4.1.1

週5回以上の入浴習慣に心血管保護効果の可能性 愛媛大の研究グループ

中年期以降の日本人では、週5回以上の入浴習慣は動脈硬化リスクを低減し、心機能を改善するなど心血管保護に働く可能性のあることが、愛媛大学社会共創学部教授の小原克彦氏らの研究グループの検討で分かった。これまでフィンランドの研究で、サウナ習慣が心血管疾患による死亡や突然死のリスク低減に関連することが報告されている。同氏らは「日本人の習慣である入浴にも同様の効果が期待できる」と話している。詳細は「Scientific Reports」6月21日オンライン版に掲載された。

温浴には、サウナと同様の温熱効果とともに水圧の効果があり、末梢血管内の血液が身体の中心部に集まって心機能の改善をもたらすと考えられている。研究グループは今回、中年期以降の日本人を対象に、温浴の習慣と動脈硬化や心負荷の指標との関連を調べる研究を実施した。

今回の研究では、2006~2013年に同大学附属病院抗加齢・予防医療センターの抗加齢ドックを受診した成人1,593人を対象に、2014年に入浴の頻度や入浴時間、湯温に関するアンケートを実施。回答が得られた873人を解析対象とした。また、動脈硬化の指標として頸動脈内膜中膜厚(IMT)と上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)を計測し、中心脈圧は橈骨圧波形から推定した。心機能(心負荷)の指標にはB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の血中濃度を測定した。

その結果、対象者の温浴の頻度は週に平均5.8回で、1回の入浴の平均時間は12.4分であった。対象者を入浴の頻度で3群に分けて動脈硬化および心機能の指標との関連を解析した結果、入浴頻度が週に5回以上の群では、週に4回以下の群と比べてbaPWVと中心脈圧、血中BNP濃度が有意に低いことが分かった。また、湯温を変数として加えたステップワイズ解析の結果、入浴頻度が高いほど中心脈圧と血中BNP濃度は低下を示し、熱めの湯温はbaPWV低値と関連した。

さらに、平均で4.9年間追跡し得た164人を対象に縦断的に解析した結果、週5回以上の入浴習慣により経年的な血中BNP濃度の上昇が抑えられることが明らかになった。また、湯温が熱めの群では、頸動脈最大IMTおよびbaPWVの経年性の増加が小さい傾向がみられた。

以上の結果から、研究グループは「日本人の入浴習慣は、中年期以降の心機能や動脈硬化の指標の改善と関連する可能性が示された。最適な湯温や入浴頻度などについては、今後さらなる検討が必要とされる」と結論づけている。(HealthDay News 2018年7月17日)

Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41598-018-26908-1

Press Release
https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-79309/

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Selective focus on the word "diabetes". Many more word photos in my portfolio...

糖尿病とがん、歯周病、認知症との関連は? 日本人対象の研究をシステマティックレビュー

糖尿病の合併症には、三大合併症(網膜症と腎症、神経障害)が広く知られているが、最近ではがんや歯周病、骨折、認知症、うつ病などが新たな合併症として注目されている。国立国際医療研究センター病院糖尿病情報センター長の大杉満氏と田中宏和氏、井花庸子氏らの研究グループは、日本人を対象に、これらの新たな糖尿病合併症の発症率や有病率を調べた研究のシステマティックレビューを実施。がんと糖尿病との関連を示す強いエビデンスはあるが、その他の疾患については糖尿病の影響は十分に検証されていないことを明らかにした。詳細は「Journal of Epidemiology」6月23日オンライン版に掲載された。

研究グループは今回、日本人の集団を対象に、がんや歯周病、骨折、認知機能障害および認知症、うつ病と糖尿病との関連を検討した研究のシステマティックレビューを実施。PubMedなどのデータベースを用いて、2016年12月までに公表された、これらの新たな糖尿病合併症の発症率と有病率をそれぞれ比較した統合解析やコホート研究、症例対照研究、横断研究の計33件の論文を抽出した。このうち、がんに関する論文は17件、歯周病または骨折はそれぞれ5件、認知機能障害は4件、うつ病は2件であった。

