U.S. President Donald Trump delivers remarks on the Iran Strategy in the Diplomatic Reception Room at the White House in Washington, DC on October 13, 2017. Photo by Leigh Vogel/UPI

トランプ氏の集会が開催された街で暴力事件が増加か

ドナルド・トランプ米大統領が選挙キャンペーンの集会で訪れた街で、集会の当日に暴力事件が通常よりも増えていたとする研究結果が「Epidemiology」3月12日オンライン版に掲載された。一方、ヒラリー・クリントン氏の集会が開かれた街では暴力事件の増加は見られなかったという。

この研究は、米ペンシルベニア大学臨床疫学生物統計学センター/損傷科学センターのChristopher Morrison氏らが実施したもの。2016年にトランプ氏とクリントン氏が選挙キャンペーンの集会のため訪れた街の警察のデータを収集し、集会の当日とその前後の暴力事件の件数を調べた。集会が開催された街の数はトランプ氏が22カ所(集会の回数は計31回)、クリントン氏が21カ所(同38回)で、いずれも人口20万人以上の街だった。

その結果、トランプ氏のキャンペーン集会が開かれた街では、集会の当日に暴力事件が平均で2.3件増えていた。一方、クリントン氏の集会が開かれた日には暴力事件の増加は認められなかった。

こうした暴力事件の増加が見られた原因について、Morrison氏らは、「多くの人が集会の会場に押し寄せる中で暴力事件が起こった可能性がある。また、集会に関するニュースやソーシャルメディアの情報が、集会の開催地となった街の住民の感情に影響し、暴力事件につながった可能性もある」と考察している。

また、Morrison氏は、同大学のプレスリリースで「ニュースメディアでも複数のキャンペーン集会で暴力事件が増えたとする報道はあった。しかし、それが系統的な問題なのかを明らかにすること、また系統的な問題であるならば、1回の集会でどの程度、暴力事件が増加しているのかを正確に測定することは難しかった」と、今回の研究を実施した背景について説明。その上で「将来、同様の暴力事件を防止するためには、暴力行動の原因について理解を深める必要がある。政治家の言葉が暴力の抑止に働くのか、あるいは暴力の促進に働くのかについても検討すべきかもしれない」との見解を示している。

さらに、論文の共同執筆者で同大学のDouglas Wiebe氏は、「集会の参加者や、集会の様子をニュースやソーシャルメディアで目にした人たちの感情や行動に、トランプ氏の暴力的な言葉が影響した可能性も考えられる」と指摘している。ただし、この研究はトランプ氏の集会が暴力事件の増加をもたらしたことを証明したものではない。(HealthDay News 2018年3月16日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/violence-health-news-787/violence-trailed-trump-s-campaign-732014.html

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Airplane cabin aisle with rear view and seats

飛行機の機内で感染リスクが高い座席は?

飛行機の機内で呼吸器感染症患者から感染するリスクは、患者の座席の前後1列および左右2座席以内が最も高く、それ以上離れた席であればリスクは極めて低いことが、米エモリー大学のVicki Stover Hertzberg氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Proceedings of the National Academy of Sciences」3月19日オンライン版に掲載された。

この研究は、Hertzberg氏らが航空機メーカーのボーイング社の資金提供を受けて実施したもの。飛行機の乗客に呼吸器感染症の患者がいた場合、周囲の乗客に飛沫感染するリスクがどの程度あるのかについて検討した。

研究では、Hertzberg氏らが米国の国内線のフライトに10回にわたって乗り込み、エコノミークラスで乗客の行動や移動を記録した。次に、このデータに基づきフライト中の機内での感染症の伝播をシミュレーションした。

その結果、呼吸器感染症の患者の座席の前後1列および左右2座席以内に座っている乗客では、患者から感染する確率が80%に及ぶことが分かった。一方、それ以上離れた座席の乗客が感染する確率は3%に満たないことが明らかになった。

