼科検診を開始することを推奨すると同時に、過去1~2年間で糖尿病網膜症の徴候がみられない場合には検診の頻度を下げることを考慮しても良いと明示していることを指摘。しかし、「軽症のレベルでも糖尿病網膜症がいったん検出されたら、年1回の眼科検診は必ず受けるべきだ。糖尿病網膜症が進行した状態であればより頻繁な検査が必要になる」と強調している。

付随論説を執筆した米アルベルト・アインシュタイン医学校(ニューヨーク市)准教授のJamie Rosenberg氏は、新しい推奨による眼科検診は費用の削減に加えて、医師と患者双方の時間の節約にもつながるとしつつ、「検診スケジュールを個別化すると患者の追跡が難しくなる可能性があるが、この課題を克服すればこうした眼科検診の有用性は高いかもしれない」とコメントしている。(HealthDay News 2017年4月19日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/is-annual-eye-exam-a-must-for-people-with-type-1-diabetes-721806.html

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2HDN糖尿病ニュース4月27日配信1

1型糖尿病患者が安全に運転するための注意点とは? 運転前の確認と低血糖への対応策が重要

1型糖尿病患者が運転する際には、運転中の低血糖発作で事故を起こす可能性が懸念されるが、米バージニア大学医学部教授のDaniel Cox氏らが作成した質問票を活用することで、事故につながる運転ミスを起こしやすい患者を特定できることが、新しい研究で報告された。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に4月12日掲載された。

糖尿病患者では、インスリン治療や血糖降下薬の影響で血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こし、意識消失やけいれんを起こす可能性がある。同氏は「糖尿病患者は、糖尿病が心疾患やナルコレプシーなどと同様に運転に支障を来す疾患であることを認識すべきだ。パイロットがフライト前にチェックリストを用いて自身の健康状態を確認するように、1型糖尿病患者も運転前には運転できる状態であるかを確認する必要がある」と説明している。

同氏によると、糖尿病患者の中でも運転中に重症低血糖を起こしたことがある患者や低血糖リスクが高い患者、運転する機会が多い患者、糖尿病神経障害により下肢の感覚が鈍っている患者では、運転中にトラブルを起こすリスクが平均よりも高まるという。しかし、運転中の事故リスクが高い患者を区別する標準的な検査法は今のところ存在しない。

そこで、同氏らは11の質問項目から成る「糖尿病を持つドライバーのリスク評価(Risk Assessment of Diabetic Drivers;RADD)」と名付けた質問票を作成し、事故リスクの高い患者を事前に特定できるか否かを調べた。

まず、米国の3地域(ボストン、バージニア州中央部、ミニアポリス)の1型糖尿病患者1,371人を対象に、RADD質問票に回答してもらい、その後12カ月間の運転中の事故や事故につながりかねない危険な運転ミスの有無を調べた。その結果、このRADD質問票によって事故を起こすリスクが高い人では60%、リスクが低い人では75%を事前に特定できることが分かった。

次に、全米の1型糖尿病患者1,737人を対象にオンライン上で回答したRADD質問票スコアから事故リスクが高いと判定された372人の半数と低リスクと判定された118人には通常ケアを、高リスク者の残りの半数にはインターネットサイト「DiabetesDriving.com」によるオンライン上での介入を2カ月間行い、その後12カ月間の事故記録を調べた。

この介入は低血糖を予防し、検出して治療するもので、対象者に提供した低血糖を管理するためのツールキット一式には、血糖測定器、運転前のチェックリスト、血糖値が下がった場合の注意事項を記したキーホルダー、ブドウ糖の錠剤やゼリーといった即効性のあるブドウ糖製品が含まれていた。この結果、こうしたオンライン上の介入は1型糖尿病患者が運転中の低血糖を回避するのに有効であることが分かった。

同氏は「1型糖尿病患者の多くは低血糖への正しい対処法を知らず、脂肪やたんぱく質が多い食品を摂りがちだが、それでは血糖値はすぐには上がらない」と指摘し、車内には血糖値を上げるのに即効性がある炭水化物を常備するよう勧めている。

米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、糖尿病患者の運転の安全性を判断するには、オンラインテストなどで患者が自己判断するよりも医師や専門家が検査する方がよいと指摘している。別の専門家も、インターネット上での匿名性という利点はあるが、医師がテスト結果を閲覧できるようにすることが重要だとしている。(HealthDay News 2017年4月20日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/when-is-it-safe-to-drive-with-type-1-diabetes-721782.html