システマティックレビューの結果、がんに関しては多目的コホート(JPHC)研究など質の高い研究を含めて8件のコホート研究のデータを統合して解析が実施されており、糖尿病は全てのがんや大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がんのリスク上昇と関連し、その他のメタ解析でも男女ともに糖尿病は全てのがんのリスク上昇と関連することが報告されていた。

一方で、その他の4つの疾患に関しては、研究の数が限られており、前向きコホート研究はうつ病では1件もなく、その他の疾患でも1件ずつしかみられないなど、糖尿病との関連を検証するのに十分なエビデンスは得られなかった。

以上の結果から、研究グループは「日本では、がんと糖尿病との関連を示す比較的、質の高いエビデンスがそろっているが、歯周病や骨折、認知症、うつ病の発症率や有病率に対する糖尿病の影響は十分に検証されていないことが分かった。今後、質の高い数多くの研究が実施されることに期待したい」と結論づけている。(HealthDay News 2018年7月17日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170155/_article

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「尿中糖鎖」が2型糖尿病患者の腎予後予測に有用か 岡山大など

尿中の糖鎖排泄量が、2型糖尿病患者の腎機能低下を予測する指標として有用な可能性があることを、岡山大学大学院腎・免疫・内分泌代謝内科学教授の和田淳氏と三瀬広記氏らの研究グループが突き止めた。糖尿病患者の腎機能の悪化に、尿中の糖鎖が関係することを報告した研究は世界で初めて。和田氏らは「たった1滴の尿を用いるだけで、従来よりも正確に2型糖尿病患者の腎機能悪化を予測できれば、腎不全への進展や透析を導入する患者を減らせる可能性がある」と話している。詳細は「Diabetes Care」6月21日オンライン版に掲載された。

糖鎖とは細胞の表面にある糖が鎖状につながった生体高分子のことで、近年はアレルギー疾患やがん、関節リウマチ、認知症などのさまざまな疾患への関与が報告されつつある。しかし、糖鎖の構造は複雑で測定が難しく、糖尿病や腎臓病における糖鎖の研究は進んでいなかった。

研究グループは今回、共同研究者の株式会社グライコテクニカが開発した「レクチンアレイ」と呼ばれる糖鎖解析技術を採用。1滴の尿(20μL)を用いるだけで尿中の複数の糖鎖量を短期間で測定できるようになった。レクチンアレイは、45種類のレクチンが固定されたチップの上にラベル処理した尿をかけると、尿中糖鎖がそれぞれに対応したレクチンに結合することで、尿中糖鎖を測定できる仕組みだという。

そこで、研究グループは、岡山県内8施設の2型糖尿病患者675人を対象に、レクチンアレイを用いて尿中の糖鎖排泄量を測定する前向きコホート研究を実施。評価項目はベースライン時からの推算糸球体濾過量(eGFR)が30%以上低下、または末期腎不全による透析導入と定義した。対象患者の平均年齢は63歳、男性61%、平均eGFR値は71.4±17.1mL/分/1.73m2、尿中アルブミン排泄量の中央値は17.3mg/gCr(四分位7.8~71.1)であった。中央値で4.0年の追跡期間中に63人の患者が評価項目を発症した。

単変量だけでなく、ベースライン時のアルブミン尿やeGFRで調整した多変量Cox回帰モデルにおいても、SNA、RCA120、DBA、ABA、Jacalin、ACAの6種類のレクチンが認識する糖鎖の尿中排泄量は評価項目の発症と有意に関連することが分かった。SNA、RCA120、DBAに結合する特異的糖鎖はそれぞれSiaα2-6Gal/GalNAc、Galβ1-4GlcNAc、GalNAcα1-3GalNAcであり、ABA、Jacalin、ACAに共通する特異的結合糖鎖はGalβ1-3GalNAcであった。また、これら6種類の尿中の糖鎖排泄量を、ベースライン時のアルブミン尿やeGFRなどで構成したモデルに加えると評価項目の予測能は有意に向上することも明らかになった。

