4.1.1

「歯科治療」が腹痛や足のしびれの原因に

歯科治療には思わぬリスクがあることを示す2症例が「BMJ Case Reports」8月7日および8日のオンライン版で紹介された。

サー・チャールズ・ガードナー病院(オーストラリア)のTalia Shepherd氏らは、歯科矯正を終えた10年後に腹痛がきっかけで矯正用のワイヤーを腸から摘出した30歳の女性患者について報告した。

同氏によると、女性は腹痛を訴えて受診。当初、胆石疝痛が疑われたが超音波検査などでは異常は認められなかった。その後、痛みが悪化したためCT検査を実施した結果、小腸の数カ所で歯科矯正用ワイヤーが貫通し、これが原因で腸捻転と呼ばれる症状が起きていることが分かった。そこで、緊急手術でワイヤーを摘出したところ、痛みは消失し、完全に回復した。患者は過去10年間、歯科矯正器具を使用しておらず、以前矯正していた時にワイヤーを飲み込んだり、なくしたりした記憶もなかったという。

この症例を経験したShepherd氏らは「内科的疾患の既往や手術歴のない患者が腹痛を訴えた場合には、その原因として異物の誤飲を考慮する必要がある」としている。

一方、英クイーン・エリザベス大学病院のLiam Stuart Carroll氏らは、それまで健康状態に問題がなかったにもかかわらず、義歯の接着剤の長期使用が原因で脚の感覚を失うことになった62歳の男性について報告した。男性は治療と集中的な理学療法を受けたにもかかわらず、接着剤に含まれる亜鉛に起因したまれな神経疾患からまだ完全に回復していないという。

男性は、神経科クリニックに紹介されるまでの6カ月間、脚の疼痛やしびれ、脱力感が続いており、外出することも難しかった。MRI検査で脊髄に異常が認められ、さまざまな検査が実施された結果、最終的に銅欠乏性脊髄症と診断された。原因は過去15年間使用していた義歯床用ペーストに含まれる亜鉛だったという。

Carroll氏らは「まれに、過度の亜鉛摂取が銅の吸収を妨げ、神経障害を引き起こすことがある。この症例では診断の遅れにより神経障害が回復不能になったと考えられる。もし迅速に診断し、治療を行っていれば永続的な障害は回避できた可能性がある」と説明している。(HealthDay News 2017年8月8日)

https://consumer.healthday.com/dental-and-oral-information-9/misc-dental-problem-news-174/some-medical-ills-call-for-dental-detective-work-725269.html

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4.1.1

月経の開始年齢が学校の成績に関連か

月経が早く始まった女児では就学年数が短くなる可能性があることが、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのDipender Gill氏らの研究で示唆された。

この研究では、肥満や家庭環境などの環境要因による影響を除外して解析するために、メンデルランダム化という手法を利用。欧州の女性11万8,000人超のデータを用いて、月経の開始年齢に関連する遺伝子多型(SNP)が就学年数に及ぼす影響を検討した。その結果、月経開始年齢が1年遅くなるごとに、就学年数は平均53日長くなると推定された。

このような結果が得られた理由として、月経が早期に始まった女性は、その身体的な変化から成熟した大人として扱われやすくなる可能性が考えられる。しかし、身体的な発達に精神面の発達が追いついているとは限らず、身体と精神の成熟度の差から、リスクを負う行動をとりやすいだけでなく、周囲からの扱いの変化に対して精神的に適応できなくなる可能性もある。こうした要因はいずれも就学年数に影響する可能性があると、Gill氏らは説明している。

ただ、今回の研究は因果関係を証明するものではなく、こうした関連性が認められた理由を解明するにはさらなる研究が必要だという。なお、この研究の限界の1つは、対象者の生まれた年が1901~1989年と幅広いことで、この90年間で社会および教育の環境は大きく変化していると、同氏は付け加えている。

Gill氏は「就学年数の長さがその後の人生に影響しうることはよく知られており、社会経済的な状況、うつ病の罹患率、リスクを負う行動、さまざまな健康状態に関連するため、その重要性は明らかだ。今回の研究では、就学年数の長さに思春期の始まる年齢が影響する可能性が示された」と述べている。

この研究の詳細は「Behavior Genetics」8月9日オンライン版に掲載されている。(HealthDay News 2017年8月9日)

https://consumer.healthday.com/sexual-health-information-32/puberty-news-567/does-early-puberty-affect-a-girl-s-academic-achievement-725362.html

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Asian mother breast feeding her daughter

母乳の味を変えれば野菜好きの子に育つ?

