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つらい経験で脳の老化は加速する

離婚や家族の死、金銭トラブル、深刻な健康問題といった人生を左右するようなつらい出来事は、ストレスをもたらすだけでは済まないようだ。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のSean Hatton氏らによる研究から、こうした重大かつネガティブなライフイベントを経験すると脳の老化が加速することが明らかになった。この研究結果は「Neurobiology of Aging」3月8日オンライン版に発表された。

Hatton氏らは今回、1965~1975年に兵役に就いていた男性359人(平均年齢62歳)を対象に、重大なライフイベントと生物学的な脳年齢との関連について検討した。対象者の約88%は白人で、約80%は前線での戦闘の経験はなかった。

対象者には5年の間隔を空けて2回の調査を実施し、家族や友人の死、離婚、離別、流産、経済的な問題、深刻な医療上の緊急事態といったライフイベントの経験の有無のほか、生活習慣や社会経済的状況について尋ねた。また、記憶力の検査やアルツハイマー病のリスクに関連する遺伝子の検査、さらに脳のMRI検査を実施し、全ての情報をアルゴリズムに入力して脳年齢を推定した。なお、このアルゴリズムでは脳の老化に影響する可能性がある心疾患リスクやアルコール摂取量、社会経済的状況、民族などの因子を調整して脳年齢が推定された。

その結果、重大かつネガティブなライフイベントを1回経験するごとに、脳の老化が4カ月早まることが分かった。つまり、「家族の死」と「離婚」の2回のライフイベントを経験すると、脳年齢は8カ月高まることになる。

この研究は因果関係を証明するものではないが、Hatton氏によると、以前からストレスが多くかかる出来事を経験すると染色体の末端にあるテロメアの短縮が加速することが分かっているという。テロメアは染色体を保護する役割を果たし、加齢に伴い短くなる。

今回の研究報告を受け、専門家の一人で米ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校のDaniel Kaufer氏はストレスが炎症を惹起している可能性を指摘。また、「ストレスフルなライフイベントが起こると、食べられなくなったり、眠れなくなったりする人は少なくない。したがって、ライフイベントそのものではなく、ライフイベントが起こった時のこうしたネガティブな反応が脳に悪影響を与えるのではないか」との見方を示している。

なお、今回の研究は主に白人男性を対象としたものだったが、Hatton氏は「この研究結果は女性や他の人種にも当てはまる可能性が高い」としている。また、健康的な生活習慣によって、ネガティブなライフイベントによる脳の老化リスクは抑えられるかもしれないとしている。

Kaufer氏もこれに同意し、「つらい出来事を経験した時の反応には個人差がある。食事などの生活習慣に関連した因子は、脳や身体の反応に長期的な影響を及ぼすと考えられる」と説明。その上で、「精神的な回復力(レジリエンス)を強化することで、ストレスフルな状況でも前向きに対処できるようになる可能性がある。今回の研究結果は、そのような治療的介入についてもヒントを与えてくれた」と話している。(HealthDay News 2018年4月12日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/age-health-news-7/tough-times-can-leave-their-mark-on-the-older-brain-732889.html

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Retired elder man driving a blue car

眠気の自覚なくても自動車事故リスクは高まる

眠気は感じていなくても、睡眠時無呼吸がある人や睡眠時間が短い人は、自動車事故を起こすリスクが高いことが、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のDaniel Gottlieb氏らによる研究から明らかになった。同氏は「十分な睡眠を取ることは、心血管や代謝に良い影響を及ぼすだけでなく、事故のリスクを低減するためにも重要だ」と強調している。この研究結果は「BMC Medicine」3月20日オンライン版に掲載された。

この研究は、地域住民において睡眠時無呼吸や睡眠時間、眠気が自動車事故にどのように影響しているかを評価するためにGottlieb氏らが実施したもの。対象は、米国立心肺血液研究所(NHLBI)が実施した前向き観察研究であるSleep Heart Health Studyの参加者のうち、追跡開始から2年後の質問票に回答し、睡眠や自動車運転に関するデータが得られた40~89歳の男女3,201人(平均年齢62歳)だった。