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2HDN糖尿病ニュース4月20日配信2

腎機能の低下は心血管疾患死と強く関連する

慢性腎臓病(CKD)が進行し、腎機能の指標である糸球体濾過量(GFR)区分が軽度~高度低下、さらには末期腎不全(end stage renal disease:ESRD)に至るまで低下すると心血管疾患による死亡と強く関連することが、「Journal of the American Society of Nephrology」オンライン版に4月13日掲載の論文で報告された。

米ワシントン大学(シアトル)の研究グループが、1990~2013年に188カ国で実施された6回の調査データを解析した結果、2013年にはGFR区分が3a(軽度~中等度低下)からESRDに至るまで低下することは世界中の死亡例の4%、つまり220万人の死亡例と関連することが分かった。このうち約半数(120万人)の死亡原因は心血管疾患で、残りの96万人はESRD関連死だった。

研究著者らは「この知見は、CKDがわれわれの健康に及ぼす影響力の大きさを改めて示唆し、腎機能低下をスクリーニングしCKDの早期発見・早期治療に努めることの重要性を強調するものだ」と述べている。

また、今回の研究では、障害調整生存年数(disability adjusted life years;DALY、病気や障害、早期死亡によって失われた年数を意味し、疾病負荷の指標とされる)のリスク因子をランク付けしたところ、GFRの低下は収縮期血圧高値、BMI高値、空腹時血糖値の上昇よりも下位に位置付けられ、総コレステロール(TC)高値とは同程度にランク付けされることも分かった。こうした結果は先進国、発展途上国で共通してみられたという。

研究を主導した同大学のBernadette Thomas氏は「こうしたCKDの健康への影響度を考慮すると、ESRDによる死亡や障害リスクは心血管疾患によるものと同様なものとみなす必要があるだろう」と述べ、この視点は1990年からESRDによる死亡率の上昇がみられる発展途上国で特に重要になると付け加えている。(HealthDay News 2017年4月13日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/misc-kidney-problem-news-432/kidney-disease-a-big-contributor-to-heart-related-deaths-study-721456.html

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2HDN糖尿病ニュース4月20日配信1

糖尿病は依然として世界的な脅威 「N Engl J Med」に2報の研究論文

「New England Journal of Medicine」4月13日号には糖尿病に関する研究論文が2報掲載された。米国では2002~2012年に小児の1型糖尿病、2型糖尿病の発症率はともに増加傾向にあることが報告された一方で、スウェーデンの研究では、1998~2014年に成人の1型糖尿病患者および2型糖尿病患者の心血管疾患の発症率と死亡率は低下していることが報告された。しかし、これらの結果を総合しても糖尿病は依然として世界的に大きな脅威であるとしている。

米国糖尿病協会(ADA)のWilliam Cefalu氏によると、これらの研究はいずれも糖尿病患者数の増加への懸念が背景にあり、米国では23秒ごとに1人が糖尿病と診断されているという。また、スウェーデンの研究結果を踏まえた上で、同氏は、糖尿病に関する研究が進み、世界中で多くの患者の命が救われているとしつつも、いまだに糖尿病患者は増加傾向にあることから「われわれが対処すべき課題は多い」と述べている。

米ノースカロライナ大学(チャペルヒル)栄養医学教授のElizabeth Mayer-Davis氏らが行った研究では、米国の小児における1型糖尿病および2型糖尿病の発症率の推移を調べた。

その結果、年齢や性、人種差を補正した解析により、2002~2012年にかけて1型糖尿病の発症率は毎年1.8%増加していることが分かった。年間増加率は白人(1.2%)に比べてヒスパニック系(4.2%)で有意に高かった。しかし、同氏によるとこの増加の理由は明らかにされていない。

また、2型糖尿病に関しても同様に、年齢や性、人種差を補正した解析により、2002~2012年にかけて発症率は毎年4.8%増加していることが明らかにされた。年間増加率は白人(0.6%)に比べて黒人(6.3%)やアジア系・太平洋諸島地域の小児(8.5%)、アメリカ先住民(9%)で高いことも分かった。同氏は、2型糖尿病の発症率の増加には過体重や肥満の増加が一因に挙げられるとしている。

一方のヨーテボリ大学医学研究所(スウェーデン)のAidin Rawshani氏らが行った研究では、Swedish National Diabetes Registerに1998~2012年に登録されて2014年まで追跡された1型糖尿病患者約3万7,000人、2型糖尿病患者45万7,000人強と、年齢、性別、在住県を一致させた一般住民(対照群)を対象に、死亡率や心血管イベントの発生率を比較した。

