1-2 HDN6月22日「ヘルスハイライト」No.1

腟の細菌叢がヘルペスやジカの感染を防ぐ可能性

ジカウイルスや単純ヘルペスウイルス2型は性行為によって感染することが知られているが、女性の腟に存在する細菌が、これらのウイルス感染を防御している可能性が米テキサス大学医学部のMegan Amerson氏らによる研究で示唆された。この研究結果は米国微生物学会(ASM Microbe 2017、6月1~5日、ニューオーリンズ)で発表された。

ヒトの腟には微生物叢(マイクロバイオーム)と呼ばれるコミュニティに住む多様な細菌種が存在する。Amerson氏らは今回、健康なドナーから採取した膣内微生物叢の検体を用いて、3D培養システムにより培養した。

その際、健康な腟の細菌叢にみられる乳酸杆菌が多いコロニー(健康な腟の微生物叢)と乳酸杆菌が存在しないコロニー(不健康な腟の微生物叢)の培養とともに、対照として細菌が全く存在しない無菌培養も行った。その上で、それぞれにジカウイルスおよび単純ヘルペスウイルス2型を感染させ、2日後に残存しているウイルス量を測定した。

その結果、乳酸杆菌が少ない不健康な腟の微生物叢では、より多くの単純ヘルペスウイルス2型が複製されることが分かった。一方、ジカウイルスについては一貫した結果が得られず、今回の研究では検討されていない特定の細菌種がジカウイルスの複製に関与していることが示唆された。

以上を踏まえ、Amerson氏は「これらの腟内細菌は、腟内の細胞の遺伝子発現に影響することで、こうした性感染症の原因となるウイルスの感染を制限または予防する可能性がある」との見方を示している。また、ジカウイルスに関しては結果が一貫していなかったことから、「ジカウイルス感染に関与する細菌種について調べるには、さらなる研究が必要」としている。

なお、学会発表された研究結果は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年6月9日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/bacteria-960/vaginal-bacteria-may-affect-herpes-and-zika-transmission-723535.html

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4.1.1

コーヒーや茶に肝臓の保護効果?

コーヒーやハーブティーを日常的に飲むと慢性肝疾患を予防できる可能性があることが、オランダ・エラスムス医療センターのLouise Alferink氏らの研究で示唆され、「Journal of Hepatology」6月1日オンライン版に掲載された。これらの飲料は、慢性炎症により肝臓が硬くなって瘢痕化する肝線維化を防ぐのに有用かもしれないという。

この研究では、コーヒーと茶に肝臓の保護効果があるかを調べるため、肝疾患のない45歳以上のオランダ人2,400人超のデータを検討した。肝線維化の程度を調べた超音波検査などの医療記録を調べるとともに、飲食物の摂取頻度に関する調査票の回答も分析。コーヒーと茶の摂取量に基づいて対象者を3群に分け、さらにハーブティー、緑茶、紅茶など茶の種類にも注目した。

その結果、年齢や性、BMI、食事内容などの生活習慣を考慮しても、コーヒーを頻繁に飲む人では肝線維化のリスクが4.1%と、たまに飲む人(6.9%)や全く飲まない人(7.8%)に比べて有意に低いことが分かった。一方、茶については、ハーブティーの摂取量のみが肝線維化リスクの低下に関連していた。

全体として、肝疾患を示す症状が何もみられない一般の人では、ハーブティーとコーヒーを頻繁に摂取すると肝臓の保護効果が得られ、瘢痕化を防ぐようであることが明らかになった。

Alferink氏は、「糖分や加工食品の多い西洋式の食生活が一因となり、肥満や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が急増している。コーヒーや茶の飲用は、生活に取り入れやすく安価に行える健康法であるため、先進国における実用的な対策となるだろう」と話す。

過去の研究でも、コーヒーが肝酵素上昇、ウイルス性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がんに対して有益であることが示唆されている。その正確な機序は明らかでないものの、コーヒーの抗酸化作用が関与すると考えられる。そのため、慢性肝疾患のない人でも同様の効果が得られるのかを明らかにすべく、今回の研究が実施された。ただし、同氏らは「本研究はコーヒーと茶が実際に肝臓の健康を向上させたと証明するものではなく、また、対象者の摂取していた飲料の種類が多様であったため、その効果について信頼性の高い推定結果を得ることはできなかった」と説明している。(HealthDay News 2017年6月13日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/caffeine-health-news-89/can-coffee-tea-protect-the-liver-from-western-diet-723538.html

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mouse on wheel

運動すると骨内でも脂肪が燃焼する?