幼い子どもに野菜好きになってほしければ、母親が授乳中に野菜を食べておくとよいかもしれない。「American Journal of Clinical Nutrition」7月号に掲載された研究で、母親が授乳前に野菜ジュースを飲むと母乳が野菜の風味になり、その母乳を飲んだ子どもは後に同じ味のする食べ物を嫌がる可能性が低くなることが示された。

今回の研究では、母乳育児中の母子97組を5つのグループにランダムに割り付け、第1~第4グループの母親には授乳前に野菜ジュース(ニンジン、セロリ、ビートなど)を半カップ飲んでもらうことにした。その時期は、第1~第3グループではそれぞれ子どもの生後2週間目、1.5カ月目、2.5カ月目から1カ月間とし、第4グループでは生後2週間目から3カ月間とした。第5グループは水を飲む対照群とした。

子どもの離乳後(生後8カ月頃)、母親が子どもに対してプレーンまたはニンジン風味、ブロッコリー風味の離乳食用シリアルを与える様子をビデオ撮影し、子どもの嫌がるサイン(鼻にしわを寄せる、唇を尖らせる、顔をしかめる、スプーンを強く拒絶するなど)を観察した。

その結果、野菜風味の母乳を飲んだ子どもはプレーンなシリアルや不慣れなブロッコリー風味のシリアルよりも、ニンジン風味のシリアルを好むことが分かった。また、生後2週間目から1カ月間、野菜風味の母乳を飲んだ子どもは、他のグループの子どもに比べてニンジン風味のシリアルをより多く、より勢いよく食べていた。この結果について研究では「生後数週間は授乳の頻度が高いためか、もしくは味覚の形成に影響を及ぼしやすい時期であるためだろう」と推測している。

なお、母親の野菜摂取量は研究期間中を通して変化しておらず、8割が推奨量を満たしていなかったが、母親は次第に野菜ジュースの味を好むようになっていた。そのため、その後も子どもに健康的な食べ物を与え続ける可能性が高まっているかもしれないという。

研究を率いた米Monell Chemical Senses CenterのJulie Mennella氏は「乳児の感覚的経験はそれぞれの児に固有のものだが、味覚の経験は子宮内にいるうちから始まり、母親が食べたものによる影響を受ける。母親から与えられる母乳は精密医療の極致といえるだろう」と述べている。母親が野菜を食べると、その風味が羊水や母乳に移行し、子どもに伝わる。それにより子どもが早期から野菜の味を学べば、固形食を取り始めたときに嫌がりにくくなる可能性があるという。

米国栄養・食事療法学会(AND)スポークスパーソンのJennifer McDaniel氏は「他にも複数の研究で、母乳育児により食べ物の好き嫌いを少なくできる可能性が示されている。しかし、母乳育児をできない母親は自分を責めなくてよい。健康的で多様性に富む食事を与えれば、子どもは異なる味や食感を経験して受け入れていき、選り好みしない健康的な食事パターンを身につけられる可能性が高い」とアドバイスしている。(HealthDay News 2017年8月4日)

https://consumer.healthday.com/women-s-health-information-34/breast-feeding-news-82/can-breast-milk-feed-a-love-of-vegetables-725059.html

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4.1.1

肥満患者との接し方に注意―医療従事者による肥満差別で重大な影響

医療従事者が「肥満は恥ずべきこと(fat shaming)」という考え方に基づいて差別的な態度で肥満患者に対応すると、患者の心身の健康が損なわれる可能性があるというレビュー結果が、米国心理学会(APA、8月3~6日、ワシントンD.C.)のシンポジウムで報告された。このレビューは、米コネチカット大学心理学教授のJoan Chrisler氏が最近の研究をまとめたもの。

Chrisler氏は「たとえ肥満者を励ましたい、あるいは行動を変えさせたいという意図であっても、医療従事者が失礼な態度をとったり、医療の現場で肥満を理由に恥をかかせたりすることは患者にストレスを与え、受診の遅れや治療の中断につながる可能性もある」と話している。