また、10回のフライト中に機内の空気や座席に備え付けられたトレイテーブル、トイレのドアノブなどの表面からサンプルを採取し、遺伝子検査を実施した。その結果、このうち8回のフライトはインフルエンザ・シーズン中であったにもかかわらず、インフルエンザウイルスやライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスといった呼吸器感染症の原因となる18種類のウイルスの全てが陰性だった。

さらに、今回の研究では感染症の乗務員がいた場合には、1回のフライトで約5人の乗客に感染する可能性があることも分かったという。

なお、Hertzberg氏らは「今回の研究では嘔吐など飛沫感染以外の感染ルートは考慮していない」と付け加えている。

感染症の専門家である米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターのMarc Siegel氏は、この研究結果について「航空機のエアフィルターに95%程度の効果があることは分かっていたが、今回あらためてそれを確認できた。飛行機に乗っただけで病気になる可能性は低いということだ」とコメントしている。

また、研究を率いたHertzberg氏は「もし自分の体調が悪く、咳やくしゃみが出そうな時には、下を向いて肘で口を隠すなどエチケットを守ってほしい」と助言。さらにSiegel氏は、飛行機に乗る際には感染から身を守るために鼻の粘膜が乾燥しないよう十分に水分を補給することを勧めている。

また、米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院のSunil Sood氏はマスクを用意しておくことを推奨。「私もマスクを持ち歩き、もし周囲に咳をしている人がいたらマスクをすることにしている」と話している。(HealthDay News 2018年3月19日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/when-is-a-sick-fellow-flier-a-health-risk-to-you-732100.html

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4.1.1

子だくさんの母親は歯を失うリスクが高い?

子どもの数が多い母親では、歯を欠損するリスクが高いことがハイデルベルク大学歯科保存学のFrank Gabel氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Journal of Epidemiology & Community Health」3月13日オンライン版に掲載された。

伝承童謡の「マザー・グース」でも歌われているように、昔から「子どもが増えると親は歯を失う」といわれてきたが、その科学的な根拠はなかった。そこで、Gabel氏らは今回、欧州27カ国およびイスラエルで実施されている大規模調査Survey of Health, Ageing, and Retirement in Europe(SHARE)のデータを用い、子どもの数と親の欠損歯数との関連について検討した。

解析対象は、第5回調査(2013年)の対象となった欧州14カ国およびイスラエルの50歳以上の男女3万4,843人(平均年齢67歳)。健康な人には通常、親知らずを含めて32本の歯があるが、対象者では平均10本の歯を欠損していた。

解析の結果、対象者が高齢になるほど欠損歯が増え、50~65歳の女性では平均6.7本、80歳以上の男性では平均19.3本を欠損していた。また、同じ性別の子どもを2人産んだ後に3人目を産んだ女性では、性別の異なる子どもが2人いる女性と比べて残っている歯の本数が平均4.27本少なかった。一方、男性では子どもの数による歯の欠損への影響は認められなかった。さらに、学歴が高い女性と比べて低い女性では残っている歯が少ない傾向も認められた。

この結果を踏まえ、Gabel氏らは「妊婦や育児中の女性をターゲットに口腔衛生の維持や歯の健康に良い栄養の摂取、定期的な歯科検診の受診を推進する取り組みを強化することが、合理的な戦略となるのではないか」と指摘している。

ただし、今回の研究は子どもを3人産んだことが原因で歯を失うという因果関係を証明したものではない。また、特定の家族構成である男女を対象としており、規模も比較的小さいため、Gabel氏らは慎重な解釈を求めている。さらに、女性の歯の欠損に影響する因子が妊娠関連のものなのか、あるいは育児に関連したものなのかについても、今後の研究で明らかにする必要があるとしている。(HealthDay News 2018年3月15日)

https://consumer.healthday.com/dental-and-oral-information-9/misc-dental-problem-news-174/more-kids-fewer-teeth-for-moms-731934.html

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4.1.1

10年前の金融危機、米国人の血圧や血糖にも影響か

2008年のリーマン・ショックに端を発した金融危機は、失業者の増加や賃金の低下だけでなく、米国人の健康にも大きく影響したことが米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デービッドゲッフェン医学部老年医学のTeresa Seeman氏らの研究から明らかになった。金融危機の後、降圧薬や血糖降下薬による治療を受けていた人で血圧値あるいは血糖値が上昇したことが分かったという。この研究結果は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」3月12日オンライン版に掲載された。

