1HDN10月15日「パッケージニュース」No.1

ビタミンDサプリメントは高齢者の骨の健康に影響しない?

ビタミンDサプリメントの摂取は骨を丈夫にし、高齢者の骨粗鬆症予防に有効とされている。しかし、英アバディーン大学のAlison Avenell氏らが実施した新たな研究から、ビタミンDサプリメントを摂取しても、こうした効果は認められない可能性があることが分かった。過去の研究をレビューした結果、用量にかかわらず、ビタミンDサプリメント摂取が骨折や転倒を予防し、骨密度の増加につながるとするエビデンスは認められなかったという。詳細は「The Lancet Diabetes and Endocrinology」10月4日オンライン版に掲載された。

脂溶性ビタミンの一つであるビタミンDを豊富に含む食品は少なく、ビタミンDは主に紫外線を浴びることによって体内で生成される。Avenell氏によると、ビタミンDサプリメントは多くの人が摂取している身近なもので、北米では高齢者の40%が習慣的に摂取しているとの報告もある。また、ビタミンDサプリメントの摂取は、ビタミンD欠乏を原因とする小児のくる病や成人の骨軟化症の予防や、紫外線に当たる機会が少ない介護施設の入所者などのビタミンD欠乏症リスクが高い人に有用なほか、がんや心疾患を予防するとのエビデンスもあるという。

Avenell氏らは今回、18歳を超える男女を対象に、ビタミンDサプリメント摂取による骨折や転倒の予防、骨密度の増加への有効性を未治療群やプラセボ投与群などと比較検討したランダム化比較試験のシステマティックレビューを実施。基準を満たした81件の研究を対象にメタ解析を行った。

対象とした研究には計5万3,537人が参加した。これらの研究の多くは、ビタミンD単独投与の有効性を検討したもので、カルシウムとビタミンD併用による骨折予防効果は、血中ビタミンD値が極めて低い高齢者を対象とした1件のみで認められた。また、研究のほとんどは、1日に800IU(国際単位)を超えるビタミンDを摂取している65歳以上の女性を対象としたものであった。解析の結果、ビタミンDサプリメント摂取による全ての骨折、特に大腿骨骨折や転倒の予防効果と骨密度の増加は認められなかった。また、ビタミンDサプリメントの摂取量が高用量と低用量でこれらの効果に差はみられないことも明らかになった。

強い骨を維持するには、まずは運動を行い、喫煙をしないこと、痩せすぎないこと以外にも骨粗鬆症治療薬を使用するなどの方法がある。Avenell氏は、今回の結果に基づき、「骨の健康を保つためにビタミンDサプリメントの摂取を推奨する現行のガイドラインの内容を改定する必要がある」と指摘している。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のMinisha Sood氏は、今回の結果について、「医師は、ビタミンDサプリメント摂取は健康な骨を維持する役割を担っていない可能性があることを認識すべきだ」と述べる一方で、「ビタミンDサプリメントの摂取には丈夫な骨を保つこと以外にもベネフィットがある可能性がある」と指摘する。同氏によれば、これまでの研究でビタミンDをカルシウムと同時に摂取すると一部のがんを予防できるほかに、加齢による記憶力の低下を防止できる可能性も示唆されているという。また、「血中ビタミンD値が低い人では、依然としてビタミンD補充は欠かせない」と同氏は述べている。(HealthDay News 2018年10月4日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/vitamin-and-mineral-news-698/vitamin-d-supplements-won-t-build-bone-health-in-older-adults-study-738359.html

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1HDN10月15日「パッケージニュース」No.2

米国成人36.6%がほぼ毎日ファストフードを食べている、CDC調査

2013年から2016年には、米国成人の36.6%がどの日でもファストフードを食べていたことが、米疾病対策センター(CDC)による調査で明らかになった。調査に関する報告書はCDCが発行する「NCHS Data Brief」10月号に掲載された。

この調査は、CDC傘下の米国立衛生統計センター(NCHS)のCheryl Fryar氏らが、2013~2016年の米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを分析したもの。調査では、ファストフードを食べた人の割合は、20~30歳代では44.9%、40~50歳代では37.7%、60歳代以上では24.1%と年齢が上がるほど減少傾向にあることも分かった。