医療従事者の中に過体重や肥満に対するネガティブな感情があると、無自覚のうちに態度に表れ、患者は差別的な扱いを受けていると感じてしまう。「例えば、太っている患者に触れるのをためらったり、患者の体重を記録するときに首を振ったり舌打ちしたりすることだ。こうした経験が重なると、患者は偏見を持たれていると感じるようになる可能性がある」と同氏は説明している。

過体重や肥満に対する考え方は、医師の治療決定にも影響するという。例えば、過去の複数の研究で、過体重の患者に投与される抗菌薬や化学療法薬の用量は不十分である場合が少なくないことが示されている。他の研究では、医師が平均的な体重の患者に対してはCT検査や血液検査、理学療法を勧めるのに対し、太っている患者には繰り返し減量を勧めがちだという実態も明らかにされている。同氏は「病態が同じであるにもかかわらず、体重によって異なる治療を勧めることは非倫理的であり、医療過誤の一種といえる」としている。

さらに、医師は時折、過体重や肥満の患者が訴える症状を深刻に受け止めず、体重が原因だと思い込むことがあり、それが慎重さを欠いた診断や検査の未実施につながることもあるという。300件超の検死報告をレビューした研究によると、肥満者では他の人に比べて重大な疾患(心内膜炎や虚血性腸疾患、肺がんなど)が未診断となっている可能性が1.65倍であることが分かっている。

同シンポジウムで肥満差別に関する別の研究結果を発表した心理学者のMaureen McHugh氏によると、肥満差別は肥満の減少や健康の増進には有効でないというエビデンスがあるという。「肥満者に偏見を持つことは、むしろ彼らの精神衛生上のリスクを上昇させる。肥満への偏見は精神的ストレスにつながり、心身の健康を悪化させることが明らかにされている」と、同氏は話している。(HealthDay News 2017年8月3日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/doctors-who-fat-shame-patients-can-cause-real-harm-725043.html

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FD002642

地中海食による心疾患予防、効果あるのは高収入か高学歴の人のみ?

果物や野菜、魚、オリーブ油、ナッツ、全粒穀物などが豊富な地中海食には、心疾患を予防する効果があると考えられているが、その恩恵を受けられるのは高収入か高学歴の人に限られる可能性が、新たな研究で示された。この研究結果は「International Journal of Epidemiology」8月1日オンライン版に掲載された。

この研究は、イタリアの臨床研究施設であるI.R.C.C.S. ニューロメド研究所のGiovanni de Gaetano氏らのグループが実施したもの。同国の前向きコホート研究「Moli-sani研究」に登録された35歳以上の男女約1万9,000人を中央値で4.3年間、追跡した。追跡期間中に252件の心血管イベントが発生したが、日常的な食事内容がどの程度地中海食に当てはまっているかを「地中海食スコア」で評価したところ、同スコアが2ポイント上昇するごとに心血管疾患リスクが15%低下することが分かったという。

しかし、このような地中海食による心血管疾患リスクの低下は高収入の人や高学歴の人でのみ認められ、低収入の人や低学歴の人では認められなかった。地中海食によって同リスクは高収入の人で61%、高学歴の人では57%低下することが示された。

高収入の人には定期的な運動や健康診断の受診、禁煙といった健康的な習慣がある人が多いが、今回の研究ではこうした習慣や婚姻状況、BMIといった因子を考慮しても同じ結果が得られたという。

そこで研究グループは、地中海食による心血管疾患リスクへの影響が収入や学歴によって異なる原因についてさらに調べたところ、たとえ地中海食スコアが同程度であっても高収入の人では低収入の人と比べて肉の摂取量が少なく、魚や全粒穀物の摂取量が多いことが分かった。また、高収入の人は低収入の人よりも多くの種類の抗酸化物質などが豊富に含まれる果物や野菜を摂取し、また収入や学歴が高い人ほど食品中の栄養素を維持することができる方法で野菜を調理する傾向にあることも明らかになった。

魚やオリーブオイルといった地中海食でも特に栄養学的に価値の高い食品の多くは安価ではない。米ボストン大学のJoan Salge Blake氏は「健康的な食品の入手のしやすさや価格は、明確にその人の食事内容や生活習慣の質に影響する」と認めた上で、家計に負担なく地中海食を取り入れる方法として、安売りしている農産物を購入したり、旬の食材を選んだりすること、調理では加熱し過ぎないよう心掛けることなどを勧めている。(HealthDay News 2017年8月1日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/mediterranean-diet-985/rich-well-educated-get-bigger-bang-for-buck-from-mediterranean-diet-725095.html