2007年から2009年にかけて起こった金融危機は、米国人にさまざまな面で大きな影響を与えた。米国では、経済的な影響を受けたと報告した国民の割合は40歳以上では70%を超え、金融危機は失業率の上昇や不動産価格の下落などをもたらした。老後資金を失ったり、自宅を手放さざるを得なくなったりする人も珍しくなかった。

こうした経済的な打撃に加え、金融危機は米国人の健康にも影響した可能性があると考えたSeeman氏らは、米国の地域住民のコホート研究であるMESA研究の2000~2012年のデータを用い、同研究に参加した地域住民約4,600人を対象に血圧値や血糖値がどのように変化したのかについて検討した。対象者は2008年の時点で50~91歳(平均年齢66.7歳)で、大卒者が約40%を占めており、2004~2005年の時点での持ち家率は約71%だった。

解析の結果、金融危機前に降圧薬を使用していた人のうち、2008年の時点で65歳未満だった人では金融危機後に収縮期血圧(SBP)値が12.65mmHg上昇し、65歳以上だった人では同値は約8mmHg上昇していた。一方、金融危機前に降圧薬を使用していなかった人のうち、65歳未満の人ではSBP値は約4.5mmHg上昇し、65歳以上の人では約2.9mmHg上昇していた。

また、血糖値についても金融危機前に血糖降下薬を使用していた65歳未満の人で悪化度が最も大きく、金融危機後には約10%の上昇が認められた。さらに、血糖降下薬を使用していた65歳以上の人では金融危機後に血糖値は約6%上昇していた。一方、血糖降下薬を使用していなかった人のうち、65歳未満の人では血糖値は約1.5%上昇し、65歳以上の人では同値は約0.5%上昇していた。

このように、65歳未満の人では血圧値や血糖値の悪化度が65歳以上の高齢者を上回っていた理由について、Seeman氏らは「(生産年齢にある)若い世代は仕事を失うことに対する不安が大きいからではないか」と推測している。

このほか、今回の研究では金融危機がきっかけで薬剤の使用を中止した人も多いことが示唆された。具体的には、降圧薬の使用率が65歳以上で17%、65歳未満で6%それぞれ低下し、血糖降下薬の使用率も65歳以上で13%、65歳未満で29%それぞれ低下したことが分かった。

以上の結果を踏まえ、Seeman氏は「われわれが予想していた通り、金融危機は健康に悪影響を与えていた。こうした金融危機によるストレスで苦しむ人には失業手当だけでなく健康を維持するためのケアも必要だ」との見解を示している。

この研究には関与していない米ノースカロライナ大学の循環器医であるRoss Simpson Jr.氏は、「この研究は心血管の健康状態に関連した血圧値や血糖値などの指標にストレスフルな環境が影響することを初めて示したものだ。ストレスフルな状況にある患者では特に心血管のリスク因子に注意する必要があることを再認識させる研究結果ともいえる。医療従事者は、患者が処方された薬剤をきちんと服用し、健康的な食事を取り、運動しているのかを必ず確認すべきだ」と話している。(HealthDay News 2018年3月12日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/blood-glucose-monitor-news-69/great-recession-of-2008-triggered-more-than-financial-woes-731860.html

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Female fingers touching tablet with colorful applications

スマホにタッチするだけで血圧測定が可能に?