運動をすると骨量が増え、骨密度が向上するだけでなく、骨の中の脂肪も燃焼する可能性のあることが、マウスを用いた研究で示唆された。骨髄内には脂肪細胞が存在しており、今回の知見は肥満者における運動のさらなる効用を示唆するものだという。

研究を実施した米ノースカロライナ大学のMaya Styner氏らによると、痩身マウスと肥満マウスではともに、ランニングなどの運動をさせると骨髄内の脂肪細胞の大きさが縮小した。さらに、肥満マウスでは、骨髄内の脂肪細胞の数が有意に減少したという。

同氏は、「運動は骨を強化するが、特に肥満マウスではその効果が強いようだ。さらに体型にかかわらず、運動は骨の質に強く関連していた。マウス研究の結果をそのままヒトに当てはめることはできないが、マウスの骨や脂肪を生成する幹細胞はヒトと同種のものだ」と話している。これまで、骨髄内の脂肪は他の体脂肪と異なり、運動時のエネルギー源としては使用されないと考えられていたが、今回の結果はそれに反している。

今回の研究では、通常食で育てた痩身マウス14匹と高脂肪食で育てた肥満マウス14匹の2群を対象として、4カ月齢のときに各群の半数に回し車を与えた。6週間後、痩身か肥満かにかかわらず全てのマウスで、運動介入により脂肪細胞サイズが有意に縮小していた。また、痩身マウスでは骨髄内の脂肪細胞数に変化はなかったが、肥満マウスでは運動介入により運動しなかった場合に比べて脂肪細胞数が半数以下に減少していた。さらに、肥満マウスでは運動により骨量も改善していた。

Styner氏は、「脂肪の貯蔵に関わる生理学的な機序にはまだ不明な点も多い。われわれは今後も基礎研究を続けるつもりだが、こうした研究は最終的には、糖尿病や関節炎、拒食症、長期ステロイド投与が必要な患者などにおいて、骨の健康を維持・改善する方法の発見につながる可能性がある」としている。

この研究結果は「Journal of Bone and Mineral Research」5月4日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 2017年6月9日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/bone-joint-and-tendon-news-72/even-your-bones-can-get-fat-mouse-study-suggests-723132.html

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1-2 HDN6月19日「ヘルスハイライト」No.2

朝食の炭水化物の比率で意思決定が変わる?

重大な決定を下さなければならない日、朝食は卵とシリアルのどちらにすべきだろうか。リューベック大学(ドイツ)のSoyoung Park氏らの予備的研究で、朝食の内容が意思決定に影響を与えうることが示唆された。

この研究によると、炭水化物と蛋白質の量により、意思決定が変化することが分かった。炭水化物の豊富な朝食を摂ると、不公平な提案を拒否する可能性が高まり、低炭水化物・高蛋白質の朝食を摂ると、たとえ不公平でも何も得られないよりはましだと考え、提案を受け入れる可能性が高まることが分かった。

「高炭水化物食を摂った後は、チロシンというアミノ酸の血中濃度が低くなる傾向がある。チロシンは脳内の報酬系に関与するドーパミンなどの神経伝達物質の産生に重要であり、その増減は意思決定の変化に関連する」と、Park氏は説明する。

「Proceedings of the National Academy of Sciences」オンライン版に6月12日に掲載された今回の研究では、まず、大学生87人にオンライン版の“最後通牒ゲーム”をしてもらった。このゲームでは、敵対者からの明らかに不公平な金銭提供の提案を受け入れるか、拒否するかを選ぶ機会が与えられる。拒否すれば相手も自分も金銭を得られないため、拒否を選ぶことは敵対者に対して“社会的制裁”を与えることを意味する。

ゲームの実施後、学生たちの朝食の内容を聞き取り調査した結果、高炭水化物食を摂った人の約53%が不公平な提案を拒否したのに対し、低炭水化物食を摂った人では約25%に過ぎなかった。

次に、男性24人に実験室に来てもらい、提供した朝食を摂ってから最後通牒ゲームを行ってもらった。ジャムとクリームチーズを塗ったパン、牛乳、リンゴジュース、リンゴとバナナという高炭水化物(炭水化物80%、蛋白質10%)の朝食を摂る日と、ジャムを塗ったパン、ハム、ヨーグルト、牛乳、大きいクリームチーズ1切れという低炭水化物・高蛋白質(炭水化物50%、蛋白質25%)の朝食を摂る日を設けて、ゲームの結果を比較した。その結果、やはり高炭水化物の朝食の後に、不公平な提案を拒否する可能性が高いことが分かった。