このうち222人(6.9%)に過去1年間で1回以上の自動車事故の経験があった。解析の結果、重症の睡眠時無呼吸があると、睡眠時無呼吸がない場合と比べて自動車事故リスクが123%上昇することが明らかになった。また、軽症~中等症の睡眠時無呼吸の場合でも、睡眠時無呼吸がない場合と比べて同リスクは13%上昇することが示された。

さらに、睡眠時無呼吸がなくても夜間の睡眠時間が6時間と短い場合、睡眠時間が7~8時間の場合と比べて自動車事故リスクが33%上昇することも分かった。しかも、睡眠時無呼吸や睡眠不足による自動車事故リスクの上昇は、過度の眠気を感じない人でも認められることが明らかになった。

この結果について、Gottlieb氏は「十分な睡眠を取っていないと思考力が低下し、反応が遅くなるため、事故のリスクが高まる」と説明。また、「今回の研究では、睡眠時無呼吸が軽症の人の場合、眠気を自覚している人の方が事故リスクは高いことが示されたが、重症の人の事故リスクは睡眠時無呼吸がない人の2倍以上だっただけでなく、眠気の自覚の有無でリスクの差はみられなかった」として、「最も重要なのは、眠気を自覚していない人でも自動車事故リスクは上昇するという点だと考えられる」と指摘している。

睡眠時無呼吸は睡眠中に一時的に呼吸が停止する無呼吸が繰り返し起こる状態を指し、睡眠の質の低下や過度の眠気をもたらす。Gottlieb氏らによると、米国では女性の6人に1人、男性の3人に1人に睡眠時無呼吸が認められる。また、睡眠不足の人も多く、米国の成人の25~30%は睡眠時間が6時間以下であるという。

今回の研究結果を受け、州知事幹線道路安全協会(GHSA)のKara Macek氏は「居眠り運転は深刻な問題でありながら、あまり注目されていない」と指摘する。同氏によると、睡眠不足の米国民は約8400万人に上ることが2016年の調査で明らかになっているという。同氏は「例えば、21時間眠らずに過ごすと、血中アルコール濃度が飲酒運転の基準値である0.08%の状態と同程度の意識状態になる。しかし、居眠り運転は飲酒運転ほど問題視されていない」と話し、質の高い睡眠を十分取ることの価値をより重視する文化に変えていく必要があると強調している。(HealthDay News 2018年4月11日)

https://consumer.healthday.com/sleep-disorder-information-33/apnea-sleep-problems-news-624/even-when-you-think-you-re-not-sleepy-your-car-crash-risk-rises-732810.html

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33317

朝型の人と夜型の人、どちらが長生きする?

早寝早起きが苦にならない朝型の人と比べ、宵っ張りで朝寝坊の夜型の人は短命に終わる可能性が高いことを示唆する研究結果が「Chronobiology International」4月11日オンライン版に発表された。クロノタイプ(日中の活動や睡眠のリズムの傾向)が夜型の人では、朝型の人と比べて早期死亡リスクが10%高いことが分かったという。

この研究は、米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部神経学准教授のKristin Knutson氏らが実施したもの。英国の大規模なコホート研究であるUK Biobankに参加した38~73歳の男女43万3,268人を対象に平均6.5年追跡し、クロノタイプと全死亡リスクとの関連について検討した。クロノタイプは質問票を用いた調査データに基づき「完全な朝型」(対象者に占める割合は27%)、「どちらかといえば朝型」(同35%)、「どちらかといえば夜型」(同28%)、「完全な夜型」(同9%)の4つのタイプに分類した。