その結果、1型糖尿病患者群と2型糖尿病患者群では心血管疾患の発症率が大きく低下し、その低下率は対照群に比べてそれぞれ40%、20%大きいことが分かった。追跡期間中の死亡率にもいずれの糖尿病患者群で低下がみられたが、その低下率は1型糖尿病患者群と対照群の間では差はみられなかったが、2型糖尿病患者群では対照群に比べて小さかった。

しかし、同氏らは糖尿病患者群における死亡率や心血管疾患の発症率は、対照群に比べて依然として高いとしている。同氏は「死亡率や心血管イベントの発生率に改善がみられたのは糖尿病患者の診療の質、特に心血管疾患リスク因子の管理が向上したことの現れだ」と述べている。なお、リスク因子には高血圧、脂質異常、腎機能の低下、血糖コントロール不良などが挙げられ、同氏は特に降圧薬と脂質低下薬による治療がこうした改善に寄与した可能性があると指摘している。(HealthDay News 2017年4月12日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/diabetes-continues-its-relentless-rise-721561.html

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2HDN糖尿病ニュース4月13日配信2

冠動脈疾患患者でも極端な体重変動は転帰を悪化させる

急激な体重減少とリバウンドで極端な体重変動を繰り返すことは、冠動脈疾患患者においても心臓に悪影響をもたらすことが、新しい研究で報告された。体重の増減幅が4kgを超える人では1kg程度の人に比べて心血管疾患や心筋梗塞、脳卒中などを発症しやすいことが分かった。

過体重や肥満がある冠動脈疾患患者では減量が指導されるが、減らした体重を長期にわたって維持するにはしばしば困難を伴う。そのため、「ヨーヨー・ダイエット」と呼ばれる急激な体重減少とリバウンドを繰り返すケースも少なくない。これまでの研究で、冠動脈疾患がない人ではこうした極端な体重変動は死亡や心血管イベントのリスク因子となることが示されているが、冠動脈疾患患者でも同様であるのかは明らかにされていなかった。

米ニューヨーク大学ランゴン医療センター(ニューヨーク市)のSripal Bangalore氏らは、スタチンの効果を検討した臨床試験(Treating to New Targets;TNT試験)に参加した冠動脈疾患患者9,509人を対象に、健康状態と体重の変化を4年間以上にわたって追跡し、このヨーヨー・ダイエットによる転帰への影響を調べた。

その結果、極端な体重変動がみられる人は、心血管疾患や心筋梗塞、心停止、血行再建術の施行や閉塞性動脈硬化症、狭心症、脳卒中、心不全を来しやすいことが分かった。複数の因子を調整した解析では体重変動幅が最も大きかった人では、変動幅が最も小さかった人に比べて、死亡リスクは124%、心筋梗塞リスクは117%、脳卒中リスクは136%高かった。

「体重の変動幅が約0.7~0.9kg増えるごとに冠動脈イベントや心血管イベントの発生リスクは4%増加し、死亡リスクは9%増加した」と同氏は述べている。同氏は、急激な体重の変動は身体に大きな負担をかけるほか、心臓に悪影響を及ぼすようなホルモンの変化を引き起こす可能性があるとしている。

一方で、米国心臓協会(AHA)スポークスウーマンで米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部(シカゴ)のLinda Van Horn氏は、極端な体重変動を繰り返す人はもともと医学的な問題を抱えていた可能性を指摘している。今回の研究でもこうした患者は体重が重く、喫煙習慣があり、高血圧や糖尿病を有する割合が高かった。また、追跡期間中の糖尿病発症率も2倍であった。同氏は「さまざまな疾患や死亡リスクが増えた理由はヨーヨー・ダイエットだけにあるのではない」と述べている。

しかし、Bangalore、Van Hornの両氏は過体重や肥満の人では減量が健康の向上につながる点には同意しており、「今回の知見は、減量した体重を長期間にわたって維持することが極めて重要であることを示すものだ」と、Bangalore氏は述べている。

Van Horn氏も「大切なのは生涯にわたって適切な体重を保つことで、これに成功する唯一の方法は健康的な生活習慣を続けることだ」と述べている。

この研究は、「New England Journal of Medicine」4月6日号に掲載された。(HealthDay News 2017年4月5日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dieting-to-lose-weight-health-news-195/yo-yo-dieting-does-no-favors-for-your-heart-721369.html