以上の結果から、研究グループは「2型糖尿病患者の腎予後の予測には、尿中糖鎖の測定が有用な可能性が示された。尿中の糖鎖排泄量は腎組織における糖鎖や糖鎖修飾の違いを反映している可能性があり、糖尿病腎症の進展における新しいメカニズムになり得る。そのため、尿中糖鎖のさらなる研究が糖尿病腎症における新たな治療標的になると期待される」と結論づけている。(HealthDay News 2018年7月9日)

Abstract/Full Text
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2018/06/04/dc18-0030.long

Press Release
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id547.html

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4.1.1

高齢者のメタボに残存歯の本数と食べる速さが関連か 愛知学院大の研究グループ

日本人の高齢者では、残存歯の本数と食べる速さ、歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃用具を使う頻度がメタボリック症候群と関連する可能性のあることが、愛知学院大学歯学部口腔衛生学教授の嶋﨑義浩氏らの研究グループの検討で分かった。同氏らは「高齢になっても歯の本数を保ち、ゆっくりと食べることがメタボリック症候群の予防に重要だと思われる」と話している。詳細は「Journal of Epidemiology」6月16日オンライン版に掲載された。

これまで多くの研究で、歯周病や残存歯の本数などで評価する口腔内の健康状態はメタボリック症候群と関連することが報告されている。これらの報告の多くは中年期の成人を対象としたものが多いことから、研究グループは今回、高齢者を対象に、歯周病や残存歯の本数、生活習慣因子(喫煙や飲酒の習慣、運動習慣、食べる速さ、口腔衛生習慣)とメタボリック症候群との関連を調べる観察研究を実施した。

研究グループは、三重県における75歳および80歳の高齢者2,379人(うち男性960 人)から得た一般健診と歯科健診の横断データを用いて解析した。健診時のウエスト周囲長のデータが得られなかったため、メタボリック症候群の判定にはBMIを代用し、中心性肥満(BMI 25以上)、中性脂肪高値、HDL-コレステロール低値、血圧高値、高血糖のうち3つ以上に該当する場合をメタボリック症候群と判定した。

対象者を残存歯の本数で3つの群(20~28本、10~19本、0~9本)に分けて解析した結果、メタボリック症候群のリスクは残存歯が最も多い群に比べて、10~19本の群では1.23倍、0~9本の群では1.54倍と、残存歯の本数が少ない群ほどリスクは高いことが分かった。

また、生活習慣因子のうち、食べる速さが速いほどメタボリック症候群のリスクが高く(遅い群に比べて速い群で2.06倍)、歯間ブラシなどの歯間清掃用具を毎日使う人は、全く使わない人に比べてメタボリック症候群のリスクが0.71倍と低いことも明らかになった。

さらに、残存歯の本数と食べる速さを組み合わせた解析を行った結果、残存歯が20~28本でゆっくり食べる群に比べて、残存歯が0~9本で食べる速さが速い群ではメタボリック症候群のリスクが2.48倍と最も高かった。なお、この研究では歯周病とメタボリック症候群との間に関連はみられなかった。

これらの結果から、研究グループは「高齢者では、残存歯の本数と食べる速さ、歯間衛生用具を使う頻度がメタボリック症候群と関連する可能性が示された。特に残存歯が少なく食べる速さが速い人はメタボリック症候群に注意する必要がある」と結論。一方で、これらの関連については、今後さらなる研究でその背景にある機序などを確かめる必要があるとしている。(HealthDay News 2018年7月9日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170210/_article/-char/en

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4HDN国内ニュース7月2日配信2

アブラナ科野菜を摂取するほど全死亡リスク減 約9万人の日本人男女を解析、JPHC研究

40歳代半ば以降の日本人の男女は、キャベツやブロッコリー、白菜などのアブラナ科の野菜を多く摂取するほど全死亡リスクが低減する可能性があると、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが発表した。研究の詳細は「Clinical Nutrition」4月23日オンライン版に掲載された。

