2HDN糖尿病ニュース9月20日配信2

全粒穀物の摂取量が多いほど2型糖尿病予防に有効か

精製されていない全粒穀物の摂取量が多いほど、2型糖尿病の発症リスクは低減する可能性があることが、デンマークがん学会研究センターのCecilie Kyrø氏らの研究から示唆された。1日1サービング(一食当たりの標準摂取量)の全粒穀物(16g)を摂取すると、男女ともに2型糖尿病予防に有効な可能性があるという。研究の詳細は「The Journal of Nutrition」9月号に発表された。

全粒穀物の摂取は2型糖尿病リスクの低減と関連する可能性が指摘されているが、全粒穀物の種類で効果に差はあるのか、またその適切な摂取量については明らかにされていなかった。Kyrø氏らは今回、デンマークの50~65歳の男女5万5,465人を対象に、食物摂取頻度質問票を用いて全粒穀物の1日当たりの摂取量とその種類を評価し、2型糖尿病の発症リスクとの関連を検討した。

中央値で15年間の追跡期間中に7,417人が2型糖尿病と診断された。解析の結果、1日1サービングの全粒穀物(16g)を摂取するごとに、2型糖尿病リスクは男性では11%、女性では7%低くなることが明らかとなった。

全粒穀物の種類別にみると、男性では小麦とライ麦、オート麦の全てが2型糖尿病リスクの低減と関連したのに対し、女性では小麦とオート麦のみがリスク低減と関連していた。しかし、こうした結果についてKyrø氏は、女性では糖尿病発症率が低いことが解析結果に影響した可能性があると指摘している。

これらの結果を踏まえ、Kyrø氏は「全粒穀物が2型糖尿病予防に重要な役割を果たす可能性が示された。2型糖尿病を予防するには、精製された穀物ではなく全粒穀物の摂取が推奨されるだろう」と述べている。

今回の研究は観察研究であるため、因果関係は明らかになっていないが、全粒穀物が糖尿病予防に有効とされる理由について、専門家の一人で管理栄養士のSamantha Heller氏は「全粒穀物は食物繊維やビタミン、ミネラル、たんぱく質、植物性栄養素を多く含んでいる。また、食物繊維はインスリン抵抗性を改善し、食後血糖値の急上昇や炎症を抑制することが分かっている。これらが2型糖尿病に対して有益な予防効果をもたらしている可能性がある」と話している。

Kyrø氏によると、1サービングの全粒穀物食品には16gの全粒穀物が含まれており、これは全粒粉パン約1枚分に相当するという。また、Heller氏は「米国の栄養ガイドラインでは1日に全粒穀物を3~4サービング摂取することが推奨されているが、これは座りがちな生活の人を対象としたものであるため、活動的な人であればより多く摂取する必要がある」と指摘している。(HealthDay News 2018年9月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/want-to-avoid-type-2-diabetes-eat-more-whole-grains-737582.html

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2HDN糖尿病ニュース9月20日配信1

妊娠糖尿病は出産から10年後も母児の健康リスクを高める

妊娠糖尿病の女性は出産から10年が過ぎても2型糖尿病を発症するリスクが高い可能性のあることが、新たな研究で示された。こうした妊娠糖尿病による健康リスクは、妊娠糖尿病の女性から生まれた子どもにも及び、過体重や肥満になる頻度が高いことも明らかになった。研究の詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」9月11日号に掲載された。

この研究は、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部内科名誉教授のBoyd Metzger氏らが行ったもの。同氏らは、妊娠中の高血糖による有害事象を調べる国際的なコホート研究であるHAPO(Hyperglycemia and Adverse Pregnancy Outcome)研究のデータを用いて、母親4,697人とその子ども4,832人を対象に中央値で11.4年間追跡。母親を妊娠糖尿病の有無で分けた上で、出産後の母親の血糖異常や子どもの過体重および肥満に長期的に及ぼす影響について検討した。