近い将来、スマートフォン(スマホ)の画面に触れるだけで簡単に血圧を測定できる日が来るかもしれない―。米ミシガン州立大学のRamakrishna Mukkamala氏らは、スマホに装備すれば画面に指を押し付けるだけで即時に血圧値を測定できる装置を開発したことを「Science Translational Medicine」3月7日号に掲載された論文で報告した。

Mukkamala氏らが今回、先端技術の3-Dプリンティングを用いて開発したのは、光電式容積脈波記録法(フォトプレチスモグラフィ;PPG)と呼ばれる技術を用いて指先の血流量を測定するセンサーと力センサーを重ねた特殊なスマホケース型の装置だ。ユーザーがケースに埋め込まれたセンサーに指先を押し付けると、指先の動脈の血圧が測定される。その情報はスマホのアプリで処理され、上腕動脈の血圧値に変換されて画面に表示されるという。

30人を対象とした実験では、対象者の約90%が1、2回の練習で新たな装置による正しい測定法を身に付けることができた。また、この装置で測定した血圧値の正確性は、上腕カフやフィンガーカフを用いた通常の血圧測定器と遜色ないことも示された。

この研究には関与していない2人の循環器医は、「大変革をもたらす可能性を秘めた装置だ」として大きな期待を示している。米ロングアイランド・ユダヤ医療センターのJoseph Diamond氏は「正確に血圧を測定する技術は、高血圧管理を左右する重要なものだ」とした上で、「この新たな装置による血圧測定が標準的な血圧測定法の一つとして位置づけられるまでには、より厳格な検証を行う必要がある」と付け加えている。

また、米レノックス・ヒル病院のRachel Bond氏は、最近米国心臓協会(AHA)が高血圧の基準値を収縮期血圧130 mmHg /拡張期血圧80 mmHgに引き下げたことに言及。「今後、病院の外でも簡単に血圧を測定できる装置を必要とする人は増えるはずだ」と指摘し、新たなスマホ用装置の登場に期待を寄せている。ただし、同氏も「どのような種類の(ポータブル)デバイスであっても、まずは医療機関に持っていき、その精度を確かめることを強く勧める」と話している。

なお、今回報告されたMukkamala氏の研究は、米国立衛生研究所(NIH)の資金提供を受けて実施された。(HealthDay News 2018年3月7日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/high-blood-pressure-health-news-358/blood-pressure-check-there-may-soon-be-an-app-for-that-731705.html

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1-2 HDN3月22日「ヘルスハイライト」No.2

「理髪店の薬剤師」が血圧管理に一役

散髪のために理髪店を訪れた高血圧患者に対して、理髪師が散髪するだけでなく薬剤師が血圧管理を行うことで、血圧が有意に低下することが米国で実施されたクラスター・ランダム化比較試験(RCT)から明らかになった。この研究結果は「New England Journal of Medicine」3月12日号に掲載された他、米国心臓病学会(ACC 2018、3月10~12日、オーランド)でも発表された。

この試験を実施したのは米シーダーズ・サイナイ病院心臓研究所副所長のRonald Victor氏ら。対象は、ロサンゼルス郡の黒人が店長を務める理髪店52店舗に通う収縮期血圧140mmHg以上の黒人男性319人(年齢は35~79歳)。このうち28店舗を薬剤師が血圧管理を行う群(介入群)、残る24店舗を薬剤師による介入を行わない対照群にランダムに割り付けた。

介入群では特別な訓練を受けた薬剤師が高血圧の黒人男性と理髪店で定期的に面談し、降圧薬を処方し、血圧を測定した。また、生活習慣の指導や血中の電解質などの監視を行い、プライマリケア医に進捗状況を報告した。一方、対照群では訓練を受けた理髪師が散髪に来た黒人男性に生活習慣の是正を促し、プライマリケア医の受診を勧めた。

その結果、6カ月後の収縮期血圧値は対照群で9.3mmHgの低下にとどまっていたのに対し、介入群では27.0mmHgもの低下が認められた。また、正常血圧の基準(収縮期血圧130mmHg/拡張期血圧80mmHg未満)を満たした男性の割合も、対照群の11.7%に対して介入群では63.6%に達していた。

Victor氏は「今回の試験では薬剤師が理髪店で医療ケアを提供したが、患者の受診を待つのではなく患者がいるところに出かけて医療ケアを提供するアプローチをとることで、適切に血圧を管理し、多くの人の命を救うことができる」と説明。また、特に黒人では高血圧の有病率が高いため、「(高血圧によってリスクが上昇する)脳卒中や心筋梗塞、心不全、そして早期死亡から黒人を守るための新たな方策が必要だ」と強調している。