アブラナ科の野菜には、抗炎症作用や発がん抑制作用で知られる「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が豊富に含まれている。しかし、アブラナ科の野菜の摂取量と死亡との関連を包括的に検討した大規模な観察研究は実施されていなかった。研究グループは今回、JPHC研究に参加した45~74歳の男女約9万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、アブラナ科の野菜の摂取量と全死亡、がんや心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患および外因による死亡リスクとの関連を調べた。

今回の研究では、ベースライン時(1990年および1993年)に全国11地域に在住し、がんや心筋梗塞、脳卒中の既往がなく、研究開始から5年後の食物摂取頻度質問票に回答した45~74歳の8万8,184人(うち男性4万622人)を対象に、2014年まで追跡を行った。質問票では漬け物を含む11項目のアブラナ科の野菜(キャベツ、大根、小松菜、ブロッコリー、白菜、チンゲンサイ、からし菜、フダンソウ、たくあん漬け、野沢菜漬け、白菜漬け)からアブラナ科の野菜の総摂取量を推定した。

中央値で16.9年の追跡期間中に1万5,349人が死亡した。男女別にアブラナ科の野菜の総摂取量で5つの群に分けて解析した結果、全死亡リスクは、摂取量が最も少ない群と比べて最も多い群で男性では14%、女性では11%それぞれ有意に低下することが分かった(傾向P値はそれぞれ0.0002、0.03)。

また、疾患別の死亡リスクを比較した結果、男性ではアブラナ科の野菜の摂取量が最も少ない群と比べて最も多い群でがんによる死亡リスクが16%有意に低下した(P=0.001)。一方、女性では摂取量が最も多い群で心疾患リスクが27%(P=0.01)、外因による死亡リスクが40%(P=0.005)有意に低下し、脳血管疾患リスクも22%(P=0.05)低下した。

さらに、野菜の種類別の摂取量と全死亡リスクとの関連について解析したところ、男性ではブロッコリー、たくあん漬けの摂取量が最も多い群で、女性では大根、ブロッコリーの摂取量が最も多い群で死亡リスクが低減した。

以上の結果について、研究グループは「アブラナ科の野菜に多く含まれるイソチオシアネートや抗酸化性のビタミンによる抗炎症作用と抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性がある」と指摘。今後の研究ではイソチオシアネートの種類を詳細に解析したり、尿中イソチオシアネートなどの生体指標を用いた検討を行う必要があるとしている。(HealthDay News 2018年7月2日)

Abstract/Full Text
https://www.clinicalnutritionjournal.com/article/S0261-5614(18)30163-8/fulltext

Press Release
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8153.html

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4HDN国内ニュース7月2日配信1

低用量アスピリンにがん予防効果みられず 日本人2型糖尿病患者で検討、奈良医大など

日本人の2型糖尿病患者は、低用量のアスピリンを長期にわたり服用しても、服用しなかった場合とがんの罹患率には差がみられない可能性があることが、奈良県立医科大学循環器内科学教授の斎藤能彦氏らによるJPAD研究グループ(国立循環器病研究センター理事長の小川久雄氏と兵庫医科大学教授の森本剛氏、熊本大学准教授の副島弘文氏ら)の検討で分かった。ただし、65歳未満の2型糖尿病患者に限ると低用量アスピリンの服用によるがん予防効果が示唆されたという。詳細は「Diabetes Care」6月16日オンライン版に掲載された。

近年、糖尿病とがんには密接な関係があるとされ、日本人の糖尿病患者の死因にはがんが第1位を占めることが報告されている。また、心血管疾患予防のために広く用いられている低用量アスピリンには、大腸がんなどのがん予防効果に関する国内外の研究結果も集まりつつある。