その結果、妊娠糖尿病の女性は、追跡期間中に11%が2型糖尿病を、42%が前糖尿病を発症したのに対し、妊娠糖尿病のない女性ではそれぞれの発症率は2%、18%に過ぎず、妊娠糖尿病は出産後の母親の糖代謝に長期にわたり悪影響を及ぼすことが分かった。また、妊娠糖尿病の母親から生まれた子どもでは39.5%が過体重、19.1%が肥満であったのに対し、妊娠糖尿病でない母親から生まれた子どもではそれぞれの割合は28.6%、9.9%であり、母親の妊娠糖尿病により子どもの肥満リスクが高まることも明らかになった。

以上の結果から、Metzger氏は「妊娠糖尿病は、出産後の2型糖尿病を含めた糖代謝異常のリスク因子である上に、子どもの過体重や肥満と関連することが分かった」と結論づけている。

今回の研究結果は、妊娠中の高血糖と母親の2型糖尿病リスクや子どもの肥満リスクとの因果関係を証明するものではない。しかし、過去の研究では、適切な体重管理や定期的な運動といった生活習慣により、妊娠糖尿病の既往がある女性では2型糖尿病の発症リスクが大きく低減することが報告されている。これらを踏まえ、Metzger氏は「全ての妊婦を対象に血糖測定を行う必要があり、その結果、妊娠糖尿病と診断された場合には妊娠中から治療を開始し、母子ともに生涯を通じて健康的な生活習慣を維持するよう努めることが重要だ」と強調している。

この分野の専門家で米ニューヨーク・プレスビテリアン病院/コロンビア大学アービング医療センターのNoelia Zork氏も「妊娠糖尿病と診断された女性は出産後も毎年、血糖測定を受けるべきだ」と話している。「肥満女性の子どもは肥満になりやすく、成人後も肥満であるリスクが高い。女性が肥満で妊娠糖尿病でもあると、子どもが肥満になるリスクはさらに高まる。そのため、妊娠を計画している過体重や肥満の女性は、妊娠する前に体重を5%程度減らす必要がある」と助言している。(HealthDay News 2018年9月11日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/when-blood-sugar-rises-in-pregnancy-mom-and-baby-pay-the-price-737596.html

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2HDN糖尿病ニュース9月13日配信2

たった一晩の睡眠不足が肥満の原因に?

たった一晩でも睡眠不足になると肥満につながるメカニズムの一端を解明したと、米ノースウェスタン大学のJonathan Cedernaes氏らが「Science Advances」8月22日オンライン版に発表した。健康な男性が一晩徹夜するだけでも、骨格筋は分解されて、脂肪が体に貯め込まれることが遺伝子レベルの解析で示唆されたという。

これまで多くの研究で、不眠や夜勤などで睡眠不足になると肥満や2型糖尿病などの発症リスクが高まることが報告されている。しかし、このことに関する分子レベルでのメカニズムはほとんど分かっておらず、これらの代謝性疾患リスクが上昇するのは睡眠不足が直接的な原因なのかどうかは解明されていなかった。

Cedernaes氏らは今回、平均年齢22.3歳の健康な男性15人に研究室に2泊してもらい、一晩徹夜すると遺伝的または生理学的に代謝がどのように変化するのかを調べる実験を行った。まず、参加者には1日目の晩に8.5時間の睡眠を取ってもらった。2日目の晩には、一晩中眠らずに徹夜してもらう群と8.5時間の睡眠を取る群に分けて比較した。

実験3日目の朝には、皮下脂肪と骨格筋の組織のサンプルを採取して遺伝子や蛋白質の発現量を調べた。その結果、一晩徹夜すると皮下脂肪組織では、代謝に関与するDNAのメチル化が広範に起こっていた。一方、骨格筋組織ではこうした変化はみられなかったものの、概日リズムに関与する遺伝子の発現量が増えたほか、増減した蛋白質それぞれの役割からみると筋肉を分解し、脂肪の蓄積を促すような変化が起こっていると考えられたという。

ただ、今回の結果は、一晩でも徹夜すると危険であると強調するものではなく、Cedernaes氏は「習慣的な睡眠不足で何が起こるのかという課題を提起するもので、睡眠不足が代謝にどのような影響を与えるのかを掘り起こしたものだ」と説明している。