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2HDN糖尿病ニュース4月13日配信1

適正体重者の糖尿病や心疾患リスクに人種差

たとえ適正体重であっても南アジア系やヒスパニック系の米国人は白人に比べて糖尿病や心疾患、脳卒中のリスクが高く、これらの疾患リスクには人種差がみられることが、米エモリー大学(アトランタ)と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究グループの検討で分かった。詳細は「Annals of Internal Medicine」オンライン版に4月4日掲載された。

研究筆頭著者である米エモリー大学のUnjali Gujral氏は「米国予防医療作業部会(USPSTF)は、糖尿病や心疾患のスクリーニングには過体重と肥満を主な基準とするよう推奨しているが、この指針に従うと人種的・民族的マイノリティ群ではこれらの疾患リスクが高い人が見落とされている可能性がある」と述べている。

この研究は、45~84歳の5つの人種の7,617人を対象としたもの。対象者のうち803人がインド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、スリランカなどの南アジア系で、白人は2,622人、アフリカ系は1,893人、ヒスパニック系は1,496人、中国系は803人であった。

米国疾病管理予防センター(CDC)ではBMI値が18.5以上25未満を「普通体重」としているが、今回の研究では中国系、南アジア系の対象者についてはBMI値「18.5~22.9」を普通体重と定義した。

また、同氏らは高血圧、高血糖、HDL(善玉)コレステロール低値、トリグリセライド(TG、中性脂肪)高値の4つのリスク因子の保有状況を調べ、これらのうち2つ以上のリスク因子をもつ場合を心疾患または糖尿病に関連する心血管代謝異常が「有り」とみなした。

その結果、適正体重者の間で比較した場合、白人に比べて心血管代謝異常を有する確率は南アジア系では約2倍に上り、ヒスパニック系では約80%高く、アフリカ系や中国系では約50%高いことが分かった。

また、非白人の対象者ではBMIがたとえ低値であっても心血管代謝異常が認められることも明らかにされた。年齢や性などを補正した解析によると、BMI値が25の白人と心血管代謝異常の有病率が同程度であったのは、中国系や南アジア系ではBMI値が19.6~20.9の人であった。なお、身長が165cmの女性の場合、体重68kgでBMI値は25、体重53.3kgではBMI値は19.6となる。

さらに、同氏は「今回の知見でみられた人種差は、地理的な条件、健康への意識や行動、異所性脂肪などでも説明できなかった」と述べている。

研究指導著者であるUCSF教授のAlka Kanaya氏は「人種的・民族的マイノリティそのものが心血管代謝に影響を及ぼすリスク因子である可能性について、患者や医療従事者が目を向ける契機になるものと期待している」と述べている。(HealthDay News 2017年4月3日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/race-health-news-570/race-plays-role-in-heart-diabetes-risk-even-at-normal-weight-721170.html

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2HDN糖尿病ニュース4月6日配信2

米国では若年糖尿病患者の多くが眼科検診を未受診 診断後6年以内の受診率は1型で65%、2型では42%

米国では、若年の糖尿病患者の多くが糖尿病と診断されてから6年以内に糖尿病網膜症の眼科検診を受けていないことが、新しい研究でわかった。

糖尿病網膜症は、糖尿病による三大合併症の1つで、眼の中の血管が障害されて出血を起こし、最悪な場合には失明に至る。症状が現れにくく、早期発見には眼科医による眼科検診がきわめて重要な役割を果たすとされている。

米国眼科学会(AAO)によると、小児から思春期の患者では、2型糖尿病と診断されたらできるだけ早く、1型糖尿病では診断後5年以内に糖尿病網膜症スクリーニングを開始することが推奨されている。

米ミシガン大学のJoshua Stein氏らは、2001~2014年に、21歳以下で新たに1型糖尿病と診断された若年患者5,453人(診断時の年齢中央値は11歳)と2型糖尿病と診断された若年患者7,233人(同19歳)を対象に後ろ向きコホート研究を行い、眼科検診の受診率と受診率に影響を及ぼす因子を調べた。

その結果、糖尿病の診断後6年以内に眼科検診を受けた患者の割合は、1型糖尿病患者では64.9%、2型糖尿病患者では42.2%に過ぎないことがわかった。同氏らによると、この結果は若年の2型糖尿病患者では半数以上が、1型糖尿病患者では3分の1以上が、推奨される眼科検診を受けていないことを示しているという。