研究グループは、2型糖尿病患者2,536人を対象に、低用量アスピリン(81mgまたは100mg/日)による動脈硬化性疾患の一次予防効果を検証したランダム化比較試験のJPAD研究を実施。同試験の登録患者を、2008年の試験終了時からさらに2015年まで追跡するJPAD2研究を行った結果、低用量アスピリンによる動脈硬化性疾患の一次予防効果は認められず、消化管出血リスクは上昇したことを報告している(Circulation 2017; 135: 659-670)。研究グループは今回、JPAD2研究で同時に追跡したがん発症に関するデータを解析し、低用量アスピリンのがん予防効果を検証した。

中央値で10.7年の追跡期間中に318人ががんに罹患していた。その内訳は、低用量アスピリン投与群は149人、非投与群は169人であり、がん罹患率には両群間で有意な差は認められなかった(ハザード比0.92、95%信頼区間0.73~1.14、P=0.4)。

また、男女別、研究開始時の年齢別(65歳未満、65歳以上)に解析した結果、男性と女性、65歳以上の患者群では低用量アスピリンによるがん予防効果は認められなかった。一方で、65歳未満の患者群では、低用量アスピリン非投与群に比べて投与群でがん罹患率が有意に低下していた(同0.67、0.44~0.99、P=0.048)。この結果は、性やHbA1c値(血糖コントロール状況)、喫煙習慣の有無などの因子で調整した解析でも変わらなかった。

以上の結果から、研究グループは「今回の研究では、日本人の2型糖尿病患者に対する低用量アスピリンのがん予防効果は示されなかった。しかし、65歳未満の患者に限定して解析するとがん罹患率は有意に低下する可能性が示された」と結論。今後、がんリスクの高い糖尿病患者を対象に、低用量アスピリンの有効性に関するエビデンスが集積していくことが期待されるとしている。(HealthDay News 2018年7月2日)

http://www.physiciansbriefing.com/Article.asp?AID=734974

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4HDN国内ニュース6月4日配信2

尿酸値が高い男性は高血圧に注意? 約2千人の会社員を対象に解析、九州大

日本人の男性会社員は、血清尿酸値が高いほど高血圧を発症しやすい可能性のあることが、九州大学大学院病態機能内科の寒水康雄氏らの研究グループの調べで分かった。特に45歳以下で、糖尿病やHDL-コレステロール(HDL-C)低値がない男性は気をつける必要があることも示された。詳細は「Journal of Hypertension」5月8日オンライン版に掲載された。

高尿酸血症は高血圧患者で合併する頻度が高く、その有病率は25%から50%に上るとの報告もみられる。また、高尿酸血症を合併した高血圧患者では肥満やメタボリック症候群のリスクも高いとされる。しかし、特に若年期から中年期の日本人において、血清尿酸値が高血圧の発症にどのような影響を及ぼすのかは明らかにされていない。研究グループは今回、男性会社員を対象に、血清尿酸値が高血圧の発症リスクに及ぼす影響を調べる観察研究を実施した。

対象は、某バス・鉄道会社に勤務する18~64歳の男性会社員のうち、2009年のベースライン時に高血圧が認められなかった2,335人。2015年まで6年間追跡し、血清尿酸値と高血圧の発症の有無を調べた。

その結果、追跡期間中に380人が新たに高血圧を発症した。対象者を血清尿酸値で4群(5.1mg/dL以下、5.2~5.8mg/dL群、5.9~6.6mg/dL群、6.7mg/dL以上)に分けて高血圧の発症リスクを比較したところ、年齢やBMI、収縮期血圧値などで調整した解析でも、血清尿酸値が高いほど高血圧リスクは上昇することが分かった(5.1mg/dL以下群と比べて、それぞれ1.34倍、1.42倍、1.65倍)。血清尿酸値が1mg/dL高いごとに高血圧リスクは13%上昇したという。

また、こうした関連は、糖尿病がなく、HDL-C低値(40mg/dL以下)ではない45歳以下の若年男性で強いことも明らかになった。

これらの結果を踏まえて、研究グループは「血清尿酸値が高い人は将来、高血圧を発症するリスクが高い可能性があることが分かった。高血圧を予防するためには、若いうちから尿酸値が上がらないように気をつける必要があるだろう」と述べている。(HealthDay News 2018年6月4日)