専門家の一人で米コロラド州立大学のJosiane Broussard氏は、この研究は極めて重要なものだと評価した上で、「今回の研究から、睡眠不足の影響で骨格筋組織が減少し、脂肪の貯留が促される新たな機序が解明された」と述べている。一方で、米ワシントン州立大学准教授のEva Szentirmai氏は、この結果は実験室での人工的な環境で得られたものに過ぎず、「習慣的な睡眠不足に陥っている場合でも、それぞれの組織で今回と同様の変化がみられるかどうかは分からない」と指摘している。

Cedernaes氏は、必要な睡眠時間は人によって異なるが、一般には成人で1日7~9時間の睡眠を取ることが推奨されるとしている。また、夜勤などで睡眠時間が不規則な人は健康的な食生活を心掛け、定期的に運動するなど良好な生活習慣を保つべきだと助言している。(HealthDay News 2018年8月24日)

https://consumer.healthday.com/sleep-disorder-information-33/misc-sleep-problems-news-626/here-s-how-sleepless-nights-can-trigger-weight-gain-737046.html

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2HDN糖尿病ニュース9月13日配信1

血中アルドステロン高値で2型糖尿病リスク増

2型糖尿病と高血圧が併存する患者は多いが、血圧調節に重要な役割を果たすホルモンであるアルドステロンが、これらの疾患を関連づけている可能性のあることが新たな研究で示された。血中のアルドステロン値が高い人は2型糖尿病になりやすく、これらの関連には人種差がみられたという。詳細は「Journal of the American Heart Association」9月4日号に掲載された。

アルドステロンは副腎皮質ホルモンの一種で、腎臓でのナトリウムの再吸収を促進して体内のナトリウム量を維持する作用を持つ。アルドステロンが過剰に分泌されると体内にナトリウムと水分が貯め込まれるため、高血圧の発症につながることが知られている。

米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのJoshua Joseph氏らは今回、米国の大規模なコホート研究であるMESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)研究に参加した成人1,570人を対象に、血中アルドステロン値と2型糖尿病との関連について調べた。対象者の人種は非ヒスパニック系の白人や中国系米国人、黒人、ヒスパニック系米国人など多岐にわたっていた。

10.5年以上の追跡期間中に116人が2型糖尿病を発症した。対象者を血中アルドステロン値で三分位に分けて比較したところ、アルドステロンの血中濃度が最も高い群は、最も低い群に比べて2型糖尿病を発症するリスクは2倍以上であることが分かった。また、これらの関連には人種差がみられ、血中アルドステロン値が高い黒人ではリスクは3倍であり、中国系米国人では10倍に上ることが明らかになった。

2型糖尿病の主な原因には、インスリンの働きが低下するインスリン抵抗性と膵β細胞からのインスリン分泌不全が挙げられる。Joseph氏によると、これまでの研究でアルドステロンは骨格筋などのインスリン抵抗性や膵β細胞からのインスリン分泌の低下を引き起こすことが示されているという。そのため、同氏は「2型糖尿病では、アルドステロンの影響でインスリンが正常に働かなくなる可能性が考えられる」と話している。また、これらの関連に人種差がみられた理由は明らかではないが、同氏は遺伝要因や食塩感受性の違いによるものではとの見方を示している。

一方、専門家の一人で米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、今回の結果はアルドステロンが2型糖尿病の発症に重要な役割を果たすことを証明するものではないとした上で、「われわれの経験上、高血圧や心不全の治療に用いられる抗アルドステロン薬のスピロノラクトンを用いても、インスリン抵抗性は改善しないことが分かっている。アルドステロンが2型糖尿病の発症に何らかの作用と及ぼすとしても、それは限定的なものではないか」とコメントしている。

Joseph氏らも今回の研究結果を臨床応用するのは時期尚早だとしているが、健康的な生活習慣でもアルドステロン値は下げられると話している。なお、同氏らの研究チームは、アルドステロンと2型糖尿病の関連をさらに検討するための臨床試験を計画中で、既に米国立衛生研究所(NIH)から助成金を得ているという。(HealthDay News 2018年9月4日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/new-hormonal-link-suspected-in-type-2-diabetes-737413.html