年齢や性別、民族、喫煙の有無、体格指数(BMI)、睡眠時間、社会経済的状況、併存疾患で調整して解析した結果、完全な朝型と比べて完全な夜型では全死亡リスクが10%高いことが分かった。また、完全な夜型では健康上の問題を抱えるリスクも高く、完全な朝型と比べて精神障害リスクは1.94倍、糖尿病リスクは1.30倍、神経障害リスクは1.25倍、胃腸/腹部疾患リスクは1.23倍、呼吸器疾患リスクは1.22倍であることも明らかになった。

今回の研究は関連が認められたに過ぎず、朝型の人に比べて夜型の人の健康状態が悪い理由も明らかにされていない。Knutson氏は「夜遅くまで起きていると、飲酒や喫煙、間食、ドラッグの使用といった不健康な行動に及ぶ機会が多くなる可能性が考えられる」と指摘。また、「夜型の人は体内時計が朝型の社会生活に適合しないため、長期的にさまざまな問題につながってしまうのかもしれない」との見方を示している。

なお、米マウントサイナイ・ヘルスシステムのAndrew Varga氏は「体内時計と社会生活を送るための行動とのずれによって健康が悪化するという考え方は、日中に睡眠を取り、夜間に働くことが多いシフト勤務者で死亡リスクや心血管疾患リスクなどのさまざまな健康リスクが高いことを示したこれまでの研究でも支持されるものだ」と指摘。「食事や睡眠のタイミングはインスリンの分泌量に影響し、糖尿病リスクを高めることが報告されているなど、生体リズムはさまざまな機序で健康状態を左右する」と説明している。

では、夜型の人はどのような対策を取ればよいのだろうか。Knutson氏は、徐々に就床時間を早め、朝型の生活リズムに合わせるようにすることを勧めている。この際、毎晩少しずつ早めることが重要で、「いきなり通常よりも2~3時間早く寝ようとしても成功しない」としている。また、シフト勤務などで夜型の生活を送らざるを得ない場合には、健康的な食事や運動、十分な睡眠時間の確保などを心掛けることで、健康上の問題をある程度は回避できる可能性があると助言している。(HealthDay News 2018年4月12日)

https://consumer.healthday.com/sleep-disorder-information-33/misc-sleep-problems-news-626/who-lives-longer-night-owls-or-early-birds-732848.html

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Macro of mosquito (Culex pipiens) ready to sting isolated on black

蚊に最も刺されやすいのは中間所得層?

蚊に刺される確率は地域の所得水準によって異なる可能性があることが、米ケアリー生態系研究所のShannon LaDeau氏らによる研究から明らかになった。この研究では、最も蚊に刺されやすい地域は中間所得者が多く住む地域であることが示唆されたという。詳細は「Parasites & Vectors」4月10日オンライン版に掲載された。

LaDeau氏らは今回、米メリーランド州ボルチモア市の5つの地域で約2年間をかけて捕獲した2万匹以上の蚊から採取した胃の内容物のDNAを解析し、最後に吸った血液を調べた。その結果、世帯収入の中央値が約2万6,000ドル(約280万円)の低所得地域では、空き地や手入れが不十分な庭など蚊の繁殖に適した場所が多いため蚊の数は多かったが、この地域で捕獲されたヒトスジシマカが吸った血液の7割超はネズミの血液で、人間の血液の割合は約6%と低かった。

一方、世帯収入の中央値が約5万6,000ドル(約600万円)の高所得地域では、捕獲された蚊の数は最も少なかったが、ヒトスジシマカが吸った血液の半分は人間の血液だった。また、全体的にみると人間が最も蚊に刺されやすいのは世帯収入の中央値が4万1,000ドル(約440万円)の中間所得地域であることが示唆された。

なぜ、地域によってこのような差がみられるのだろうか。LaDeau氏は「それぞれの地域に住む人々の習慣の違いが影響しているのではないか」との見方を示す。例えば、低所得地域の住民は暖かい日には玄関前の階段や舗装された場所で過ごすことが多く、蚊やネズミが集まりやすい手入れされていない空き地で過ごすことは少ない。一方、高所得地域の住民は蚊の多い庭や公園などの緑地で過ごすことが多く、中間所得地域の住民も蚊が繁殖しやすい管理されていない庭など緑の多い場所で過ごすことを好む人が多いため、蚊に刺されやすい可能性が高いという。