また、今回の試験に参加した薬剤師のC. Adair Blyler氏は「病院や診療所ではなく、患者のいるところに出向いて接すると、患者により大きな信頼感や敬意を持ってもらえるようだ。実際、今回の試験で担当した患者たちとは、これまでの薬剤師としてのキャリアの中で経験したことのないレベルで厚い信頼関係を結ぶことができた」と語っている。(HealthDay News 2018年3月12日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/blood-pressure-news-70/barbershop-pharmacists-a-good-rx-for-high-blood-pressure-731841.html

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1-2 HDN3月19日「ヘルスハイライト」No.1

看護師が自らの心筋梗塞に対処、一命取り留める

オーストラリア西部の過疎地で勤務中に心筋梗塞の発作を起こした44歳の看護師の男性が、自らの処置で一命を取り留めたとの報告が「New England Journal of Medicine」3月8日号に掲載された。

オーストラリアの医療過疎地には看護師が限られた範囲内で診療を行う「ナーシングポスト」と呼ばれる医療機関がある。この男性は、ウェスタンオーストラリア州の州都であるパースから1,000km以上離れたコーラルベイという町のナーシングポストで勤務中に、胸痛とめまいを覚えたという。

その時、周囲に医療スタッフはいなかった。また、最も近い医療機関は150km離れていた。そこで、男性は自ら2回にわたって心電図検査を行い、救急遠隔医療サービスを介してそのデータを救急医にメールで送った。

これらの心電図データはST上昇型の下壁心筋梗塞を発症していることを示すものだった。男性は直ちに自身の静脈路を確保し、自分の命を守るために抗血小板薬や硝酸薬を服用し、抗凝固薬と鎮痛薬を静脈内投与した。Tenecteplaseを用いた血栓溶解療法はビデオ通話で指導を受けながら行った。さらに男性は自分の身体に除細動パッドを貼り付け、アドレナリンやアトロピンなども準備した。

その結果、閉塞していた冠動脈が開通し、心電図でSTの上昇が認められなくなり、症状も消失した。その後、救急隊員が到着し、男性はパース市内の循環器センターに小型飛行機で搬送され、ステント治療や薬物治療が行われた。そして搬送されてからわずか48時間後に必要な薬剤を処方され退院したという。

この症例について報告したサーチャールズ・ガードナー病院(オーストラリア)のFelicity Lee氏らは、「訓練を受けた医療従事者が必要に迫られて取った行動であり、このケースでは命を守るためにそれしか選択肢がなかった。しかし、他に選択肢があるのなら、自分で心筋梗塞に対処することは医学的には望ましくない」との見解を示している。

米国の専門家の一人でノースショア大学病院循環器科のCindy Grines氏もこれに同意し、「心疾患は専門医に診てもらう必要がある。ユーチューブの動画を見ながら自分で対処すべきではない」と強調。「胸が締め付けられるような痛みや冷や汗、喉や左腕、上腹部の痛み、呼吸困難、ふらつき、めまいなどの心筋梗塞が疑われる症状があれば、直ちに医療機関に連絡してほしい」としている。

米レノックス・ヒル病院の循環器医であるSatjit Bhusri氏も、今回のケースは応急処置に必要な物が揃った環境で起こった出来事であり、極めてまれな状況だったと指摘。「万が一この男性と同じ状況に陥ったら、あらゆる手段を駆使して助けを求めるべきだ」と話している。(HealthDay News 2018年3月7日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-attack-news-357/australian-nurse-treats-survives-his-own-heart-attack-731767.html

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4.1.1

たばこのニコチン含有量、米国で規制へ

米食品医薬品局(FDA)は3月15日、米国で販売される紙巻きたばこに含まれるニコチンの量に上限を設ける計画を発表した。最終的な目標として、FDAは「ニコチンへの依存性をもたらさない含有量に抑えたい」としている。