神経学の専門家である米ノースウェル・ヘルスのLuca Giliberto氏は、今回の研究について、多くの限界点はあるが興味深い結果だと評価。「社会的交渉を食事で管理する方法について結論を出すことは難しいが、今回の知見は食事内容がドーパミンと関連することを示唆している」と述べ、低炭水化物・高蛋白質の食事によって脳内の報酬系を増強するチロシン濃度が高まり、その結果、不公平な決定でも受け入れる可能性が高まるとしている。

Park氏によると、代謝には性差があるため、この研究では男性のみを対象とした。しかしそれでも、朝食の内容を変えたときの反応には個人差がみられた。「例えば、一部の人は高炭水化物食を摂った後でも、不公平な提案を受け入れていたことは興味深い」とGiliberto氏は話す。

ただしPark氏は、特定の栄養素を制限する食事法に対しては慎重な姿勢を示しており、「バランスのとれた食事をすることが重要であり、1つの栄養素だけを偏って摂取するべきではない」と話している。(HealthDay News 2017年6月12日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/could-your-breakfast-cloud-your-judgment-723605.html

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Toddler eating cookies and drinking milk Christmas Santa

豆乳やアーモンドミルクを飲む幼児は背が低い?

牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを飲んでいる子どもの身長は、牛乳を飲んでいる子どもよりもわずかに低いことを示唆する研究結果が報告され、「American Journal of Clinical Nutrition」オンライン版に6月7日掲載された。

研究を実施したセント・マイケルズ病院(カナダ)小児科医のJonathon Maguire氏らによると、こうした“代替ミルク”を1日にコップ3杯分飲んでいる3歳の子どもの身長は、同量の牛乳を飲んでいる同年齢の子どもと比べて1.5cm低かったという。

牛乳を飲むと身長が伸びると考えられているが、最近は健康的なイメージを持たれることの多い豆乳やアーモンドミルクなどを“代替ミルク”として子どもに与える親が増えている。そこで同氏らは今回、カナダの2~6歳児5,034人を対象に代替ミルクの摂取が身長に影響するのかを分析した。

その結果、代替ミルクの摂取量の増加は身長の低下に関連していた。1日当たりの代替ミルクの摂取量が1杯増えると、身長が0.4cm低くなった。一方で、1日当たりの牛乳の摂取量が1杯増えると、身長が0.2cm高くなった。

ただし、親によるミルクの選択が身長差の原因だと証明されたわけではなく、子どもたちの食生活が全体的に異なっていた可能性もあるという。しかし今回の研究では、全般的な食事内容や代替ミルクの種類については調査していない。

研究には関与していない専門家である米ニクラウス小児病院のErin Corrigan氏は、この点を指摘した上で、「なぜ代替ミルクを飲んでいたのか、その子どもの家庭がベジタリアンやヴィーガンなのかは不明だ。一部の子どもでは、全般的な食事の量が足りていなかった可能性もある」との見方を示している。

一方で、「豆乳を除くと、動物性でない乳製品には蛋白質がほとんど含まれていない。また、脂質もココナツミルク以外の代替ミルクでは少ない。このことは、成人には良いが子どもには適切ではない」と、同氏は説明している。

Maguire氏も「代替ミルクを選ぶなら、親は栄養表示ラベルを必ず確認し、常に子どもの食事に十分な蛋白質や脂質などの栄養素が含まれているか注意を払う必要がある」と強調。「代替ミルク製品の宣伝文句がどのようなものであっても、親は代替ミルクが牛乳よりも“健康的”だと思い込まないようにすべきである」としている。(HealthDay News 2017年6月7日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/toddlers-who-drink-cow-s-milk-alternatives-may-be-shorter-723482.html

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4.1.1

「週末だけ夜更かし」は心臓に負担

平日は規則的な睡眠習慣を守っているのに週末になると夜更かししてしまうという人は、心疾患を発症するなど健康を損なう可能性が高まることが、米アリゾナ大学のSierra Forbush氏らの研究で示唆された。

平日と休日で就寝・起床の時間が異なるなど、社会的活動により体内時計と実際の睡眠パターンが一致しなくなる現象は“社会的時差ぼけ(social jet lag)”と呼ばれる。今回の研究は、この社会的時差ぼけが心疾患や抑うつなどの問題に関連することを明らかにした。