Abstract/Full Text
https://journals.lww.com/jhypertension/Abstract/publishahead/Impact_of_serum_uric_acid_on_incident_hypertension.97473.aspx

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4HDN国内ニュース6月25日配信2

日本の学校給食が思春期男子の肥満抑制に効果 東大グループ

日本の学校給食プログラムは、思春期男子の過体重や肥満を低減させる可能性があると、東京大学大学院公衆衛生学教授の小林廉毅氏と宮脇敦士氏らの研究グループが「Journal of Public Health」6月5日オンライン版に発表した。一方で、女子では過体重などの有意な低減効果はみられなかったという。

小児や思春期の若者における肥満増加は世界的な問題とされているが、世界各国に比べて日本の肥満率は低いとされている。その要因の一つに「学校給食プログラム」の影響が指摘されているが、明確なエビデンスは得られていなかった。研究グループは今回、過去10年間で中学校の給食の実施率が上昇した点に着目。政府統計の公開データを用いて、学校給食が思春期男女の肥満に及ぼす影響を調べた。

研究グループは、文部科学省による学校給食実施状況等調査・学校保健統計調査の公表データを用いて、2006~2015年の都道府県ごとの給食実施率と栄養状態の指標(過体重と肥満、やせの生徒の割合)、平均身長、平均体重のデータを性および年齢別(中学2年~高校1年の13~15歳)に抽出。パネルデータ分析の手法を用いて、都道府県レベルにおける給食実施率の前年からの変化が栄養状態の指標などに及ぼす影響について調べた。なお、調査によると、学校給食の実施率が90%以上の都道府県の割合は、2006年の約半数から2010年には5分の3、2015年には3分の2を占めるまでに増加したという。

解析の結果、都道府県レベルの学校給食の実施率が10%増えると、男子では翌年の過体重の割合は0.37%、肥満の割合は0.23%低下することが分かった。2015年の学校保健統計調査の報告(中学生男子の約10%が過体重、約5%が肥満)を踏まえると、学校給食の実施率の10%増加は1年間で過体重の男子の3.7%、肥満の男子の4.6%が減少することを意味するという。

一方で、女子では、学校給食の実施率の向上により過体重や肥満の減少傾向はみられたが、統計学的に有意な結果ではなかった。また、学校給食の実施率によるやせの割合や平均体重、平均身長への影響は男女ともにみられなかった。

これらの結果を踏まえ、研究グループは「日本の思春期の生徒を対象とした大規模データを用いて、学校給食プログラムによる過体重や肥満の低減効果を実証した研究は今回が初めて。学校給食を介して適切な栄養基準に基づいた食事を提供することは、思春期の肥満を減らす有効な施策の一つになると思われる」と話している。(HealthDay News 2018年6月25日)

Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/jpubhealth/advance-article/doi/10.1093/pubmed/fdy095/5033367

Press Release
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20180605.pdf

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4HDN国内ニュース6月25日配信1

家庭の経済状況は未就学児の肥満にも影響か 東北大

家庭の経済状況は、未就学児の肥満率に影響を及ぼす可能性のあることが、東北大学大学院公衆衛生学分野講師の遠又靖丈氏らの研究グループの検討で分かった。特に時間的な余裕がない家庭において、経済状況が幼児の肥満リスクに関連していたことが示唆され、研究グループは「暮らし向きは、幼児の肥満の原因の一つに挙げられるのではないか」としている。詳細は「Journal of Epidemiology」6月9日オンライン版に掲載された。

家庭の経済状況は、学童期における肥満のリスク因子の一つとされているが、未就学児における関連は明らかにされていない。研究グループは、家庭の経済状況と未就学児の肥満との関連を検討するため、保育所に通う4歳児を対象とした観察研究を行った。

研究グループは、仙台市内の143カ所の認可保育所に通う計1,848人の未就学児を対象に、2015年10月から12月にかけて横断研究を実施した。家庭の経済状況に関しては、両親に暮らし向きや生活の中の時間的なゆとりについて尋ね、その回答から評価。対象とした子どもを「ゆとりがある」「どちらともいえない」「あまりゆとりはない」「全くゆとりはない」の4つの群に分けて解析した。なお、肥満は男児がBMI 17.47kg/m2以上、女児は17.19kg/m2以上と定義した。