FDA長官のScott Gottlieb氏は、記者説明会で「規制は短期間に喫煙者を死亡や疾患の原因となる燃焼たばこ製品から遠ざけ、燃焼によって生じる有害物質をもたらさないニコチン含有製品への切り替えを促進する可能性がある」と話した。ただし、喫煙者を禁煙に導く「橋渡し役」として期待されている電子たばこなどの紙巻きたばこ以外の製品については「厳密な評価が必要」との見解を示した。

FDAによると、紙巻きたばこを主としたたばこ製品の喫煙が原因で死亡する米国民は年間48万人を超え、その医療費や生産性の損失で約3000億ドル(約31兆円)を費やしていると推定されている。Gottlieb氏は「紙巻きたばこのニコチン含有量の規制をはじめとするさまざまな政策によって、たばこが原因の死亡を減らせる可能性がある」と説明した。

一方、FDAたばこ製品センターのMitch Zeller氏は「毒性や依存性、普及率、非喫煙者への影響などを総合的に勘案すると、紙巻きたばこは公衆衛生において最大の負担をもたらしているたばこ製品だといえる」と指摘。また、「紙巻きたばこは、長期にわたって喫煙習慣がある人のほぼ半数に早期死亡をもたらしうるにもかかわらず、合法的に販売されている唯一の製品だ」と話し、その有害性を強調した。

なお、ニコチン含有量の上限値や、規制の導入を一気に、あるいは段階的に行うかなどについては、一般から寄せられた意見や科学的データの分析に基づき決定する。Gottlieb氏は「規制によって高用量のニコチンを含有するたばこ製品が闇市場で販売されるなど、予期できない問題が生じる可能性もある」と付け加えた。

それでも、「New England Journal of Medicine」3月15日オンライン版に発表されたFDAのグループの研究によると、紙巻きたばこのニコチン含有量の規制によって1年以内に約500万人の喫煙者を禁煙に導くことができると予測されている。また、規制によって日常的な喫煙者とならずに済む人は2100年までに3300万人を超えると推定され、特に若年層での喫煙回避に効果的だとみられているという。さらに、現在は米国の喫煙率は15%だが、規制によって1.4%まで下がるとの予測も示されている。

呼吸器専門医の一人でノースウェル・ヘルス喫煙対策センターのAndrea Spatarella氏は、今回のFDAの動きを称賛し、紙巻きたばこのニコチン含有量の削減は「素晴らしいコンセプトだ」と評価。「たばこを原因とした死亡者数は多く、国民の健康に重くのしかかっている負担を軽減、あるいは解消するための取り組みであれば、どのような内容であろうと検討に値する」と話している。

反たばこ団体の米たばこフリー・キッズ・キャンペーン代表のMatthew Myers氏も、「規制によって得られるベネフィットは極めて大きい。できるだけ迅速に導入してほしい」と話し、「これ以上、喫煙する若者やそれによって命を奪われる若者を増やさないために、この計画を阻むいかなる動きも認めるべきではない」と強調している。

しかし、一部の専門家からはニコチン規制の効果を疑問視する声も上がっている。米レノックス・ヒル病院の呼吸器専門医であるLen Horovitz氏は「紙巻きたばこのニコチン含有量を抑えれば、喫煙者はたばこの本数を増やすだけだろう」と予測する。前出のSpartarella氏も「満足できる量のニコチンが含まれていなければ、喫煙本数を増やす喫煙者はいるだろう。違法なルートで高用量の紙巻きたばこを手に入れようとする人もいるかもしれない」と話している。(HealthDay News 2018年3月15日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/cigarette-smoking-tobacco-health-news-665/fda-considers-lowering-nicotine-levels-in-cigarettes-732002.html

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33073

世界の平均寿命、延伸に陰り

世界の平均寿命は延び続けているが、以前と比べると延びが鈍化してきたことが米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院教授のDavid Bishai氏らによる研究から明らかになった。その要因は不明だが、同氏らは「生物学的な寿命の上限に達したために延びなくなったわけではない」との見方を示している。この研究結果は「BMC Public Health」1月17日オンライン版に掲載された。

Bishai氏らは今回、世界139カ国の1950~2010年の平均寿命に関するデータを分析し、10年ごとの延伸年数を調べた。その結果、世界の平均寿命は1950年代(1950~1959年)には平均で9.7年延びていたが、2000年代(2000~2009年)には平均で1.9年の延伸にとどまっていた。