また、一般にファストフードは貧困層で食べる頻度が高いと思われがちだが、収入が高いほどその頻度は高いことが明らかになった。例えば、ファストフードを食べていた人の割合は、低所得層では31.7%だったのに対し、中間層では36.4%、高所得層では42.0%であった。

人種別にみると、黒人では42.4%、白人では37.6%、ヒスパニック系では35.5%、アジア系では30.6%であった。さらに、女性よりも男性の方がファストフードを食べる頻度が高かった。

こうした結果を受け、専門家の一人で米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのLiz Weinandy氏は「ファストフードを食べれば食べるほど2型糖尿病や心疾患、メタボリックシンドロームになりやすいことは明らかだ。しかし、米国人の多くはその危険性を十分に認識していない」と警鐘を鳴らしている。

一方、別の専門家で米レノックス・ヒル病院の管理栄養士であるMelanie Boehmer氏は「この調査結果から、ファストフードは一般に健康に悪いと考えられていても、われわれの生活にいかに定着しているかがうかがえる」と指摘する。こうした現状を鑑み、同氏は、政策決定者や医師、健康食推進団体はそれぞれファストフード業界に打ち勝つ方法を模索しなければならないと強調する。その上で、「便利で、手頃な値段で、おいしく健康的な選択肢を幅広く提供できるようになれば、誰にとっても有益だ」と同氏は話している。

Weinandyもこの意見に同意し、「ファストフードを完全になくさなくてもよいが、日常的に食べるのはやめるべきだ。自分がファストフードをどのくらいの頻度で食べているかを意識し、週に1回を超えていれば半分に減らすべきだ」と助言している。(HealthDay News 2018年10月2日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/what-did-americans-eat-today-a-third-would-say-fast-food-738277.html

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1HDN10月15日「パッケージニュース」No.3

妊娠合併症があるとホットフラッシュになりやすい?

妊娠高血圧や妊娠糖尿病といった妊娠合併症に苦しんだ女性は、更年期にホットフラッシュになりやすい可能性があることが、米オクラホマ大学健康科学センターのRhoda Conant氏らによる研究で示唆された。この研究結果は北米閉経学会(NAMS、10月3~6日、米サンディエゴ)で発表された。

Conant氏らによると、ホットフラッシュや妊娠高血圧、妊娠糖尿病はいずれも血管内皮機能障害の関与が指摘されている点で共通しているという。そこで、ホットフラッシュとこれらの妊娠合併症の関連について調べるため、同氏らは今回、全米の女性を対象とした大規模コホート研究であるStudy of Women’s Health Across the Nation(SWAN)研究に参加した2,200人超のデータを分析した。

その結果、妊娠糖尿病や妊娠高血圧があると、後年にホットフラッシュの頻度が高いことが分かった。一方、妊娠経験のない女性ではホットフラッシュの頻度は低かった。さらに、妊娠転帰やホットフラッシュの頻度には教育レベルなどの社会的因子が影響することも明らかになった。なお、「こうした妊娠合併症の既往歴がある女性は、より体重が重く、脂質低下薬や糖尿病治療薬の服用率が高いことも分かった」とConant氏はNAMSのプレスリリースで説明している。

以上の結果を踏まえ、Conant氏は「妊娠糖尿病や妊娠高血圧腎症といった妊娠合併症は、その後の長期にわたる健康状態、特に中年期の心血管の状態に大きく影響することが、今回あらためて示された」と説明している。ただし、この研究では妊娠合併症と更年期のホットフラッシュとの関連が認められただけで、因果関係が証明されたわけではない。

女性の60~80%が更年期にホットフラッシュを経験すると推定されている。NAMS事務局長のJoAnn Pinkerton氏は「ホットフラッシュに苦しむ女性は極めて多い。医療従事者は更年期のホットフラッシュに影響する可能性がある全てのリスク因子を十分に理解しておく必要がある」と話している。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年10月3日)

https://consumer.healthday.com/pregnancy-information-29/pregnancy-risks-news-546/pregnancy-complications-tied-to-more-menopausal-hot-flashes-738118.html