LaDeau氏は「新たなウイルスがどのように拡散するかの予測に今回の知見が役立つ可能性がある」と説明。また、「低所得地域でネズミを駆除すれば蚊の発生を抑えることができるのか、あるいは単に蚊の標的がネズミから人間に移るだけなのかといった疑問も浮上した」としている。

この疑問について、米国感染症学会(IDSA)の会員で蚊媒介感染症の専門家であるDuane Gubler氏は「ヒトスジシマカなどのヤブカ属の蚊が多くを占めるボルチモアでは、ネズミを減らしても蚊が減少するとは考えにくい。ヤブカ属の蚊は、遭遇したどんな動物でも吸血の標的とするからだ」と話す。また、同氏は「蚊が発生しやすいかどうか、あるいは人間が蚊の標的となりやすいかどうかは、地域の環境やそこに住む住民の行動によって左右されることは以前から知られていた」として、「今回の研究結果に驚きはない」とコメント。その一方で、「今回の研究から得られた情報は、公衆衛生当局が蚊の対策を進める上で重要だ」と強調している。

なお、Gubler氏によると、蚊の発生を抑えるには家の周辺の水たまりをなくすことが有効だ。ただし、他人の家の庭にまで手を入れることはできないため、外出する時には長袖や長ズボンを着用し、虫除けを用いるなどの対策を講じる必要がある。また、近くに管理が不十分な空き地などがある場合は、地元の公衆衛生当局や地域団体に連絡することを同氏は勧めている。(HealthDay News 2018年4月10日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/safety-and-public-health-news-585/who-do-city-mosquitoes-bite-most-732766.html

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1-1 HDN4月19日「パッケージニュース」No.1

米国でカフェインのサプリが販売禁止に

米食品医薬品局(FDA)は4月13日、純カフェインまたは高濃度カフェインを含有するサプリメントの販売を禁止すると発表した。違法に販売されている製品についても「市場からなくすための準備はできている」としている。

規制の対象となるのは、消費者に直接バルク(個包装されていない状態)でまとめて大量に販売されている粉末状または液状の純カフェインまたは高濃度カフェインのサプリメント。カフェインが含まれる医療用の処方薬や市販薬、昔から飲まれているカフェイン入り飲料などの一般的な食品は規制の対象外となる。

FDAは2014年、カフェインのサプリメントの過剰摂取に関連したそれまで健康だった男性の死亡例が2例報告されたことを受け、2015年および2016年に純カフェインまたは高濃度カフェインのサプリメントの摂取によるリスクについて注意喚起を行っていた。

FDA長官のScott Gottlieb氏は、プレスリリースで「以前からさまざまな対策を講じてきたにもかかわらず、純カフェインや高濃度カフェインはサプリメントとして消費者に販売され続けてきた。しかし、これらの製品の中にはひと箱に数千回分に相当する大量のサプリメントが入った状態で販売されているものもある」と説明。その上で「こうした製品を摂取すれば活力が得られると信じてスポーツ用ドリンクに混ぜて飲むなど、危険を伴う方法で摂取している若者は少なくない。また、個包装になっていないため計量が難しく、過剰摂取や乱用のリスクもある」と指摘している。

FDAによれば、高濃度カフェインの液状サプリメント2分の1カップに含まれるカフェインは約2,000 mg、粉末状の純カフェインの場合はティースプーン1杯に含まれるカフェインは約3,200mgで、これは20~28杯分のコーヒーに含まれるカフェインに相当する。粉末状の純カフェインの場合、テーブルスプーン2杯足らずでほとんどの成人の致死量に達し、小児の場合にはより少ない量でも死亡する可能性があるという。

なお、安全なカフェインの摂取基準は200mg(液状の高濃度カフェインでティースプーン2.5杯分、粉末状の純カフェインで16分の1杯分)とされている場合が多い。(HealthDay News 2018年4月13日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/nutritional-supplements-health-news-504/fda-cracks-down-on-caffeine-loaded-supplements-732931.html

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Senior Man Relaxing In Bed

たった一晩の睡眠不足でアルツハイマー病リスクが増大?