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1-2 HDN8月10日「ヘルスハイライト」No.2

歯周病があると高齢女性のがんリスクが上昇

閉経後の女性では、歯周病があると発がんリスクが14%上昇するという大規模研究の結果が「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」8月1日号に掲載された。特に食道がんの発症リスクは、歯周病のある人ではない人に比べて3.28倍になることが分かった。また、肺がんや胆嚢がん、メラノーマ、乳がんでもリスクが上昇していたという。

喫煙歴のない女性であっても、歯周病と発がんリスクの関連は同様に認められた。喫煙歴があり歯周病のある女性では、乳がん、肺がん、胆嚢がんのリスクが高かったのに対し、喫煙歴はないが歯周病のある女性では、メラノーマなどその他のがんのリスクが高かった。

この知見は、女性の健康イニシアティブ観察研究(WHI-OS)に参加した54~86歳の女性約6万6,000人を対象とした解析で得られたもの。対象者は1999~2003年に自己記入式の質問票で歯周病の有無について回答した上で、2013年9月まで追跡調査された。平均8.32年間にわたる追跡の結果、7,149件のがん発症が確認された。

研究を率いた米ニューヨーク州立大学バッファロー校健康衛生学部長のJean Wactawski-Wende氏は「今回の研究結果から、口腔の衛生を保ち歯周病の予防や治療を行うことががん予防策として有効かどうかを検証する必要性が示唆された」としている。

今回の研究は直接的な因果関係を証明するものではなく、歯周病が発がんリスクに関連する理由は明らかでないが、同氏は「歯周病は全体的な健康を表す指標なのではないか」と推測する。ただし、歯周病菌が口腔内の組織から血流に侵入したり、消化器や呼吸器を介して他臓器に到達したりした結果、局所または全身の炎症を引き起こしている可能性もあるという。

この分野に詳しい専門家である米ノースショア大学病院歯科部長のRonald Burakoff氏は「本研究では対象者の報告に基づき歯周病を評価しているため、歯周病とがんの関連がどの程度強いものなのかは不明だ」とコメント。この関連を実際に証明するためにはさらなる研究が必要だとしつつ、「歯周病を治癒できれば発がんリスクを低減できる可能性がある。歯みがき時の出血など、歯周病の症状に注意してほしい」とアドバイスしている。(HealthDay News 2017年8月1日)

https://consumer.healthday.com/dental-and-oral-information-9/misc-dental-problem-news-174/gum-disease-may-be-linked-to-cancer-risk-in-older-women-725092.html

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33010

「自分は運動不足」と考えるだけで寿命が縮む?

実際の運動量は同レベルであったとしても、「同年齢の人と比べて自分は運動不足」と考えている人は、「同年齢の人と比べて自分は活動的」と考えている人よりも早く死亡するリスクが高い可能性があることが、新たな研究で示された。研究を実施した米スタンフォード大学心理学のAlia Crum氏は「健康に長生きするには、健康的な行動だけでなく健康的な考え方を心掛けることが重要」と話している。

Crum氏らは今回、主観的な運動量と死亡リスクとの関連について検討するため、米国で定期的に実施されている米国民健康聞き取り調査(NHIS)などの調査データを用い、成人6万1,141人を21年間追跡。実際の運動量、健康状態やそれに影響する行動、社会人口学的因子などで調整して解析した結果、「同年齢の人と比べて自分は運動不足」と考えている人では、「同年齢の人と比べて自分は活動的」と考えている人と比べて追跡期間中に死亡する可能性が71%高いことが示されたとしている。

Crum氏によると、最近、考え方(mindset)が健康面で重要な役割を果たしている可能性があることを示す研究報告が増えつつあるという。同氏は「これまで、国民の健康増進を目的とした取り組みでは、より健康的な食事をとり、運動量を増やすといった行動面への働きかけに主眼が置かれていた。しかし、健康的な行動に関する考え方への働きかけは進んでいない」と指摘している。