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1HDN10月15日「パッケージニュース」No.4

乳がん経験者のケモブレインにアルツハイマー病遺伝子が関与か

乳がん経験者でしばしばみられる化学療法が原因で生じる認知機能障害、いわゆる「ケモブレイン」は、アルツハイマー病に関連するAPOE4遺伝子を保有する女性のみで現れる可能性があることが、米ジョージタウン・ロンバルディ総合がんセンター腫瘍学教授のJeanne Mandelblatt氏らによる研究で示唆された。詳細は「Journal of Clinical Oncology」10月3日オンライン版に発表された。

Mandelblatt氏らは今回、認知症のない60~98歳の乳がん患者344人と年齢を一致させた健康な女性347人(対照群)を対象に、乳がんとその治療が認知機能の低下に及ぼす影響を調べた。対象者には研究開始時(治療開始前)に13種類の認知機能の検査を実施し、その1年後および2年後にも再検査を行った。

その結果、ホルモン療法を受けた女性では、APOE4遺伝子保有の有無にかかわらず、長期にわたる認知機能の低下はみられないことが分かった。一方、APOE4遺伝子を保有する女性が化学療法を受けた場合には、思考力と記憶力の低下が認められることが明らかになった。

Mandelblatt氏は「化学療法を受けた後に認知機能障害がみられる女性はごく一部であったが、そうした女性たちが他の女性たちと異なっていたのはAPOE4遺伝子を保有しているという点だった」と説明する。ただ、今回の研究では乳がん生存者のほとんどで化学療法やホルモン療法を受けた後に、治療を原因とする長期的な認知機能の低下はみられなかった。このことは、多くの乳がん生存者にとって良いニュースだと同氏は話している。

また、Mandelblatt氏は「APOE4遺伝子はアルツハイマー病の極めて強い遺伝的なリスク因子だ。おそらく化学療法とこの遺伝子が制御する何かとの間に相互作用が働いているのだろう」と考察している。ただし、この研究はAPOE4遺伝子がケモブレインの原因であることを証明したものではないため、「この結果が今後の研究で追認されるまでは慎重に解釈すべきだ。また、そのメカニズムや経路について解明を進める基礎研究も必要だ」と同氏は述べている。

なお、Mandelblatt氏によると、APOE4陽性者の割合はわずか20~25%で、高齢の乳がん患者のうち化学療法を受ける女性の割合は30%未満だという。さらに、今回の研究で観察された認知機能の低下度はわずかなもので、アルツハイマー病患者でみられるレベルではなかったとして、同氏は「化学療法を受ける乳がん女性は、重度の記憶障害が起こるのではないかと心配しないでほしい」と強調している。その上で、治療選択ではがんを克服することを目的とした治療を優先すべきだと付け加えている。

専門家の一人で米国がん協会(ACS)のLen Lichtenfeld氏もこれに同意し、「現在は化学療法を必要最小限に抑える治療が主流となっているが、がんが再発すればAPOE4遺伝子を保有していても化学療法は避けられない可能性がある」と指摘する。一方、APOE4遺伝子の保有状況を考慮してガイドラインを改定したり、遺伝子検査をルーチンで実施する前にはさらなる研究が必要だとの見方を示している。(HealthDay News 2018年10月3日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/alzheimer-s-gene-tied-to-chemo-brain-in-breast-cancer-survivors-738322.html

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1HDN10月11日「パッケージニュース」No.1

十分な水分摂取が女性の尿路感染症予防に有用か

尿路感染症の再発を繰り返す女性は、水分摂取量を普段より増やすと再発リスクが大幅に低下する可能性があることが、米マイアミ大学のThomas Hooton氏らによる新たな研究で示された。

詳細は「JAMA Internal Medicine」10月1日オンライン版に掲載された。

この研究は、過去1年以内に尿路感染症が3回以上再発した閉経前女性140人を対象としたもの。研究開始時における参加者の1日の水分摂取量は1.5L(約240mLのコップで6杯分)未満であった。参加者の半数を普段通りの水分摂取に加えてさらに1.5L摂取する群に、残りの半数を普段の水分摂取量を維持する群にランダムに割り付けて1年間追跡した。