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2HDN糖尿病ニュース9月6日配信2

SGLT2阻害薬にフルニエ壊疽リスク、米FDAが警告

米食品医薬品局(FDA)は8月29日、糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬のまれではあるが重篤な性器感染症について警告を発出した。SGLT2阻害薬を服用している患者で、会陰部に生じた壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽とも呼ばれる)の症例が複数報告されたという。FDAは同薬の添付文書と患者向け医薬品情報への警告の記載を要求している。

FDAは、2013年3月から2018年5月の間に、SGLT2阻害薬を処方された患者で12例のフルニエ壊疽の症例を特定した。しかし、FDAはニュースリリースで、これらは医学論文で報告された症例であり、実際にはより多くの症例が存在する可能性があると指摘している。

今回報告された12症例は、SGLT2阻害薬の服用開始から数カ月以内にフルニエ壊疽を発症しており、ほとんどの症例で同薬の使用は中止された。これらの症例は全て入院し、外科手術による治療が行われた。一部の患者は複数回の手術を要し、合併症を発症した患者もみられ、1例は死亡した。

FDAによると、これまで30年間以上のデータをレビューしても、他の糖尿病治療薬を処方されている患者ではフルニエ壊疽の報告は6症例に止まっているという。また、これら6症例は全員が男性であったが、SGLT阻害薬を処方されていた12症例のうち5症例は女性であった。

SGLT2阻害薬は2013年にFDAに初めて承認されて以降、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、ertugliflozin(エルツグリフロジン、日本国内未承認)などが登場し、2017年には米国で170万人以上の患者が同薬を処方されている。

FDAは、SGLT2阻害薬を使用する患者に対し、性器やその周辺に圧痛や赤み、腫れがみられ、38℃以上の発熱や体調不良がある場合には、すぐに医療機関を受診するように助言している。また、医療従事者に対しては、これらの症状がみられる患者ではフルニエ壊疽を調べ、この感染症が疑われる場合には広域スペクトラムの抗菌薬による治療を直ちに開始し、必要であれば手術を行うほか、SGLT2阻害薬の服用を中止した上で別の糖尿病治療薬に切り替えるように求めている。(HealthDay News 2018年8月30日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/fda-warns-of-common-diabetes-meds-link-to-dangerous-genital-infection-737257.html

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2HDN糖尿病ニュース9月6日配信1

妊娠初期の血液検査で妊娠糖尿病リスクは予測可能か

妊娠10週前後の早い時期に血液検査で妊娠糖尿病の徴候を捉えられる可能性のあることが、米国立小児保健発育研究所(NICHD)のCuilin Zhang氏らによる研究で明らかになった。研究結果の詳細は「Scientific Reports」8月16日オンライン版に発表された。

妊娠糖尿病は妊娠中に発見または発症した糖代謝異常のことで、母子ともに健康に深刻な影響を与える。例えば、女性は妊娠糖尿病になると妊娠高血圧症候群や帝王切開のリスクが高まるほか、出産後も心疾患や2型糖尿病になりやすくなる。また、出生した子どもが巨大児となるリスクも上昇する。

一般に妊娠糖尿病のスクリーニングは、妊婦に肥満などの既知のリスク因子がなければ妊娠24~28週に実施される。Zhang氏らは今回、妊娠第1トリメスター(妊娠初期)の妊婦に対し、2型糖尿病の診断に用いられているHbA1c検査で妊娠糖尿病のリスクを予測できるかどうかを検討した。

研究では、米国内の12施設から登録した女性2,802人を対象としたコホート研究のデータを用いて、妊娠糖尿病を発症した107人と、年齢や人種、妊娠週数をマッチさせた対照群214人を対象に、妊娠初期(妊娠8~13週)、妊娠中期(16~22週および24~29週)、妊娠後期(34~37週)にHbA1c値を測定し、比較検討した。

その結果、妊娠糖尿病を発症した妊婦の群では、対照群と比べて妊娠初期の平均HbA1c値が高かった(5.3%対5.1%)。また、妊娠初期のHbA1c値が5.1%よりも0.1%上昇するごとに、妊娠糖尿病の発症リスクは22%有意に上昇することも明らかになった。

さらに、妊娠中期の平均HbA1c値は妊娠糖尿病群と対照群のいずれにおいても低下したが、妊娠後期には再び上昇していた。Zhang氏らによると、妊娠第3トリメスターにはインスリン感受性が低下することが知られており、この結果はインスリン感受性の変化と一致しているという。