22~60歳の成人約1,000人を対象として、平日と休日の睡眠パターンと睡眠の質、さらには不眠、全般的な健康について尋ねたところ、睡眠パターンのずれが1時間生じるごとに、心疾患と診断される可能性が11%高まり、健康状態が「良くない」または「まあまあ」と回答する人が28%増えた。また、社会的時差ぼけがひどくなると、気分の落ち込み、眠気、疲労を感じる可能性が高まった。

これらの関連性は、結果に影響しうる収入や教育といった要因を考慮に入れても依然として認められた。今回の研究は因果関係を証明するデザインではなく、関連性を示したに過ぎないが、過去の研究でも社会的時差ぼけが肥満などの問題に関連することが示されている。

Forbush氏は、「社会的時差ぼけが起きる仕組みはホルモンと概日リズムで説明できる可能性が高い。これは旅行で生じる時差ぼけと同じものだが、社会的時差ぼけは慢性化することが少なくない。どのくらい社会的時差ぼけが続くと健康障害につながるのかは、今後の研究課題だ」と述べている。

この知見は米国睡眠学会(SLEEP 2017、6月3~7日、ボストン)で発表された。学会発表された知見は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年6月7日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/miscellaneous-479/do-you-have-social-jet-lag-723406.html

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4.1.1

手洗いの効果、水温で違いは?

手洗いをするとき、細菌を殺すために火傷しそうな熱い湯を使う必要はなく、手指の衛生には水温よりも十分な時間をかけることの方が重要だと分かった。この結果は、食品を扱う施設に対して手洗いに38℃の水を使うように推奨する米国食品医薬品局(FDA)のガイドラインとは相反するもの。

研究を実施した米ラトガース大学(ニュージャージー)のDonald Schaffner氏らは、「快適に手を洗えるようにすることは必要だが、有効性に関する限りでは、水温は問題でないことが示された。冷水を使用すれば温水よりも光熱費を節約できる」と話している。

今回の研究では、ボランティア20人を対象に6カ月で数回の試験を実施。対象者の手を高濃度の無害な細菌で汚染させた後、15℃、25℃、38℃の水で手を洗ってもらった。

その結果、有害な細菌などを取り除く効果は冷水でも温水と同程度だった。水温よりも、十分な時間をかけて石鹸で手洗いすることの方が重要であり、10秒以上手を洗えば著明に細菌を除去できることが分かった。石鹸の使用量は結果に影響しなかった。ただし、同氏らは「細菌を除去するのに最適な石鹸の量や種類を正確に決定するためには追加研究が必要」としている。

Schaffner氏は、「この知見は食品サービス業界に対するFDAのガイドラインに変更を迫るものだ。温度要件を定めるのではなく、快適な水温にすべきだとするだけでよい。不必要に水を熱するのはエネルギーの無駄となる」と述べている。

研究結果は、「Journal of Food Protection」6月号に掲載された。(HealthDay News 6月1日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/hygiene-health-news-396/hand-washing-works-whether-the-water-s-hot-or-cold-723185.html

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着圧タイツでランニング中の筋肉疲労は軽減しない

熱心なランナーがランニングのときに着用する「機能性タイツ」には、脚を圧迫してサポートする機能を持つものもある。しかし、こうした着圧タイツをはいてもタイムを改善する効果はない可能性が、米オハイオ州立大学准教授のAjit Chaudhari氏らの研究で示された。この研究結果は、米デンバーで5月30日~6月3日に開催された第64回米国スポーツ医学会(ACSM)年次学術集会で6月1日に発表された。

同氏らは男性ランナー12人に着圧タイツまたは一般的なランニングショーツを着用させ、トレッドミルで走ってもらった。3日間にわたる試験で、ランニング中の動作を捕捉して筋肉の振動を測定し、その前後に垂直跳びや筋力測定を実施して筋肉の疲労度を評価した。

その結果、着圧タイツは筋肉の振動を大幅に減少させるものの、筋肉疲労は軽減しないことが分かった。この結果を受け、Chaudhari氏は「着圧タイツはランナーの走行距離を延ばしたり、速度を上げたりするのに役立つわけではないことが示された」としている。

Chaudhari氏は、「筋肉が振動するとエネルギーを消費する筋収縮が誘発されるため、理論的には筋肉の振動を減らせば筋肉疲労も少なくなるのだが、振動を低減しても疲労の軽減は全く認められなかった。われわれの研究によると、ランナーの成績は着圧タイツを着ても着なくても同じだった」と話す。