ただし今回の研究は、考え方と死亡リスクとの関連を示したに過ぎず、運動不足と考えることが早期死亡リスクを高めることを証明するものではない。

では、日常生活でこの研究結果をどのように生かせばよいのだろうか。Crum氏らは「十分な運動量を維持するにはジムで厳しいエクササイズをするしかないと考えている米国民は多いだろう。しかし、階段を上ったり、通勤で歩いたり、自転車に乗ったり、掃除をしたりといった日常的な活動を気分良く行うだけでも、健康にベネフィットをもたらす最初のステップになるだろう」と話している。

この研究結果は「Health Psychology」7月20日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 2017年7月28日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/just-thinking-you-re-less-active-may-shorten-your-life-724778.html

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Christchurch, New Zealand - March 10, 2016 - Maia (3 years old) jumps on a trampoline at the Margaret Mahy Family Playground on March 10, 2016 in Christchurch, New Zealand. It is one of the largest playgrounds  of the Southern Hemisphere, opening in December 2015, and offers separate activity zones for different age groups.

「6歳未満はトランポリンで遊ばせるべきでない」米学会が注意喚起

トランポリンで遊ぶのは楽しく運動にもなるが、子どもには極めて危険な場合もあると、米国整形外科学会(AAOS)が保護者に対して注意を喚起している。特に6歳未満の子どもは負傷するリスクが高いため、トランポリンで遊ばせるべきではないという。

米国内の病院ではトランポリンによる負傷者の治療件数が2015年だけで29万5,000件を超える。このうち約10万3,000件は救急部門での治療だった。

AAOSのスポークスパーソンである小児整形外科医Jennifer Weiss氏は「特に夏には、子どもたちに体を動かすことを楽しんでほしい」としつつも、「両親や保育者はトランポリンの危険性を知り、重傷を負う可能性があることを理解しておく必要がある」と話している。特に6歳未満の幼児は、トランポリンで安全に飛び跳ねるために必要な筋肉の協調運動や身体意識(body awareness)、すばやく反応する能力が十分に発達していないため、危険性が高まるという。

トランポリンに関連して最も多くみられる負傷は捻挫と骨折で、トランポリンのマット、フレーム、スプリング上での転倒、他人との衝突、技の失敗、トランポリンから地面などの硬い面への落下によって起きる。

トランポリンを安全に使用するために、AAOSは以下の点を注意するよう勧めている。
・6歳未満の子どもにはトランポリンを使わせない。子どもが誰も見ていないときに使わないように、使用後はトランポリンの梯子を外しておく。
・一度に2人以上でトランポリンに乗らない。
・定期的に道具を点検する。すり切れたり壊れたりしている場合は、交換用の部品を入手するか使用をやめる。
・負傷予防のための安全ネットで囲えば安心というわけではないことに留意する(ほとんどの負傷はトランポリンの上で起きる)。手すりやマット、周囲の着地面が十分にパッドで保護され、良好な状態であることを確認する。
・体育の授業や体操競技、飛び込みの練習などでトランポリンを使う場合、大人による監督と適切な安全対策、指導が重要である。
・トランポリンの使用中は監視員を置く。宙返りなどのリスクの高い技は、適切な監督と指導、ハーネスなどの保護装置がない限りさせてはならない。(HealthDay News 2017年7月29日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/trampolining-health-news-285/surgeons-warn-of-trampolines-down-side-724795.html

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1-2 HDN8月3日「ヘルスハイライト」No.1

キスの仕方は生まれつき決まっている?

待ちに待っていたキスのチャンスが目前に―。その時、あなたは頭を右に傾けるだろうか。それとも左に傾けるだろうか。

先ごろ発表された国際共同研究では、キスの際に頭を右側に傾ける人が7割超に上ることが明らかになった。この研究を実施した心理学や神経科学の研究者らは「キスの際に頭を右側に傾けるのは、生まれつき備わっている傾向(bias)の表れの可能性がある」との見方を示している。

この研究を実施したのは、英国やバングラデシュなどの研究グループ。バングラデシュの夫婦48組に自宅でキスしてもらい、その直後に個別に質問に回答してもらった。その結果、79%の夫婦で男性からキスを始めていること、またキスを始めた側の74%、キスに応じた側の69%がキスする際に頭を右側に傾けたと報告していたことが分かった。

さらに、「利き手が左右のどちらであるか」は、キスを始めるときに頭を左右のどちらに傾けるかを予測する因子であることが分かった。この他、キスを始めた側が頭を右側に傾けた場合、キスに応じる側も右側に傾けるといったように、キスに応じる側がキスを始めた側に頭を傾ける方向を合わせる場合が多いことも分かった。