たった一晩でも睡眠が不足すると、アルツハイマー病との関連が指摘されているアミロイドβ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の蓄積量が脳内で増加することが、米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)のEhsan Shokri-Kojori氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」4月9日オンライン版に掲載された。

アミロイドβはアルツハイマー病患者の脳内で認められるアミロイドプラークを構成する主なタンパク質で、アルツハイマー病の発症に関与すると考えられている。また、これまでにマウスやヒトの研究で脳内のAβの蓄積には睡眠不足が関連している可能性があることが示されていた。ただ、ヒトの研究の多くは自己申告による睡眠の質に基づいたものであった。

そこで、Shokri-Kojori氏らは今回、睡眠不足による脳内Aβ蓄積への影響をより正確に評価するため、22~72歳の健康な男女20人(平均年齢39.8歳、10人が女性)を対象とした研究を実施した。

この研究では、対象者が実験室に二晩にわたって宿泊し、一晩目には十分に睡眠を取り、二晩目には一睡もしないよう指示した。また、それぞれ翌朝に対象者の脳内のAβ蓄積量を定量化するためPET(陽電子放射断層撮影)と放射性薬剤(18F-florbetaben)を用いたアミロイドPET検査を実施した。

その結果、十分に睡眠を取った翌朝と比べて一睡もしなかった翌朝には脳内のAβの蓄積量が有意に増加していることが分かった。また、Aβ蓄積量の増大は、記憶に関連する海馬や感覚情報を伝達する視床などの脳領域で認められた。

米マウントサイナイ・ヘルスシステム睡眠医学のAndrew Varga氏によると、一部の専門家の間では神経細胞の「発火(活動電位が発生すること)」がAβの産生に寄与していると考えられているという。「眠らないと神経細胞が発火し続けるため、Aβの蓄積につながる可能性がある。一方、睡眠中は神経細胞が縮小し、細胞間に空間ができるためAβなどの不要な物質が排出されやすくなる」と同氏は説明する。

しかし、睡眠不足がアルツハイマー病リスクに直接的に関連するかどうかを明らかにするためには、さらなる研究が必要だと専門家は口を揃える。今後の研究課題について、Shokri-Kojori氏は「一時的な不眠によってAβが蓄積しても、一晩ぐっすり眠れば消失するのか否かについて検討する必要がある」と指摘。また、Varga氏は「脳内にAβが蓄積した状態が続くと神経細胞が凝集しやすくなるのかどうかを明らかにすべきだ」としている。(HealthDay News 2018年4月9日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/sleepless-nights-show-ties-to-alzheimer-s-risk-732724.html

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Take a deep breath. Skillful trained private doctor using professional stethoscope for hearing how elderly man breathing and diagnosing him

COPDリスクを高める「小児期の経験」

喫煙によって発症リスクが高まることで知られる慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、中高年層で発症しやすいため「成人の疾患」とみられがちだ。しかし、COPDの発症には小児期の喘息や受動喫煙などの経験が影響している可能性があることが、2件の研究で示唆された。これらの研究論文は「The Lancet Respiratory Medicine」4月5日オンライン版に掲載された。

1件目の研究は、メルボルン大学(オーストラリア)アレルギー・呼吸器医療ユニットのShyamali Dharmage氏らが実施したもの。タスマニア州(オーストラリア)の地域住民を長期にわたって追跡調査した前向き研究(Tasmanian Longitudinal Health Study;TAHS)のデータを用いて小児期のさまざまな因子と後のCOPDリスクとの関連について検討した。