また、平均寿命が71歳以上の国では、平均寿命の延伸年数は1950年代の4.8年から2000年代には2.4年と半減していた。一方、平均寿命が51歳未満の国では、1950年代には7.4年延伸したものの2000年代には6.8年も短縮したことが分かった。

世界の平均寿命が以前のように延びなくなってきた原因は不明だが、本来であれば大幅に延伸する余地がある平均寿命の短い国でその傾向が強く認められたことから、同氏らは「生物学的な寿命の上限に達したことを意味しているわけではない」としている。

また、平均寿命の短い国で近年になって平均寿命が短縮した原因の一つとしてHIV・エイズの蔓延による影響が考えられるが、Bishai氏らは「それだけでは説明がつかない」と指摘。その理由として、HIV・エイズの流行が始まった1980年代よりも前からこうした地域で平均寿命が延びなくなってきていること、HIV感染がそれほど問題になっていない地域でも同様の傾向が認められることなどを挙げている。

Bishai氏は「平均寿命が延びない国々は脆弱な状況にある場合が多く、余命の延伸に向けた取り組みすら行われていない国も少なくない」と指摘。世界の公衆衛生における問題として捉え、政治的な意思の下で取り組む必要性を訴えている。(HealthDay News 2018年3月2日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/misc-aging-news-10/global-gains-in-life-expectancy-slow-to-a-creep-730617.html

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33182

85歳以上では高コレステロールが認知機能低下を抑制?

高齢者の中でも特に高齢の人では、総コレステロール(TC)値の上昇が認知機能低下リスクの低さに関連するという予想外の研究結果が「Alzheimer’s & Dementia」3月4日オンライン版に掲載された。中年期以降のTC値の上昇は、84歳以下の高齢者では認知機能低下リスクを高めるが、85歳以上の高齢者では同リスクを低減することが分かったという。

この研究を実施したのは米マウントサイナイ・アイカーン医科大学精神医学教授のJeremy Silverman氏ら。マサチューセッツ州フラミンガムの住民を対象とした疫学研究であるフラミンガム研究に参加し、研究登録時の認知機能が正常だった男女約1,900人のデータを分析した。

その結果、中年期と比べてTC値が上昇すると、75~84歳の高齢者では研究登録時から10年後までに認知機能が低下するリスクが50%高くなったが、85~94歳の高齢者では同リスクが32%低くなることが明らかになった。また、スタチンの使用が認知機能低下の抑制に関連することも分かったが、加齢に伴いその効果は低下していた。

ただし、この研究結果について、Silverman氏は「85歳以上の高齢者は、認知症予防のためにコレステロール値を高めるようにした方が良いことを示したものではない。また、因果関係が証明されたわけではない」と強調し、慎重な解釈を求めている。その上で、同氏は「85歳になると、突然コレステロールが健康に良いものになるわけではない。高コレステロールというさまざまな疾患のリスク因子がありながらも85歳まで長生きできるような人は、高コレステロールによる悪影響から身を守ってくれる何らかの因子を兼ね備えている可能性が高い」と説明。「今後、こうした高齢者をターゲットとした研究を実施すれば、認知機能の保護に関連した因子を明らかにすることができる可能性がある」と期待を示している。

一方、この研究には関与していない専門家で、アルツハイマー協会学術プログラムのディレクターを務めるKeith Fargo氏も、「心臓の健康に関連した因子は、高齢者の認知機能に強く影響する」とした上で、「認知機能の低下を抑制するためには高齢になってもコレステロール低値を維持することが重要だ」と強調している。また、同氏は「年齢を重ねても認知機能が低下しない、未知の保護的な因子を持ち合わせている高齢者が一部には存在しているようだ。しかし、こうした人たちには平均的な高齢者とは違った、何らかの特徴があるのだろう」と話している。(HealthDay News 2018年3月5日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/dietary-choloesterol-news-130/high-cholesterol-tied-to-i-better-i-brain-health-in-those-over-85-731680.html

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