その結果、追跡期間中の尿路感染症の平均再発回数は、普段通りの水分摂取量を維持した群では3.2回であったのに対し、水分摂取量を増やした群では1.7回であり、水分摂取量を増やすと再発リスクは有意に低下することが分かった。さらに、水分摂取量を増やした群では、抗菌薬の服用回数も有意に減少することが明らかになった。Hooton氏らによると、尿路感染症の主な治療は抗菌薬投与であるが、抗菌薬の過剰投与を控えることは薬剤耐性菌を増やさないためにも重要だという。

これらの結果を受け、Hooton氏は「これまでも水分摂取量を増やすと尿路内の細菌が洗い流されて、尿路感染症の再発リスクは低下すると考えられていたが、それを裏付ける研究データはなかった。今回のような試験の実施は遅すぎたくらいだ」と話している。ただ、同氏は「今回の研究では、尿路感染症の再発リスクを低減するのに最適な水分摂取量は明らかになっておらず、尿路感染症の再発リスクが比較的低い女性における有効性についても分かっていない」と強調している。

女性の健康に詳しい米ノースウェル・ヘルスのJill Rabin氏は「水分の摂取量を増やすこと自体にリスクはなく、水道水なら費用もかからない。尿量が増えて排尿の頻度が高まれば、膀胱に尿を貯めないように意識するため、尿路感染症リスクの低減につながると思われる」と説明する。一方、同じく専門家で米レノックス・ヒル病院のElizabeth Kavaler氏は、尿路感染症のリスクを低減するのに必要な水分摂取量は、その女性の生活環境や運動レベル、食事内容などにより異なるのではとの見方を示している。

なお、今回の研究は、ミネラルウォーターのエビアンの製造元であるDanone社の支援を受けて実施された。(HealthDay News 2018年10月1日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/urinary-tract-infection-news-686/drinking-enough-water-could-be-key-to-avoiding-utis-738215.html

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1HDN10月11日「パッケージニュース」No.2

単純なルール改正でアメフトの脳震盪リスクが低減

単純なルールの改正によって、アメリカンフットボール選手のプレー中の安全性が高まる可能性があることが、米アイビーリーグが実施した研究で示された。

キックオフ地点を35ヤードラインから40ヤードラインへと5ヤード(約4.6m)前方に移動させるだけで、脳震盪の年間発生率が平均68%以上も低減したという。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」10月1日オンライン版に掲載された。

論文著者の一人で米ペンシルベニア大学ペン傷害科学センターのDouglas Wiebe氏は、このルール改正により、相手側がキックオフしたボールをキャッチして前進するキックオフリターンの際に選手が衝突する確率が低くなるとしている。キックオフは脳震盪の原因の多くを占め、2015年には、アイビーリーグの試合中の全プレーのうちキックオフの比率は6%に過ぎなかったが、脳震盪の21%はキックオフ時に発生していた。また、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の統計によると、キックオフ時には脳震盪が起こる確率は5倍になると米スポーツ専門チャンネルのESPNは報じている。

こうした状況を踏まえ、アイビーリーグは2016年にキックオフラインの変更を決定した。これは蹴られたボールがゴールラインを越えやすくなり、リターンが減ってタッチバックが増えるようになるのを狙ったものだと、共著者で同センターのBernadette D’Alonzo氏は説明する。これにより、キックオフでタッチバックとなる確率は、2013~2015年のシーズンにおける年間平均17.9%から2016~2017年のシーズンには48%まで増加し、その分、選手同士が衝突する回数が減ったことが明らかになった。また、キックオフ時の脳震盪の発生率は1,000回のプレー当たり10.93回から2.04回まで減少した。

さらに、脳震盪の減少がルール改正による結果であることを確認するため、Wiebe氏らは同じシーズン中の他の全てのフットボールの試合を対照としてキックオフの回数を比較した。その結果、キックオフ以外のプレーでも、ルール改正に伴い、脳震盪の発生率は1,000回当たり2.56回から1.18回に減少したことが分かった。「全体として、このルール改正によりキックオフリターンに起因する脳震盪の発生回数は1,000回当たり7.51回減少した」と同氏は述べている。

NFLは、2011年には既にキックオフ地点を30ヤードラインから35ヤードラインに変更していたが、ある分析では、その後に怪我は減ったものの、頭部外傷は減少しなかったと結論づけられていた。ただし、この研究ではキックオフとキックオフ以外のプレーを比較していなかった。なお、ESPN によれば、NFLは今後、場合によってはキックオフ自体を廃止することも検討中だという。