対象は7歳、13歳、18歳、45歳、50歳、53歳の時点で肺機能検査を受けた男女2,438人。7歳から35歳までの肺機能の変化を6パターンに分類して解析した結果、肺機能が平均レベルの場合と比べて(1)小児期から中年期にかけて一貫して低い(2)小児期には平均レベルをわずかに下回る程度だったが成人後に一気に低下(3)小児期から中年期にかけて一貫して平均レベルをわずかに下回る―の3つのパターンがCOPDリスクに関連していた。

また、53歳までに発症したCOPDの4分の3を、こうした3つのパターンで示される小児期からの肺機能低下で説明できることが分かった。さらに、これら3つのパターンには小児期の喘息や気管支炎、肺炎、アレルギー性鼻炎、湿疹、親の喘息、受動喫煙のほか、本人の喫煙や成人期の喘息といったリスク因子が関与していることも明らかになった。

COPDの主要なリスク因子は喫煙だが、この研究では小児期のさまざまな因子も後のCOPDリスクを高めることが示唆された。この結果を踏まえ、Dharmage氏は「The Lancet」のプレスリリースで「COPDリスクを抑えるためには親の禁煙やワクチン接種の奨励、本人の禁煙が重要だ」との見解を示している。

一方、英ブリストル大学のJohn Henderson氏らが2,632人の肺機能を出生時から24歳まで追跡した2件目の研究では、生後1~6カ月時に肺機能の低下が認められた乳児の約4分の3は、小児期に肺機能が大きく改善していたことが分かった。このことから小児期は肺機能を向上させる絶好のタイミングであり、成人後のCOPDリスクの低減にもつながる可能性があるとして、同氏らは「幼少期に最大限の肺の成長を促すための介入を行えば、成人後のCOPDリスクを抑えることができるかもしれない」との見解を示している。

COPDは慢性かつ進行性の呼吸器疾患で、治癒することはほとんどない。米国肺協会(ALA)によると、米国ではCOPDの患者数は1100万人を超え、死因の第3位となっている。

米レノックス・ヒル病院のAnn Tilley氏は「今回報告された2件の研究から、成人の肺疾患リスクに小児期の因子が重要な影響を与えている可能性が示された。子どもを受動喫煙から守り、小児喘息の子どもには確実に最善の治療を受けさせることが、子どもの肺の健康を生涯にわたって良好に保つために親ができることだといえそうだ」と話している。(HealthDay News 2018年4月6日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/copd-966/copd-is-an-adult-killer-but-its-origins-may-lie-in-childhood-732645.html

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4.1.1

世界一辛いトウガラシで激しい頭痛、脳動脈に異常も

トウガラシを食べると救急科を受診しなければならないレベルの激しい頭痛が起こる可能性があることを、覚えておいた方が良いかもしれない―。トウガラシを食べるコンテストに参加した男性が、世界で最も辛いとされている種類のトウガラシを食べた後に「雷鳴頭痛」と呼ばれる激しい頭痛に苦しんだとする報告書が「BMJ Case Reports」4月9日オンライン版に掲載された。CT検査では脳動脈の一部の攣縮が認められ、男性は可逆性脳血管攣縮症候群(RCSV)と診断されたという。

報告書を執筆した米バセット・メディカルセンターのEdward Bischof氏らによると、この男性は34歳。ニューヨーク州で開かれたトウガラシを食べるコンテストで、世界で最も辛いトウガラシとされる「キャロライナ・リーパー」という種類のトウガラシを食べたという。その直後に男性は吐き気を催し、さらに数日間にわたって激しい首の痛みと頭痛が数秒間持続する症状が繰り返しみられた。

男性は救急科を受診し、さまざまな神経症状の検査を受けたが、異常はなかった。しかし、CT検査で脳動脈の一部の攣縮が認められ、RCVSによる雷鳴頭痛と診断された。その後、この男性の症状は自然消失し、5週間後のCT検査では脳動脈が正常に戻っていたという。