また、検診の受診率は白人に比べて黒人やラテン系の若者で低く、家庭の経済状況がよいほど高まることもわかった。

同氏らは、「人種的にマイノリティな人々や家庭の経済状況に恵まれていない若年の患者も含めて、糖尿病患者全体の眼科検診の受診率を向上させることができれば、糖尿病網膜症の早期診断・早期治療につながり、失明に至る患者を救える可能性がある」と述べている。

なお、この研究は「JAMA Ophthalmology」オンライン版に3月23日掲載された。(HealthDay News 2017年3月23日)

https://consumer.healthday.com/eye-care-information-13/eye-and-vision-problem-news-295/many-kids-with-diabetes-missing-out-on-eye-exams-study-finds-720881.html

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2HDN糖尿病ニュース4月6日配信1

糖尿病神経障害に伴う痛みの軽減に有効な薬とは?

糖尿病の三大合併症の1つである糖尿病神経障害は、手足のしびれや痛み、感覚の鈍麻といった症状をもたらし、患者の生活の質(QOL)を大きく損なう。「Neurology」オンライン版に3月24日掲載された新しい研究では、糖尿病神経障害に伴う慢性的な痛みに一部の薬剤が有効である可能性が示された。

しかし、これらの薬剤のエビデンスの数や質は十分なものではなく、研究を主導した米ジョンズ・ホプキンズ大学病院(ボルティモア)のJulie Waldfogel氏らは「疼痛管理だけでなく、QOLについても長期にわたって検討した研究が必要だ」と述べている。

同氏らは、糖尿病による末梢神経障害患者に対する薬物治療の効果を検討した106件の研究を対象に再調査を行った。その結果、抗うつ薬のデュロキセチンとベンラファキシン〔いずれもセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)〕が糖尿病神経障害に伴う疼痛の緩和に有効であるとする中等度の質のエビデンスが得られた。

一方で、ボツリヌス毒素や抗てんかん薬のプレガバリン、oxcarbazepine (オクスカルバゼピン、国内未承認)、三環系抗うつ薬、弱オピオイド系の鎮痛薬による疼痛の緩和に関しては、質の低いエビデンスしか得られなかった。また、プレガバリンと作用が類似している抗てんかん薬のガバペンチンの効果はプラセボと同程度であることもわかった。

同氏らは「オキシコドンなどの標準的なオピオイド鎮痛薬の長期使用は薬物乱用や誤用、過剰使用の恐れがあることから、糖尿病神経障害を含む慢性疼痛の治療には推奨されない」と述べている。さらに、抗けいれん薬のバルプロ酸やカプサイシンクリーム剤にも効果はないことがわかった。

同氏は「糖尿病管理において神経障害に伴う疼痛の緩和はきわめて重要である。しかし、今回対象とした研究はいずれも研究期間が6カ月未満と短く、有効とされた薬剤でも副作用による投与中止率が高かった」と述べている。また、今回対象とした研究ではQOLに関するエビデンスが不足していたため、QOLについては結論は得られなかったという。

糖尿病神経障害に詳しい米ウィンスロップ大学病院(ニューヨーク州ミネオラ)神経科部長のAjay Misra氏は、「1型糖尿病患者と2型糖尿病患者では神経障害に伴う症状は異なり、前者では良好な血糖管理に伴って症状の程度は軽減するが、後者ではそうした関連はみられない」と説明している。

今回のレビュー研究からも、糖尿病神経障害に伴う疼痛の緩和に高い有効性を示す治療法は確立されていないことは明らかで、「よりよい治療選択肢に関する研究を進める必要がある」と、同氏は付け加えている。(HealthDay News 2017年3月24日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/what-drugs-work-best-for-diabetic-nerve-pain-720937.html

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2HDN糖尿病ニュース3月30日配信2

重症低血糖はたった1度でも2型糖尿病患者の死亡リスクを高める

2型糖尿病患者では、重症低血糖を1度でも起こすと死亡や心血管疾患のリスクが高まる可能性が、新しい研究で示された。

研究を行った米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院(ボルティモア)のAlexandra Lee氏らは、「これまでは低血糖を治療して患者が回復すればそれで済むものと考えられてきた。しかし、今回の知見により、救急搬送を要するほどの重症な低血糖の既往は、その後の患者の健康に長期にわたって影響を及ぼしている可能性が示された」と述べている。

この研究は、2型糖尿病患者1,198人を対象としたもの。対象患者の年齢は45~64歳で、糖尿病の罹患期間は平均で15年であった。対象患者のうち約200人が低血糖で救急外来に搬送された既往をもち、そのうちの3分の1が低血糖の発症から3年以内に死亡していた。