専門家の一人で米マウントサイナイ脳損傷研究センターのKristen Dams-O’Connor氏は、今回の研究について、「多くの人に愛されるアメフトをどこまで安全なスポーツにできるかを示した優れた実例だ」と賞賛している。米メイヨー・クリニックのMichael Stuart氏もこの考えに同意し、「このルール変更は大きな意味があるものだ」と評価する。一方で、同氏は、脳震盪はキックオフリターンする選手だけでなく、他の選手でもそのリスクは高いことを考慮しながら今後の議論を進める必要がある」と付け加えている。(HealthDay News 2018年10月2日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/concussions-news-733/one-football-rule-change-might-lower-concussion-risk-738264.html

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1HDN10月11日「パッケージニュース」No.3

バイアグラで長期的な色覚異常、米症例報告

高用量の勃起不全治療薬のシルデナフィル(商品名バイアグラ)を使用したところ、眼の網膜が障害され、実際にはない光が見える光視症や、視界に入る物が赤っぽくみえる赤視症といった症状が長期的にみられた―。

そんな症例報告が「Retinal Cases」10月号に掲載された。報告書の著者で米ニューヨーク・マウントサイナイ眼科耳科病院のRichard Rosen氏らは「シルデナフィルによって不可逆的な色覚異常が残る可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

この症例は、両眼ともに視界に入る物が赤っぽく見えるようになったために救急医療クリニックを受診した31歳の男性。受診時に症状は2日間続いていたという。

眼に異常がみられたのは男性がネットで購入した液状のシルデナフィルを服用した後だった。男性は勃起不全治療で使用する1回当たりの推奨量である50mgを大幅に超える量のシルデナフィルを服用したことを医師に明かした。シルデナフィルは適切な量であっても眼の問題を起こす場合はあるが、通常は24時間以内に症状は消失するという。

この男性に網膜電図(ERG)検査や光干渉断層撮影(OCT)などの検査を実施した結果、色覚に関与する網膜の錐体細胞に損傷が認められ、高用量のシルデナフィル使用に関連した網膜毒性と診断された。男性にはさまざまな治療が行われたが、診断から1年以上にわたって赤視症の症状に改善はみられなかった。

Rosen氏は「実際に網膜に構造的な変化が認められるとは予想外だったが、これが患者の苦しんでいる症状の原因だと考えられた」と説明している。また、「色覚障害はシルデナフィルの副作用として既に知られているが、網膜の構造的な変化が視覚化されたことはなかった」としている。

この症例報告を受け、米レノックス・ヒル病院の眼科医であるMark Fromer氏は「シルデナフィルの入手経路や使用量を考慮すると、まれなケースだ」と強調する。ネットで販売されているシルデナフィルには不純物が含まれていた可能性があり、それを大量に使用したことが問題であったとも考えられると指摘している。その上で、同氏は「医師の指導がなくネットで購入した医薬品の使用に警鐘を鳴らす症例報告だ。また、推奨量を厳格に守る必要性をあらためて認識させる報告ともいえる」と話している。

一方、Rosen氏も「今回の知見から、医師はシルデナフィルを過量服用している患者では細胞レベルでの変化がみられる可能性があること認識する必要がある。このことは、シルデナフィルの過量服用に伴う危険性について患者教育の改善にもつながるだろう」と説明している。また、「薬を多く服用するほど効果は高いと考える人は多い。しかし今回、一般に広く使用されている薬剤でも大量に使用するといかに危険であるかが浮き彫りになった」と付け加えている。(HealthDay News 2018年10月1日)

https://consumer.healthday.com/men-s-health-information-24/viagra-news-696/viagra-linked-to-trouble-with-color-vision-report-738234.html

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1HDN10月11日「パッケージニュース」No.4

遺伝子検査、米国人の多くは興味があるが慎重

米国の50~64歳の男女約1,000人を対象とした米ミシガン大学の研究グループによる調査から、遺伝子検査を受けたことがある人の割合はわずかだが、受けることに興味がある人は多いことが明らかになった。