RCVSには必ずしも明確な原因があるわけではないが、特定の処方薬や違法ドラッグに反応して発症する場合がある。Bischof氏らによれば、トウガラシの摂取によるRCVS発症例の報告はこれまでなかったが、以前からカイエンペッパーの摂取が冠動脈の攣縮や急性心筋梗塞と関連していることが報告されている。

今回の症例報告について、米ノースウェル・ヘルス頭痛センター所長のNoah Rosen氏は「可逆的だが危険な脳動脈の攣縮に抗うつ薬や精神刺激薬、マリファナが関連することは分かっていたが、今回の報告からカプサイシンも関連する可能性が示された」と説明。その上で「治療は対症療法しかないため、問題を起こしうるこれらの物質の摂取を避けるしかない。したがって、世界一辛いトウガラシを食べようとしているなら、それは考え直した方が良い」と話している。(HealthDay News 2018年4月9日)

https://consumer.healthday.com/head-and-neck-information-17/headaches-health-news-345/one-man-got-a-nasty-surprise-from-world-s-hottest-chili-pepper-732695.html

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33180

高齢になっても脳神経細胞は増え続ける

高齢になると脳細胞は減るばかりで増えることはないと一般的に考えられているが、こうした考えを覆す新しい研究結果が「Cell Stem Cell」4月5日オンライン版に掲載された。14~79歳で急死した健康な男女の脳を剖検した結果、高齢者でも若い人と同様に、記憶や学習に重要な役割を担う脳の海馬で前駆細胞から新しい神経細胞(ニューロン)を生成する能力がある可能性が示唆されたという。

これまでマウスやサルなどを用いた基礎研究では、高齢になると脳細胞を新しく生成する能力は失われることが示されているが、ヒトの脳の研究では異なる結果が得られており、結論には至っていない。

今回の研究では、14~79歳で急死した男女28人の脳の海馬を剖検した。対象者には認知症やその他の神経疾患、精神病性障害の診断を受けた人はいなかった。その結果、高齢者と若者の脳では中間型の前駆細胞と未熟な神経細胞がほぼ同数見つかったほか、海馬の容量に年齢で差はみられないことが分かった。

研究を率いた米コロンビア大学准教授のMaura Boldrini氏は「高齢になっても脳内に(神経細胞に分化する)前駆細胞が存在することを示すこの結果は、高齢者にとって朗報だ」と述べている。

ただし、健康な79歳の脳が29歳の若々しい脳と全く同じというわけではなさそうだ。研究では、高齢者の脳は血管新生が少なく、一部の海馬領域では静止期の前駆細胞プールが小さいことも明らかになった。

専門家の一人で米ウェイル・コーネル医科大学のEzriel Kornel氏は「高齢者の脳でも若い人の脳と同じように新しい神経細胞同士で信号を伝達したり、機能したりするかどうかは分かっていない」と指摘する。一方で、同氏はこの研究結果は有望だとも評価しており、「高齢者の脳で神経細胞を生成させ、細胞同士の信号伝達を促進する因子について、さらに研究を進めていく必要がある」と述べている。

また、Kornel氏は、健康な高齢者と認知症の高齢者の脳を比較することにも興味を示している。Boldrini氏もこの意見に同意し、「これまでの研究で、アルツハイマー病で死亡した人の脳の海馬では神経細胞の数が減ることが分かっている。しかし、この理由が、神経細胞が生成されなくなったためなのか、神経細胞が死滅した結果なのかは明らかになっていない」と話す。同氏は、健康な高齢者の脳と認知症患者の脳を比較することで、高齢でも認知機能が衰えない人がいる理由を突き止められる可能性や新しい認知症治療の開発につながる可能性があるとしている。