解析の結果、研究期間中に重症低血糖の既往をもつ患者では、既往をもたない患者に比べて心疾患、脳卒中、死亡のリスクが2倍に上ることがわかった。

「この結果は、意識障害などを伴う重症低血糖で救急外来を受診した経験をもつ患者に対して、医療従事者はもっと注意を払うべきであることを示唆している」と、同氏らは述べている。

ただし、同氏らは、重症低血糖の既往をもつ患者がもともと死亡や心血管イベントのリスクが高かった可能性があること、また、低血糖の既往が実際にこれらのリスクを高めるとの確証を得たわけでないことを付け加えている。

研究指導著者である同大学院のElizabeth Selvin氏は、「糖尿病患者にとって低血糖発作は死亡や心血管疾患のリスク因子であることは明らかである。薬物治療などによる積極的な血糖コントロールが推奨されているが、低血糖を起こさないよう注意することが大切だ」と強調している。

今回の知見は、米ポートランドで3月7~10日に開かれたAHA Epidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で報告された。なお、学会で発表された知見は査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年3月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/severe-low-blood-sugar-episode-may-up-death-risk-in-those-with-type-2-diabetes-720488.html

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2HDN糖尿病ニュース3月30日配信1

世界的な糖尿病増加の一因に「気温の上昇」

地球温暖化と糖尿病が関連するという驚くべき知見が報告された。気温が1度上昇するごとに、米国だけでも新たに糖尿病と診断される患者が年間で10万人以上増加するという。

研究著者らは、寒波などの到来で気温が低い状態が続くと熱をつくり出して体温を維持する働きをもつ「褐色脂肪細胞」が活性化されるとしている。体内の余分なカロリーを中性脂肪として身体に蓄積する働きをもつ「白色脂肪細胞」とは異なり、褐色脂肪細胞を活性化させるとインスリン感受性が改善すると考えられている。

「褐色脂肪細胞には、エネルギーを燃焼し熱を産生することで、寒い環境でも体温の低下を防ぐ重要な働きがある。一方で、温暖な気候下では褐色脂肪細胞は活性化されにくく、これがインスリン抵抗性や糖尿病の発症につながる可能性が指摘されている。そこで、われわれは室外の気温と糖尿病が関連するのではないかと考えた」と、研究を主導したライデン大学医療センター(オランダ)のLisanne Blauw氏は述べている。

最近の研究では、2型糖尿病患者にやや寒い気温の環境で10日間過ごしてもらったところ、インスリン抵抗性が改善したとの結果が得られている。同氏らによると、この結果は褐色脂肪細胞の活性化が影響した可能性があるという。また、別の研究では褐色脂肪細胞は1年のうち冬期に最も活性化されることが報告されている。

今回の研究では、1996~2009年の米国50州および3領域(グアム、プエルトリコ、米領ヴァージン諸島)におけるデータと米国疾病管理予防センター(CDC)の全国糖尿病調査システムのデータに基づく成人の糖尿病発症率と、各州の年間平均気温との関連を調べた。1型糖尿病および2型糖尿病の診断は参加者の自己申告によるものであった。

また、研究チームは世界保健機関(WHO)のデータベースから得た190カ国の空腹時血糖値の上昇と肥満率に関するデータと世界の年間平均気温との関連も調べた。

その結果、気温が1度上昇すると米国における年齢で補正した糖尿病発症率は1,000人あたり0.314人増加し、また世界中の耐糖能異常の有病率も0.170%増加することがわかった。さらに、温暖な気候の地域でインスリン抵抗性が多い傾向がみられたという。

同氏は「今回の研究で、外気温の上昇が糖尿病患者の増加と関連する可能性が示唆された。このように、地球温暖化はわれわれの健康に深刻な影響を及ぼしているかもしれず、この可能性にもっと目を向けるべきだ」と述べている。

一方で、米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、「興味深い研究ではあるが、糖尿病の成因は複雑であり、褐色脂肪細胞という1つの要因の影響がこれほど大きいものとは考えられにくい」と述べている。同氏は、参加者の自己申告による糖尿病発症数が正確なものでない可能性や褐色脂肪細胞の役割はいまだ明らかにされていない点を指摘している。

この研究は、「BMJ Open Diabetes Research & Care」オンライン版に3月20日掲載された。(HealthDay News 2017年3月21日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/a-warming-planet-might-mean-more-diabetes-720839.html

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