以上を踏まえ、Zhang氏は「妊娠初期のHbA1c検査は、妊娠糖尿病を発症するリスクが高い妊婦を特定するのに役立つ可能性があることが示された。妊娠糖尿病のリスクを低減するには生活習慣の是正が重要だが、妊娠初期に検査で高リスクであることが判明し、早い段階から介入することでより大きな効果が得られると考えられる」と説明している。

ただし、Zhang氏らは、妊娠初期のHbA1c検査で妊娠糖尿病リスクを判定できるかどうか、また妊娠前あるいは妊娠初期からの生活習慣の是正によって妊娠糖尿病リスクを低減できるかどうかについては、さらなる研究で検討する必要があるとしている。なお、妊娠糖尿病の予防を目的とした生活習慣には運動や健康的な食生活が挙げられる。これらを是正しても効果が得られない場合には、血糖コントロールのためにインスリンが処方される場合もある。(HealthDay News 2018年8月16日)

https://consumer.healthday.com/pregnancy-information-29/gestational-diabetes-974/blood-test-in-early-pregnancy-may-predict-mom-s-diabetes-risk-736830.html

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2HDN糖尿病ニュース8月30日配信2

適度な炭水化物の摂取が長生きの秘訣?

炭水化物は減らしすぎても増やしすぎても、健康にはよくないようだ。「The Lancet Public Health」8月16日オンライン版に掲載された新しい研究で、炭水化物を適度に食べることが長生きにつながる可能性のあることが示された。

この研究は、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のScott Solomon氏らが実施したもの。1987~1989年に米国で開始されたアテローム性動脈硬化症に関するコホート研究であるARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)研究に参加した、45~65歳の米国成人1万5,428人を対象に中央値で25年間追跡し、食物摂取頻度調査票により評価した炭水化物の摂取状況と死亡率との関連を調べた。

その結果、炭水化物からのエネルギー摂取比率と死亡率との間にはU字型の関連がみられ、総摂取エネルギーに占める炭水化物の割合が50~55%だった場合に最も死亡リスクが低いことが分かった。また、炭水化物の摂取比率は寿命にも関係しており、炭水化物を適度(摂取比率が50~55%)に摂取する人の50歳時点の余命は33年で、炭水化物の摂取比率を30%未満に制限する人よりも4年長く、摂取比率が65%を超える人よりも1年長かった。

Solomon氏らはさらに、ARIC研究と7件の前向き研究のデータを合わせて、日本を含む各国から43万2,179人のデータを用いてメタ解析を実施した。その結果、ARIC研究の参加者の解析結果と同様に、炭水化物を適度に摂取するのに比べて、炭水化物の摂取比率が40%未満もしくは70%以上の場合には死亡リスクが有意に上昇し、寿命が短縮することが明らかになった。

また、炭水化物の摂取を制限する場合には、牛や羊、豚の肉やチーズなどの動物性のたんぱく質と脂肪の摂取量を増やすと早期死亡リスクは高まるが、野菜や豆類、ナッツなど植物性のたんぱく質と脂肪の摂取量を増やすと早期死亡リスクは低下することも示された。

Solomon氏は「種々の糖質制限食による健康への影響を、長期的に比べるランダム化比較試験はこれまで実施されていないが、この研究結果から、炭水化物に置き換えて、動物性ではなく植物性のたんぱく質や脂肪の比率を増やすと心血管疾患などの重大な疾患の予防に有用な可能性が示された」と話している。

ただし、今回の研究は観察研究であり、因果関係を明らかにしたものではない。参加者の食生活についても自己申告に基づくもので、その調査も研究開始時と6年後の2回しか実施されていなかった。そのため、Solomon氏は「25年の追跡期間中に参加者の食習慣は変化したかもしれず、これが結果に影響した可能性もある」と指摘している。