さらに、Boldrini氏は「高齢になっても若々しい海馬を維持している人が実践している生活習慣を知ることも大切だ」と強調する。アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Association)によると、多くの研究で喫煙をしない、適正体重や正常血圧を維持する、健康的な食生活を送る、定期的に運動するといった生活習慣因子や社会的活動、知的活動が認知症リスクと関連することが報告されているほか、運動によって海馬の神経細胞の生成が促進される可能性も示されているという。(HealthDay News 2018年4月5日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/older-brains-replenish-cells-just-like-young-brains-study-732668.html

(参考情報)
Abstract/Full Text
http://www.cell.com/cell-stem-cell/fulltext/S1934-5909(18)30121-8

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1-1 HDN4月16日「パッケージニュース」No.2

薬が効かない「スーパー淋菌」に警鐘、米専門家ら

今年はじめ、ある英国人男性が一般的に使用されている抗菌薬が効かない「スーパー淋菌」に感染していたことが明らかになり、人々に衝撃を与えた。専門家らは、今後このような多剤耐性淋菌の感染は米国でも広がる可能性があるとして、警鐘を鳴らしている。

英国人男性の「スーパー淋菌」感染の報告は、感染症の専門家の間では想定内だったようだ。米アラバマ大学バーミングハム校のEdward Hook氏は「淋菌感染症の治療に抗菌薬が用いられるようになったころから淋菌は薬剤耐性を獲得し始めていたため、このような事態になることは予想されていた」と説明する。米ノースショア大学病院のBruce Farber氏もこれに同意し、「米国でも薬剤耐性淋菌はさまざまな地域で確認されている。英国で認められた株ほど極端なものではないが、今や米国でも薬剤耐性淋菌は珍しいものではない」と話す。

淋菌感染症は比較的高頻度にみられる性感染症の一つで、世界保健機関(WHO)によると世界の新規感染者数は年間7800万人と推定されている。米国では淋菌感染症は増加傾向にあり、その報告数は2015年から2016年にかけて19%増加したことが米疾病対策センター(CDC)の調査で明らかにされている。

増加の背景について、米ジョンズ・ホプキンズ大学医療安全センターのAmesh Adalja氏は「危険な性行動との関連が指摘されている」と説明。その上で「(英国で認められた)抗菌薬に強い耐性を示す淋菌が米国にも入ってくれば、淋菌感染症が大流行することも考えられる。医師が治療不可能な淋菌感染症の患者に遭遇するようになる可能性は否定できない」と危機感を示している。

前出のHook氏によると、淋菌感染症の患者が最も多いのは15~24歳の若者で、特に性的に活発な人や、複数の性的パートナーがいる人はリスクが高いという。通常は淋菌に感染しても死に至ることはまれだが、女性の不妊や流産のリスクを高めることが分かっている。

なお、「スーパー淋菌」に感染した英国人男性は、アジアで女性と性的関係を持った1カ月後に発症したとされている。発症後、男性は医療機関で第一選択薬の抗菌薬であるアジスロマイシンとセフトリアキソンによる治療を受けたが、効果が認められなかった。Washington Post紙によると、その後男性にはertapenem(日本では未承認)と呼ばれる別の種類の抗菌薬が静脈内投与され、奏功したとみられている。

現在、淋菌感染症の治療に使用できる2種類の新たな抗菌薬が開発中であるという。また、ニュージーランドの研究グループは昨年、MeNZBと呼ばれる髄膜炎ワクチンによって淋菌感染症の感染を約30%予防できたとする研究結果を「The Lancet」で報告している。

淋菌感染症の感染を予防するにはコンドームの使用も有効だ。さらに、淋菌に感染しても症状がみられない場合もあるため、Hook氏らは「一定期間に複数の相手と性行為を経験した人は、症状がなくても性感染症の検査を受けてほしい」と呼び掛けている。(HealthDay News 2018年4月4日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/antibiotics-news-30/super-drug-resistant-gonorrhea-coming-to-u-s-experts-say-732607.html

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