この調査では、大多数が自分の先祖や健康上のリスクに興味はあるものの、加齢黄斑変性やアルツハイマー病、パーキンソン病といった進行性の疾患の遺伝的リスクが高いことが明らかになってしまうことを恐れ、検査を受けるのに慎重になっていることも分かったという。

今回の調査の計画やデータ分析を担当した米ミシガン大学公衆衛生学部教授のScott Roberts氏は、同大学のプレスリリースで「一般成人を対象としたこれまでの調査結果を考慮すると、この年齢層は全般的に遺伝子検査のリスクに対するベネフィットをそれほど高く評価しているわけではないことが示された」と説明している。

50~64歳の男女993人を対象とした今回の調査では、回答者の14%に消費者向け遺伝子検査または医師のオーダーによる遺伝子検査を受けた経験があった。より詳しくみると、10人中1人以上に自らの意志で遺伝子検査を受けた経験があり、医師のオーダーによる遺伝子検査を受けた経験があったのは20人中1人だった。

また、回答者の半数以上が、どのような医療を受けるのかを決める際の指標とするために、遺伝子検査で自分の疾患リスクを明らかにし、先祖について知ることに興味を持っていることも分かった。さらに、70%が「アルツハイマー病リスクについて知っておいた方が良いかもしれない」と回答した。なお、研究グループは、遺伝子検査のメリットとして、自分の健康を守るためにアルツハイマー病治療薬の臨床試験に参加すべきかどうかを判断する一助となることを挙げている。

この調査を後援した全米退職者協会(AARP)研究部門のシニア・バイス・プレジデントであるAlison Bryant氏は「今後、遺伝子検査の質が向上し、高齢者の間でも利用が広がるに伴い、利用者にはそのベネフィットと限界について正確に理解してもらうことが課題となるだろう」と話している。

なお、調査では回答者の約10人中9人が遺伝子検査によって自分や自分の子ども、さらに孫の健康上のリスクが明らかになると考えていたことも分かった。しかし、約40%は家族の既往歴やリスク因子が分かっているのであれば遺伝子検査は不要と考えていた。

また、3分の2の回答者は、遺伝子検査がきっかけで健康に過度な不安を抱くようになるのではという懸念を示していた。研究グループは「自分の遺伝的ルーツが知りたいという目的だけで遺伝子検査を受けた結果、予想外の衰弱性疾患の遺伝的リスクに関する警告を受ける可能性はある」と指摘する。さらに、遺伝子検査の結果は100%正確ではないことを知っておく必要があるほか、医師の指示で検査を受けた場合には遺伝カウンセラーの助言を得られるが、自分で検査キットを購入した場合にはそのようなサービスは受けられないことを知っておくべきだと、研究グループは付け加えている。(HealthDay News 2018年10月2日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/genetics-news-334/many-americans-curious-but-wary-about-gene-testing-738122.html

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1HDN10月9日「パッケージニュース」No.1

突発性難聴に高圧酸素療法が有効な可能性

ウイルスや血液の循環が原因で起こるまれな突発性難聴に、高圧酸素療法が有効な可能性があることが、新たな研究で示された。研究を実施した韓国国立海洋医療センターのTae-Min Rhee氏らは、突発性感音難聴と呼ばれる難聴に対しては、標準的な薬物療法に加えて高圧酸素療法を行うのが最も有益な治療選択肢だとしている。研究の詳細は「JAMA Otolaryngology — Head and Neck Surgery」9月27日オンライン版に掲載された。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のDarius Kohan氏によると、突発性感音難聴は約1万人に1人に生じ、ウイルス感染や血液循環の障害が引き金となると考えられているという。患者の3人に1人は治療しなくても聴力は回復するが、残りの3分の2にはステロイドを中心とした薬物療法のほか、内耳の酸素濃度を高める高圧酸素療法が行われている。

Rhee氏らは今回、突発性感音難聴患者を対象に、薬物療法と高圧酸素療法の有効性を比較検討した論文のシステマティックレビューを実施。基準を満たした19件の研究を対象にメタ解析を行った。これらの研究では、薬物療法単独または薬物療法と高圧酸素療法を併用した計2,401人の患者(平均年齢45.4歳、女性55.3%)が対象とされた。