研究を率いた同病院の心臓専門医であるSara Seidelmann氏は「炭水化物をたんぱく質や脂質に置き換える糖質制限食は、健康の維持や減量に有効とされ、一般に人気が高まっている。欧米では、炭水化物を動物性の食品に置き換える方法が流行しているが、こうした食べ方は早期死亡リスクを高める可能性があり、すぐにやめるべきだ」と強調する。また、「炭水化物を制限する場合には、炭水化物を植物性の脂肪やたんぱく質に置き換えれば健康に長生きできるかもしれない」と助言している。(HealthDay News 2018年8月17日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/the-right-amount-of-carbs-may-help-you-live-longer-736790.html

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2HDN糖尿病ニュース8月30日配信1

「運動不足でがんリスク上昇」、米で認知度低く

米国人の多くは、運動不足が原因で心疾患や糖尿病などの発症リスクが高まることは知っているが、大腸がんや乳がんなどの各種のがんや、呼吸器疾患、胃腸障害などのリスクが高まることは十分に認識していないことが、新たな研究で明らかになった。研究の詳細は「Journal of Health Communication」8月9日オンライン版に掲載された。

米ワシントン大学セントルイス校外科学准教授のErika Waters氏らは、横断調査に参加した米国の一般住民1,161人から無作為に選んだ351人を対象に、座りっぱしになりがちな生活習慣による運動不足が原因で、発症リスクが上昇する疾患の知識を問うオンライン調査を実施した。

その結果、参加者の6割以上は運動不足が原因で心疾患や糖尿病などの代謝性疾患リスクが上昇することを知っていたが(それぞれ参加者の63.5%、65.8%)、がんリスクが上昇することを認識していた人の割合は3.4%に過ぎなかった。また、運動不足により呼吸器疾患(3.4%)や胃腸障害(0.9%)のリスクが高まることも認知度は低かった。さらに、参加者の55.6%は、運動不足で発症リスクが高まる疾患の名称を2つまでしか答えられなかった。

これらの結果を踏まえ、Waters氏は「運動不足が心疾患や糖尿病の発症リスクを高めることは多くの人が知っているが、それ以外にもリスクが高まる疾患があることを認識している人はほとんどいないことが明らかになった」と話している。

今回の結果の背景について、Waters氏らは「運動に関する啓発活動では、心臓の健康や体重管理に有用な点ばかりが強調されがちで、運動不足によるがんなどの疾患リスクについてはほとんど触れられていない」と指摘する。そのため、「今後は、運動不足でリスクが高まる疾患は心疾患や糖尿病だけではないことを一般の人々に広く知らせていく必要がある」と述べている。(HealthDay News 2018年8月13日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/lack-of-exercise-can-boost-cancer-risk-736555.html

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2HDN糖尿病ニュース8月23日配信2

禁煙後の体重増加で2型糖尿病リスク増

禁煙した人は、2型糖尿病の発症リスクを抑えるためにも、禁煙から2~6年間は体重が増えないように気をつけた方がよいようだ。米ハーバード大学T. H.チャン公衆衛生大学院の研究チームが実施した新たな研究で、禁煙後に体重が増えるほど短期的な2型糖尿病リスクが高まる可能性のあることが示された。しかし、禁煙による健康へのメリットは極めて大きく、長期的には体重増加の程度にかかわらず、禁煙すると心血管疾患の発症や早期死亡のリスクが低減することも明らかになった。詳細は「New England Journal of Medicine」8月16日号に掲載された。

この研究は、米国の医療従事者を対象とした3つの大規模コホート研究(Nurses’ Health Study、Nurses’ Health Study IIおよびHealth Professionals Follow-Up Study)に参加した計17万1,150人を平均で約19年間追跡したデータを分析したもの。2年ごとに実施した生活習慣に関する質問紙調査の回答から禁煙した人を特定し、禁煙後の体重の変化と2型糖尿病や心血管疾患などによる死亡リスクとの関連を調べた。

その結果、禁煙して2~6年目の人は、喫煙を続けた人に比べて2型糖尿病の発症リスクが22%高いことが分かった。こうした2型糖尿病リスクの上昇は禁煙から5~7年目にピークを迎え、その後は徐々に減少していた。2型糖尿病リスクは禁煙後に体重が増えた人ほど上昇したが、体重が増えなかった人ではこうしたリスクの上昇は認められなかった。