対象とした子どもの肥満率は6.8%であった。また、家庭の経済状況は「ゆとりがある」が547人、「どちらともいえない」が600人、「あまりゆとりはない」が536人、「全くゆとりはない」は165人であった。

解析の結果、家庭の経済状況にゆとりがないと未就学児が肥満となる確率が有意に上昇することが分かった(ゆとりがある場合と比べた全くゆとりがない場合の肥満の調整オッズ比は2.31、95%信頼区間1.23~4.33)。

研究グループは「今回の解析では、認可保育所で給食を利用する子どもが対象となっていたが、こうした中でさえも家庭の経済状況が肥満の頻度と関連していた。また、特に時間的な余裕がない家庭の子どもにおいて、家庭の経済状況と未就学児の肥満との間に強い関連がみられた。家庭の経済状況は食生活と関連しており、例えば暮らし向きに余裕がない家庭では加工食品やファストフードの頻度が高い傾向にある」と分析。未就学児においても、家庭の経済状況は肥満のリスクを高める可能性があると結論づけている。(HealthDay News 2018年6月25日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170081/_article

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4HDN国内ニュース6月18日配信2

短い教育歴や生活習慣病は認知症のリスク因子か 日本人対象の症例対照研究で検討、富山大

日本人では、短い教育歴や糖尿病などの生活習慣病は認知症のリスク因子である可能性のあることが、富山大学大学院疫学・健康政策学教授の関根道和氏と中堀伸枝氏らの研究グループが実施した地域住民を対象とした症例対照研究により明らかとなった。詳細は「BMC Geriatrics」4月27日オンライン版に掲載された。

欧米の研究では、教育歴や職歴などの社会経済的因子と認知症リスクの関連が明らかになっている。また、社会経済的地位が低いと認知症リスクが上昇するという関係には、生活習慣因子や糖尿病などの生活習慣病が介在すると考えられている。

研究グループは、2014年に実施された富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて分析を行った。同調査は、同県在住の65歳以上の高齢者1,537人を無作為に抽出し、同意が得られた1,303人(回答率84.8%)を対象としたもの。今回の研究では、認知症患者137人と認知症のない1,039人(対照群)を対象に、病歴や生活習慣に関する因子(喫煙歴、飲酒習慣など)、社会経済的因子(教育歴および職歴)と認知症との関係を調べた。

年齢と性を調整して教育歴と認知症の発症リスクとの関係をロジスティック回帰分析で検討したところ、教育歴が短い(6年以下)人では、教育歴が長い(10年以上)人と比べて認知症リスクは3.27倍であった。さらに、生活習慣因子や病歴、職歴で調整して解析すると、認知症リスクは3.23~3.56倍に上昇したと、研究グループは報告している。

また、認知症リスクの上昇と有意に関連する因子として男性、高齢(85歳以上)、習慣的な飲酒習慣、糖尿病やパーキンソン病、脳卒中、狭心症および心血管疾患の既往歴が挙げられた。認知症リスクは、糖尿病があると2.03倍、脳卒中の既往があると2.59倍、狭心症や心筋梗塞の既往があると1.81倍であった。

さらに、今回の研究では、教育歴および職歴と、喫煙や飲酒などの生活習慣因子および生活習慣病との関係は認められず、社会経済的地位の低さと認知症リスクの関係に対する生活習慣病の媒介効果は最小限にとどまることが示された。

これらの結果から、研究グループは「生活習慣病は教育歴とは独立した認知症のリスクであると考えられ、認知症予防には糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病の管理が重要になると思われる」と話している。(HealthDay News 2018年6月18日)

Abstract/Full Text
https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-018-0791-6

Press Release
https://www.u-toyama.ac.jp/outline/publicity/pdf/2018/20180523.pdf

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