「ただし、今回の研究では着圧タイツの着用に問題があることを示す知見は得られなかった。長距離を走るランナーにとってはほんのわずかな知覚でも重要であるため、われわれの測定できなかった部分で着圧タイツがランナーの役に立っている可能性はある」と、同氏は述べている。

なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなすべきである。(HealthDay News 2017年6月1日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/jogging-and-running-health-news-261/compression-tights-won-t-trim-running-times-723111.html

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Senior man ith painful arm in sling

高齢者の抑うつは転倒の前触れ? 治療薬の調整が鍵に

高齢者では抑うつ症状が転倒リスクを高めるが、抗うつ薬などの治療薬を適切な用量で用いれば同リスクを抑制できる可能性があることが、新たな研究で示唆された。

研究を実施した米ミシガン大学看護学部助教のGeoffrey Hoffman氏は、「転倒予防を目的とした介入の多くは費用も時間もかかる。しかし、高齢者に精神科の薬物治療の継続を勧め、その際に転倒リスクをモニタリングしながら適宜、治療薬の用量を調整するという介入は、シンプルで費用もそれほどかからない」としている。

同氏らは今回、2006~2010年に全米の健康と退職に関する研究(National Health and Retirement Study)に参加した65歳以上の地域住民7,233人を対象に、抑うつ症状と転倒リスクとの関連について検討した。

身体機能や視力、慢性疾患、社会的支援などで調整して解析した結果、ベースライン時における抑うつ症状の程度が0.5標準偏差(SD)悪化するごとに、2年後までの転倒リスクが30%上昇することが示された。しかし、これらの因子に加えて抗うつ薬や抗不安薬などの精神科の薬剤使用で調整したところ、抑うつ症状と転倒リスクとの関連は減弱し、有意ではなくなった。

Hoffman氏は医師に対し、「高齢患者の治療では、抗うつ薬や抗不安薬などの薬剤の選択や用量の調整は慎重に行うべきだ。また、転倒リスクに関連する症状がないか、患者に確認することも必要だ」と注意を促している。

この研究結果は「Social Science & Medicine」4月号に掲載された。(HealthDay News 5月26日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/senior-citizen-news-778/depression-often-a-precursor-to-falls-in-elderly-people-722264.html

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Mummy in a Casket

ミイラのDNAがエジプトの歴史を紐解く手がかりに

古代エジプトのミイラと現代エジプト人のDNA解析から、古代エジプト人は遺伝的に地中海東岸のアラブ諸国の人々に近いことが明らかになった。一方、現代エジプト人は古代エジプト人に比べてサハラ以南のアフリカの人に近いことも分かった。

解析はマックスプランク人類史科学研究所(ドイツ)のJohannes Krause氏らが実施した。エジプト中部のナイル川沿いのアブシール・エル-メレクの遺跡で発掘されたミイラ151体などからサンプルを収集。最終的に90体のミイラからミトコンドリアDNAを採取し、3体からゲノムワイドSNPデータを抽出した。同遺跡のミイラは紀元前約1,400年から西暦400年までに埋葬されたものとみられている。

Krause氏によると、高温になりやすいエジプトの気候に加えて墓の中の湿度の高さ、さらにミイラとして埋葬する際に使用される化学物質などの影響で、ミイラのDNAは損傷されやすい。今回のミイラの核DNAの抽出と解析の成功は、ミイラの研究を通じてエジプト人の歴史について理解を深めるための突破口となる可能性があるという。

今回の研究の目的は、エジプト人がアレクサンダー大王による征服をはじめ、他国による侵略や支配によって遺伝子レベルでどのような影響を受けたのかについて明らかにすることだった。しかし、この1,300年間にアブシール・エル-メレクの地域に住む人々の遺伝子には大きな変化はみられず、同氏らは「同地域の集団は、他国の征服による遺伝的な影響は受けていないことが示唆された」としている。

また、現代のエジプト人では、古代エジプト人に比べると核DNAレベルでサハラ以南のアフリカ人の系統に8%ほど近いことが示された。この結果について、Krause氏らは「サハラ以南のアフリカ人の遺伝子がエジプトに流入するようになったのは過去1,500年以内であることを示唆している」と考察している。

この研究結果は「Nature Communications」オンライン版に5月30日掲載された。(HealthDay News 5月31日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/dna-health-news-169/mummy-dna-gives-clues-to-egypt-s-long-history-723174.html

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