解析の結果、薬物療法と高圧酸素療法を併用した群では、薬物療法単独群に比べ聴力が完全に回復する患者の割合が有意に高く(オッズ比1.61、95%信頼区間1.05~2.44)、平均的な聴力の回復度も併用群で高いことが分かった。さらに、高圧酸素療法は、特に重度の聴力低下がみられる患者で最も有効であることも明らかになった。

このことから、Rhee氏らは「ステロイドなどの薬物療法に高圧酸素療法を併用することは、感音難聴患者にとって合理的な選択肢であるようだ」と述べている。

一方、Kohan氏は、Rhee氏らの研究にはいくつか注意すべき点があると指摘している。例えば、解析の際に、薬物療法の投与量やタイミング、突発性難聴に併発することが多いめまいや耳鳴りの有無などで調整していなかったことが挙げられるという。そのため、「決定的な確証を得るには、さらに厳密な条件で研究を重ねる必要がある」と同氏は強調している。

さらに、高圧酸素療法にかかる費用の問題がある。今回の研究から、高圧酸素療法の効果が得られるまでには通常、20時間以上の治療を要することも示された。米国では、高圧酸素療法には一般に1時間300ドル(約3万4,000円)の費用がかかると、Kohan氏は指摘している。(HealthDay News 2018年9月27日)

https://consumer.healthday.com/hearing-information-19/hearing-disorder-news-351/study-supports-oxygen-therapy-for-sudden-hearing-loss-738095.html

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1HDN10月9日「パッケージニュース」No.2

経口避妊薬の使用で卵巣がんリスク減

これまでの研究で、経口避妊薬を使用する女性は卵巣がんに罹患するリスクが低いことが報告されている。今回、新たな研究で、旧タイプとは含有成分が異なる新しい経口避妊薬にも卵巣がんの予防効果がある可能性が示唆された。英アバディーン大学のLisa Iversen氏らが実施した研究によると、低用量のエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)が配合された比較的新しいタイプの経口避妊薬は、長期にわたり卵巣がんへの予防効果を示し、服用を中止した後もその効果は数年間持続することが分かったという。詳細は「BMJ」9月26日オンライン版に掲載された。

Iversen氏らは今回、ホルモンの配合や濃度が旧タイプとは異なる新しい経口避妊薬でも卵巣がんの罹患リスクが低減するのかどうかを検討するため、エストロゲンとプロゲストーゲンを配合する混合型の経口避妊薬に加えて、プロゲストーゲンのみを含有する製剤についても、卵巣がんの罹患リスクへの影響を調べた。

研究では、1995~2014年のデンマーク国内の処方記録やがん登録のデータを用いて、15~49歳の女性187万9,227人を対象に、ホルモン避妊薬の使用経験がない群と現在使用中または1年以内に使用した群、使用を中止してから1年以上経過している群の3つの群に分けて前向きに追跡した。その結果、対象女性の86%が新しい混合型経口避妊薬を使用していた。

年齢やその他の因子で調整した解析の結果、卵巣がんの罹患率は経口避妊薬を使用した経験がない女性で最も高いことが分かった。また、混合型の経口避妊薬をどこかの時点で使用した経験のある女性は、卵巣がんの罹患率が大幅に低いことも明らかになった。一方、プロゲストーゲンのみを含有する経口避妊薬を使用していた女性では、卵巣がんに対する予防効果は認められなかった。全体として、経口避妊薬を使用すると卵巣がんの罹患リスクを21%低減できると推定された。

これらの結果について、専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のJennifer Wu氏は「これまでの研究から、経口避妊薬を長期にわたり使用する女性は卵巣がんの罹患リスクが有意に低いことが明らかになっている。この研究は、新世代の経口避妊薬にも同様な予防効果があることが再確認されたにすぎない」と指摘している。また、同氏は、卵巣がんは見過ごされやすく致死率も高いことから、「だからこそ予防が肝心だ」と強調しつつ、「医師は、経口避妊薬の使用について患者と話し合う際には、卵巣がんリスクを低減できる可能性についても考慮すべきだ」と付け加えている。(HealthDay News 2018年9月26日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/ovarian-cancer-news-104/newer-birth-control-pills-tied-to-lower-odds-for-ovarian-cancer-737993.html

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