研究論文の筆頭著者であるダッカ大学(バングラデシュ)のRezaul Karim氏は、「頭を左右のどちらに向けるかは、出生前を含む発達のプロセスの中でも最も初期にみられる非対称性の傾向といえる。右利きの子どもはまだ子宮内にいるうちから、右側を向く頻度が高いことが分かっている。このような傾向が生まれついたもので、成人後も引き続き認められるのかどうかを明らかにすることは、神経科学および心理学における長年の課題である」と述べている。

なお、これまでにもキスをする際に頭を右側に傾ける人が多いことは複数の研究で示されている。ただ、いずれも欧米で実施された研究であったため、こうした傾向には文化的な要因が影響している可能性が指摘されていた。今回の研究では、欧米諸国とは文化的な背景が異なるバングラデシュのカップルにおいても、欧米のカップルと同様の結果が得られた。バングラデシュでは人前でカップルがキスをすることはなく、キスは極めてプライベートな行為で、テレビや映画でもキスシーンは規制の対象となっているという。

論文の共著者で英バース大学心理学部のMichael Proulx氏は「過去の研究では文化的な学習による影響の可能性が否定できなかった。しかし今回の研究から、社会的価値が異なっていても、人間として共通した結果が得られることが分かった」と述べている。この研究結果は「Scientific Reports」7月14日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 2017年7月24日)

https://consumer.healthday.com/pregnancy-information-29/love-sex-and-relationship-health-news-452/is-kissing-etiquette-hardwired-724659.html

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4.1.1

欧米人男性の精子数は減少し続けている

欧米人男性の精液に含まれる精子数は約40年間でほぼ半減したことが、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学環境医学教授のShanna Swan氏らによる研究で明らかになった。

1973年から2011年までの間に発表された185件の研究データを集め、約4万3,000人の精子の質の変化について分析した結果、欧州や北米、オーストラリアなどの男性ではこの間に精子の濃度が平均で52%低下し、総精子数も59%減少したことが分かったという。

1992年にも、それまでの50年間に欧米人男性の精子数が約50%減少したとする研究報告があったが、それ以降も減り続けていることが今回の分析から明らかになった。ただ、欧米以外の地域の男性についてはデータが多くなかったため、最終的な結論は得られなかったとしている。

Swan氏は「以前にも精子数の減少は報告されていたが、その後も減少傾向に歯止めはかかっていない」と説明。その上で、「精子数の減少は、男性不妊のみならず、男性の全般的な健康にも関わる問題だ。これまでに、精子数の少ない男性は心血管疾患やがんなどさまざまな疾患を発症するリスクが高く、全死亡リスクも高いことが分かっている」と懸念を示している。

さらに、精子数が減少傾向にある原因は不明だが、同氏は「現代的なライフスタイルに関連した人工的な化学物質への曝露や日常的なストレスの増加、肥満の増加、栄養不良、運動不足、喫煙などが関与しているのではないか」との見方を示している。ただ、同氏は「男性の生殖機能に最も強く影響するのは胎児期の有害物質への曝露である可能性が高い」とも指摘。例えば母親が喫煙すると、その子どもが将来喫煙するかどうかにかかわらず、精子数が減少するとの報告もあるという。

精子数の減少が男性の不妊につながるかどうかについては専門家の意見が分かれる。ニューヨーク州の不妊治療施設Northwell Health FertilityのAvner Hershlag氏は、「男性の精液1mL中の精子数は約40年前の9280万個から近年には6640万個まで減少したが、精子数が減るとパートナーの妊娠率も下がるという証拠はない。不妊治療を行わずに妊娠したカップルの約20%では男性に精子の異常がみられることが分かっている」と指摘。さらに、「そもそも受精卵に必要なのは、精子1個と卵子1個であることは誰もが知るところだ」と話している。

一方、米ニューヨーク・プレスビテリアン病院/ワイルコーネル医療センター生殖医療・泌尿器科のPeter Schlegel氏は「今後も精子が減少し続ければ、さらに多くのカップルが不妊治療を受けなくてはならない事態に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

今回の研究結果は「Human Reproduction Update」7月25日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 2017年7月25日)

https://consumer.healthday.com/infertility-information-22/infertility-news-412/sperm-counts-continue-to-decline-in-western-nations-review-724925.html

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