一方で、早期死亡リスクは体重増加の程度にかかわらず、禁煙した人は全て低下していることも明らかになった。喫煙している人に比べて、禁煙後に体重が10kg以上増えた人でも早期死亡リスクは半減し、心血管疾患による死亡リスクも67%低下したという。

論文の著者の一人で同大学院栄養学部准教授のQi Sun氏は「禁煙後も体重増加を最小限に抑えることで、その後の2型糖尿病リスクを抑えられる。禁煙による健康へのベネフィットを最大限に得るには、いかに体重増加を抑えるかが鍵となる」と述べている。ただし、この研究では、体重増加の程度にかかわらず禁煙すると早期死亡リスクが低減することも示された。このことを受け、同氏は「禁煙後の体重増加で2型糖尿病リスクが短期的に高まったとしても、心血管疾患リスクに対する長期的な効果は明らかだ」とし、体重が増えることを懸念して禁煙を止めるべきではないと呼び掛けている。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のSteven Schroeder氏も同誌の付随論評で、今回の結果は喫煙がいかに健康に悪いのかを表していると指摘し、「喫煙により身体が受けるダメージは甚大で、これ以上の悪影響はない。禁煙ほど健康によいものはない」と話している。また、Sun氏は「禁煙による健康への効果を高めるためにも、禁煙時には食生活の改善と定期的な運動で体重管理を行うのがよいだろう」と助言している。(HealthDay News 2018年8月15日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/smoking-cessation-news-628/why-you-should-watch-your-weight-after-you-stop-smoking-736805.html

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2HDN糖尿病ニュース8月23日配信1

若年発症の1型糖尿病患者は心血管保護が重要

10歳までに1型糖尿病と診断された若年発症の患者は、心血管疾患の発症や早期死亡のリスクが高いことが、ヨーテボリ大学(スウェーデン)のAraz Rawshani氏らによる研究で示唆された。1型糖尿病患者の寿命や心血管疾患の転帰には、発症年齢が重要な規定因子となる可能性があり、発症年齢が低い患者ほど早期からスタチン系薬や降圧薬などの心血管保護薬を用いた介入が必要になることが示された。詳細は「The Lancet」8月11日号に掲載された。

Rawshani氏らは、スウェーデンの1型糖尿病患者2万7,195人と糖尿病のない13万5,178人(対照群)を対象に中央値で10年間追跡し、全死亡率や心血管疾患(急性心筋梗塞および脳卒中)の発症率を比較検討した。その結果、10歳までに1型糖尿病と診断された患者群では、対照群に比べて寿命が女性では17.7年、男性では14.2年短いことが分かった。

また、10歳までに1型糖尿病と診断された患者群では、対照群と比べて冠動脈疾患や急性心筋梗塞の発症リスクは約30倍に上ったが、26~30歳で診断された患者群では約6倍であった。さらに、10歳までに1型糖尿病と診断された患者群では、対照群に比べて全死亡リスクは約4倍、心血管疾患による死亡リスクは約7倍だったのに対し、26~30歳診断された患者群では、それぞれのリスクは対照群に比べて約3~4倍だった。

1型糖尿病患者のほぼ半数は14歳までに診断を受けるとされる。今回の結果を踏まえ、Rawshani氏は「1型糖尿病の発症年齢は、成人後早期の心血管転帰と寿命の重要な規定因子だと考えられる。乳幼児期から小児期に発症した1型糖尿病患者には、より早期からスタチン系薬や降圧薬などの心血管保護薬を用いた介入を考慮すべきだ」と述べている。ただ、同氏は、早期に1型糖尿病と診断された後には心血管疾患の相対的なリスクは上昇するが、絶対リスクは総じて低いため過剰に心配する必要はないと強調している。

米スタンフォード大学のMarina Basina氏らは同誌の付随論評で、今回の結果は、若年発症の1型糖尿病患者における心血管保護の重要性を示したものだと指摘しつつ、「1型糖尿病患者の早期死亡や心血管疾患の転帰を改善するためには、今回の結果を別の観察研究や臨床試験で検証し、研究結果や適切な治療法を診療ガイドラインや日常臨床に反映させる確固としたエビデンスを確立することが必要だ」と話している。(HealthDay News 2018年8月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/early-onset-type-1-diabetes-linked-to-heart-disease-shorter-life-736591.html

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